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トヨタ世界一と三角合併解禁

  • 2007/04/28(土) 00:06:57

 トヨタ自動車グループの、2007年の第1四半期(1~3月)の世界販売台数は234万8千台で、アメリカのGMをおさえて四半期ベースで初めて世界一となった。

参考記事 

アメリカは日本を支配し破滅させようとしているという、アメリカ陰謀論をとなえる者をちょくちょく見かけるのだが、これはどういった陰謀の結果、起こったことなのだろうか。

それはさておき、当初アメリカに輸出された日本車はまだまだ技術力が伴わず、”おもちゃ”と言われたものだが、それからするとまさに隔世の感がする。

 もう一方では、5月から三角合併が解禁され、外国企業が日本企業をいくぶんか買収・合併しやすくなる。

そうしたなか、きのう27日、アメリカのシティグループによる日興コーディアルグループに対する株式公開買い付け(TOB)が成立した。

参考記事 

外国企業による日本企業のTOBとしては過去最大規模となる、9200億円が株式買い付けに投じられた。

 この二つのニュースからわかるのは、日本とアメリカの国際収支の構造の違い、わかりやすくいえば、両国が国際ビジネスで食っていくメシのタネの違いである。

日本は、自動車や家電、特殊鋼などで製造業が国際競争力を持っており、貿易収支つまりモノの輸出で黒字が稼げる。

しかも、世界各国にもつ債権や証券投資から得られるリターンもあって所得収支も黒字だ。(近年はこちらのほうが黒字額が大きくなった)

サービス収支は赤字であるが、貿易サービス収支全体はプラス、所得収支もプラス、よって日本の経常収支全体はプラス、世界にお金を貸しているので、資本収支はマイナスとなる。

 一方、アメリカはどうか。

アメリカにある製造業は、航空宇宙産業や軍事産業など一部をのぞいて、国際競争力を失っている。近年は中国から巨額のモノを輸入していて、サービス収支は黒字だが、それを簡単に吹き飛ばすほどの巨額の貿易赤字をかかえている。

そうした巨額の貿易赤字・財政赤字の双子の赤字をファイナンスするため、主に証券投資という形で世界から多額のお金を借りている。よって資本収支は大きくプラス。

さらに世界から集めたお金を、ハイ・リターンが見込める中国・ロシア・インド・ブラジル(いわゆるBRICs)など海外への投資にまわし、そこから得られたリターンで世界から借りたお金の金利を支払い、なおかつ所得収支をプラスにしてきたのである。

アメリカの対外資産のうち過半は、収益性が高い直接投資や株式など非金利性資産が占める。

アメリカの国際収支構造は、貿易サービス収支は大赤字、これまでは所得収支はプラス、経常収支全体は大赤字、世界からお金をかき集めているので資本収支は大黒字だ。

おおざっぱに言えば、アメリカはあたかも一つの巨大なヘッジファンドのようなものと言えるのではないだろうか。

 以上みてきたように、アメリカのメシのタネは、世界最高水準の金融工学を利用した海外への直接投資・株式投資である。

である以上、世界のマーケットはアメリカ金融資本が投資しやすいように開かれていることが必要不可欠なのである。

だからこそ中国のWTO加盟交渉時に、アメリカは中国国内の金融市場を外資に開放するよう要求したのだ。

その結果として、シティやHSBCなど外国資本の銀行が中国で人民元業務を開始、出資上限が決められているものの、中国四大国有商業銀行である中国銀行や中国工商銀行に外資が資本参加することとなった。

「アメリカは中国と手を結んで日本を滅亡させようとしている」という者は見かけるが、アメリカ金融資本に金融市場を開放した中国を「親米ポチ」と呼び、「アメリカは中国を支配し破滅させようとしている」と唱えるアメリカ陰謀論者がいないのはどうしてだろうか。

 先ほどの三角合併解禁の話に戻るが、アメリカがいわゆる年次改革要望書で事細かに口うるさく、外資が三角合併を行う際に障害となるものをなくすように求めたり、金融市場における規制緩和を求めたのも、

戦後の高度成長期に日本の製造業が発展する過程で、自動車の街デトロイトや鉄鋼の街ピッツバーグが打撃を受けたというアメリカ側のいら立ちがまずあって、「日本の製造業ばっかり儲けていないで、アメリカの得意な金融・サービス分野を開放してアメリカにも儲けさせてくれ」という強い欲求があったからではないのだろうか。

 私が外資の日本企業買収をどう考えるかと言えば、防衛産業やエネルギー企業、巨大金融機関など日本の国家戦略に大きく関わる企業の外資買収に関しては、政府なり議会なりが厳しく審査して、制限を加えるとか全面禁止にすべきだとは思う。

アメリカでも、UAE国営のドバイ・ポーツ・ワールド社がアメリカの港湾施設管理権を買収しようとしたとき、イスラム国家の企業がアメリカの港湾施設を管理するのは安全保障上問題があるとして多くの反対の声があがり、結局買収に失敗したことがあった。

だが、通常のケースでは日本企業の外資買収を認め、アメリカにも儲けるチャンスを与える必要があると思う。

フランスの外交官ジュール・カンボンは「外交とは交渉であり、交渉は相当分取引である」と言ったけれども、取引であるならば、日本が一方的に儲けて相手には儲けさせないというのでは、外交が成り立たない。

日本は経済以外にも、アメリカから安全保障やインテリジェンスなどの分野で協力してもらっているというのもある。

ポエニ戦争や第四回十字軍の例をひくまでもなく、古来より通商問題は国家同士の戦争が起こる大きな原因の一つであった。

戦後の自由貿易体制で一番の恩恵を受けたのは、敗戦国の日本でありドイツであったことも見逃せない。

通商問題は本当に難しいのであって、それを軽く見たり狭い視野にとらわれて対応を誤ると、より大きな問題を背負い込むことになるだろう。


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チャーチルの箴言

チャーチルによれば、外交交渉の成果は、厳しい交渉過程があってこそその価値が上がるものなんだそうですが、相手方から基地外じみた非難が続くのは交渉がうまくいっている証拠だと受け取らなくてはなりません。

三角合併も、現行法では税法との絡みで「自由に」行うことが出来ないようになっています。解禁と言うには様々な要因が重なれば(買収主体で株主代表訴訟が起こされる危険性も含めて)、程遠いものです。
陰謀説も、最悪の事態が重なれば「そうなる」余地はあるわけで、両者を勘案すればギリギリの線で踏みとどまったと見ています。

クロフネさんの仰る国の根幹に関わるところは、国外からの批判には、相互主義か、民主主義国家の大儀を振りかざすべきだと思うのですが・・・。何にせよ、国外からの批判には「交渉ごとがうまくいっている」と安堵するメンタリティが欲しいところです。

  • 投稿者: クマのプータロー
  • 2007/04/28(土) 12:00:17
  • [編集]

クマのプータロー さん

>三角合併も、現行法では税法との絡みで「自由に」行うことが出来ないようになっています。解禁と言うには様々な要因が重なれば(買収主体で株主代表訴訟が起こされる危険性も含めて)、程遠いものです。

なるほど。
実際、三角合併が劇的に増えるものではないという報道もありますね。

>国外からの批判には、相互主義か、民主主義国家の大儀を振りかざすべきだと思うのですが・・・。

日本は”大儀”で国際社会を味方につけるのがこれまで下手すぎました。

>何にせよ、国外からの批判には「交渉ごとがうまくいっている」と安堵するメンタリティが欲しいところです。

同感です。これまでの日本だと、うろたえて譲歩のネタを必死に探しはじめる連中がいかに多かったことか(苦笑)

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/04/29(日) 00:02:24
  • [編集]

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  • 2008/01/07(月) 12:22:53
  • [編集]

『株は堀、株は石垣、株は城』 もしも信玄公が現代の改革派知事ならこう言ったかどうかは分からない。
新世界秩序の旗印の下、天下統一を掲げるアメリカ城のグローバル将軍。
日本城を出城に中華城攻めを画策か。
ただ誰が将軍になったとしても庶民の生活はどこまでもつましい。

  • 投稿者: fukuro
  • 2008/01/11(金) 08:33:41
  • [編集]

日本ブランド防衛圏

 いざとなったら日立金属さんが動き出すはず。

  • 投稿者: 宝田
  • 2008/04/30(水) 20:17:56
  • [編集]

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