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小泉氏が政界を引退

  • 2008/09/27(土) 01:32:40

小泉純一郎元首相が、政界を引退する意向を地元後援会や町村派事務所に伝えたことが明らかになった。

参考記事 

 小泉元首相が引退を表明した。

こういう見方をする人もいるが、引退の本当の理由は本人だけしか知り得ない。

 北朝鮮への経済制裁を最後までためらっていたから、小泉氏の政策を100%支持していたわけではないが、それを差し引いても彼の功績は大きいものがあった。

まず靖国神社に参拝して、自虐思想と「日本人は、中国や韓国・北朝鮮の言う事は永久に従わないといけない」という、日本社会を飲み込んでいた陰鬱な雰囲気をブチ壊したのは大きかった。

これが特にネット界に顕著な、国益や国家戦略を考える新しい日本人の覚醒を促した。

北朝鮮から拉致被害者とその家族の一部を取り返したことも、100点満点の出来ではないにしても功績のひとつだ。

安倍政権誕生への道筋をつけてくれたことも忘れてはなるまい。

そして小泉氏と言えば構造改革である。

 大学時代の政治学の先生から、「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない。そういう状況でどう利害を調整していくかを考えるのが政治である」と教わった。

「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない」という状況が最も激しくあらわれるのが改革期であろう。

 日本は長い歴史のある国だが、この150年あまりをとって見ても大きな改革期がいく度もあった。

まず明治維新である。

徳川幕藩体制は、科学力で勝る欧米帝国主義列強から侵略の脅威を受けていた。

そこで日本は明治維新をなしとげ、常備軍と官僚制、憲法と議会を持つ近代国家へと改革の道を突き進むが、その過程で新政府に居場所を見つけられなかった武士は、秩禄処分や廃刀令で収入源も特権も失ってしまった。

新政府も士族授産のような救済策を講じたが、失業した武士の職業転換がうまくいかず彼らの不満がつのっていった。

そうした人たち・不平士族は明治新政府に対する抵抗勢力となり、佐賀の乱・神風連の乱といった士族の反乱につながり、最後は西南戦争までいってようやく鎮圧された。

日本が、欧米列強に負けないような競争力をつけるためには、それまで国家を指導し軍事力の基礎でもあった武士をリストラし、近代的な官僚制と常備軍を整備することが何としても必要であった。

近代国家への改革をすすめれば、リストラされる武士を立てられない、リストラされる武士の言い分を認めれば、近代国家への改革と日本の競争力強化が成り立たない。

もし不平士族の恨みを買うのが怖いからといって、「日本の誇りである武士をリストラして欧米式の常備軍を保有するのは国辱である」といって武士が主導する徳川幕藩体制に戻していたら、日本は欧米列強に対する競争力を高める事はできず、他のアジア諸国同様、植民地にされていたかもしれない。

リストラ対象の武士を救うために、日本全体を犠牲にすることは出来なかった。

 これは改革が成功したケースだが、上手くいかなかったケースもある。

日露戦争の勝利は、明治維新という改革成功のクライマックスであったが、まもなく起こった第一次世界大戦が大きな転機となった。

飛行機や戦車が初めて実戦投入された第一次世界大戦は、それまでの戦争のやり方を一変させる科学戦・総力戦であった。

日本は第一次世界大戦を直接経験しなかったが、第一次世界大戦を良く研究して日本の行く末を心配する人たちが軍にいた。

彼らには、国際連盟の常任理事国とはいえ貧しく科学技術力でも欧米に劣る当時の日本は、第一次世界大戦のような科学戦・総力戦が起こった場合、それに耐えることは到底できないという焦りがあった。

そこで1925年、陸軍大臣・宇垣一成が第一次世界大戦の観戦武官であった永田鉄山を陸軍省整備局動員課長にすえて”宇垣軍縮”を行った。

その改革の真の狙いは、陸軍21個師団のうち4個師団をリストラし、浮いた予算で戦車・高射砲・飛行機の各連隊や陸軍自動車学校・通信学校・飛行学校を新設して日本軍を近代化、日本軍の戦闘力を量ではなく質的に向上させ、列強に対する競争力を高めようというものであった。

(ちなみに現在の中国人民解放軍の近代化もほとんど同じ。イラクのフセイン政権に売った中国製59式戦車がアメリカ軍に全く通用せず、湾岸戦争でイラク軍が完膚なきまでに打ちのめされたことに衝撃を受けた中国は、360万いた兵力を100万人単位でリストラし、数千単位で保有していた戦車・戦闘機もケタを一つ減らし、その分高性能な兵器に取り替えている)

しかしその過程で4個師団の将兵ら計34000人が人員整理の憂き目にあって軍内部に深い恨みを残したのと、第一次世界大戦後の世界情勢を理解せず、日露戦争で勝利した軍のやり方をどうして変えなければいけないのかと考える守旧勢力もからんで、軍内部に抵抗勢力が生まれた。

それが永田を中心とする改革派(統制派)と抵抗勢力(皇道派)との、し烈な抗争に発展していった。

皇道派を支持した青年将校も、貧窮する農村で続出する娘さんの身売りを見て(今で言う格差問題)、統制派への憎悪をつのらせていく。

皇道派は永田らを「皇軍を私物化する君側の奸(売国奴)」と見なし(改革に抵抗する人間の理屈はいつの世も同じか)、ついに永田鉄山は陸軍中佐・相沢三郎に暗殺されて、頭脳を失った統制派は事実上崩壊、改革は中途半端に終わってしまった。

これが第二次大戦の結果と日本の運命に大きな影響を与えることになった。

日露戦争で通用した短期決戦主義で行くのか、科学力や生産力を高めて総力戦に耐えられる新しい軍をつくるのかどっちつかずになり、けっきょく真珠湾奇襲から始まる短期決戦主義で行ったが、それが上手くいかなかったときのリスクマネジメント策が無く、アメリカとの総力戦にずるずると引きずり込まれて負けたのである。

日本軍を近代化するためには資金が必要だったが、4個師団34000人のリストラを含め、日本軍の量を減らして質を向上させるしか手がなかった。しかしリストラで恨みを買うからといって量を減らさなければ日本軍を近代化できず、それでは欧米列強に対抗できる競争力を身につけることはできない。

この場合は抵抗勢力が力づくで自らの意見を押し通してしまい、競争力を高めることができなかった日本軍はアメリカに敗れ、国を滅ぼしてしまった。

皇軍を私物化した売国奴が本当はどちらなのか、歴史が教えるところは明らかである。

宇垣軍縮から始まった一連の改革によってリストラされた自らの不満・個人的な恨みを公憤・義憤にすりかえていただけのように思える。

 そして現代の小泉改革であるが、昭和30年代40年代には上手く行っていた高度成長期の政治経済システム(政官財の癒着構造)が平成に入ったころにはすっかり制度疲労を起こしていて、バブル崩壊で矛盾が一気に噴出した。

それまで問題にならなかった社会の非効率な部分が一挙に目立ち始め、日本の競争力を弱めていることがわかった。

行きすぎた部分や抵抗によって不徹底に終わった部分もあったが、小泉改革というのはあの時の日本にとって必要なことだったと思う。

 公的資金を投入して金融不安を終息させ、国民から集めた郵便貯金や簡保が原資であり官僚の”便利な貯金箱”も同然だった財政投融資制度など特別会計の闇にもメスを入れた。

そうした変化が外からの投資を生み、日本の株価も上昇し、ゆるやかながらも長期の景気拡大を導いた。

国益に反して中国の東シナ海油田開発に融資していた現在の国際協力銀行とそこを監督する財務省から国際援助の決定権を移し、外務省に一本化しようとしたこともあった。(財務省の抵抗でつぶされたが)

私が100%の競争原理やレッセフェール(市場のなすに任せよ)を支持しないことはこれまでも言ってきたし、敗者をつくらず「いっせいのせ」でみんなで同時にゴールするような、結果の平等をつくりだす社会も支持しないことは言ってきた。

日本が取るべき道はその両者の間にあり、ベースは競争によって勝者が報われる社会にするけれども、敗者が固定されないように国や社会が敗者に援助を与え富の再分配を行うべきだと考えている。

そうした意味での改革はこれからも必要だし、否応無しに日本人がずっと列島に引きこもってはいられない以上、世界の列強に食い物にされないよう、日本は高い競争力を維持していかなければならない。

「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たない」という状況で、日本の指導者はどうすれば国全体の利益を守れるか、なるべく多くの人をなるべく幸福にできるのか考えていかなければならないと思う。


 ところで小泉政権時代に、「郵政民営化した売国奴・小泉のせいで、日本国民の郵便貯金がユダヤ金融資本のハゲタカにそっくり奪われる」といったようなデマが盛んに言われたが、一体いつになったらそれが起こるのか?

バブル崩壊でコケた日本の金融機関が外資に買収されたときも、「小泉は、日本企業を二束三文で叩き売り、外資に日本を乗っ取らせようとする売国奴だ」と盛んに言われたが、アメリカから見れば日本企業は当然外資で、サブプライムでコケたユダヤ金融資本のリーマンを野村HDが二束三文で買収し、三菱UFJがモルガンスタンレーの筆頭株主になりそうだが、野村や三菱UFJを「人の弱みにつけ込むハゲタカ」と批判しないのか。

サブプライムローン問題は、リーマンやモルガンスタンレーを手に入れようとした日本が仕掛けた陰謀とでも言うのだろうか。

もちろん私は野村や三菱が何をしようと「ご自由に」だし、むしろ日本の金融力をパワーアップさせる好機でもある。そうそうアメリカさん、大事にしますからF-22ラプター戦闘機も売ってください。

 宇垣軍縮の、日本軍の量を減らし質を向上させる改革でリストラされ、不遇をかこった人間が改革派の中心人物・永田鉄山を売国奴と呼んで暗殺したように、元郵便局の職員なのか知らないが「小泉は売国奴」とか言っていた連中は、小泉改革で割を食った個人的な恨みを義憤・公憤へとすりかえていただけだと思う。

「構造改革で自分は損をしたので小泉を許せない」と主張してみても世間の誰も支持してくれないから国を憂うふりをして、「小泉は国を売ろうとしている。ユダヤが支配するヤミの世界政府に、日本国民の郵便貯金を日本社会全体を差し出そうとしている売国奴だ」と、根拠不明のワケわからないことを言ったのではないだろうか。

そして自らの不満をぶつけるスケープゴートを探していた一部の人が熱狂的かつ盲目的にそれに乗っかってしまったのではないだろうか。

結局自分のことしか考えていない。日本人はいつからこうなったのか。

 さきほども言ったように、北朝鮮政策の一部や次男に地盤を世襲させるなど小泉氏のやり方すべてに賛成するわけではないし、失敗した部分もあったが、村山・森・福田の各首相などに比べれば小泉氏はじゅうぶん名宰相の名に値すると私は思っている。

もし小泉氏の政治理念が私と正反対であったとしても、「和を持って尊しとなす」日本人には珍しく、中国・韓国や国内の反対勢力の反発を覚悟でブレることなく自らの信念を貫くその姿勢に、「敵ながらあっぱれ」と一目おいたであろう。

首相をやめるときも政界を引退するときも、引き際がサッパリしていて非常にきれいなのも小泉氏らしい。

国民の一人として「お疲れ様でした」と深く頭を下げたい。


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小泉引退がもたらすもの

マスコミが流布した「早期解散」という風説を払拭する効果があります。民主党も必要な審議には応じる旨を表明していますし、自民党内も「本予算まで粘る」で固まれば、公明党に対するこれまでにない牽制になります。
今度の選挙はどんなに頑張っても、逆風に変わりはないのです。
小泉改革の仕上げは政界再編を演出することだったりして・・・。

  • 投稿者: クマのプータロー
  • 2008/09/27(土) 07:39:29
  • [編集]

問題はまだ山積みだが

まだまだ問題は山積みだけど、少なくとも拉致問題と靖国参拝に関しては、高く評価したい。
国内の経済問題は治安問題も含めて、余りに肥大化した在日朝鮮人問題の解決が急務だが、人間一人の力では5年かけても、このあたりが限度かなと、不満も残るが、拍手も送りたい。
現在の売国奴と利権漁りしか能の無い連中だらけの政界で、良くやって戴きました。
ここは率直に労を労いたいと思います、お疲れ様でした小泉さん。

  • 投稿者: 火天大有
  • 2008/09/27(土) 19:16:45
  • [編集]

同意

 完全に同意します。過不足の無い先見性や洞察力をもって事象を分析しなければ、其れは単なる独善になってしまいます。
 十数年前から、ユダヤ陰謀論者と論争をしていますが、彼等の言う事は、全て例外なく後講釈です。
 バブル崩壊は、大蔵省がやらかした事ですが、サブプライムローンの破綻を見ていると、大蔵省が何もしなかったとしても、或いはバブルを崩壊させないような手を打ったとしても、結果的には同じようになったような気がします。アメリカは日本のバブル崩壊後を見ていますから、日本ほど酷い事には成らないと思います。
 右派或いは保守派を名乗るブログの多くで、酷い小泉、竹中、安倍、自民叩きを遣っているのは、理由がよく分かりません。また彼らのほぼ全てが、植草擁護、城内支持なのも変な感じがします。
 

  • 投稿者: 八目山人
  • 2008/09/27(土) 21:46:56
  • [編集]

クマのプータローさん

>小泉改革の仕上げは政界再編を演出することだったりして・・・。

政界再編は私も望むところです。

しかし、解散をいつするのか不透明になってきましたね。


火天大有さん

>人間一人の力では5年かけても、このあたりが限度かなと、不満も残るが、拍手も送りたい。

やはり「継続は力なり」ですね。戦後日本の膿を出しつづける改革を継続させないといけません。

安倍政権が総連本部に王手をかけていたのですが、左翼公務員やマスコミに倒されてウヤムヤになってしまったのは返す返すも痛恨事でした。


八目山人さん

>十数年前から、ユダヤ陰謀論者と論争をしていますが、彼等の言う事は、全て例外なく後講釈です。

因果関係が逆転しているというのは私も良く感じます。

たとえば、貧富の格差が起こったきっかけは、バブル崩壊以後の日本企業によるリストラですが、小泉政権が登場してからバブルが崩壊したのではなくて、バブル崩壊以後に小泉政権が登場したのです。

彼らはこのあたりの前後関係・因果関係が逆転しています。

>右派或いは保守派を名乗るブログの多くで、酷い小泉、竹中、安倍、自民叩きを遣っているのは、理由がよく分かりません。

私も良くわかりません。現代の皇道派あるいは不平士族ですね。

日本は中国や韓国と手を組めといったり、民主や社民を応援しながら保守というのがわけわかりません。向こう側の工作員でしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2008/09/27(土) 23:12:32
  • [編集]

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  • 投稿者: -
  • 2008/09/29(月) 07:58:10
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