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日本のピンチに便所のドア?

  • 2007/09/25(火) 22:47:21

 今日は突然、昔の話から。

戦前の陸軍参謀総長といえば、陸軍の作戦立案とその実施の責任者であったわけだが、太平洋戦争がまさに開始されるという時の参謀総長は、杉山元・大将だった。

よりによって日本の命運を左右するという大ピンチの時に、どうしてこの人がこんな要職についていたのだろうかと思う。

杉山参謀総長は、米領フィリピンを攻略する第14軍を指揮する本間雅晴中将、オランダ領東インド(インドネシア)を攻略する第16軍の今村均中将、英領マレーシア・シンガポールを攻略する第25軍を指揮する山下奉文中将を呼んで、太平洋戦争の作戦計画を説明した。

それは、「開戦から20日で香港攻略を完了し、フィリピンのマニラを50日、シンガポールを100日、オランダ領東インドのジャワ島を150日で占領せよ」というものだった。

 ところが相手が上官だったにもかかわらず、本間雅晴第14軍司令官は「相手があることだから、50日と期限を切られても困る」と反論した。

杉山参謀総長は、これを聞いてフグのように顔をプーッとふくらませたが、何も言い返すことができなかったという。

杉山参謀総長のいる部屋から三人が出ると、今村・山下の両中将は「よくぞ言ってくれた」と本間中将の肩をたたいたそうだ。

本間中将が言うことはまったくの正論で、軍事学で”攻者三倍の原則”というものがあるが、実は本間中将が指揮する第14軍の兵力7万に対し、フィリピンを守備するアメリカ軍の兵力は、それよりも多い12万以上だった。

三倍どころか、相手より少ない兵力でマニラを50日以内に陥落させろとは、どういった根拠のもとにはじき出された作戦日数だったのか、参謀本部は敵味方の戦力分析をちゃんとやったのか、という疑問が残る。

(ジャワ攻略の第16軍3万に対し、守るオランダ軍8万、マレー攻略の第25軍とイギリス軍は双方10万で互角だった)

だが、作戦はそのまま実施された。

 で、「香港を20日、マニラを50日、シンガポールを100日...」という日数は、昔のカレンダーに当てはめてみると謎がとけるぞという人がいて、

12月の10日前後に開戦するとして、20日後の元旦までに香港を、マニラは2/11の紀元節、シンガポールは3/21の春季皇霊祭、ジャワは4/29の天長節までに落とせということではないか、という説があるのだが、どちらにしろ軍事的合理性があやふやであることには変わりがない。

 しかし日本の政界・官界では、本間中将のように正論を吐くマトモな人は得てして出世しないわけで、東京の大本営の命令で、フィリピン攻略中の第14軍から精鋭師団を引き抜かれ、当然のように苦戦しだすと、その責任を取らされる形で、本間中将は予備役に回され左遷されてしまう。

(大本営の命令は、口答えした本間中将への仕返しだったとの説も)

第16軍の今村司令官も、占領後のインドネシア統治ですぐれた手腕を見せるのだが、大本営から「やり方が生ぬるい」と批判され、東京から視察に来た杉山参謀総長からも注意を受けて、最終的にラバウルに飛ばされてしまう。

(今村中将は、飛ばされた先のラバウルを自給自足が可能な要塞とし、アメリカ軍はその難攻不落さゆえに避けて通っていった)

 杉山参謀総長は、軍部でもあまり評判が良くない人だったようで、「グズ元」などとありがたくないあだ名をつけられていたのだが、またの名を”便所のドア”とも言った。

その心は「どちらでも、強く押した方に開く」で、ごねられ続けると結局相手の言うことを聞いてしまうところから、ついたあだ名だった。

 ”便所のドア”ではないがどういうわけか、少なくとも日本では、確固とした戦略・哲学・信念を持たず、周りの意見や場の空気に流されてしまうタイプの人間が、「調整能力・実務能力が高い」「無事これ名馬」とか言われて出世していく。

他人と衝突するリスクをおかしても自己表現して、強いリーダーシップで組織をグイグイ引っ張っていく人よりも、マージャンで言えば、安全パイを振り続け、一回ぐらいしか上がれなかったが、誰にも振りこまなかったおかげで2位だった、みたいな人が出世競争に生き残り、日本が大ピンチの時に限って、指導者として要職についていたりするのである。

だが自分で責任とリスクをしょって決断するという訓練を積んでこなかったことが多いせいか、ピンチの時に役立たずになってしまうか、パニックのような決断を下してしまうこともある。

これはいったい何なのだろう。

 戦前のエリート養成機関である陸軍大学校は、主に参謀を養成する教育をしていた。

司令官が、遠くを見渡して広い視野でもって戦略的決断をする”望遠鏡”だとすれば、参謀は、自分の得意な専門分野を生かして司令官の判断材料を準備し、司令官を補佐するいわば”顕微鏡”だと思うのだが、陸軍大学校は”顕微鏡”を養成するカリキュラムが中心だった。

このことは当時から問題視されていて、改革の動きもあったが結局、中途半端に終わってしまった。

”顕微鏡”は何台集めても”望遠鏡”にはなり得ないにもかかわらず、参謀が暴走して”望遠鏡”になろうとした幕僚統帥にもつながり、そのことが戦前の日本を迷走させた原因の一つなのではないかと思う。

東條英機首相も、望遠鏡というよりは”偉大な顕微鏡”だったのではないか。

 戦後の日本で言えば、政治家が”望遠鏡”、官僚は”顕微鏡”だと思うが、宮澤喜一元首相のやった事や事務方の官房副長官が”影の首相”なんて呼ばれたことなんかを見ると、やっぱり”顕微鏡”一辺倒の悪癖は直らなかったのではないか。

 それでも珍しく望遠鏡タイプの指導者が日本にあらわれると、嫉妬心からか「出る杭は叩け」とばかりにつぶされる。

永田鉄山中将は斬殺され、小泉元首相は「独裁者」と呼ばれてさんざん叩かれたが耐えぬき、安倍前首相はメディア・スクラムに押しつぶされた。

結局、日本のリーダーは”便所のドア”の方が、御簾の後ろから政治を動かしたい元老たちにとっても、「うまく行けばやったもの勝ち。失敗したら俺知らない」で好き勝手やりたい中堅幹部にとっても都合が良い。

だから”便所のドア”が「調整能力・実務能力が高い」「無事これ名馬」とか言われて重宝され、出世していくのだろう。

 欧米などに軍がネット攻撃を繰り返し、世界覇権奪取への野望を隠そうともしない中国が台頭し、核を持った北朝鮮は、韓国をまるで属国のように振りまわし、その韓国も北の尖兵となって反日を強めている。

現在の日本は、戦後最大のピンチを迎えていると痛感するのだが、23日の総裁選で、日本のリーダーとして自民党が選んだのは、福田康夫氏であった。

国難の折、福田氏が外交でも内政でもさんざん国を誤らせてきた”便所のドア”ではないことを祈るばかりだが...。


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「職を賭すということ・・」

 ちょっと前の話ですが、「職を賭す」ってこういうことじゃないかなぁ・・産経新聞から引用します↓ 「僕たちの担任やってください」体罰の教諭復職 06/12 06:48  「日本の教育現場も捨てたもんじゃない」

  • From: 湖北庵通信(旧 浦安タウンの経済学) |
  • 2007/09/26(水) 21:50:34

太平洋戦争

太平洋戦争 フランクリン・D・ルーズベルトハリー・トルーマン(1945)ウィンストン・チャーチルクレメント・アトリー(1945) 蒋介石 :en:John Curtin|ジョン・カーティン ヨシフ・スターリン |commander2= 近衛文麿 (1937~) 東条英機 (1941~) 小磯国昭 (

  • From: ほのかの記録 |
  • 2007/09/28(金) 06:07:25

この記事に対するコメント

危惧しております

拝啓、顕微鏡と望遠鏡の喩え解り易くかつ秀逸であります。                         日本社会において顕微鏡タイプが出世する、してしまうとの指摘は其の通りです非常に残念な事ですが、今回の高い調整能力?・安定度 前者の調整能力は甚だ疑問でありかなり過大評価されています の福田さんが典型的な顕微鏡タイプのミス・大失敗を侵し日本を滅亡の淵に追い込まぬかと日々危惧し些か胃が痛いです。                                               乱文にて    草々

  • 投稿者: 風顛老人爺          
  • 2007/09/26(水) 00:23:50
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  • 投稿者: マルコ
  • 2007/09/26(水) 01:17:21
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信長が首相であったらグズ元を「昭和の佐久間信盛」位の罵詈雑言罵声の嵐を浴びせる(議事堂+公道で)ほどの事をするであろう。そして「顕微鏡司令官」を一人残らず予備役編入or閑職左遷+奉文雅晴均等の「望遠鏡」を要職配置。

  • 投稿者: 特亜消尽
  • 2007/09/26(水) 01:45:37
  • [編集]

GHQ占領下で歴史の断絶があったように思えても結局のところ、管理人様のお話にあるように決断しないリーダー等が選ばれるところを見ると民族性はそうそう簡単には変わらないということでしょうか?

確か福田氏は官房長官のときには「影の外務大臣」とか大変な実力者のようにマスコミは持ち上げていた記憶があります。今にして思うと支那との調整とかが上手であったことを指してのことだったのでしょうか?

  • 投稿者: fuyuneko
  • 2007/09/26(水) 11:38:51
  • [編集]

山陰拉致トライアングルについて  

 福田内閣成立、拉致問題に関連して、未確認の拉致疑惑情報を当方のブログで呼び掛けております。
 拉致問題解決=拉致被害者奪還です!!

  • 投稿者: くまがわ直貴
  • 2007/09/26(水) 19:26:33
  • [編集]

軍部独裁?

実際、日本軍の上層部にいた人って、そうしたタイプの人が多かったようですね。実質的に実務を取り仕切ったのは、より下の中堅層でして、こんなので、直接A級戦犯として裁かれた人を「軍国主義者」とか「独裁者」と言っても無意味でしょう。
気に食わない内閣を倒すためと称して、陸軍大臣が辞職すると言ったくだりは、大臣自身はどうなるんだと言うところが気になりますね。予備役になるのか、あるいは陸軍参議官になるのか。それに比べれば、もっと下の佐官クラスの人間は、そうした人事には関係なく軍隊にとどまれるわけでしょう。大臣の辞職と言うのも、こうした人たちの圧力によったものなのでしょうね。

  • 投稿者: DUCE
  • 2007/09/26(水) 19:34:34
  • [編集]

付和雷同

付和雷同とは意見を変える人間という意味でよく使われる。
私は信念を持つことと意見を変えることは別のことと思っている。
「物事に絶対なことはない。」これが私の信念である。
良いと思えば、意見を変える。
悪しと思えば、100万の敵がいようと意見を変えない。

人から見れば、付和雷同と罵られるかもしれない。しかし、「我々は我なり」である。

ところで日本人の気質として、自分の意見を持たない方が多いのは事実だと思う。
十人が待っていると、一人は誰が何をいっても信号を渡らない。一人は誰の意見も聞かずに渡っていく。
5人は意見を持っていないので、残る二人が信号を渡るか渡らないかで全体の動向が決まってくるそうだ。
つまり、人口の3割の人を動かせば、日本を動かすことができるそうだ。
誰かがマスコミを動かし、
マスコミはその3割の人を動かしたのだろうか?

この人間心理の話はどこまで真実かはわからないが、それほど外れてはいない気がする。

  • 投稿者: donnat
  • 2007/09/26(水) 20:25:29
  • [編集]

(^O^)風顛老人爺さん

>今回の高い調整能力?・安定度 前者の調整能力は甚だ疑問でありかなり過大評価されています の福田さんが...

のっけから、古賀さんに人事で押し切られてしまったと言われていますね。

先が思いやられます。


特亜消尽さん

信長タイプのリーダーは、なかなか日本の風土だと出てこないのかもしれません。


fuyunekoさん

>GHQ占領下で歴史の断絶があったように思えても結局のところ、管理人様のお話にあるように決断しないリーダー等が選ばれるところを見ると民族性はそうそう簡単には変わらないということでしょうか?

たぶん民族性でしょう。

戦後、官僚が強い影響力を持ったのも、GHQ統治の都合で、戦前の体制が一部温存されたとも言えます。

福田さんの場合、中国が御しやすいから波風がたたず、結果うまくいっているように見えるのではないでしょうか。


くまがわ直貴さん

福田政権で拉致がどうなるのか本当に心配です。


DUCEさん

戦前の日本は、ヒトラーやスターリン、毛沢東みたいな絶大な権力を持つ指導者がいませんでした。

どこが政策決定権を持っていて、誰が責任をとるのか、非常に不明確です。

そして場の空気がなんとなく日本の行く末を決めていったような気がします。


donnatさん

私も、絶対に自分の意見を変えないということには賛成しませんし、間違えたと思ったら軌道修正するのは恥ではないと思います。

ただ、声の大きい人の話・最後に聞いた人の話で動くとか、場の空気に逆らいたくないからといって流されてしまうのは、日本人の悪いクセではないかと思います。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/09/26(水) 22:24:41
  • [編集]

強烈なりクロフネさまの正論

杉山某、東条英機、クロフネさまの形容、まさにそのとうりの悲しさです。じつは一般国民もまさに顕微鏡パターン;縮み志向の日本人です。井戸の中では天空に一部しかみえずそのなかで議論ばかりしている。顕微鏡の視野をはずれたらどこもみえず、もとの視野にもどすのも相当の時間がかかる、但しその視野の中の解析能力は地球上最高なんてね。カビとおんなじで死ぬしかないじゃござんせんか。でもかびなら視野のそとまではびこれるのにね(自嘲)

  • 投稿者: 人生の厄介息子
  • 2007/09/27(木) 02:00:35
  • [編集]

人生の厄介息子さん

すみません、自重したつもりだったんですが、強烈でしたでしょうか。

”顕微鏡”は必要だと思いますし、細やかな気配りに関しては、日本人は世界一です。

だけど、要はバランスなんですよね。

日本は、伝統的に”顕微鏡”タイプのエリート偏重で、”望遠鏡”タイプがなかなか出てこない。

出てきたとしても、出る杭は打たれるわけです。

顕微鏡と望遠鏡をあわせもった人なんて完璧超人ですから、いたら奇跡かもしれません。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/09/27(木) 23:09:15
  • [編集]

特アに妥協しない事を

拝啓、管理人さん 私としては新総理である福田さんが特ア とくにシナに妥協譲歩しない事を願うのみです。  招待されシナにヒョコヒョコ出掛けて日本の国益を損なう約束をしてしまい 天皇陛下や皇族の北京五輪臨席も安請け合いしてしまいそうでとても心配であります。          第一、前に安倍さんがシナ訪問をしたのですから次はシナのこきんとうが日本に来るのが筋と云うものです。(`´)(`´)(`´)m(__)m        乱文にて  草々

  • 投稿者: (^O^)風顛老人爺
  • 2007/09/28(金) 23:34:06
  • [編集]

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