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同床異夢の日中歴史共同研究

  • 2010/02/03(水) 00:52:45

 先月31日、日中両国の有識者による歴史共同研究委員会は、日中歴史共同研究報告書をまとめ公表した。

報告書は「双方が同意した共通認識ではない」とし、まとめられた各論文も研究者の個人的見解とされている。

参考記事

 各種報道を見る限り、日中歴史共同研究は同床異夢の感が強い。

日本側はあくまでも学者としての研究・意見の交換だが、中国側は一貫して政治イデオロギーの道具。

学説の中身からどこまで研究成果を公表するか、果ては日本側学者との外交かけひきまで、中国側の学者は共産党政府によって一挙手一投足をコントロールされていたようだ。

中国側も、偽書であることがほぼ定説となっている”田中メモランダム”を真偽不明とするなど一部歩み寄りを見せたが、基本的には”中国共産党史観”をしっかりと主張した。

日本側は報告書を公表し、マスコミも日中の主張の違いをわりあい詳細に報道しているが、中国側が国内でちゃんと公表するかどうかは現時点で不明、一部中国マスコミは日中の学説の違いを一切報じず、「成果があった。日本が侵略や南京虐殺を認めた」とだけ伝えている。

これでは対立の火種がくすぶり続けるのは間違いない。

 日中間の歴史認識問題がなぜ解決しないのか?

これは韓国にも言えることだが、中国人が”自分たちだけが歴史を正しく知っている教”の原理主義信者であり続ける限り、絶対に問題が解決することはない。

前述の「成果があった。日本が侵略を認めた」というマスコミ報道に接した中国人はほぼ100%、暗黙のうちに「しぶとい日本人が、南京犠牲者30万人・日中戦争犠牲者3500万人・靖国神社参拝は侵略の否定という我々の主張をようやく認めたのか」と理解することだろう。

だがこれから日本の政治家が”自分たちだけが歴史を正しく知っている教徒”である中国人のドグマ(教義)とちょっと違うことでも言おうものなら、例えば「南京犠牲者30万人説はおかしい」と主張したり、「靖国神社参拝と日中戦争を侵略と認めるかどうかは関係ないことだ」といって参拝したりすれば、中国人は「歴史共同研究でいったん反省したと見せかけて、やっぱり日本人は歴史を歪曲し中国人を裏切りやがった」と大騒ぎするのは目に見えている。

こうした誤解の糸がますます複雑にからみあっていくだけだろう。

中国人が”自分たちだけが歴史を正しく知っている教”から抜け出すにはまず中国が民主化し、独裁政権のサジ加減一つで13億国民に何を知らせ何を知らせないかコントロールできる体制が崩壊することが出発点で、韓国を見ればわかるように、違う価値観を持つ人の意見にも謙虚に耳を傾けるというところまで民度や社会の成熟度を上げるためには、民主化以降も何十年とかかることだろう。

 よくドイツとフランスが共同歴史教科書を作成した例を出す人がいるが、これを東アジアでやって成功させるには、中国や韓国・北朝鮮の民度・社会の成熟度が足りなすぎる。

フランスの人口以上の人間がナチスに殺されたと主張して、世界各国の同情を誘って対独外交を有利にすすめようとするような、節度のない歴史学者は少なくともフランスにはいない。

これで思い出すのは2005年にポーランドで誕生したカチンスキ政権である。

この政権は非常に民族主義的傾向が強く、ことある事にドイツを非難し、また過去の歴史を対独外交を有利にすすめるべく利用した。

カチンスキ政権は「EUの意思決定は人口が多い国に有利だ。ナチに殺されなければポーランドはもっと国民が多かったはずだ。ナチに殺された国民の数も含めるべきだ」と主張してドイツを大変困惑させたことがあった。

じゃあヨーロッパでカチンスキ政権のやり方が”お涙ちょうだい”の同情と支持を集めたかというとそうではなかった。

むしろポーランドの外交姿勢に冷ややかな目がそそがれ、カチンスキ政権をたしなめるドイツの方が支持されていたと記憶している。

日本の左翼が「過去の反省のお手本」と絶賛するドイツだが、第2次大戦末期に戦争以前からポーランドやチェコに住んでいたドイツ人が虐殺されたり財産を没収されて追放されたりしており、ドイツ人が受けた被害の補償を訴える人々がいる。

たとえ加害者であっても、言うべきことは言っているのだ。

それは東欧諸国との歴史摩擦の原因となってきたが、近年では東欧諸国側にもドイツ人の受けた被害やその記念碑の建立を認めようとする動きが出てきている。

ギリシャやポルトガルの累積債務問題などヨーロッパは現在苦境にあるが、そういった民度や社会の成熟度において東アジアとはかなりの差がある。

ドイツは日本より”被害者”に恵まれている。

東アジアにおいて、今の段階で歴史共同研究によって共通の歴史認識を醸成するなんて事をやってみても、ユダヤ教徒とイスラム教徒の学者が、嘆きの壁の上にある岩から予言者ムハンマドが昇天したのが歴史的事実かどうかを検証し、事実ならユダヤ・イスラム共通の経典を作成してそれに掲載しようとするようなもので、かえって感情のもつれがひどくなるばかりではないかと思う。

 さて日中歴史共同研究に話を戻すが、中国側が日中戦争や南京事件でああいった主張をしてくるのは織り込み済みだったが、「日本は中国の冊封を受け、15世紀まで中国の臣下だった」「(沖縄は)中国の冊封体制下にあった独立国だが、日本が横取りした」と主張したのには驚いた。

中国人の政治家や一般市民ならいざ知らず、これが本当に歴史学者の認識なのだろうか。

朝鮮やベトナムなどと違い、日本が中国王朝の実行支配下に置かれたことは一度も無いし、弥生時代から室町時代まで断続的に行われた”朝貢”は、国内政治や外交を有利にしたり経済的利益のために行われた形式的なもの。沖縄も当然そうだ。

だが「横取り」とはまるで沖縄がもともと中国のものだったかのような口ぶりだ。
いや日本列島全体が15世紀まで中国のものだったとでも言わんばかり。

歴史学者が政治イデオロギーに振り回されてはいけないはずだが、共産党独裁政権がふりかざす傲慢な覇権主義が、中国の歴史学者までも蝕んでいる。

日本側の学者は「元寇は中国による日本侵略」「日清戦争は侵略戦争ではない」とちゃんと主張したのだろうか?





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論外

この研究から言えることは、教科書が書けないと言うことです。この共同研究はドイツとその周辺のことを手本にしていますが、あちらは多様な考え方を共有できるという下地があって、それでも長い時間をかけて研究が進められてきたものであり、政治体制が違う国同士の日中はその延長線上にないと言うことが報道では明らかにされていません。あえて光明が見いだせるとすれば、日中で北東アジアの歴史認識から朝鮮を除くことでしょうか。
歴史認識は合わせることが出来ないし、合わせる必要がないと言うことが解ったことが大きな成果だと、私は思います。

  • 投稿者: クマのプータロー
  • 2010/02/03(水) 06:29:28
  • [編集]

それでも続けることが大事!

こんにちは、donnatです。

こうなるのは判っていました。ほとんどの方もそう思っていたと思います。しかし、資料を提供し続けること。主張を発信し続けることが大事だと思います。
いずれにしろ、感情ではなく、論理的に話せる時代がくるといいですね!

中国は侵略という言葉にこだわっているみたいな印象を受けます。
これも受け入れていいと思います。
ただし、侵略は当時に常識。帝国も国際ルールに従って侵略されていた他国の傀儡政権打破を目指して、侵略を始めた。支配者の書き換え侵略戦争であったと明記するべきですね。
もっとも同盟国であるはずのドイツが中国側を支援していたという笑えない事実もありますが・・・。

  • 投稿者: donnat
  • 2010/02/03(水) 10:04:29
  • [編集]

クマのプータローさん

>歴史認識は合わせることが出来ないし、合わせる必要がないと言うことが解ったことが大きな成果だと、私は思います。

強く同意します。

歴史は科学というよりは感情やロマンが介入してきやすい分野です。
特に発展途上国ではその傾向が強いと言えるでしょう。

そうした性格をふまえて、歴史認識の違いをわかっていてもあえてお互いスルーするのが大人の国同士の付き合い方だと思います。

歴史認識が違うといってもだからどうしたという程度の話なのですが、東アジアの赤ちゃん国家たちが天地がひっくり返ったかのようにギャーピー騒ぐのは本当にみっともないと思います。


donnatさん

>こうなるのは判っていました。ほとんどの方もそう思っていたと思います。しかし、資料を提供し続けること。主張を発信し続けることが大事だと思います。

やっていることが全部ムダとは申しませんが、共産党独裁が続く限り、彼らの良いように利用されるだけでしょう。

日本人はクソまじめなので、せっかくの共同研究だから中国の同意を得て発表したい、だから歴史認識において中国側に妥協しなければ、では歴史共同研究の目的としては本末転倒だと思います。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2010/02/03(水) 23:40:03
  • [編集]

>歴史認識は合わせることが出来ないし、合わせる必要がないと言うことが解ったことが大きな成果だと、私は思います。

上のコメントに同意です。

>「日本は中国の冊封を受け、15世紀まで中国の臣下だった」「(沖縄は)中国の冊封体制下にあった独立国だが、日本が横取りした」と主張したのには驚いた

エントリについていえば、他の部分は納得ですが、この辺は微妙に感じます。
「形式的」なものであれ国家間でのやりとりとすれば、「形式的には臣下」と中国側が主張するのも故なしではないでしょう。
日本側は当然、それは形式的なもの、と主張する(私もそう思う)が、それは合わせえないものと感じます。

中国側がなんらかの歴史観によって(中華思想であれ)、主張するのは仕方がない、それが中国側の歴史認識であれば。
日本側は、事実と日本側の主張を述べる(妥協は無意味)ことで対抗していく、合わせる必要なんか全くないでしょう。

  • 投稿者: 北風
  • 2010/02/04(木) 22:05:26
  • [編集]

北風さん

>中国側がなんらかの歴史観によって(中華思想であれ)、主張するのは仕方がない、それが中国側の歴史認識であれば。

これが政治家や一般市民であれば驚きはしませんが、ライフワークとして客観的な歴史資料(古文書)にあたってきた歴史家の主張ですから仕方ないとは思えないですね。

よっぽど中国歴史学会のレベルが低いのでしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2010/02/05(金) 01:14:05
  • [編集]

クロフネ 様

歴史学では、資料の存在は客観的事実ですが、そこから先は(文献の内容ですら)個人の解釈が介在しますから、それが学者であっても様々なフィルターが入ってしまうものです。
日本でも学者が皇国史観やマルクス史観などのフィルターを通して歴史を解釈していた事例はありますので、レベルとはまた別の話です。
今回のような共同研究であっても、そのようなフィルターを排除することは容易ではないでしょう。皇国史観にしろマルクス史観にしろ、フィルターの排除は、論破でなく、敗戦・共産国家崩壊などによる影響によるものが大きかったかと思います。
ですので、中国の学者のフィルターについては、短期間では無理で、今回のような試みが継続されることに加えて、中国国内事情の変化(言論の自由やイデオロギーなど、政治的・文化的なものを含む)によって次第に変わってくることを期待するしかないかと感じています。

  • 投稿者: 北風
  • 2010/02/06(土) 07:21:41
  • [編集]

北風さま

>歴史学では、資料の存在は客観的事実ですが、そこから先は(文献の内容ですら)個人の解釈が介在しますから、それが学者であっても様々なフィルターが入ってしまうものです。

>日本でも学者が皇国史観やマルクス史観などのフィルターを通して歴史を解釈していた事例はありますので、レベルとはまた別の話です。

歴史文献をどう解釈するか、そこで自国に最大限に有利に解釈したいところをぐっとこらえて、あくまでも中立・客観的な結論にとどめておくことができるかどうかは、その国の学会のレベルの高・低だと思います。

今回の場合は、中華王朝が日本列島を実行支配していたという文献とそうではないという文献があってどちらをとるか分かれているという話ではありませんし。

だんだん日本の学会が、結論ありきの皇国史観なりマルクス史観なりで学説を主張しなくなりつつあるのも、中国よりレベルが進んでいる証拠といえるでしょう。

中国学会のレベル向上は中国国内事情の変化に期待するしかないとする点は同意です。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2010/02/06(土) 23:01:28
  • [編集]

きつい様ですが

共産主義一党独裁国で『客観的な歴史学者』が存在できる筈が有りません。
なのでこの試みは総てがナンセンスです。
おまけに今回は南京事件を認めると言う最悪の愚を犯しましたね。
中共は徹底的に利用して来るでしょう。
全く平和ボケした学者センセイと、それを企画する売国奴の連中の考えにはいよいよ辟易ですね。

  • 投稿者: 火天大有
  • 2010/02/09(火) 21:35:24
  • [編集]

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