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ロシアのユニラテラリズム

  • 2008/09/20(土) 00:46:40

 最近は福田政権崩壊など国内問題がバタバタしていて余裕がなかったのだが、ここらで世界情勢の重要な動きもチェックしておきたい。

よって今回は、ずう~っと取り上げたくて出来ないでいたグルジアの南オセチア問題について思うところを述べることにする。

 8月8日、グルジア軍が同国内の南オセチア独立派やその後ろ盾となっている駐留ロシア軍を攻撃、ロシア軍はただちに反撃しグルジア全土を空爆、逆にグルジア国内に侵攻して首都トビリシまで数十キロまで迫った。

アゼルバイジャンからグルジアを通りトルコへと抜ける原油・天然ガスパイプラインや鉄道による原油輸送もロシア軍の攻撃でストップした。

参考記事 

また、グルジア国内で南オセチアとともに独立を要求しているアブハジアに駐留していたロシア軍もグルジアへの侵攻を開始し、同国の重要な港湾都市ポチを占領した。ロシア海軍も動き、グルジア海軍艦艇を撃沈している。

ロシア軍はグルジア国内に強制収容所を設け、数百人のグルジア人が深刻な人権侵害を受けたという。

参考記事 

EUがグルジア・ロシア両国の調停に乗り出し、和平合意文書に署名したもののロシアは依然グルジア国内に占領地を設けている。

アメリカは人道支援を名目に艦艇をグルジアへ派遣。

国際社会の反発を押し切る形で、ロシアのメドベージェフ大統領とロシア議会は南オセチアとアブハジアの独立を認め、国交と軍事協力条約を結んでしまった。

以上がグルジア問題のおおざっぱな経緯である。

 グルジアはコーカサス地方にある多民族国家で、国内に南オセチア・アブハジア・アジャリアの自治地域をかかえる。前二つに関してはグルジア中央政府の支配が及んでおらず、これまでロシアが軍事的・財政的に支援してきた。

南オセチアの多数派民族オセット人はイラン系の民族で、多くがキリスト教徒(東方正教会)、グルジアとロシアにまたがって居住している。(ロシア連邦内の北オセチア共和国)

グルジア人も多くが正教を信仰しているが、インド・ヨーロッパ語族のオセット人に対し、グルジア人は南コーカサス語族に属する。

 グルジア人とオセット人は、90年代はじめのソ連崩壊前後からずっともめてきたのだが、今回の紛争は、南オセチア自治州内でのグルジア軍と南オセチア独立派+ロシア軍との小競り合いがきっかけとなった。

グルジア・ロシアの双方が「相手が先に手を出した」と主張していてどちらが正しいのかわからないが、公開情報を見る限り、欧米の支援を期待して南オセチアでの軍事力行使を見切り発車したグルジアのサーカシビリ政権がうかつだったと言わざるを得ない。

しかし、グルジア全土を空爆し、南オセチアのみならずこの場合関係ないアブハジアからも部隊を侵攻させてグルジア国内に占領地を築き、首都トビリシまで迫ったロシアの行動は過剰防衛の侵略行為だと思う。

 日本の、特に西欧やアメリカを嫌悪している人たちや”護憲平和勢力”と呼ばれる人たちが、今回のロシアの行動を必死に擁護しているようだが、ひどい違和感を感じる。

彼らは、自分たちの大嫌いなアメリカや西欧に敵対する者や彼らの行動は100%の善であると考え正当化する傾向があるが、そうした文脈にそって、大半の欧米マスコミからロシアが侵略者のように言われているが先に手を出したのはグルジアだということを忘れている、などと主張している。

ならば言おう。グルジアやコーカサス地方はそもそもロシア民族の故地ではないことを忘れている。

帝政ロシアがグルジアを侵略し、革命でロマノフ王朝が倒れると、1918年グルジアはロシアからの独立を宣言するが、「グルジアは、自分たちが受け取るべき帝政ロシアの遺産である」と考える”赤い帝国”ソビエトの赤軍がグルジアを再侵略した。

米ソ冷戦とその後の赤い帝国崩壊で、1991年グルジアは念願の独立を果たすが、国内の少数民族が自治権や独立を要求したため民族紛争が勃発、南オセチア・アブハジア・アジャリアなどグルジア国内の自治地域に軍事的・財政的援助を与えたのは他ならぬロシアだった。

ロシアは、南オセチアやアブハジアの住民にロシア国籍を与えパスポートを発行していたが、これによって両地域は実質的にロシアに併合されたも同然だった。

明らかなグルジアへの侵略行為である。

よって今回の南オセチア紛争を、どちらかが100%善でどちらかが100%の悪と考えることはできない。

 また旧ユーゴスラビアのコソボ紛争の例をあげて、ロシアの行動を正当化しようとする者もいるようだ。

ロシア自身も、同じスラブ民族であり正教徒でありキリル文字を使うセルビアのかたきを取ったつもりなのかもしれないが、コソボ紛争の例をあげてロシアの侵略行為を正当化するのも無理がある。

コソボ紛争では、セルビア政府とセルビアからの独立を求めるアルバニア人勢力との間で衝突が発生したが、双方による虐殺行為を阻止するため早期に国連が調停に乗り出した。

(例によって拒否権をちらつかせるロシアのために国連も安保理もうまく機能しなかったが)

もちろん、国連やEU・NATOの加盟国がコソボを自国領土に併合しようとして問題に介入したわけではないし、今もそうはなっていない。

しかしロシアは一方の当事者としてグルジア国内の民族紛争に直接介入し、ロシア人とは全く別の民族であるオセット人やアブハズ人にパスポートを発行してロシア国民とし、グルジアの一部を実質的に侵略・併合してしまった。

グルジアも小国ゆえの悲哀というか、南オセチアなどに実質的なロシア占領軍が駐留するのを認めざるを得なかった。

だからこそ窮鼠猫を噛むとでも言うか、グルジアは南オセチアへの武力行使という賭けに出たわけだが、ロシアは南オセチア紛争を国連など国際機関の助けを借りず、武力を持って独力で解決しようとした。

ロシアは、南オセチアのみならずグルジア全土に戦争を拡大して、南オセチアやアブハジアから軍をすすめてグルジア領内に占領地を築いてしまった。

国連を無視した、ロシアのユニラテラリズム(一国行動主義)によるグルジア侵略である。

よってコソボ紛争と南オセチア問題を同一視することはできないし、「コソボの復讐としてロシアがグルジアを侵略しても良い」ということにもならない。

先ほど言ったように、日本でロシアの行動を正当化しているのは反米主義者や国連中心主義をかかげる”護憲平和勢力”が多いようだが、アメリカの国連無視・ユニラテラリズムを口をきわめて非難する彼らが、ロシアの国連無視・ユニラテラリズムを正当化するのであれば、ご都合主義も良いところだろう。

 ロシアは南オセチアに軍を送ったことを、「少数民族保護のため」とも言っているが、ならばロシア連邦内のチェチェン・イングーシ・ダゲスタンなどにおいて少数民族を武力で苛烈なまでに弾圧し続けていることも正当化できない。

「少数民族保護のため」と称して、外国の軍隊がロシア領内に侵攻して首都モスクワまで数十キロに迫っても、文句は言えないはずだ。

 ロシアは「共和党の米大統領候補マケインを勝たせるためのネオコンの陰謀」とまで言っているようだが、ロシアが自重してグルジア領土深くまで侵攻さえしなければ、グルジアが非難されて終わりだっただろう。

マケインを有利にしたのは他ならぬロシア自身ではないか。

つづく

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当選させる議員、落選させる議員のリスト作成

総選挙が近いので、当選させる議員、落選させる議員のリストを作成しましょう。

http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/119.html
売国議員リスト
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/132.html
愛国議員リスト
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/186.html
最優先の編集ページ
(リストにまだ登録されていない自民・民主の議員一覧あり)

上記リストの完成が必要になっております。
情報をお持ちの方はご協力ください。

wikiサイトですので、誰でも編集できます。
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/39.html
サイトの編集方法

こちらの掲示板に情報提供することが可能です。
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/131.html
掲示板

管理人様、どうぞ上記リスト製作の協力要請をブログにて呼びかけてください。

  • 投稿者: 無名戦士
  • 2008/09/20(土) 01:00:01
  • [編集]

結局のところロシアはグルジアからは引き揚げたものの、
南オセチアとアブハジアに兵を残したまま
実質露は目的を果たし、グルジア包囲にまた一歩前進という顛末でした。
やはり占領している国が一番交渉に強い

しかしながら、今回ロシアの巻き返しに対し
西欧は協調して18隻(ほどでしたよね)もの艦艇を、
黒海に送り込んだのは大きかったんじゃないのかと思ってます。
ここのところ独仏は露に対する宥和的な態度が目立っていたので、
もう戦う意欲は無くしてしまったのか?という自分の心配が杞憂だったようです

ただ、ここをロシアが押し切ってしまうと
向かいのカスピ海~CIS諸国を挟んで泥沼のアフガン~
協力体制が確立されつつるイラン~段々と雲行きが怪しくなってくるパキスタン
と、この地域のバランスが大きく塗り変わってしまうような出来事に発展してしまう可能性も・・・
最悪の予想ですけど、こうなってくると世界中の経済が発展した都市が危機に陥ってしまう

なんとか日本の出来る“直接的な”援護の手段はないものでしょうか

  • 投稿者: としあき
  • 2008/09/20(土) 07:19:45
  • [編集]

思想に正しいも間違いもない。

こんにちは donnatです。

グルジア紛争は世界のターニングポイント、ベルリンの壁崩壊と真逆の意味を持っていると推測しています。
帝国ロシアの復活
と考えています。

今回の衝突はEUの拡大主義に対するロシア拡大主義の抵抗であります。
ロシア(帝政ロシア・ソビエト)は昔より西は地中海、南はインド洋、東は太平洋へ目差して拡大主義を続けてきました。ソビエト崩壊によって弱っていた力を取り戻した現在、再び、海を目差して拡大主義を復活させるでしょう。
これは彼らの思想であって、善も悪もないのです。
遺伝子レベルの願望というべきではないのでしょうか?

私的には、温暖化で氷河が解け、至上最大の楽園となる国土を持つことになると考えています。拡大する必要なないのです。
しかし、彼らは拡大主義をやめないと考えています。
もちろん、進路上に日本があり、日露戦争以前の緊張感を持ってもらいたいのです。

  • 投稿者: donnat
  • 2008/09/20(土) 10:38:16
  • [編集]

無名戦士さん

愛国・売国議員のデータベース化はとても良いアイデアなのではないでしょうか。

読者の皆さんで何か情報をお持ちの方がいらしたら、私のほうからもぜひ協力をお願いします。

http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/186.html


としあき さん

>ここをロシアが押し切ってしまうと
向かいのカスピ海~CIS諸国を挟んで泥沼のアフガン~協力体制が確立されつつるイラン~段々と雲行きが怪しくなってくるパキスタン と、この地域のバランスが大きく塗り変わってしまうような出来事に発展してしまう可能性も・・・

欧米諸国が、アゼルバイジャンやカザフスタン・トルクメニスタンといったハートランドの資源国にアクセスすることが不可能になりますから、グルジアというのは地政学上、本当に重要な国となっています。

日本にできることと言えば、う~ん...
グルジアワインを買って、経済を助けることぐらいでしょうか。


donnatさん

>今回の衝突はEUの拡大主義に対するロシア拡大主義の抵抗であります。

EUの拡大は東欧各国が自ら望んだがゆえに実現しましたが、ロシアの拡大(帝政ロシア植民地の回収運動)は完全に嫌がられています。

日本も対岸の火事では済まされませんね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2008/09/20(土) 21:51:33
  • [編集]

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