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第12回 民主主義の広め方(その2)

  • 2007/08/31(金) 22:13:04

 前回では、民主主義を広めるには、必要悪としての開発独裁モデルの適用が有効な手段の一つであることについて述べた。

その代表例である、韓国の軍国主義政権も1987年に民主化したし、国民党独裁下にあった台湾も90年代の李登輝政権時代に段階的に民主化していった。

だが中国の例からもわかるように、独裁国家が豊かになれば必ず民主化されるというものではない。ロシアのように、いったん民主化された国が再び独裁国家に戻ってしまう例も多々ある。

有名なフランス革命も、革命が起こったからといっていきなり民主化したわけではなく、革命後の恐怖政治→ナポレオン独裁と強い指導者を求める国民からの圧倒的支持→ブルボン王政復古→第二共和政→ナポレオン三世による第二帝政と、いくつもの反動を乗り越えて、現在のフランス共和国へとつながっている。

民主政治の担い手となる市民を育てて独裁国家を民主化し、国民の民度をあげて民主政治を安定させるには、長い時間と忍耐強い努力が必要だ。

ある国の民主化が挫折したからといって、「その民族は生まれつき民主主義とは合わない体質なのだ」と決め付けてかかるのも差別的な間違いであろう。

1930年代に民主体制が挫折した日本やドイツを見て、「生まれついての軍国主義者の日本人やドイツ人に、どだい民主政治は無理なのだ」と言った人がいたとしたら、現在の日独両国の存在をどうやって説明するのだろうか。

 以上述べてきたように、豊かになれば独裁国家が必ず民主化するというものではないし、いったん民主化した国は、ほっといても成熟した民主国家へ向かうとは限らないのである。

だからこそ日本や欧米など先進自由主義陣営諸国は、独裁国家・非民主体制国家とつきあう上での確固とした原則・ガイドラインが必要だ。


まず、独裁国家が強力な秩序維持能力で治安を安定させ、それによって国を富ませ、その富によって国民の生活水準・文化水準を向上させているような場合には、先進自由主義諸国も通商・投資など経済協力をすすめ、各種援助を行うべきだろう。

その国の独裁政権が、今後どういった政策をしようとしているのか、国民の生活水準をどうやって上げていこうと考えているのか、あるいは民主政治への転換まで視野に入れているのかのロードマップを提示してもらえれば、先進自由主義諸国としても透明性が増して、経済協力がやりやすくなるだろう。


 逆に、国がある程度豊かになり、国民の多くから民主化要求(政治参加・思想表現の自由)が出ているにもかかわらず、独裁政権側が強大な権力にしがみつき、民主化を要求する国民を殺害・投獄しているような場合、

国が富んでも、その富を独裁政権側が独占し、多くの国民が貧困に苦しんで奴隷のような状態にある場合、

あるいは、独裁政権が豊かさを国民のためではなく、核兵器や弾道ミサイルなど大量破壊兵器の開発・実戦配備など軍備拡張に使い、周辺国や地域全体・世界全体への脅威となっている場合、

さらには、独裁国家が周辺国に対して軍事力を行使して、地域の平和を乱した場合には、絶対に先進自由主義諸国が独裁国家にごほうびを与えるような事をしてはいけない。

 そのような独裁国家に対しては、先進自由主義諸国が一致団結し、その他の国々の協力を得ながら、問題となっている政策をやめるよう外交交渉で求めたり

それでも問題行動をやめないならば、各種の制裁措置によって圧力をかけ、政策の転換を促していかなければならない。

実際に、独裁国家が軍事力を行使して周辺国を侵略したり、弾道ミサイルなど大量破壊兵器を使用したり、テロによる破壊行為を行った場合には、先進自由主義諸国が武力で事態のエスカレートを阻止するのもやむをえない。

 中国やロシアといった強大な新ファシズム国家の台頭・上海協力機構という新ファシズム枢軸の登場という現在の国際情勢に対し、内向きになりつつある欧米や日本では、なるべくそれを見なかったことにしようという動きが出てきており、たいへん懸念される。

前述した、独裁国家・非民主体制国家とつきあう上での原則・ガイドラインに照らせば、

あれだけ豊かになったにもかかわらず、市民への中絶強制や政府批判者の投獄と拷問を続けて国民の人権をふみにじり、巨万の富を核ミサイル潜水艦などの大量破壊兵器配備につぎこんで、大軍拡で周辺国への脅威となっている中国に対して、先進自由主義諸国がそれらの問題を見て見ぬふりをするのは許されることではない。

核実験を行い、弾道ミサイルのような大量破壊兵器を世界に拡散させ、日本人・タイ人を含む多くの外国人を誘拐・殺害するなどのテロを行った北朝鮮に対し、先進自由主義諸国が制裁を解除し、報酬を与えるかのように援助することも、間違ったメッセージを与えることになる。

ロシアも周辺国を軍事力で威嚇するのはやめるべきだし、イランも核開発の透明性を高め、核兵器開発疑惑の解消に努めるべきである。

スーダンもダルフール虐殺の責任を問われねばならず、中国がスーダンに長年武器を売りつづけた責任も同時に問われねばならない。

 以前述べたように、イラクの占領統治の失敗によって、アメリカは現在、ベトナム戦争末期のような状態になっている。

日欧米の先進自由主義諸国では、自信を失ったり動揺したりして、世界平和への関心を失って内向きになりつつあり、これを見透かした独裁国家の中には、アメリカ国債の売却や強大な軍事力をちらつかせて、露骨な脅しをかけているところもある。

先進自由主義諸国の中には、そうした独裁国家を美化し、迎合しようとする血迷った人間も少なくない。

だが、ベトナム戦争後の70年代の過ちを繰り返してはいけない。

リベラルなアメリカ民主党の”人権外交”が生み出したものは、中国によるベトナム侵略(中越紛争)やソビエトロシアのアフガニスタン侵略であって、共産党の専制支配を打破し、人権弾圧に苦しむ東欧の人々を解放したのは、80年代の共和党レーガン政権の毅然とした外交だった。

 日本は”自由と繁栄の弧”の拡大を外交の重要な柱の一つとしている。

自由主義陣営諸国が、圧制と非人道的行為に苦しむ悲劇的な人たちを一人でも少なくするために、民主主義を望む人たちに救いの手を差し伸べることは、とても重要な使命である。

(「私たちは独裁者に支配されたい」というマゾ的な人たちが多数派である国ならば、あえて無理強いはしないが)

独裁国家の感情的な反発を避けながら、かつ独裁国家が大量破壊兵器などで周辺国に脅威を与えないように導き、効果的に「民主主義を広めていく」には、前述のようなしっかりとした原則・ガイドラインに従った外交をする必要があるだろう。

日本も、内向きになりつつあるアメリカやEUを励まし、自由主義陣営諸国で乱れた隊列をもう一度組みなおして、世界で台頭しつつある新ファシズム枢軸に、勇気を持って立ち向かわなければならない。



<了>

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民主主義ってすごいの?

はじめまして、donnatです。
民主主義の広め方、楽しく読ませて頂いてます。
そこで少し質問ですが、民主主義をどのような位置づけで認識しているか、一度聞いてみたいと思いました。
私は民主主義を愛してますし、民主主義以外の政権化で生活したいとは思いません。
しかし、民主主義が絶対的完全な制度でないのはクロフネさんも御存知の通りです。
そこで質問ですが、民主主義とその他の違いは何だと考えていますか?

私は民主主義も独裁主義も共産主義も1つの形態と考えています。
もちろん、1つ1つの中身によってさらに内容が異なってきます。
教育が行き届き、自然科学と倫理が発達した国家は民主主義であれ、独裁主義であれ、全体主義(共産主義)に近づいていくと思います。
また、利権や欲が融通を利かす場合は腐敗主義、利権主義とのいう力がすべての世界となり、実質は独裁主義へと進んでいくと考えます。
独裁主義の良い点は指導者が良心的な場合、劇的に社会改革が行いやすく。同時に腐敗しやすいことです。
民主主義の利点は改革が遅く、腐敗の進行も遅い点です。
共産主義は今のところ、腐敗し独裁主義に移行するしかないようです。
もっとも、民主主義から共産主義に移行した国家は未だ存在しないので共産主義の価値は保留中です。
(共産主義は他国から強要された国家か、強力な指導者によって建国された国家しかないと思っている。)
私の認識ですが、どの形態がすぐれているかではなく。どの形態も必然として存在し、つねに変化の途上だと考えています。

日本が民主主義を形態としていますので、他国も民主主義のほうが都合がいいとは考えていますが、あくまで日本という立場が前提です。

クロフネさんは民主主義の形態をどうお考えですか。

  • 投稿者: donnat
  • 2007/09/01(土) 09:45:35
  • [編集]

民主主義の失敗理由
ドイツ ①一次大戦後のベルサイユ条約で規定された戦後賠償の膨大さ
②事後の歴代政権の大恐慌に対し無力・無策
③ナチス以外の政党が民意獲得に失敗した事
日本 ①五・十五事件の酷過ぎる寛刑判決
②共産主義の勢力拡大
③幣原外交に対する国民の不満
大態此の程度のものではないかと愚考した結果でござい。v-7

  • 投稿者: 特亜消尽
  • 2007/09/01(土) 20:28:39
  • [編集]

donnatさん

>そこで質問ですが、民主主義とその他の違いは何だと考えていますか?

漠然としたご質問で、ちょっと答えるのが難しいですが、国民一人一人が、自分に与えられた権利の範囲内で、自分の将来を選択でき、その選択の結果責任を負うのが民主主義。

極右(ファシズム)にしろ、極左(共産主義)にしろ、独裁政治は、独裁者(もしくは独裁的集団)が、国民全体の将来を決定し、その結果責任を国民に負わせる体制と言うのが、一つの定義ではないでしょうか。

人間というのは、自分の将来を選択する自由を持っていると思いますし、それを獲得する権利もあると思います。

それが無いとなると、他人の奴隷でしかないのではないでしょうか。

私は、民主主義というのは、ひどい政治体制だと思っていますが、実現しうる政治システムの中ではもっともベターなものではないかと考えています。

国民一人一人が独裁者の奴隷にならずに済むということも、その大きな理由の一つです。

>教育が行き届き、自然科学と倫理が発達した国家は民主主義であれ、独裁主義であれ、全体主義(共産主義)に近づいていくと思います。

>また、利権や欲が融通を利かす場合は腐敗主義、利権主義とのいう力がすべての世界となり、実質は独裁主義へと進んでいくと考えます。

どうしてこうお考えになったか、詳しくお教え願えますか。

 私は、共産社会とか賢人統治が実現可能な政治体制だとはちょっと思えません。

人間というのは基本的に欲深で愚かです。

この習性が直らないかぎり前述のような体制は机上の空論だと思いますし、そういった習性が無くなったら、人間は生物ではなくなると思うのですが。


特亜消尽さん

>大態此の程度のものではないかと愚考した結果でござい。

私も同意です。

日独の民主体制が挫折したのは、第一次大戦の戦後処理の失敗と、世界恐慌以後の保護貿易主義の蔓延が大きかったのではないでしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/09/02(日) 17:44:26
  • [編集]

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  • 投稿者: -
  • 2007/09/03(月) 10:41:31
  • [編集]

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