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再チャレンジの無い日本(その2)

  • 2007/01/31(水) 23:39:04

前回のつづき

 前回では、日本に存在する「失敗したら腹を切れ」という考え方と、そうしたタテマエの裏返しとしての「共同体メンバー全員のコンセンサスを重視する日本型意志決定システム」までお話した。

 21世紀にはいって、世界におけるグローバリゼーションの流れはますます強くなり、日本人は好むと好まざるとにかかわらず、世界中をまきこんだメガ・コンペティション(大競争)に巻き込まれている。

そうした潮流を受けて企業を含む日本社会は、競争原理・成果主義を取り入れ、メガ・コンペティション時代を乗り切ろうとしているのは皆さんも良くご存知だろう。

格差ゼロをめざし競争原理が何一つ働かなった社会主義が大失敗したことを見れば、私は競争原理は日本にも必要だと思うし、それが進歩と発展を生み出すと考えている。

 だが、日本人が競争原理のうわっつらだけ取り入れるのは非常に危険だと思う。

競争すれば当然のことながら、成功する者と失敗する者、勝者と敗者が誰の目から見てもハッキリと分かれる。

そんな競争原理に、日本にもともと存在している「失敗したら腹を切って死ね」という文化が融合すると、最低最悪の社会が誕生するのは間違い無いだろう。

つまり、何らかの失敗やアンラッキーな要因で一度競争に負けてしまうと、勝者から徹底的に叩かれ罰せられ、二度と敗者の立場から這い上がって名誉挽回するチャンスが与えられない、恐ろしい社会である。

前回で紹介した「フリーターやニートは、初めからろくでもない連中だから、政府が支援するなんてムダ」という一部の国民の投書から、こういう社会が誕生する危険な前兆を私は嗅ぎ取った気がしたのである。

 「じゃあ日本人は競争原理を捨て、世界との競争を避けて日本列島に引きこもれるか」というと、そうもいかない。

それに「みんなのコンセンサスを重視する日本型意志決定システム」も、それはそれで良いところもあるのだろうが、現在の大競争時代には合わない部分が多い。

現在は時代の変化が速いから、組織がスピーディーにどんどん意志決定をしていく必要があるし、何か問題点がみつかったら、失敗の原因を速やかに発見し、対策を現場にフィードバックしていかなくてはならない。

だが、日本型意志決定システムだと、共同体のコンセンサスを成立させるのに時間がかかって、適切なタイミングで意志決定ができないおそれがある。

それに、みんなの意見を足しているから責任者が誰か不明確で、失敗の原因を究明しづらい。

例えば誰かが「あれが失敗したのはこれが原因だよね。」と指摘しても、失敗の原因と思われる人から「お前の意見だって取り入れたし、それに賛成したのもお前じゃないか」と言われれば何も言えなくなってしまい、誰も「腹を切りたくない」から失敗の原因究明がうやむやになる可能性がある。

コンセンサス社会というのは悪く言えば、身内どうしで責任のたらい回しと、失敗した時のかばい合い・傷のなめ合いをしているわけだから、そもそもスピーディーな決断や、責任者が誰で失敗した原因は何かを突きとめるのに向いていない。

最近話題になっている不二家やパロマは、どちらも同族経営という古い体質を引きずった企業だったと聞いたが、身内で傷をなめ合うような体質が存在していて、それが不祥事の原因になったのではないだろうか。

 私は、今の日本が競争原理を捨ててしまうわけにはいかないと思う。
そこで競争原理の安全弁としての”再チャレンジが可能な社会”というのが重要になってくるのである。

 たとえば競争原理のもとで勝ち残った、もっとも優秀な人がリーダーとなって決断をし、成功したときはそれに見合った報酬を受ける。

もしその決断が間違っていたのであれば、競争に負けた責任をとる。

だが、その人が仮に日本社会の一番下まで転落したとしても、再びたち上がってチャレンジするチャンスが与えられる。

意図的に何か悪さをしたとか、お金をもらうプロとして恥ずかしいイージーミスや取り返しのつかない重大な過失を犯したとかは別の話だが、

何かにチャンレンジして失敗したとしても、その失敗が全力を尽くした結果であり自分で責任を取るならば、「失敗したなら腹を切って死ね」と叩くのではなくて、むしろ困難な分野に果敢にチャレンジしたことを評価し、再びチャレンジすることを応援するような、そんな日本社会をつくる必要があるのではないか。

 ともかく、うわっつらだけ取り入れた競争原理と「失敗したら腹を切れ」という日本文化が融合すると、恐ろしい社会になってしまうだろう。

競争原理を取り入れるなら、”再チャレンジ可能”も必ず一緒に取り入れなければならないと思う。

<了>

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この記事に対するコメント

悲しい町並み

【競争原理主義】【超資本主義】は【民主主義】では無い!
それはまるで【大企業による日本の社会主義化】だ!

ほんの10年前には、地方地方で色々な景色や小売店や地元の商店街で活気で溢れ、目を楽しませた。店員もマニュアルで無く、普通に会話が出来る雰囲気や風情もあった。
しかし巨大資本の巨大チェーン店の展開で、懐かしい景色もことごとく画一的に変えてしまった。
画一的で確かに、どこに行っても同じ店が有るから、安心して品物を手に入れる事ができて便利だが… 他の体力の無い地元の店が殆ど潰れてしまった。その為、その巨大チェーン店でしか品物を買えなくなり、所謂、チェーン店財閥化。

経済活動の自由の筈なのだが、国民は選ぶ自由がなくなった…これはまるで社会主義国家に通じる。
そこに、奴隷同然の仕事形態で賃金の低下。そのしわ寄せで同然、値段の安い巨大チェーン店で 品物を買う事になる。 そのチェーン店無しでは物価が高くて生きられなくなる状態に。

便利や安価を追求した結果、逆に生活のレベルが下がり、大企業に弱みを握られてしまう羽目になり、仕舞には地方の人のお金の殆どを、東京等に本社をもつ大企業が吸い上げた揚げ句、地方を破滅に追い込むとも限らない…。


感情が入りすぎて、至る所で支離滅裂になってしまいました m(_ _)m

  • 投稿者: 危機!日本包囲網
  • 2007/02/01(木) 00:46:26
  • [編集]

危機!日本包囲網さん

コメントありがとうございました。

日本包囲網さんのおっしゃりたいことはわかります。

私のまわりにも”シャッター通り”でしたっけ、大規模店舗におされてつぶれてしまった商店街があって、とても残念に思っております。

でも、流通業の使命は「いかに良い品物を安く客に提供できるか」というところにあると思うんです。

そうしたことが基準となって厳しい競争が行われているわけで、消費者は勝者として大規模スーパーを選んだ、小規模な商店は品揃えでも価格でもスーパーに勝てなかったということでしょう。

もし小規模商店がスーパーに勝とうと思うなら、スーパーでは手に入らないような品物、行列を我慢してでもその店にいかないと買えないような商品を開発しなければだめでしょう。

もしそれができていたならば、シャッター通りが出現しなかったはずです。

小規模店で手に入るものは大規模スーパーでもだいたい手に入るということならば、消費者に選択の自由が無いといえるでしょうか。

消費者が大企業に支配されているとか、地方が東京の企業に搾取されているというのもちょっと違うと思います。

私も小規模店にはぜひがんばって欲しいとエールを送りたいですが、競争の勝者をただ「強いから」といって叩くのであれば、それこそ社会主義者の考え方と言わざるを得ません。

ちなみに、高度経済成長期の日本では、給料の額は上がっていましたが、「狂乱物価」と言われるほどの猛烈なインフレで、給与の伸びがパーになるほどで、消費者は非常に高い品物を買わされていました。

現在はデフレと言われて久しいですが、狂乱物価のころに比べて、生活水準が下がったとは思えません。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/02/01(木) 22:14:42
  • [編集]

複雑で…

感想を書けば書くほど、内容が余りにも大きく複雑かつデリケートで、しかも人間関係や利害関係非常にも関わる非常に難しい問題だと気付きました。

これで国際化が益々進むと更に難しくなるんでしょうね。

  • 投稿者: 毒薬
  • 2007/02/01(木) 22:39:29
  • [編集]

大学の科学実習で「実験は失敗にも価値がある」と最初に教わりました。
ある法則を導き出すのに、夥しい数の試験を行うわけですが、その一つ一つの結果が証明に生きるわけです。
実社会で必要とされるものを作り出す場合にも、これは当てはまるのではないでしょうか?
どうも日本だと成功した結果に焦点をあてて、その結果に関わったある技能や一つの発想にのみ価値を見出し、その過程は天才だから、あるいは努力したから出来たで納得してしまう傾向が多いです。
成功からも失敗からも学ぶことがあることに気づけない人間は、失うものが非常に大きいことに気づいて欲しいと思います。

  • 投稿者: 初心者
  • 2007/02/02(金) 06:56:22
  • [編集]

毒薬さん

>内容が余りにも大きく複雑かつデリケートで、しかも人間関係や利害関係非常にも関わる非常に難しい問題だと気付きました。

そうですね、競争をすればみんながハッピーというわけにはいきませんし、だからといって競争をしなくてもハッピーでない人が出てきますから。むしろ後者の方がハッピーでない人が多くなるでしょう。


初心者さん

>大学の科学実習で「実験は失敗にも価値がある」と最初に教わりました。
ある法則を導き出すのに、夥しい数の試験を行うわけですが、その一つ一つの結果が証明に生きるわけです。
実社会で必要とされるものを作り出す場合にも、これは当てはまるのではないでしょうか?

そのとおりです。「トライ&エラー」は非常に重要だと思います。 でも日本文化では嫌われる傾向が強いです。

>成功からも失敗からも学ぶことがあることに気づけない人間は、失うものが非常に大きいことに気づいて欲しいと思います。

鋭い指摘だと思います。
失敗をおそれてチャレンジしないと得られるものも少ないでしょう。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/02/03(土) 00:09:48
  • [編集]

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