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本当の悪魔は誰?(その2)

  • 2008/03/11(火) 23:22:22

前回のつづき

 特別会計と言えば、今なおガソリン税暫定税率や道路特定財源の問題をめぐって与野党間で激しい綱引きが繰り広げられている。

財政再建や年金問題ともからんでくる話なので、この問題にふれておきたいが、国交省による道路特定財源のとんでもないムダ使いがその後も続々と明らかになっていて、やはり特別会計にメスを入れるのに一刻の猶予も許されないと思う。

参考記事 

ガソリン税という名称をつけるから、道路建設以外の財源にしてはダメだという話になるわけで、暫定税率をそのままにして”環境負荷税”と名称を改めたらどうだろうか。

今や日本の労働者の三分の一が非正社員であり、非正社員の75%以上が年収200万円以下といわれている。これらの層が自家用車を維持していくのは容易なことではないだろう。

原油価格が1バレル=100ドルを突破するなか、高額な化石燃料を燃やして自動車を走らせるのは、富者によるぜいたく行為となりつつある。

だから化石燃料を燃やして日本の環境・社会全体に負荷や迷惑をかけたことに対して税というペナルティを取るのである。

これならば使い道をより柔軟にすることができる。

そこからまず既存の道路の維持・補修費用を差し引き、基礎年金の国負担部分として必要な額を差し引き、残りを緊急性が高い道路建設から順にまわしたらどうだろうか。

少なくとも、モノを買うという本来賞賛されるべき行為に罰を与えて景気を冷やし内需を縮小させ、逆累進性のために格差拡大をひどくしかねない悪税である消費税を増税するより、よっぽど良いと思うが。

国交省は10年で59兆円分の道路を造ると言っているわけだから、大変な財源だ。
これをそのまま年金など社会保障の財源にまわせば、増税は避けられるのではないか。

 与謝野氏も「国交省は道路を49兆円つくっても良い」なんて言ってないで、特別会計にメスを入れるために官僚や自民党の道路族議員を説得して行財政改革を達成し、それでも増税が避けられない場合に国民にお願いする下地づくりのため、最低限の義務を果たすべきだろう。

与謝野氏は、自分に反対する人たちを「悪魔的手法を使うな」と非難するのが口グセだが、官の失敗を国民への増税だけで尻拭いさせようとするつもりなら、与謝野氏の方がよっぽど悪魔だろう。

 福田政権発足以降、政府与党に与謝野・津島・伊吹・谷垣各氏のように、さも国益を守るようなフリをしながら、官僚の側にたち、大きな政府と国民への規制強化の立場からポジショントークを繰り返す人ばかりが要職をしめるようになった。

それ以来、外国人投資家は日本株を売りつづけ、株価は低迷。

ゆるやかながらも長く好況が持続した、ここ数年の日本経済も踊り場に差しかかりつつあると言われ、内閣支持率も超低空飛行だ。

国民もマーケットも、福田政権内の主流派による”大きな政府”政策を支持していないということだ。

 自民党の増税派・大きな政府派は、「国民が年金不安をかかえているから消費がのびず、日本経済が停滞している。だから年金問題解決のために消費税増税を!」と言っているが、本末転倒もいいところだろう。

首相に強いリーダーシップと経営者感覚があって、「これこれの新しい産業を興して、国民がまじめに働けば希望が持てる日本にします!私が率先して働くから国民の皆さんも協力して欲しい」といったような、正しいビジョンを持ち、明確なメッセージを国民に示して動き出せば、いくらでも日本という国・社会・経済は活性化する。

06年の日本の経常収支を見ると、外国へモノを売った結果の貿易黒字が7兆3000億円、外国への直接投資・証券投資から得た利益の項目である所得収支が13兆7000億円の黒字、その他もろもろ差し引いた経常収支黒字が20兆円もあったのである。

アメリカは言うに及ばず、これほどピッカピカの国際バランスシートを持っている国はそうはない。

参考資料

にもかかわらず、経済が停滞していて社会に希望が見えないのだとすれば、福田政権を主導している官僚と官僚OBたちが無能だということに他ならない。

今や、日本が海外に保有する約9兆円の株・債券や約5兆円の直接投資が生み出す利益が、海外へのモノを売った利益である貿易黒字の二倍にも達しているのである。

もちろんモノづくりも大切だが、日本が持つ金融資産をいかにうまく運用して増やしていくかということが国家戦略上重要になってくるのであり、国は日本の金融業界に国際競争力をつけさせ、人材供給の流れや産業の転換をはかるような策を本来ならば打たなければいけないのである。

ところが政府・官僚はやることなすこと、逆に足を引っ張っているとしか思えない。

だから国民の雇用も所得も伸びないのである。

他人(国民)のカネをいつも当てにして、それを失っても自分のカネでないゆえに痛くもかゆくもない官僚が、身銭を切って勝負する経営者になれるとは到底思えない。

 与謝野氏は「日本の風土に合わない」という理由で小さな政府や市場原理を否定するかのような主張も行っている。

参考記事 

もしそうであるならば、私は競争による市場原理が日本の風土に合わないとは思わない。

(以前にも言ったが、だからといって私は「100%市場に任せるべき」という考えを支持するわけではないけれども)

典型的なのが戦国時代である。

戦国時代は、幕府(中央政府)の権限が弱くなって日本が小さな国に分裂し、それぞれの国が存亡をかけて、激しく競争した時代である。

生まれついての家柄・身分より実力がものを言う時代であった。

それゆえに、織田信長・徳川家康をはじめ、武田信玄・上杉謙信・伊達正宗・毛利元就など、キラ星のごとく有能な指導者が出現した。

彼らの多くは、家柄は良いが実力の劣る付近の大国・大名を食って下克上の世をのし上がっていった。

油売りから一国一城の主となった斎藤道三もそうだが、百姓のせがれから天下をとった豊臣秀吉が一番の出世頭だろう。

各戦国大名は、楽市楽座のような規制緩和を含む商業・産業振興策で国を富ませ、軍事力を含む総合国力を増大させていった。

堺や博多のような商人による自治都市も生まれている。

中世の日本に、経済・社会を飛躍的に発展させることとなった競争社会である、立派な封建時代があったからこそ明治の文明開化や昭和の奇跡的な高度成長が達成され、強い日本につながっていったわけである。

与謝野氏のように「日本の風土に合わないから」と言って改革を拒否し、日本を自分の殻に閉じ込めるなら、アメリカ・EU・中国・ロシアなど世界との生存競争から取り残され、保護無しでは生きていかれない絶滅危惧種となるだろう。

つまり日本のガラパゴス化だ。

その行きつく先は亡国に他ならない。

官界で、良心と危機感を失っていない人がいるならば、霞ヶ関の内側から日本を救うために動いて欲しいと思う。

 最後に、民主党の「ガソリン税の暫定税率を撤廃し、特別会計を全廃しても地方の道路は全部造ります」とか、「年金を全額税負担にするけど、絶対増税しません」なんて主張は、具体的な財源の裏付けに欠けた空理空論で、政策論議というレベルですらないということは念押ししておく。

<了>

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これからの日本は1バレル=150ドルになっても大丈夫な構造改革をしなければいけないし、そうなるとおもいます。そのためには日本国内での民族大移動、都市への一極集中を推し進める。いつまでも田中角栄の均衡ある国土発展は即刻やめるべきですね。
 一説には都市の人口は再開発をすれば今の倍の人口を収容できるそうです。日本の唯一の強みエネルギー効率をあげることがこれから日本が発展できる道ですね。

  • 投稿者: ななしの経営者
  • 2008/03/12(水) 12:29:43
  • [編集]

ごもっともな話です。なぜ道路と決めたら道路しか使えないのか?そしてさらに腹が立つのは道路と決めたはずのものが、マッサージ器や職員の旅費に化けていたなんて話を聞くと、ほんとに酷い話です。簡単な話だと思うのですがね。根深い利権構造が許さないということでしょうか?まー民主党の党利党略の行動には腹が立ちますが、ガソリン税の問題点をあぶりだしたことは善しとしますか?じゃないと溜飲が下がりません。

  • 投稿者: fuyuneko
  • 2008/03/12(水) 16:13:34
  • [編集]

無謬性のなれの果て

国債残高の「額面」が喧伝される中、すっかり財政健全化が国民的合意となってしまいました。

ムーディーズに国債の格付けを下げられたときは、OECD基準(純債務)を持ち出してムーディーズを批判した大蔵官僚は堂々と逆粉飾をやっております。「政府」レベルでは世界で最も物持ちな日本は、官僚ですら自分の省庁以外の実像を把握できていないのかもしれません。それはそれで危機なのかもしれませんが。

巨額な国債がカントリーリスクなんてマスコミはしたり顔で垂れ流しますが、真のカントリーリスクたるこのダブルスタンダードが解消されるまで潜在的な日本売りは続きます。まあ、アメリカもEUも安泰な市場ではなく、ロシアや上海はリスクが高すぎ、その他アジアは小さすぎ、結局ポートフォリオに日本を組み込まなければならないのではありますが・・・。

  • 投稿者: クマのプータロー
  • 2008/03/12(水) 20:46:24
  • [編集]

日本に必要なもの

 1.社会(政治家、公務員、企業等)のトップには、能力の有る人が就く。2.テレビの報道は、出来るだけ公平性を保ち、真実を伝える。此の二点が出来れば、後は放っておいても、日本は大丈夫だと思います。
 戦国時代と幕末が、有能な指導者が出た時代ですが、両者に共通しているのは、言葉遊びではなく、力を使った本当の戦争を、していたという事です。
 幕末には、何処に有能な人がいるかを書いた文書が、全国に出回っていた様です。其れを見て坂本竜馬は、勝海舟に会いに行ったと、言われています。
 最後の「空理空論だ!」は良かったです。

  • 投稿者: 八目山人
  • 2008/03/12(水) 21:02:02
  • [編集]

ななしの経営者さん

>いつまでも田中角栄の均衡ある国土発展は即刻やめるべきですね。

強く同意です。

すべての地方が東京並のインフラ整備を求めるのであれば、無謀であり不可能です。

むしろ、豊かな自然による子育て環境の良さとか食べ物の安全性・おいしさといった、その地方の強みを生かした独自の発展をめざせばよいと思います。

中央からカネが落ちてこないから何も出来ないと地方の首長さんが言っていたのではダメです。もっと経営者感覚を持たないといけません。

fuyunekoさん

>簡単な話だと思うのですがね。根深い利権構造が許さないということでしょうか?

行政改革を骨抜きする能力だけは世界一かもしれませんね。日本の族議員と官僚は。


クマのプータロー さん

私は、国の借金がゼロにならないと全然ダメだとは思いません。

GDPの6~7割に収まってくればなんとかなるのではないでしょうか。

それに玉数が多い国債は、日銀にとって有効な金利調整ツールとなっています。

日銀保有の国債は50兆円はあるはずです。


八目山人さん

>戦国時代と幕末が、有能な指導者が出た時代ですが、両者に共通しているのは、言葉遊びではなく、力を使った本当の戦争を、していたという事です。

命のやり取りほど、指導者の能力に磨きがかかるものは無いかもしれません。

良くも悪くも戦後日本が平和すぎたということでしょう。

>1.社会(政治家、公務員、企業等)のトップには、能力の有る人が就く。

日本は伝統的に末端の兵士は優秀なのですが、どういうわけか優秀な人がちゃんと指導者になれるような人事評価システムをつくるのが下手なようです。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2008/03/12(水) 21:26:37
  • [編集]

悪魔さんも心を入れ替えてほしい。

>ガソリン税という名称をつけるから、道路建設以外の財源にしてはダメだという話になるわけで、暫定税率をそのままにして”環境負荷税”と名称を改めたらどうだろうか

まったく同感である。
暫定という名称からして問題である。小学生に「暫定とは半世代以上の長期を示し、恒久とは4~5年のことと言います。」と漢字の意味を変更しなければならない。政治とは良心的でなければならない。本当に必要ならば、環境税に変更するべきだと政治家の皆様にもメールを送っているのだが、未だにそう言った声は高まってこない。



さて、与謝野らの増税だが、私も安易に反対している訳ではない。社会の転換を急ぐ為なら増税も賛成する。将来に希望が見えてくるなら賛成するつもりだ。
しかし、本当に与謝野氏ら、彼らからはそういったビジョンが見えてこないから困ったものだ。


ここで思い出されるのが、上杉鷹山の改革に反抗した武士の言葉である。
「民は胡麻といっしょで絞れば絞るほど油が取れるのです。富民などトンでもない。もってのほかです。」(どの小説で読んだセリフかは不明、忘れた。)
江戸時代、武士が考えていた思想である。
与謝野氏らが考えている思想と同じではないだろうか?

彼らには、上杉鷹山の言葉を送りたい気分だ。
一、国家は先祖より子孫に伝え候国家にして、我、私すべきものには之無く候
一、人民は、国家に属したる人民にして、我、私すべきものには之無く候
一、国家、人民のために樹てたる君にて、君のために樹てたる国家、人民には之無く候

(私の訳:国家とはご先祖さまから受け継いだものであって、国民は国家の私物ではない。況してやあなたの私物ではない。国民の為に受け継ぎ、育ててきたものであって、あなたの為ではない。)
つまり、国民あっての国家であって、国家あっての国民でない。況してお前たちの私物ではないぞ!

富民(国家を富ますには、まず、民を富まさなければならない。)を唱えた上杉鷹山らしい家訓である。
与謝野氏らもそこから考え直してほしい。そうすれば、悪魔的な考えかたには達しないのではないだろうか?

(まだ、まだ、上杉鷹山のことを語りたいが、長くなるので迷惑と思い、割愛させて頂く。知らない人には知ってほしい人物である。)

  • 投稿者: donnat
  • 2008/03/12(水) 22:03:15
  • [編集]

donnatさん

>一、国家は先祖より子孫に伝え候国家にして、我、私すべきものには之無く候
一、人民は、国家に属したる人民にして、我、私すべきものには之無く候
一、国家、人民のために樹てたる君にて、君のために樹てたる国家、人民には之無く候

このような素晴らしい志を持った為政者は、霞ヶ関では絶滅してしまったのでしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2008/03/14(金) 01:05:40
  • [編集]

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