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新たなジャパニーズドリームを!(その8)

  • 2009/07/03(金) 00:39:40

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第1回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第2回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第3回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第4回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第5回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第6回はこちら。

 ”新たなジャパニーズドリームを!”第7回はこちら。



  これから日本が目指すべき国家像や理想とする社会について考える連載企画、”新たなジャパニーズドリームを!”

前回は、少なくとも1990年代はじめのバブル崩壊までうまく機能していた終身雇用制度や年功序列賃金のような日本型雇用慣行の実態を深く掘り下げてみた。

それでは現在の日本社会において、終身雇用制度や年功序列賃金が昔と変わらず有効な雇用制度として機能していると言えるのだろうか?

残念ながらNOと言わざるを得ない。

若いときには低賃金や長時間労働・休日出勤を強いられても、一つの組織(会社)に忠誠を誓いそれを我慢しつづける限りその”ご褒美”として定年まで雇ってもらえ、年長者になったあかつきには高い賃金と名誉ある地位が会社から与えられるというのが、そもそも終身雇用制度と年功序列賃金の”お約束”だった。

しかしバブル崩壊以後、日本経済が右肩あがりで高成長・急拡大を続けるようなことはもはや信じられなくなった。

終身雇用の絶対的な保証は無くなり、不景気になればリストラと称して企業は正社員を容赦なく配置転換・解雇するようになっていく。

その企業が丸ごと倒産してしまうというケースもあり、バブル崩壊後、長銀・拓銀・山一證券・そごう百貨店・雪印など大手企業が続々と消えていった。

不景気だけが原因ではなく法令遵守をおろそかにした結果倒産したところもあるが、ともかく大企業といわれるところでも今や安泰ではなくなっている。

企業が雇用を増やす場合でも上下にゆれ動く景気の波に対応できるよう、解雇しやすい派遣などの非正規労働者を増やしている。非正規労働者は正社員のように年齢とともに賃金が急上昇していくことはない。

さらに、年功序列賃金制度は一度でもそこから振り落とされてしまった人には敗者復活が極めて難しいという非常に残酷な一面を持っている。

(終身雇用が前提で、そこからこぼれ落ちる人がいること自体あまり想定されていない制度だから)

たとえば会社倒産などで長期間無職やアルバイトを余儀なくされた45歳の人がいたとして、もしある企業がその人を正社員として採用する場合は、年功序列賃金制度に従って45歳という年齢に応じた高い賃金を支払わなくてはならない。

だから日本企業は新卒採用でもないかぎり常に即戦力を求めるが、長期間無職や非正規労働者であった人への評価は非常に低く、ほとんどの場合採用されない。

よって、いったん崩壊してしまった終身雇用・年功序列賃金制度ほど恐ろしいものはないわけで、今や年齢が高くなればなるほど敗者復活が困難になっていく極めてリスクの高い制度に変貌してしまった。

 現代日本の若者にとって、終身雇用制度・年功序列賃金への信頼は確実に下がっている。

実際その企業でずっと我慢してさえいれば、定年まで働けるという保証もこれからどんどん給与と地位が上がっていくという保証もない。

下手をすれば、会社の都合で一方的に終身雇用・年功序列賃金制度から振り落とされてしまう可能性さえある。

現在の日本は、「我慢すれば確実に幸福がやってくる」というこれまでの日本人の美徳(いいかえれば経験則)が通用しない社会状況になっているのだ。

これは非常に重要なポイントであり、このことに気づいている日本人はまだまだ少ないのではないか。

 にもかかわらず日本社会の多くの企業で、少なくとも若者にとってはカタチだけとなってしまった年功序列賃金制度は存続しており、低賃金や長時間労働・休日出勤を強いられ続けている。

これでは日本の若者が「あの日本企業はブラック企業」とか「自分はそこに勤める”社畜”」などと言い出すのも無理はない。

若者にとって厳しいこうした雇用情勢が日本人の脱農耕民族化を招いているとも考えられる。我慢しない日本人の登場だ。

フリーターやニートになってしまう人達のきっかけや動機はさまざまであろうが、あえて正社員という道を選ばない人も相当いると思われ、そうした人達が急増した原因は、バブル崩壊後に終身雇用と年功序列賃金制度が実質的に崩壊しているのを見透かして、「将来高い所得や出世が確実に保証されないなら、若いときに低賃金や長時間労働・休日出勤を我慢しても大損ではないか」と考えた結果なのではないだろうか。

もしそうであれば、少なくとも彼らなりに”合理的な判断”をしていると言える。

企業が提示した賃金は、彼らが持つ”労働力という商品”と交換するに値しないほど低いと判断したということだ。

これは商業の民の考え方である。

もっとも商業の民に限らず、人間が自分の利得を最大化しようと行動するのは当たり前の話。

キャベツ1個75円のスーパーに主婦が殺到するのを見て、キャベツ1個を300円で売っているスーパーの店長が「なんでウチに客が来ないんだ」と主婦に怒ってみても仕方がないのと同様、

「ようやく我慢の時が終わった。こんどは自分達が果実を受け取る番だ」と考えている中高年世代が自分達の経験をもとに、フリーターやニートの若者に向かって「我慢と根性が足りないのがいけないんだよ。我慢すれば確実に幸福がやってくるんだから」といっても、もはや説得力をもたない。

現在正社員という道を選んでいる人達も「フリーターよりは安定しているから」という消極的な理由からではないだろうか。

 あえて正社員にならない(正社員になれない)人達の受け皿がアルバイトや派遣といった非正規労働者という道しかなく、企業のほうも「景気が悪くなったら雇用調整(解雇)しやすいので便利」ということで非正規労働者の雇用を増やした。

30代以下の若い世代はバブル崩壊以後、日本経済がゆるやかな成長と不景気を交互に繰り返す中で大人になった人達だ。

非正規労働者は、結婚や子育てが困難なほど所得が低く不安定だし、正社員として働いている若者とて一部を除けば決して楽なわけではない。

経済的な安定性や将来への予測可能性が低くなっている以上、多額のローンを組んでマイホームを買うことはもちろん、結婚や子育てといった人間として当たり前の幸福実現さえリスクの高いものになってしまった。

結婚・子育てでお金のかかる若者層がこうした状況にもがいていることが少子化の原因ともなっている。

これでは内需も拡大していかず、企業にとっても決して良いことではない。

その一方で、日本経済が良いときに働き盛りを迎え、年功序列賃金制度の恩恵をしっかりと受けることができた50代以上の世代が、個人金融資産の80%を所有していると言われるのも当然の帰結だろう。(高齢者同士でも資産格差がある問題はここではふれない)

日本の富の配分はうまくいっておらず、若者と中高年の間で大きくバランスが崩れているように思われる。

 日本人がまじめに働いても結婚も子育てもできないというのであれば、基本的人権にかかわる問題だと思うのだが、民主党を支持する”連合”に代表される日本の労働組合はほとんど機能していない。

共産党や社民党系の労働組合も同様だ。

既存の労働組合は、組合に加盟する正規労働者の既得権は守ろうとするが、非正規労働者・失業者対策への協力となると自分達の腹が痛むから途端に消極的になる。

それどころか、日本の労働者の雇用や収入の安定とは何の関係も無い、むしろ本来なら失業対策に回せるはずの国民の税金を無駄使いする、「憲法九条死守」「アジア諸国への謝罪と賠償金支払い」といった、くだらないイデオロギー闘争の方が本業になっているありさまだ。

今の日本で”人権”とは、ヤミ専従などで甘い汁を吸う”労働貴族”の利益を守るための方便になり下がっており、本当に人権が保証されるべき人達のところへは届かない。

 高度経済成長期にはうまく機能した終身雇用制度や年功序列賃金のような日本型雇用慣行・日本式経営システムであるが、90年代はじめのバブル崩壊以後、成長・拡大する一方の日本経済という、システムが成り立つ前提条件が崩れてしまった結果、日本の現状に合わないものになってしまった。

「日本がうまく行かなくなったのは外国から奴らのやり方を押しつけられたからだ。日本式経営に戻せ」という人がいる。

日本という国や日本人であることを誇りを持つ我々にとっては自尊心をくすぐられ、一見説得力があるように見えるが、いったん崩壊した終身雇用制度や年功序列賃金ほど恐ろしいものはないことは前述の通りだ。

日本の雇用・賃金制度を現在の日本社会にマッチしたものに改良していくことは一刻を争う急務である。

それぞれが目先の短期的な利害にとらわれるのではなく、国民・企業経営者・政府が一致団結して、制度を新しく設計しなおさなければならない。


少子化がすすみ国内市場が縮小すれば、労働者本人のみならず、経営者も政府も誰の得にもならない。



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この記事に対するコメント

本当におっしゃるとおりだと思います。

私は戦後の団塊前後までの人たちより、今時の若い人の方が、ずっと自分のアタマで考え行動し、よほど人間が練れていると思います。

ところで、下記のような若者のブログが最近流行っているようです。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/

  • 投稿者: 通りすがり-0
  • 2009/07/03(金) 09:14:33
  • [編集]

通りすがり-0 さん

>本当におっしゃるとおりだと思います。

> 私は戦後の団塊前後までの人たちより、今時の若い人の方が、ずっと自分のアタマで考え行動し、よほど人間が練れていると思います。

> ところで、下記のような若者のブログが最近流行っているようです。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/


 興味深いブログをご紹介くださり、ありがとうございます。

彼らの考え方をじっくりと研究してみたいです。

それにしても今の日本は、若者層と団塊世代との主張がまったく噛み合っていないというか、特に今の日本社会を動かしている50代から上の世代の若者世代への理解が足りておらず、その点に関してはかなり危機的状況なんじゃないかと思います。

私は、政治・経済・文化あらゆる面で、若者世代が戦後レジームを良い方向へ変えて行ってくれることに期待します。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2009/07/04(土) 01:43:00
  • [編集]

総ての原因は

国柄破壊に走った全共闘の連中と、個人利権漁りに走った政治屋に有るのも自明ですが。
どちらを選んだのも国民な訳です。
では過去に選んだ道筋が間違っていたと言う情報が得られた時にどうするか?
本来ならば強烈な世代間抗争が起きてしかるべしなのですが、残念ながら若者のパワーが弱弱しくかんじられます。
どうにも何とも歯痒いですね。

  • 投稿者: 火天大有
  • 2009/07/07(火) 14:12:40
  • [編集]

火天大有さん

>では過去に選んだ道筋が間違っていたと言う情報が得られた時にどうするか?
>本来ならば強烈な世代間抗争が起きてしかるべしなのですが、残念ながら若者のパワーが弱弱しくかんじられます。

草食系ナントカというのが流行っていますしね。

ただ、NHKに集団訴訟を起こすような元気の良い若者もいるはずですし、私は期待しています。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2009/07/08(水) 21:10:52
  • [編集]

>火天大有 様

>>本来ならば強烈な世代間抗争が起きてしかるべしなのですが、残念ながら若者のパワーが弱弱しくかんじられます。

大変失礼ですが、私は全共闘、浅間山荘事件に代表される団塊世代の暴力的な性質より、今時の若者の方を評価します。彼らはより冷静で個人主義です。団塊世代ほど簡単に洗脳されて皆で一斉に一方向に走っては行きません。おとなしく見えるのは礼儀正しいんだと思います。彼らは相手が自分とは異なる意見を持っていても、自身は保ちながら、まず冷静に聞くことができると思います。私も若い人に期待しています。

  • 投稿者: 通りすがり-0
  • 2009/07/09(木) 11:51:15
  • [編集]

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