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第2回 中国はどこへ向かおうとしているのか?

  • 2005/03/05(土) 01:00:13

 前回は中国の将来の姿として4つのシナリオを想定してみた。
そして日本と自由主義世界にとって望ましいシナリオを考えてみたが、では実際の中国はどこへ向かおうとしているのだろうか?

 本来なら日本が一番関心を持たなければならない(しかし日本外務省は、ほとんど関心が無いようだ)中国の政治の民主化状況だが、胡錦涛政権となって若干の政治改革があったものの民主化への兆しはほとんどみえない。

むしろ、「統一された中華民族のため」という”絶対正義”をふりかざして、チベット・ウイグル自治区・内モンゴルといった”植民地”を従え、

香港では民主主義体制を50年は尊重するとした、”一国ニ制度”の約束を踏みにじって独裁体制へと逆行しており、50万人規模の民主化要求デモがおきている。

台湾問題に関しても住民の意見をまったく無視して、たとえ軍事力を使ってでも台湾を中国に併合すると宣言している。

 また、日本を含めた全世界を狙い打ちにできるよう、核弾道ミサイルの増強をすすめ、新型の核弾道ミサイル搭載原子力潜水艦を建造し、パキスタンやイラン、ミャンマー、スーダン、ジンバブエといった国々(これらの国々の多くは、非民主的であると国際的に非難を受けている)には兵器を供給して同盟国としてとりこんだ。

そして国威発揚と宇宙開発のため有人ロケットを打ち上げている。

 ここまでで、気づいた人もいるかと思うが、現在の中国のやっていることは1950・60年代のソビエトとうりふたつなのである。

かつてのソビエトは「平等な人類社会を建設する」という”絶対的な正義”のために、殺人や暴力で民主主義を押しつぶすといった、さまざまな悪事を正当化した。(”正義”のためならどんなにキタナイ手段だって使うし、それが許されると思いこむ。これが左翼勢力のグロテスクな本質である)

チェコやハンガリーの市民が、ソビエトのやりかたに反対して自由を求めると多数の戦車を送って民衆をけちらし、大軍をもって、バルト三国・ウクライナ・グルジア・カザフ・ウズベキスタンといった”植民地”を従え、

大量の核ミサイルや原子力潜水艦を整備し、世界中の左翼国家には武器を与えて同盟国とし、国威発揚と共産主義の優秀さを証明するため、人類で初めて有人ロケットを打ち上げたのもソビエトだった。

 現代の中国はかつてのソビエト型超大国を目指しているとしか思えない。だとしたら、なんというアナクロニズム、時代錯誤であろうか。

上海や北京がいかに近代的な街並みになったとしても、中国の指導者の頭の中は、1960・70年代で止まっているのではないだろうか。

評論家のなかには、中国はシンガポールの人民行動党の擬似民主主義制のような体制を目標にしていると主張するものもいるようだが、ともかく当分は中国共産党による一党独裁は続き、中国に真の民主主義が導入されるには、まだ相当の年月がかかりそうである。

 しかし経済発展とともに中産階級が順調に成長しており、これらの層が今後民主化を要求する勢力になっていくことは、台湾・韓国・タイといった中進国・途上国の歴史をみれば容易に予想できる。

特に中国では会社をおこす許認可権が、中央・地方の共産党幹部とその子弟に集中しており、成功のチャンスの不平等が中産階級にとり大きな不満となり、そしてそれが民主化要求の大きな動機となるだろう。

 共産党政府が独裁と特権を守るため中産階級を弾圧すれば、経済成長と消費の大きな担い手を失い、中国経済が大きなダメージを受ける可能性がある。

しかし民主化を認めれば、ウイグル・チベット・内モンゴル・朝鮮族自治区の独立勢力を活気付け、地球最後の”赤い帝国”は、”初代赤い帝国”・ソビエトと同じように、これらの”植民地”を失ってしまいかねないというジレンマに悩まされる。

 内政で独裁を維持する中国は外交では長期的には、できればアメリカと肩を並べる超大国か、最低でもいかなる国にも中国のやりたい外交政策をじゃまさせない、アジアの地域大国の地位を獲得することを目標としているようだ。

その目標は最終的には、彼らが”失われた中国”と考えている台湾や東シナ海・南シナ海の島々(尖閣諸島やスプラトリー諸島など)を中国に併合することにつながっている。

 経済については今後とも成長をつづけるのだろうが、調整局面はいつ来てもおかしくないとみたほうが良いのではないだろうか。きっかけは資源ショック、通貨ショックなどが考えられる。

いったんそういう局面がくれば、潜在していた別の問題も噴出しよう。不正融資による不良債権の増大や粉飾決算などのモラルハザードが主たるものとなると予想できる。

日本のアナリストからは北京五輪まで、いや中国万博まで大丈夫といった声が聞こえるが、いったいどんな根拠があってそんなことを言うのか全く疑問である。

その他にも不動産バブル、人民元の為替切り上げや資本移動の自由化の問題など、中国経済が乗り越えなければならない課題はたくさんある。

 以上みたかぎりでは日本にとって望ましいシナリオ1・2に誘導するのは決してやさしいことではない。

いっこうに進まない民主化、領土的野心をかくさない膨張主義政策。むしろあまり状況は良くないといえる。

 次回は最悪のシナリオはどうやったら避けられるのか考えてみたい。

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この記事に対するコメント

日本ではほとんど知られていませんが、中国の一人っ子政策により捨て子や間引きが多く、政府が発表している人口の倍以上は人がいると思われます。人権を考慮すべきでは。

田舎に行くと貧しい人が多い上に全くインフラの整備が進んでおらず、上海などの都市に比べて差が大きすぎます。
中国の大半を占める貧困層は、おそらく今回のデモや有人飛行すら知らないのではないかと思います。
リアルな共産主義国家を目の当たりにし、矛盾を感じます。

  • 投稿者: 東京
  • 2005/04/18(月) 16:08:31
  • [編集]

はじめまして東京さん

>中国の大半を占める貧困層は、おそらく今回のデモや有人飛行すら知らないのではないかと思います。
リアルな共産主義国家を目の当たりにし、矛盾を感じます。

中国政府が情報統制を行って、都合の悪い情報を国民に伝えないのは大変な問題ですね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/04/19(火) 00:37:01
  • [編集]

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  • 投稿者: -
  • 2005/04/24(日) 00:47:15
  • [編集]

中国政府の目を逃れて出産した人達がたくさんいるという話を以前書きましたが、一方で強制的に中絶させられているという事実が記事になっています。
中国に人権なんてあったもんじゃないことが、よく分かります。

http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-050912-0039.html

  • 投稿者: 東京
  • 2005/09/12(月) 13:26:27
  • [編集]

東京さん

>一方で強制的に中絶させられているという事実が記事になっています。

恐ろしい事ですね。中国というのはますますナチス・ドイツに酷似してきました。

中国は、都市戸籍と農村戸籍という、生まれつき豊かさが約束されている一等市民と、生まれつき成功へのチャンスが閉ざされている二等市民という、身分制社会が形成されていますが、それとあわせて、恐ろしい事です。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/09/13(火) 00:26:21
  • [編集]

>中国は、都市戸籍と農村戸籍という、生まれつき豊かさが約束されている一等市民と、生まれつき成功へのチャンスが閉ざされている二等市民という、身分制社会が形成されていますが、~

知りませんでした。
万人が平等なはずの共産主義国家における、不平等な現実を知ってもらいですね。

(上の日刊スポーツの記事は数日たつと消えてしまうようです。)

  • 投稿者: 東京
  • 2005/09/13(火) 01:35:11
  • [編集]

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