初めていらっしゃった方へ

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

安倍首相の訪欧を再チェック

  • 2007/01/18(木) 00:50:51

 それではアンティパストに引き続き、いよいよメインディッシュである安倍首相の欧州歴訪について見ていくが、

そのテーマは、日本と欧州の自由・民主主義という共通の価値観をきずなとして、核武装した北朝鮮や軍拡にまい進する中国といった軍国主義的独裁国家を念頭に、双方の外交・安保協力を従来より一歩進めたものとするということにあった。

麻生外相も首相と役割分担をして東欧各国をめぐりフォローした。

これにはアメリカの強い後押しもからんでいるようである。

参考記事 

 安倍首相の最初の訪問国イギリスでは、ブレア首相と会談、北朝鮮による日本人拉致・核武装問題への対処、EUの対中国武器禁輸措置の継続などで、日英協力を訴えた。

尾身財務相もブラウン財務相と会談、中国が資源確保のためにアフリカ諸国への進出を加速させる”新植民地主義”への懸念を表明した。

中国は、アフリカにおけるフランスの”シマ”をなるべく荒らさないようにしているようで、旧イギリスの植民地に触手を伸ばしてきた。

ジンバブエ・ザンビア・タンザニア・スーダンと、中国が影響力を拡大させてきたアフリカの国々は、旧イギリス植民地が多い。

イギリスが面白かろうはずがない。

参考記事 

参考記事 

 ドイツでは、北の拉致・核問題での協力に加え、EUの対中国武器禁輸措置の継続についても、メルケル首相から力強い支持があった。

国連安保理の常任理事国入りでも、日独協力を確認した。

参考記事 

 フランスにおいては、拉致や常任理事国入り問題でシラク大統領が日本への”支持”を明言、ただ、EUの対中国武器禁輸措置の継続については言葉を濁した。

参考記事 

アメリカに対抗しダッソーやタレスといった自国の軍需産業を維持するために、中国にフランス製武器を売りこみたいというのが本音だろう。

これまで、クロタール地対空ミサイルや艦船用レーダー、潜水艦用ソナー、マトラ空対空ミサイルを中国人民解放軍に納入してきた実績もある。(エグゾセ対艦ミサイルの技術も流れたといわれる)

意外だったのは、いつもは日本に対して辛辣なフランス・マスコミが、安倍首相の欧州歴訪を評価したことだ。アメリカへの対抗心を燃やすフランスとしては、アメリカよりも先に日本の首相がフランスを訪問したことがよっぽどうれしかったらしい。

ル・モンドが「欧州の政治力の増大」と「日本の外交戦略が転換期を迎えている」と分析し、これを歓迎しているという。

参考記事 

 安倍首相訪欧のハイライトがそれに先立つブリュッセルのNATO(北大西洋条約機構)本部訪問かもしれない。

日本・ベルギー首脳会談に続いて、安倍首相はNATO本部を訪問、日本の首相として初めて演説をしたのは画期的だった。

デホープスヘッフェルNATO事務総長との会談では、北朝鮮問題で日本とNATOが協力することで一致した。

参考記事 

 以上が安倍首相訪欧の”成果”だが、だからすぐに日本と欧州で軍事同盟を結成するとか、そういうことではないと思う。

今までの日本外交は米・中・韓からやってくる刺激に反応して、ひたすら右往左往するだけのものだった。(この三カ国以外、ほぼ眼中に無し。あるとすればせいぜいアラブ産油国)

だからこそ、日本が米・中・韓を刺激しないように、ひたすらガマンをするという消極的かつ情けない外交に終始していたわけだが、そこから大きく転換したことを実感する。

安倍首相の「主張する外交」は、欧州に関してはまだ最初の一歩を踏み出し始めたばかりだけれども、そこには明確な戦略や意図を感じる。

そのことについては大きく評価したい。

 地政学的に見れば、日本と欧州はユーラシア大陸の東西外縁部にあたり、自由と民主主義という共通の価値観を持つ日本とNATOが外交・安保面で手を結ぶことは、地球最大の独裁国家であり露骨な覇権主義をみせる中国のようなランドパワーを牽制する上で大きな意味を持つ。

これにインドやタイ(現在民主体制から一時的に後退しているが)・マレーシア・インドネシア等も加わってくれれば心強いし、スターリン主義に煮え湯を飲まされた東欧・バルト諸国へのNATO圏拡大もすすんでいる。

NATOは大西洋を超えてアメリカ・カナダと通じており、さらにオーストラリアやニュージーランドもアメリカの同盟国としてつながっている。

「日・米・欧の民主主義三極で世界の安定をはかるべき」と、このブログを立ち上げた当初の記事で主張したが、その実現へ一歩を踏み出したといえるのかもしれない。

ただ軍事やインテリジェンス面で、欧州や日本はアメリカに大きく遅れをとっており、当面アメリカ頼みの状態が続くだろう。

また、欧州はエネルギー供給源をロシアに頼っており、日本も中東からのシーレーン防衛においてアメリカ軍に多くを依存していて、それぞれ脆弱性をかかえている。

こうした課題の解決も含めて、長期的視野にたった安倍政権の外交戦略に期待したい。

年末にバスク人によるテロがあったせいで今はそれどころじゃなくなっているが、スペインのサパテロ政権も、「アジアの最重要パートナーは日本」と位置付けて、関係強化に乗り出すと聞いた。

中国べったりだったシュレーダー政権の退陣によって、ドイツに毅然とした”鉄の女”メルケル首相が登場したことも大きかった。 

日本にとって欧州から良い風が吹いているように思う。

欧州との外交・安保協力をこれまでになく前進させるという安倍政権の方針を強く支持したい。

 最後に余談だが、北朝鮮やイランといった独裁国家を甘やかす中国・ロシアのせいで、国連安保理が機能していないのだから、

NATO+日本の主要国、つまり日・米・英・独・仏・伊・カナダにオーストラリアあたりを加え、できればインドやASEANもオブザーバーにして、常設の安全保障理事会をつくっちゃったらどうだろうか。

拒否権つきの常任理事国という特権をもち、国連安保理がかわいくて仕方が無いフランスあたりはブーたれるだろうが、安保理改革がうまくいかなかったときの代案として一考の価値はあると思う。


banner_04.gif

↑あなたのワン・クリックがこの国を変えます。


関連記事・日本がとるべき世界戦略(その2)

関連記事・日本がとるべき世界戦略(その3)

関連記事・世界はパクス・シニカとどうつきあうべきか?(その2)

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

ども

「常設の安全保障理事会」ご提案、まえから同感です。
そもそも日本の近代化・民主化の歴史は西欧と並行です。
中韓は論外。
アメリカも核の傘を利用するため、あと二十年程度のおつきあいでじゅうぶんとおもってます

  • 投稿者: ハンディ12
  • 2007/01/18(木) 22:13:14
  • [編集]

ハンディ12 さん

>そもそも日本の近代化・民主化の歴史は西欧と並行です。中韓は論外。

アジアでは本当に稀有な例ですよね、日本は。

だからこそハンチントンが日本を一国で一つの文明とみなしたわけで...

中・韓の儒教国家とは、正反対だと思います。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/01/19(金) 23:07:03
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する


・いつもコメント&TBありがとうございます。

アダルト系ブログからの、サイトポリシーに違反したコメント・TBが後を断たないため、受信したコメント・TBを管理人が審査することにしました。

サイトポリシーに違反したものについては予告無く破棄します。

また問題の無いコメント・TBを頂いても表示されるまで少し時間がかかります。 悪しからず御諒承ください。

「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れると、管理人だけが読める非公開コメントになります。 非公開コメントを下さる方のプライバシーを尊重し、あえてお返事をしておりませんが、「公開コメントでも良いのでレスが欲しい」という方は、非公開コメントにその旨をお書き添えください。
                

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。