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第2回 1979年に生まれたロキの子供たち?

  • 2005/02/15(火) 07:23:34

 第四次中東戦争勃発から四年後の1977年に、それまでの共和党・フォード政権の後を受けて、民主党のカーター政権が誕生した。カーターはエジプトとイスラエルの関係改善をはかる。

 エジプトのサダト大統領は「すべてのユダヤ人を地中海に叩き落す」ことの非現実性を悟ってイスラエルと単独和平をはかり、頼りにならない同盟国ソ連を見限って、親米路線に舵をきった。

その結果エジプトにはアメリカの巨額の援助が転がり込むことになったが、”アラブの裏切り者”とみなされたサダトは、イスラム原理主義者の手にかかって暗殺された。

後任のムバラク大統領はサダトの親米路線をひきつぎ、イラクのフセイン大統領やシリアのアサド大統領などと、アラブ世俗世界のリーダーの座を巡って三つ巴の競争をはじめる。

当のアメリカ・カーター政権自身は”人権外交”をかかげ、「ソ連の良心に期待する」としてアメリカの核戦力を一方的に削減した。
しかしクレムリン(ソ連)と中南海(中国)の”良心”が下した判断は「カーターは腰抜け。アメリカはもはや社会主義陣営と競争する気力も無くなった」というものだった。

このカーター政権下の1979年に起った二つの大事件(イラン革命とソ連によるアフガニスタン侵攻)とその対応が、その後のアメリカに大きな禍根を残す事になる。

 アメリカの中東における重要な同盟国であるイラン帝国では、皇帝パーレビ2世の号令で西欧的資本主義による経済建設(いわゆる白い革命)がはじまっていた。

しかし70年代後半には貧富の極端な格差が生まれ、ついに貧民層の不満が爆発した。
民衆のデモやストライキが頻発して、まさしく革命前夜という状況に帝政の基礎は大きくゆらいでいたが、カーター政権は結果的にはパーレビを見殺しにする。

そして79年1月にパーレビが国外に逃れ、入れ替わりにパリに亡命中だったイスラム教のシーア派指導者・ホメイニ師が帰国、ホメイニ師をイランの最高指導者にすえてイラン・イスラム共和国が成立した。

新生イランはイスラムの原点への回帰・反西欧文明・反資本主義・反社会主義をかかげ、(いわゆるイスラム原理主義)イラン革命をシーア派・スンニ派の別なく他のイスラム世界へ”輸出”することを宣言した。

(ホメイニ師の親衛隊である”イラン革命防衛隊”<パスダラン>は、内戦で無政府状態にあったレバノンの内陸部・ベカー高原に軍事訓練キャンプを建設し、戦闘工作員の養成をはじめた。 そしてレバノンのシーア派過激組織・”ヒズボラ”を支援して、レバノンへのイスラム原理主義革命の輸出をはかったのは良く知られている)

 このような事態は、君主制をひくサウジやクウェートといったいわゆるGCC諸国に衝撃を与えた。

各国の国王達は、「自国でイスラム原理主義革命が起きて、自分たちもパーレビのように打倒されるのではないか」と心配したのである。

 そしてある意味GCC諸国以上に衝撃を受けたのがアメリカや欧州など西側先進国であった。

もしイスラム原理主義革命がイランから”輸出”され、クウェート・サウジ・カタールとドミノ倒しのように広がれば、中東原油のほとんどが反西欧文明をかかげる原理主義者の手に落ちてしまう。

これは、イラン革命による大幅な石油減産で起きた、第二次オイルショックに苦しむ西側にとって、悪夢としかいいようのないシナリオであった。

これ以降、どうやってイスラム原理主義革命を封じこめ、中東の石油を西側に安定供給させるかという新しい問題が西側世界に課せられることになった。


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ロキ:古代ゲルマン神話の神のひとり。ロキが生んだ子供達、巨大な狼”フェンリル”と大蛇”ミズガルズ”が、ゲルマンの神々に破滅(ラグナロク:神々の黄昏)をもたらすことになる。

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★関連図書―もっと詳しく知りたい方は...
20050523144556.jpg

現代イラン―神の国の変貌

◆日本人にとってわかりにくい、イスラム革命後のイランの実情を解説した良書。

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