麻生VS小沢、第1ラウンドは?
- 2008/10/02(木) 00:59:41
麻生太郎首相は29日、所信表明演説を行ったが従来の慣例をやぶり、1.国会での合意形成をする気があるのか 2.補正予算案に賛成か反対か(反対なら代案を示せ) 3.消費者庁創設に賛成か 4.日米同盟と国連のどちらを優先させるか 5.インド洋での給油活動継続の是非という5点について見解を明らかにするよう民主党に対し、具体的に質問した。
これに対して野党側は、首相が慣例をやぶって野党・民主党に質問したことに猛反発した。
参考記事
麻生首相所信表明演説
1.就任に当たって
2.国会運営
3.着実な経済成長
4.暮らしの安心
5.簡素にして温かい政府
6.地域の再生
7.持続可能な環境
8.誇りと活力ある外交・国際貢献
9.おわりに
29日の所信表明演説において、古いしきたりを破って麻生首相が野党に対し具体的な政策について質問したことに、野党側が猛烈にかみついた。
結論から先に言えば、国会で与党が野党に質問してどこが悪いのだろうか?
野党にしてみれば、うまく切り返して与党をへこまし、政策の優秀さを国民にアピールする絶好のチャンスではないか。
それをそろいもそろって野党各党が敵前逃亡するのだから情け無い限り。
秘書給与詐欺で逮捕され懲役2年執行猶予5年の判決が確定した社民党の辻元清美議員が、当時の議員辞職会見で「(国会で)もっと質問したかった」を連発していたのにものすごい違和感を感じたのだが、
国会でもっぱら質問するのは野党で、与党はその説明に追われることに終始し、逆に与党が野党の矛盾点を質問したら、野党側が逆ギレして子供のようにヘソを曲げるというのでは、健全な国会のあり方とはとうてい言えない。
日本の国会にそういった傾向があるからこそ、日本の野党は与党のやる事に何でもケチをつけて揚げ足をとることばかりに熱心で、国民にとって役に立つ現実的に実行可能な代案というものを考えもしない。
民主党も含め、だからいつまでたっても政権を任せられるような地に足のついた大人の政党になることができないのである。
日本の国会システムは、そうした甘ったれ野党ばかりをつくりだしてきた。
自分は批判されないところから与党のやることなすことすべてにケチをつけているつもりで、いざ与党から矛盾点を質問されると「与党が野党に質問するなんてケシカラン」と逆上する。
どこまで甘ったれなのだろうか。
首相の所信表明演説と野党の代表質問も含めて、もっともっと国会は言葉と言葉・政策と政策が激突する真剣勝負の場にならないといけない。
各委員会の審議などでも、出来レースのような質問と答弁なんかいらない。もっと与野党が政策を激しく戦わせてほしい。
国民の見ている前で、政策に無知で甘ったれな政治家がどんどん恥をかくようなシステムにして欲しい。
こうして鍛えられれば政治家のレベルはもっと上がり、日本ももっと良くなるだろう。
その点、無意味で古臭いしきたりを破った麻生首相の所信表明演説はとても良かった。
首相が変わっただけで政治がこうも面白くなるものか。
さて、古いしきたりを破った所信表明演説で麻生首相に名指しで質問され、国民の注目が集まった民主党だが、民主党の小沢代表は「私の所信を申し上げることにより、首相への答弁としたい」としたものの答弁になっておらず、麻生首相の質問をほとんど無視した。
参考記事
小沢党首代表質問
社会人に求められる能力に、コミュニケーション能力をあげない企業はまずないだろう。
代表質問を見る限り、小沢党首のコミュニケーション能力はほとんどゼロ。
麻生首相から日本の将来を左右する重要な質問を具体的に受けているのに、与党のダメな点をつく絶好のチャンスなのに麻生氏の挑戦から逃げてしまい、民主党の言いたい事を一方的に言いはなって終わり。
小沢氏の方から会話のキャッチボールを拒否してしまっている。
特にアメリカ発の金融不安から世界恐慌の再来が危ぶまれているなか、補正予算案について小沢党首が、賛成も反対もその代案もまったく示せないというのは致命的ミス。
麻生対小沢のガチンコ勝負一回戦は、麻生氏の勝利となった。
公平さを期すために、小沢党首の代表質問の内容を見ておきたいが、かいつまんで言えば、1.政府のムダ使いをへらし国民に増税してそのお金を農家・漁師などにばらまけば日本は良くなります。 2.とっとと衆議院を解散しろ、の2点だけ。
1について言えば、失業した父親が「家のムダ使いを無くせば家族は安心して暮らせるようになる」とだけ言うようなもの。
問題は今あるケーキをどう分けるかじゃなくて、今あるケーキをどう大きくしていくか、つまり失業した父親に仕事を与えること、日本に新しい産業と雇用を創出していくことが大事なのである。
麻生首相は、環境保護やエネルギー技術で新しい産業と仕事を生み出すと所信表明演説で具体的な処方箋を示したが、小沢民主党はまったく示せていない。
小沢氏はその代わり、ばらまき用の財源・20兆5000億円のうちわけをようやく示したが、所得税控除の見直しなど4兆2000億円の増税という新たな国民負担が前提となっているようで、ばらまきの1/5は国民が新たに税金を払った分が返ってきただけ。
それでどうして雇用や所得が増え日本経済が良くなるのか。
(以前、民主党なら増税しないというデマもネットに流れていたようだが)
また、外国為替資金特別会計運用益は私もこれまで注目していたが、現在アメリカ発金融不安が原因のドル安・ドル金利急落という状況にある。
アメリカの政策金利が4%オーバーで1ドル120円台だった数年前ならいざ知らず、日米金利差縮小と円高傾向が続いている今、6兆5000億円もの運用益が本当に出るのか。
公務員人件費を1兆1000億円減らすとしているが、地方公務員(自治労・日教組)の人件費はどれくらい減らせるのか。
特別会計の廃止というが、60年ルールで借換え・償還している国債整理基金特別会計や年金・保険の各特別会計を本当に廃止できるのかと疑問だらけである。
これで4兆2000億円の増税分を差し引いた16兆3000億円の財源が本当にひねり出せるのだろうか。
ここまで見てきて、民主党は国民を食わしていかれない、経済に弱い素人集団という感がどうしても否めなかった。
麻生対小沢のガチンコ勝負一回戦は、小沢氏の逃亡で麻生氏の勝ちとなった。
活発な論戦に期待した国民も小沢氏にはがっくりである。
民主党は与党に質問されただけで逆ギレという甘ったれぶりを見せ、肝心の経済政策面でも国民の仕事や収入をどう増やして行くのか具体策も示せていない。
政府のムダをはぶくというが、それも元はと言えば国民が払った税金である。タコで言えば自分の足だ。
4兆円の増税も含め、民主党の経済政策は「タコが自分の足を食って生き延びろ」みたいなものばかり。
民主党は二言目には「とっとと衆議院を解散しろ」だが、衆議院解散だけでは国民は食っていけないし、そもそも政策ですらない。
これで民主党が政権を取ったら国民のくらしは不安でいっぱいである。

↑小沢民主党は、国会で質問されたぐらいで逃げるなと思う方はポチッとしてください↓
人気blogランキング
テーマ:
- 政治・経済・時事問題 -
ジャンル:
- 政治・経済
中山国交相が辞任
- 2008/09/30(火) 00:16:46
中山成彬国土交通大臣は一連の”失言”の責任をとるとして、28日に麻生太郎首相に辞表を提出した。
参考記事
中山国交相が辞任した。
マスコミが”失言・暴言”としているものについて、成田空港問題については、国交省の前身である運輸省が力づくで住民の土地を奪うという民主的な法治国家としてやってはいけないことをやってしまったのがボタンの掛け違いの最初であるから、中山氏を支持できないし、ご本人も勉強不足であったと認めている。
単一民族という語句を使ったことについては不適切だったかもしれないが、発言全体の趣旨は「日本を外国人により開かれたものにしよう」ということで、単一民族による鎖国主義・国粋主義に反対しているのは明らか。
中山氏の単一民族発言に目玉をひんむいて批判している勢力なら、むしろ歓迎する話ではないのか。
彼の発言の趣旨について、私はどこに問題があるのか全くわからない。
マスコミは日本語が不自由な人間ばかりなのか?
中山氏に当初から悪意を持っていた人間が、発言の全体を見ずに揚げ足をとっているだけであろう。
そして問題の核心とも言える「日教組をぶっ壊す」発言だが、私も、教師の労働組合である日教組が社会にさまざまな悪影響を与えてきたと考えている。
戦前の日本政府が特定のイデオロギーを教育界に強制したと非難する日教組だが、その日教組が特定のイデオロギーやバイアス(偏向)をまったく排除した教育を戦後行ったというならまだわかる。
だが、日教組は戦前のイデオロギー教育を非難しながら、戦後は自分たちの信ずるイデオロギーを子供たちに強制したのである。しかも子供や親に拒否権の無い義務教育の場で。
我田引水も良いところだ。
学級崩壊現象やモンスターペアレンツの出現は、言わば「日本人とその社会はダメだ、ダメだ」という日教組イデオロギー教育の”輝かしき成果”であり、天にツバを吐いた教師の顔に時間差で落ちてきたツバが、学級崩壊やモンスターペアレンツなのである。
落ちてきたツバのおかげでノイローゼになる教師も続出と聞く。
また、マスコミがどういうわけか追求しないのだが、大分県に代表される教師やその組合・教育委員会の腐敗もひどい。
ズルした人間がカネの力で報われ、マジメな人が損をするというのでは、子供の教育上よくない事この上ない。
そうした意味において、私は中山氏の言いたいことについては至極もっともだと思うのだが、言葉の使い方が適切ではなかったし、中山氏が大臣を辞職し、自分を任命してくれた麻生首相に謝罪をさせるようでは元も子もない。
大臣職にとどまりながら、自らの政治信念に基づいて黙々と国家・国民のために働いた方が有益だったと思うし、次に何を出すか、いちいち宣言しながらジャンケンをするのは賢明でない。
麻生首相に了解をもらい、ああいった発言をした上で大臣を辞めず、最後までがんばるというならわからなくもないが、辞職してしまった今となっては「一体なんだったのか」という残念な気持ちでいっぱいである。
中山氏の軽率な猪突猛進策であった。
大半のマスコミが援護した親中リベラルの福田政権が終わり、マスコミが敵視する麻生氏が首相になったのだということを忘れてはいけない。
安倍政権の時と同様、麻生政権を倒すために、マスコミはどんな小さなつまづきも見逃さないよう、鵜の目鷹の目で麻生政権の閣僚を監視している。
どんな会合であっても、自らの発言が社会にどんな影響を及ぼすのか良く考えた上で発言し、麻生首相に迷惑のかからないようにして欲しい。
後先を考えない猪突猛進策は控えるべきである。
これは麻生氏の許可が得られればの話だが、こうなった以上、中山氏には閣外から、マスコミがスルーしまくりの日教組の腐敗や日教組・自治労と民主党とのつながりを徹底的にあばいて欲しい。
民主党は霞ヶ関官僚を叩いて、さも改革派であるようなことを言っているが、民主党に組織票を入れてくれる地方公務員(つまり日教組や自治労)の改革には及び腰だ。
私は、中央も地方も同じくらい公務員改革が必要だと痛感しているが、民主党のダブルスタンダードはとうてい許しがたい。
毒性のある米を国産の食用米と偽装して販売したことがいま深刻な問題となっているが、金権政治の代名詞・小沢氏率いる経世会と教育問題や年金問題で腐敗きわまる日教組・自治労が支持する旧・社会党をミックスして、看板だけつけかえたのが政界の偽装米・民主党である。
ところで民主党の山岡賢次・国対委員長が29日に出演したTBS系の番組”朝ズバッ!”において、
「(中山氏の辞任は必要無いという意見を)もし若い方たちが知らずに表明しているのか、あるいはある程度分かりながら表明しているのか。分かっているとしたら、歴史が回転してる」
「(麻生首相や中山氏)そういう人達がやっぱり人気が出てくる、秋葉原で人気が出てくる、と。これはある意味では戦前のドイツや日本の現象に回帰しており極めて危険」
「リーダーがそういうのを煽ってると、日本がまたいつか来た道に行く恐れがある」
などときわめて深刻な失言・暴言を行った。
参考記事
(youtube映像から)
少なくとも私は、日教組が教育に自らのイデオロギーを持ちこんだことに問題があったということを知っていて、それについて批判しているのであるが、それと民主党の山岡議員の言う歴史の回転うんぬんとは全く関係の無い話である。
「戦前のドイツや日本の現象に回帰しており極めて危険」「日本がまたいつか来た道」というのは明らかにナチズムや軍国主義を指しているが、これまでの記事を読んで頂ければお分かりのように、私ほど民主主義の重要性を訴えてきた人間もいないと自負しているし、外国を侵略せよと主張したことも無い。
私が支持する麻生首相だって、ナチズムや他国への軍事侵略を奨励しているなんて話は聞いた事が無い。
その麻生首相や彼を支持している私や他の皆さんに、「ナチ・軍国主義者」とあらぬ言いがかりをつける民主党の山岡議員によって、我々の尊厳と感情が著しく傷つけられた。
深刻な差別発言であり人権侵害である。
許しがたい暴言を吐いた民主党の山岡賢次・国対委員長は即刻、議員辞職すべきだ。
山岡賢次・民主党国対委員長
栃木4区選出(小山市・真岡市・芳賀郡<市貝町・二宮町・芳賀町・益子町・茂木町>・下都賀郡<岩舟町・大平町・都賀町・野木町・藤岡町・壬生町>)
国会事務所
〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第1議員会館606号室
電話 03-3502-8888 FAX 03-3502-8855
小山事務所
〒323-0820 栃木県小山市西城南3-1-28
電話 0285-28-8888 FAX 0285-28-7889
真岡事務所
〒321-4362 栃木県真岡市熊倉2-18-5
電話 0285-83-8888 FAX 0285-83-8889
メール http://www.yamaokakenji.gr.jp/000050.html
↑麻生政権を支持すればナチという暴言は許せない、民主党・山岡議員は辞職すべきという方はポチッとしてください↓
人気blogランキング
小泉氏が政界を引退
- 2008/09/27(土) 01:32:40
小泉純一郎元首相が、政界を引退する意向を地元後援会や町村派事務所に伝えたことが明らかになった。
参考記事
小泉元首相が引退を表明した。
こういう見方をする人もいるが、引退の本当の理由は本人だけしか知り得ない。
北朝鮮への経済制裁を最後までためらっていたから、小泉氏の政策を100%支持していたわけではないが、それを差し引いても彼の功績は大きいものがあった。
まず靖国神社に参拝して、自虐思想と「日本人は、中国や韓国・北朝鮮の言う事は永久に従わないといけない」という、日本社会を飲み込んでいた陰鬱な雰囲気をブチ壊したのは大きかった。
これが特にネット界に顕著な、国益や国家戦略を考える新しい日本人の覚醒を促した。
北朝鮮から拉致被害者とその家族の一部を取り返したことも、100点満点の出来ではないにしても功績のひとつだ。
安倍政権誕生への道筋をつけてくれたことも忘れてはなるまい。
そして小泉氏と言えば構造改革である。
大学時代の政治学の先生から、「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない。そういう状況でどう利害を調整していくかを考えるのが政治である」と教わった。
「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない」という状況が最も激しくあらわれるのが改革期であろう。
日本は長い歴史のある国だが、この150年あまりをとって見ても大きな改革期がいく度もあった。
まず明治維新である。
徳川幕藩体制は、科学力で勝る欧米帝国主義列強から侵略の脅威を受けていた。
そこで日本は明治維新をなしとげ、常備軍と官僚制、憲法と議会を持つ近代国家へと改革の道を突き進むが、その過程で新政府に居場所を見つけられなかった武士は、秩禄処分や廃刀令で収入源も特権も失ってしまった。
新政府も士族授産のような救済策を講じたが、失業した武士の職業転換がうまくいかず彼らの不満がつのっていった。
そうした人たち・不平士族は明治新政府に対する抵抗勢力となり、佐賀の乱・神風連の乱といった士族の反乱につながり、最後は西南戦争までいってようやく鎮圧された。
日本が、欧米列強に負けないような競争力をつけるためには、それまで国家を指導し軍事力の基礎でもあった武士をリストラし、近代的な官僚制と常備軍を整備することが何としても必要であった。
近代国家への改革をすすめれば、リストラされる武士を立てられない、リストラされる武士の言い分を認めれば、近代国家への改革と日本の競争力強化が成り立たない。
もし不平士族の恨みを買うのが怖いからといって、「日本の誇りである武士をリストラして欧米式の常備軍を保有するのは国辱である」といって武士が主導する徳川幕藩体制に戻していたら、日本は欧米列強に対する競争力を高める事はできず、他のアジア諸国同様、植民地にされていたかもしれない。
リストラ対象の武士を救うために、日本全体を犠牲にすることは出来なかった。
これは改革が成功したケースだが、上手くいかなかったケースもある。
日露戦争の勝利は、明治維新という改革成功のクライマックスであったが、まもなく起こった第一次世界大戦が大きな転機となった。
飛行機や戦車が初めて実戦投入された第一次世界大戦は、それまでの戦争のやり方を一変させる科学戦・総力戦であった。
日本は第一次世界大戦を直接経験しなかったが、第一次世界大戦を良く研究して日本の行く末を心配する人たちが軍にいた。
彼らには、国際連盟の常任理事国とはいえ貧しく科学技術力でも欧米に劣る当時の日本は、第一次世界大戦のような科学戦・総力戦が起こった場合、それに耐えることは到底できないという焦りがあった。
そこで1925年、陸軍大臣・宇垣一成が第一次世界大戦の観戦武官であった永田鉄山を陸軍省整備局動員課長にすえて”宇垣軍縮”を行った。
その改革の真の狙いは、陸軍21個師団のうち4個師団をリストラし、浮いた予算で戦車・高射砲・飛行機の各連隊や陸軍自動車学校・通信学校・飛行学校を新設して日本軍を近代化、日本軍の戦闘力を量ではなく質的に向上させ、列強に対する競争力を高めようというものであった。
(ちなみに現在の中国人民解放軍の近代化もほとんど同じ。イラクのフセイン政権に売った中国製59式戦車がアメリカ軍に全く通用せず、湾岸戦争でイラク軍が完膚なきまでに打ちのめされたことに衝撃を受けた中国は、360万いた兵力を100万人単位でリストラし、数千単位で保有していた戦車・戦闘機もケタを一つ減らし、その分高性能な兵器に取り替えている)
しかしその過程で4個師団の将兵ら計34000人が人員整理の憂き目にあって軍内部に深い恨みを残したのと、第一次世界大戦後の世界情勢を理解せず、日露戦争で勝利した軍のやり方をどうして変えなければいけないのかと考える守旧勢力もからんで、軍内部に抵抗勢力が生まれた。
それが永田を中心とする改革派(統制派)と抵抗勢力(皇道派)との、し烈な抗争に発展していった。
皇道派を支持した青年将校も、貧窮する農村で続出する娘さんの身売りを見て(今で言う格差問題)、統制派への憎悪をつのらせていく。
皇道派は永田らを「皇軍を私物化する君側の奸(売国奴)」と見なし(改革に抵抗する人間の理屈はいつの世も同じか)、ついに永田鉄山は陸軍中佐・相沢三郎に暗殺されて、頭脳を失った統制派は事実上崩壊、改革は中途半端に終わってしまった。
これが第二次大戦の結果と日本の運命に大きな影響を与えることになった。
日露戦争で通用した短期決戦主義で行くのか、科学力や生産力を高めて総力戦に耐えられる新しい軍をつくるのかどっちつかずになり、けっきょく真珠湾奇襲から始まる短期決戦主義で行ったが、それが上手くいかなかったときのリスクマネジメント策が無く、アメリカとの総力戦にずるずると引きずり込まれて負けたのである。
日本軍を近代化するためには資金が必要だったが、4個師団34000人のリストラを含め、日本軍の量を減らして質を向上させるしか手がなかった。しかしリストラで恨みを買うからといって量を減らさなければ日本軍を近代化できず、それでは欧米列強に対抗できる競争力を身につけることはできない。
この場合は抵抗勢力が力づくで自らの意見を押し通してしまい、競争力を高めることができなかった日本軍はアメリカに敗れ、国を滅ぼしてしまった。
皇軍を私物化した売国奴が本当はどちらなのか、歴史が教えるところは明らかである。
宇垣軍縮から始まった一連の改革によってリストラされた自らの不満・個人的な恨みを公憤・義憤にすりかえていただけのように思える。
そして現代の小泉改革であるが、昭和30年代40年代には上手く行っていた高度成長期の政治経済システム(政官財の癒着構造)が平成に入ったころにはすっかり制度疲労を起こしていて、バブル崩壊で矛盾が一気に噴出した。
それまで問題にならなかった社会の非効率な部分が一挙に目立ち始め、日本の競争力を弱めていることがわかった。
行きすぎた部分や抵抗によって不徹底に終わった部分もあったが、小泉改革というのはあの時の日本にとって必要なことだったと思う。
公的資金を投入して金融不安を終息させ、国民から集めた郵便貯金や簡保が原資であり官僚の”便利な貯金箱”も同然だった財政投融資制度など特別会計の闇にもメスを入れた。
そうした変化が外からの投資を生み、日本の株価も上昇し、ゆるやかながらも長期の景気拡大を導いた。
国益に反して中国の東シナ海油田開発に融資していた現在の国際協力銀行とそこを監督する財務省から国際援助の決定権を移し、外務省に一本化しようとしたこともあった。(財務省の抵抗でつぶされたが)
私が100%の競争原理やレッセフェール(市場のなすに任せよ)を支持しないことはこれまでも言ってきたし、敗者をつくらず「いっせいのせ」でみんなで同時にゴールするような、結果の平等をつくりだす社会も支持しないことは言ってきた。
日本が取るべき道はその両者の間にあり、ベースは競争によって勝者が報われる社会にするけれども、敗者が固定されないように国や社会が敗者に援助を与え富の再分配を行うべきだと考えている。
そうした意味での改革はこれからも必要だし、否応無しに日本人がずっと列島に引きこもってはいられない以上、世界の列強に食い物にされないよう、日本は高い競争力を維持していかなければならない。
「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない」という状況で、日本の指導者はどうすれば国全体の利益を守れるか、なるべく多くの人をなるべく幸福にできるのか考えていかなければならないと思う。
ところで小泉政権時代に、「郵政民営化した売国奴・小泉のせいで、日本国民の郵便貯金がユダヤ金融資本のハゲタカにそっくり奪われる」といったようなデマが盛んに言われたが、一体いつになったらそれが起こるのか?
バブル崩壊でコケた日本の金融機関が外資に買収されたときも、「小泉は、日本企業を二束三文で叩き売り、外資に日本を乗っ取らせようとする売国奴だ」と盛んに言われたが、アメリカから見れば日本企業は当然外資で、サブプライムでコケたユダヤ金融資本のリーマンを野村HDが二束三文で買収し、三菱UFJがモルガンスタンレーの筆頭株主になりそうだが、野村や三菱UFJを「人の弱みにつけ込むハゲタカ」と批判しないのか。
サブプライムローン問題は、リーマンやモルガンスタンレーを手に入れようとした日本が仕掛けた陰謀とでも言うのだろうか。
もちろん私は野村や三菱が何をしようと「ご自由に」だし、むしろ日本の金融力をパワーアップさせる好機でもある。そうそうアメリカさん、大事にしますからF-22ラプター戦闘機も売ってください。
宇垣軍縮の、日本軍の量を減らし質を向上させる改革でリストラされ、不遇をかこった人間が改革派の中心人物・永田鉄山を売国奴と呼んで暗殺したように、元郵便局の職員なのか知らないが「小泉は売国奴」とか言っていた連中は、小泉改革で割を食った個人的な恨みを義憤・公憤へとすりかえていただけだと思う。
「構造改革で自分は損をしたので小泉を許せない」と主張してみても世間の誰も支持してくれないから国を憂うふりをして、「小泉は国を売ろうとしている。ユダヤが支配するヤミの世界政府に、日本国民の郵便貯金を日本社会全体を差し出そうとしている売国奴だ」と、根拠不明のワケわからないことを言ったのではないだろうか。
そして自らの不満をぶつけるスケープゴートを探していた一部の人が熱狂的かつ盲目的にそれに乗っかってしまったのではないだろうか。
結局自分のことしか考えていない。日本人はいつからこうなったのか。
さきほども言ったように、北朝鮮政策の一部や次男に地盤を世襲させるなど小泉氏のやり方すべてに賛成するわけではないし、失敗した部分もあったが、村山・森・福田の各首相などに比べれば小泉氏はじゅうぶん名宰相の名に値すると私は思っている。
もし小泉氏の政治理念が私と正反対であったとしても、「和を持って尊しとなす」日本人には珍しく、中国・韓国や国内の反対勢力の反発を覚悟でブレることなく自らの信念を貫くその姿勢に、「敵ながらあっぱれ」と一目おいたであろう。
首相をやめるときも政界を引退するときも、引き際がサッパリしていて非常にきれいなのも小泉氏らしい。
国民の一人として「お疲れ様でした」と深く頭を下げたい。
↑日本の真の独立のため競争力強化をという方はポチッとしてください↓
人気blogランキング
関連記事・去りゆく小泉政権に思う
関連記事・FRBは輪転機を回さない
関連記事・アメリカ国債を買えば売国奴?(その2)
テーマ:
- 政治・経済・時事問題 -
ジャンル:
- 政治・経済
ロシアのユニラテラリズム(その2)
- 2008/09/24(水) 23:06:33
前回のつづき
南オセチア問題に限らず国際問題は、どちらが100%正しい・悪いと決めつけるのではなく是々非々で考えていかなければならない。
この問題、私は七割がたロシアに問題があると思っている。
今回のいきすぎたロシアの報復・侵略行為も問題だが、グルジア・ウクライナなど、帝政ロシアの後継者であるソビエト連邦の植民地、あるいはポーランドやチェコなどの衛星国といった”かつての領土”を失ったと考えるロシアの大国意識・覇権主義にこそ最大の問題がある。
それは米ソ冷戦にソビエト・ロシアが敗北した時、自由主義陣営はかつて日本にやったように、ロシアに対し”ウォー・ギルティ・インフォメーション・プログラム”を施さなかったこと、共産主義という名のファシズムで東欧や中央アジアの人々を弾圧・支配し、朝鮮戦争やアフガニスタン侵略を起こしたことに対して、ロシア国民に反省と贖罪の強い意識を持たせるような工作がほとんど行われなかったことと関係があるのかもしれない。
ともかく「不当にも自分の領土を失った」と感じたロシアは、モルドバから沿ドニエストル地域を分離独立させ、ベラルーシにはロシアとの再統合を要求し、グルジアに対しては国内の少数民族に軍事・経済援助を与えて嫌がらせを行ってきた。
アルメニアとアゼルバイジャンが対立するナゴルノカラバフ問題に代表されるように、その地域の二つの民族を戦わせてロシアに一致団結して反抗できないようにするのは、ロシアの異民族統治術の十八番(おはこ)である。
そしてロシアに従わない国々には、石油・天然ガスの価格を増額したり、パイプラインをストップする”石油戦略”も発動している。
ネットでは「南オセチア紛争はアメリカのネオコンが石油のために始めた戦争」と主張する人もいるが、むしろ逆ではないか。
グルジア自体はそれほど資源に恵まれた国ではないが、産油国アゼルバイジャンからグルジアを通りトルコの地中海沿岸の港ジェイハンまで建設された原油パイプラインがある。
このパイプラインは、石油戦略を発動するロシアを通らずに中央アジアの原油を地中海に運べるので、欧米にとっては大変重要なものである。
ロシアにとって、自国の影響力を低下させるこのパイプラインの存在が面白いはずがない。
だからこそロシアはグルジアに侵攻して、グルジア国内の原油輸送ルートを破壊したのであろう。
グルジア紛争が起こった8月はじめは、7月に1バレル=145ドル付近まで急上昇した原油相場のバブルがはじけ、110ドル台後半にまで値を下げていた時期だ。
グルジアで大規模な戦争が起き、地政学的理由から原油価格が再び高騰して喜ぶのは、原油価格の高騰・ドル安・景気減速のトリプルパンチでアップアップしていたアメリカではなく、原油・天然ガス収入で持つロシアではないだろうか。
ロシアのメドベージェフ大統領は、この問題について「欧米との冷戦も辞さない」と勇ましいことを言っている。
以前、今のアメリカはベトナム戦争に負けた直後のような状態と言ったが、イラク戦争によってアメリカの国力がだいぶ疲弊し、サブプライム問題にからむ金融不安がそれに拍車をかけている。
アメリカの外交も、ヒル国務次官補やライス国務長官らによる”リアリズム外交”へと大きく舵を切り、核問題や拉致問題解決のため一向に真剣な態度を見せない北朝鮮に対して無軌道・無原則の譲歩を繰り返した。
核開発をエスカレートさせるイランに対しても、ほとんど指をくわえて見ているだけ。
ロシアもそのようなアメリカの足元を見てグルジア領内深くに侵攻し、欧米諸国に対して第二の冷戦を堂々とふっかけるような冒険主義に走ったわけで、ヒル国務次官補らが主導する”リアリズム外交”の敗北であったといえよう。
アメリカ大統領選挙の支持率も抜きつ抜かれつのデッドヒート状態だが、オバマ候補の外交顧問にカーター政権下で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたブレジンスキーがいる。
”人権外交”をかかげたカーターほど、クレムリンや中南海からナメられた大統領はいない。
ソビエト軍によるアフガニスタン侵略は人権外交敗北の象徴であった。
カーター政権もベトナム戦争に負けてアメリカが弱っていた時期に登場したが、もしブレジンスキーを外交顧問にすえるオバマ政権が誕生して”人権外交”が復活するなら、世界中で西側先進国の同盟国(たとえばグルジアや台湾など)がロシアや中国などの新帝国主義国家群にひっくり返されかねない。日本も決してうかうかしてはいられない。
ベトナムが手のつけようの無い暴君ポルポトを排除すべくカンボジアに侵攻したのもそのころだが、手のつけようの無い北朝鮮をコントロールすべく中国が北朝鮮統治に深く介入することもあるかもしれない。
ロシアが西欧諸国のエネルギー供給源の半分弱を握っている以上、南オセチア問題の解決もロシアの膨張主義・ユニラテラリズムにストップをかけることも容易なことではない。
国連中心主義者が大好きな国連も安保理も、例によってマヒ状態だ。
だが米ソ冷戦時代とは違って、ロシアは世界経済に深く組み込まれ、ロシア自身も資本主義にどっぷりと漬かってしまった。
現在の状況下でロシアと欧米諸国が再び冷戦に入り、世界経済から孤立すれば、いくら資源国とは言えロシアもタダでは済まないだろう。
資本主義経済とその豊かさというものを知ってしまったロシア国民も、豊かさを保証してくれたがゆえに独裁傾向を強めるプーチン政権を支持してきた。
アメリカ発の金融不安から世界規模でのマネーの収縮が起こっているが、世界経済に組み込まれたロシアとて例外ではない。
もしロシアでもマネーの収縮・過剰投資の発覚と金融不安が起これば、絶好調だった経済で大きくつまづくかもしれない。
その時ロシア国民は、社会主義時代のように皆が平等に貧しかった状態におとなしく戻れるだろうか?
南オセチア問題が発端となったロシアによるグルジア侵略は短期的には上手くいくかもしれない。
しかし長い目で見れば、ロシアにとって高くつくものになるだろう。
ロシアの「失った領土を取り返したい」という、被害妄想的なまでの膨張主義とユニラテラリズムは、周辺国に強い恐怖心を思い出させた。
ロシアは、社会の成熟度や文化の高さ・人権尊重といったソフトパワーでも欧米諸国に大きく劣り、周辺国から見て魅力に欠けるものであることを自ら宣伝してしまった。
周辺諸国も、ロシア離れとEU接近の動きをなお一層強めることになると思う。
我が日本も、低信頼社会に属するロシアのことを良く理解し、政治・経済・外交・安全保障の各分野で対策を立てなければ、再び煮え湯を飲まされることになるだろう。
もはやロシアは民主主義国家でも無いし、先進国首脳会議に参加する資格も完全に無くなった。
戦争をしかけろとは言わないが、日本や欧米など民主主義国家群は、外交などその他の手段を総動員して、勇気を持ってロシアや北朝鮮といった独裁国家の無謀な行動に立ち向かうべきだと思う。
特にヒル次官補のように、北朝鮮の無謀な行動に理解を示してやり、”聞き分けの良いおりこうさん”になることが、本来の意味でのリアリズム外交だとは決して思えない。
↑いつも温かい応援ありがとうございます↓
人気blogランキング

























