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アジア・ゲートウェイ戦略会議と航空自由化

  • 2007/05/17(木) 23:12:36

 日本が今後とも安定した経済成長を続け、世界にとって魅力のある
”場”となるために、成長を続けるアジアの活力を取りこむことを戦略目標とする、”アジア・ゲートウェイ戦略会議”(議長・安倍首相)が16日、首相官邸での会議で最終報告を取りまとめた。

航空市場の自由化・”アジア・オープンスカイ”への航空政策の転換、貿易手続きの簡素化、金融市場の育成、留学生の受け入れ、アニメなど日本文化の発信力強化がその内容となっている。

参考記事 

アジア・ゲートウェイ戦略会議

 今日は、”アジア・ゲートウェイ戦略会議”の目玉の一つとなっている航空市場の自由化・”アジア・オープンスカイ”とからめて、日本の航空戦略について思うところを述べてみたい。

 現在、世界の航空業界は激烈な競争・メガコンペティションの只中にある。

特に航空市場の自由化がすすんでいる欧米を先頭に、航空会社同士がアライアンス(同盟)を組んで、座席の販売やダイヤ調整、ラウンジ運営など地上支援業務での協力・マイレージプログラムの共通化などによって競争力を高め、それによってライバルに打ち勝とうとしている。

いくつかある航空アライアンスのうちで、最初に脱落したのは、”クオリフライヤー・グループ”だった。

クオリフライヤー・グループは、スイス航空・サベナベルギー航空・トルコ航空などで形成されていたが、まずサベナベルギー航空が経営破綻し、ベルギー政府が救済に乗り出すも、EUから「禁止されている政府補助にあたる」との指摘があり再建を断念。ブリュッセル-東京線も持っていた欧州の老舗航空会社は2001年に消滅した。

そうこうしているうちに、グループのリーダーだったスイス航空も経営危機に陥り、02年に破綻。 
子会社のクロスエアを母体としてスイス・インターナショナルとして再出発したが、クオリフライヤー・グループはこれによって消滅した。

 続いて脱落したのが、アメリカのノースウエストとKLMオランダ航空の連合にアメリカのコンチネンタル航空などが加わった”ウイングス”である。(ちなみに”ウイングス”はマスコミが便宜的につけた名称とのこと)

ウイングスが解体したのは、経営破綻ではなく欧州で活発なM&Aがきっかけだった。

2004年、KLM航空がエールフランスに吸収される形で経営統合し、欧州で一・二を争う航空会社となった。(KLMのブランドは残っており、飛行機も依然飛んでいる)

これによってエールフランスの加盟するアライアンス・”スカイチーム”にKLMも加入することになり、ウイングスの他のメンバー、ノースウエスト・コンチネンタル・アリタリアもスカイチームのメンバーとなって一挙に規模を拡大した。

 いま、世界の航空業界は、アメリカのユナイテッド、ドイツのルフトハンザ、全日空(ANA)、タイ、シンガポール、エアカナダ、スイスインターナショナルなどからなる、”スターアライアンス”がトップ、

アメリカのデルタ、ノースウエスト、コンチネンタルとエールフランスKLM、アリタリア、大韓航空などからなる、前述の”スカイチーム”と、

アメリカン、英国航空、香港のキャセイ、カンタス・オーストラリア、スペインのイベリア、ラン・チリなどに最近加盟した日本航空を加えた、”ワンワールド”が後を追っている。

 航空アライアンスによる、世界を舞台にした三つ巴の戦いの陰で、業績を着々と伸ばしているのが格安航空会社だ。

格安航空会社は、機内での飲食物提供を省略もしくは有料にしたり、使用機種の統一と地上駐機時間の短縮による運行コストの低減によって、格安運賃を実現した航空会社で、欧州のライアン・エア、イージージェット、アメリカのサウスウエスト、ジェットブルー、ブラジルのゴル、東南アジアのエアアジアなどが代表例である。

格安航空会社の成功を見て、大手航空会社がマネをして子会社を作る例も多い。

 以上見てきた熾烈な競争によって、特に航空市場の自由化が進んだ欧州では一国を代表するような航空会社がバタバタと倒産したり消滅していて、前述のサベナベルギーやスイス航空の倒産のほかに、ギリシャのオリンピック航空も負債ごと旧会社をつぶして新会社へと移行させたり、KLMがエールフランスに吸収され、スペインのイベリアが英国航空からM&Aの対象に狙われているなど、中堅規模の航空企業でもまったく安穏とはしていられない状況だ。

 それでは日本の航空業界はどうなっているかというと、これまで日本航空が国際線と国内幹線、全日空が国内線と一部国際線、日本エアシステムが国内ローカル線と一部幹線というふうに住み分けを運輸省(現・国土交通省)が決め、手厚く保護されてきた。

その後、日本航空と日本エアシステムの合併があったが、運行トラブルの続発で経営が悪化、また航空アライアンスの加盟でも遅れをとり、全日空にやや水をあけられている。

格安航空会社の分野でもスカイマークやエアドゥなどが市場開拓に挑んだが、既存航空会社の壁は厚く、苦しい経営が続いている。

 こうした状況で、いきなり”オープンスカイ”をやれば、かなりの混乱が起こるのではないか。

これまで保護されてきた国内各社は、単純に日本のお客を海外へ運ぶという発想からなかなか抜け出せなかった。

また、日本の地政学的優位・不利をほとんど考慮しない路線展開をしてきたし、信頼度は高いが運行コストも高いという問題を抱えてきた。航空ビジネスに対する考え方も古い。

日本航空が、運行コストを下げるために機体整備を中国などへ外注したが、つい最近までの運行トラブル続発の原因はそれとは無関係ではないように推測される。(全日空も中国の整備会社に機体整備を外注しているはずだが、機体トラブルは日本航空より少なく見える)

以前は、高い整備技術に裏打ちされた日本の航空会社の機体は、中古機市場で人気だったという話を聞いたものだが。

 地方に目を向けると、「おらが街の空港を国際空港にしたい」という一部の地方自治体が、本来なら採算がとれないのに、韓国や中国の航空会社を誘致して国際線を開設してもらうため、予算を組んで一定数の座席を一生懸命買い上げるような、補助を与えるようなことまで行われている。

地方の首長さんや議会にしてみれば、「国内線専用空港より国際空港の方がステータスが高い」と言いたいのだろうが、その結果、国内各社よりブランドとして多少劣っても、安さと利便性をとって、地方から海外へ行く日本人は成田や関空・中部国際空港を経由せず、ソウルを経由して欧米に向かう場合も多い。

地方の客が成田や関空・中部を経由するようになれば、韓国の航空会社はかなりの打撃を受けるのではないか。

ともかく、日本の航空政策や国家戦略にとってはうまくない問題である。

 以上見てきたように、こうした問題を考慮せずにいきなり”オープンスカイ”をやると、全日空か日本航空のどちらかしか生き残れなかったとか、下手をすると日本の航空会社が軒並み倒産という可能性もゼロでは無いと思う。

国内各社をこれ以上甘やかすことは出来ないし、いずれはオープンスカイが必要となるにしても、順番を間違えると国家戦略上重要な航空会社が一つも無くなってしまうといったことにつながりかねない。

国内各社がコスト競争力と利便性の両方を確保した上で、地方から成田・関空・中部国際の拠点空港への客の流れをつくれるよう発着枠を与えるとか、海外の航空会社の乗り入れを認める場合は、国内各社への乗り継ぎ客増加などメリットが見込める路線を優先させるなどの戦略的選択が必要かもしれない。

国内各社が路線を開設するつもりが始めからない国・地域に対しては、二国間の航空交渉で積極的に発着枠を開放しても良いだろう。

一機あたりの離発着時間の短縮など、管制運用を改善することで羽田・成田の離着陸枠を増やしたり、関空の2本目の滑走路を上手く使うような戦略も必要だ。

 ”アジア・オープンスカイ”への転換は、甘やかされてきた日本の航空業界へのショック療法という意味合いもあるのかもしれないが、薬が効きすぎないようなサジ加減も求められる。

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(2006年4月1日基準)韓国金浦国際空港|金浦(国内線ハブ)、仁川国際空港|仁川(国際線ハブ)、金海国際空港|釜山、済州国際空港|済州、清州国際空港|清州、大邱国際空港|大邱、光州広域市|光州、晋州空港|泗川、群山、浦項空港|浦項、蔚山空港|蔚山、原州空港|原州、麗水

  • From: 航空会社を考える |
  • 2007/07/05(木) 05:50:35

北海道国際航空|北海道国際航空(ADO) 日本貨物航空|日本貨物航空(NCA) アイベックスエアラインズ|アイベックスエアラインズ(IBX) スターフライヤー|スターフライヤー(SFJ) スカイネットアジア航空|スカイネットアジア航空(SNA)・全日空が上海航空と包括提携へ・今後の全日

  • From: 航空会社を考える |
  • 2007/07/05(木) 08:57:44

この記事に対するコメント

少数のグループに集約されたんですね。
いい点もあるでしょうけど、選択の幅せまくなりますね。
自由度が減りそうと、少し不安感じますけどどうでしょうか?

  • 投稿者: あゆ
  • 2007/05/18(金) 18:50:21
  • [編集]

あゆ さん

>自由度が減りそうと、少し不安感じますけどどうでしょうか?

どこへ行くか、マイレージがたまりやすいのはどのグループかというの優先すると、おのずと利用する航空会社が決まってしまうかもしれません。

もっとも、パックツアーだと航空会社を選ぶことができないのがほとんどだと思いますが...

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/05/19(土) 00:03:55
  • [編集]

うまく説明できないんですが、
航空にかぎらず数が減っていく・少数グループに制約されちゃいと、利用者の選択の幅狭くなりますよね。極端な話一社だけだと不満でもそこを使うしかないですよね。
いろんなタイプの会社がいっぱいあるほうが選択肢ひろがっていいなとおもったんです。

  • 投稿者: あゆ
  • 2007/05/19(土) 10:15:05
  • [編集]

ranking の件

こんにちは。いつも楽しく拝読させていただいております。今回は人気ranking からアクセスしました。

さて、貴ブログは人気blog rankingにご登録されているようですが、最近の傾向として、クリック用のバナーは記事の上部に置くことが多いようです。

差し出がましいようですが、御一考ください。応援していますので。今日も、クリックしておきますね。

「管理者にだけ表示を許可する」にて投稿しました。レス不要です。

  • 投稿者: 静流
  • 2007/05/19(土) 15:06:25
  • [編集]

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