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中国対EUの貿易戦争から見る民主主義の重要性

  • 2007/01/24(水) 00:09:35

 中国で欧州ブランド品叩きが激化している。

浙江省当局によって、ルイ・ヴィトンなどの革靴製品が品質不合格として焼却処分されたのに続いて、今度は上海市当局がシャネルやバーバリーなどの製品が基準を満たしていないとして店頭からの撤去を求めている。

中国は国産品保護をにらんで、欧州ブランド品の品質チェックを厳格にしているという。

参考記事 

これは、昨年決定されたEUによる対中国製皮革製品へのアンチ・ダンピング課税に対する報復であろう。

 中国は自分たちの失敗や不正を外国に指摘されると「面子をつぶされた」ことに腹を立て、逆ギレして仕返しをするという、非常に子供じみたことをしばしばやってのける。

中国の外交テクニックの一つに”道義の優位性”というのがある。

それは、「中国はいつも正しいのであって、悪い外国は正義の中国に対して反省し譲歩しなければならない」という心情を相手に植え付けて、外交を有利に進めるというやり方である。

しかし中国側に落ち度があれば、道義の優位性が失われるので、それを防ぐために相手のあら探しをして、見つけた”あら”を派手に宣伝して相手をやっつけるのである。

そうすれば”道義の優位性”を取り戻せるという、中国なりのロジックである。

数年前、中国産キムチから寄生虫を発見したと韓国当局が発表したら、すぐさま中国も韓国産キムチからも寄生虫が発見されたと発表して”報復”したことがあったし、

昨年、日本で中国産の野菜や魚介類から基準値を越える有害物質が発見されて輸入が減少したとたん、日本で製造された化粧品”SKⅡ”から
”有害物質”が発見されたと中国各地で大騒ぎになって販売を中止させられたという事件があった。

もっともSKⅡの”有害物質”というのは、中国以外の国の検査では発見されなかったし、中国国内で販売されている他の化粧品に普通に含まれている成分だったから、中国の露骨な仕返しであるのは明白だ。

SKⅡのメーカーであるマックスファクターは日本企業ではないが、本来は日本を狙ったであろう中国側の”誤爆”をくらって、とんだとばっちりを受けたと言える。

さらに時代をさかのぼれば、文化大革命期の1967年、中国の市民と紅衛兵が北京のイギリス大使館を襲撃し、イギリスの外交官が外に引きづり出されて、殴るけるの暴行を受けるという非文明的野蛮行為があった。 (このころフランス・オランダ大使館も襲われた)

それからしばらくして、ロンドンのポートランド街にある中国大使館を謎の東洋人グループが襲撃して、イギリス警官と格闘戦になるという奇怪な事件が起こっている。

もちろんこの”中国大使館襲撃事件”は、国際条約に違反してイギリス大使館を襲撃したことで道義の優位性を失った中国側が、自らの失策をチャラにするための自作自演であったと、イギリス外務省の実質的な対中外交責任者だったパーシー・クラドックは言っている。

 このように中国には、企業や投資家がビジネスをする上で、他の先進資本主義国では考えられないようなリスクが存在する。

中国側の気まぐれや”意趣返し”によって、ビジネスのルールが急に変更され、マックスファクターやルイ・ヴィトン、シャネルやバーバリーのように、外資系企業が思わぬ損害をこうむったり資産を失ったりしてしまう。

ロシアにおいても政権の意向が変われば、たとえ権勢を誇る政商(オリガルヒ)と言えども不正を働いたと糾弾され、身ぐるみはがされてシベリアの刑務所送りになったり、国外追放されたりする。

ホドルコフスキー氏やベレゾフスキー氏といったユダヤ系オリガルヒが代表例であるし、有名なアブラモビッチ氏も危険を察知して既に活動拠点をロシア以外に移していると聞く。

以上見てきたように、民主主義や法治主義が無いところでは安心してビジネスをすることが出来ない。

 これについて思うのは、

それでも世界の投資家・企業家(とくにウォール街あたりの人達)の中には、
「金が儲かるなら国境は関係無い。 愛国心とか民主主義なんか1セントの得にもならないし、自分のビジネスのためなら独裁国家・中国が、日本のようなアジアの民主国家をいくつか飲み込んだとしても知ったことじゃない」と考える人達がいるのではないかという懸念だ。

しかし、それは資本主義の原点を忘れているのではないかと思う。

中世ヨーロッパにおいて、農民のようにそれまで絶対君主の私物でしかなかった商人や職人が、「絶対君主から自由になろう」と考えたところから資本主義は出発したのではないかと私は考えている。

絶対君主が気まぐれで戦争をはじめ、外国の軍隊が攻めてきて商人が住む町がメチャメチャに破壊され、あげくの果てに「戦争にカネがかかったから商人や職人への税金を倍にする」なんて君主から命じられたら、商人・職人は安心してビジネスができない。

幸い、貨幣経済の浸透で何かと物入りになった絶対君主は、経済力のある商人から多額の借金をしたりして、立場が弱くなっていった。

そこで有力な商人・職人たちはギルド(組合)を結成して、絶対君主の借金をチャラにしてあげたりして、自分たちが住む町の自治権を買い取った。

こうして中世ヨーロッパにおいて、商人・職人のギルドがビジネスの諸権利や貨幣鋳造権を握る、自治都市・自由都市というのが生まれてくる。

"Stadtluft macht frei"「都市の空気は自由にする」という言葉が生まれたように、ここから市民による自由民主主義・資本主義が生まれていったのではないだろうか。

ちなみに資本家という意味の"Bourgeois"(ブルジョワ)という言葉は、Burg(城壁)の中の人= Burgerが語源だそうだ。(Burgerのuはウムラウトつき。中世都市はたいてい城壁で囲まれている) 

日本の戦国期においても堺や博多のように、商人による自治都市が誕生している。

そして西欧人と日本人だけが、20世紀のはじめまでに資本主義国家をつくりあげることが出来たのは、こうした理由から歴史の必然だと思う。

本来、資本主義は自由民主主義と相性が良く、独裁主義とは矛盾するところを持っている。

 現在の投資家や企業家が一応安心して中国やロシアでビジネスが出来るのも、日本やアメリカといった自由と法治主義が高度に進んだ民主国家が存在しているからであって、

もし独裁国家の中国が日本を飲み込み、手のつけられなくなった中・露がアメリカを打倒して世界覇権を握ったらどうなるか?

独裁者の気まぐれ一つで全財産を没収されるような、世界のどこにも安心して自分の資産を置いておける場所がなくなってしまうのではないだろうか。

そうなったら、「金が儲かるなら国境は関係無い。 愛国心とか民主主義なんか1セントの得にもならない」なんてことは言っていられなくなると思うがどうだろうか。

企業家・投資家など経済界のトップも自分のビジネスばかりでなく、少しは天下国家のことを考えてほしいと思う。

(今日は、ちょっとアカデミックな内容でした)


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この記事に対するコメント

匿名

中国の一部の地域においては、資本主義が行き過ぎに思える。弱者を排して外国の資本を受け入れる。お金の為なら弱者を排しても良いんという思想が広がり、犯罪をして迄して拝金主義の樹立。

今の中国は資本主義的社会主義国家。なんだか、今の日本の雇用の状態ともにてます。

理想としては 社会主義的民主主義国家 、または国粋的民主主義国家が理想ですが…。

  • 投稿者: 無名戦士
  • 2007/01/26(金) 14:03:09
  • [編集]

匿名さん

今の中国は、明確に資本主義でしょう。

社会主義とか先富論なんてゴマカシです。

しかも世界で最も格差の拡大した資本主義のひとつです。

別名”開発独裁”とも言いますが...

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/01/26(金) 22:37:51
  • [編集]

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