初めていらっしゃった方へ

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アメリカは日本を見殺しにするか?

  • 2006/09/15(金) 22:19:46

 最近、各種雑誌やネットで、日本は核武装すべきか否かについての話題が、ちらほら出ている。

それについてはひとまず脇に置いておくとして、核武装賛成派の主張の前提には「日本はアメリカの核の傘に入っているが、たとえば日本と核保有国である中国が争いになったとき、アメリカが中国の核によってワシントンやニューヨークを犠牲にしてまで、東京を守ってくれるだろうか? いや、それは相当疑わしい」というのがあって、「だから日本は独自に核武装すべきなのだ」という結論に至っているようである。

かつてフランスのド・ゴール大統領も「アメリカがワシントンやニューヨークを犠牲にしてまで、パリやボンをモスクワの核から守ることはあり得ない」と言って、独自核保有の道へと進んだ前例を思い出す。

 私は、前述のような議論には少し疑問がある。

確かにイザという時、アメリカが自国の犠牲をかえりみず、核兵器で日本を100%守ってくれるということは、誰にも保証できない。

だがアメリカは、日本を含めた同盟国を自国の都合だけで簡単に見捨てたり見殺しにしたりということは、できないと思う。

中国なり北朝鮮なりが日本に対して、「言うことをきかなければ核を使用する」と恫喝してきて、日米安保条約によってアメリカが間に割って入ってきたとき、中国・北朝鮮が「日本をかばうならアメリカに核を落とす」と言ったとする。

ここで、アメリカが日本を見捨てて核の傘の提供を中止することを恐れる人がいるのだろうが、もし実際にアメリカがそのような行動をとったら世界中がパニックになるのではないだろうか。

「核保有国が非核保有国に対し、核兵器で恫喝する」ということも衝撃だが、「核保有国が核の恫喝を恐れて、非核保有の同盟国への核の傘提供を拒否して、さっさと見捨てる」ということはさらなる衝撃だからだ。

そんなことが起こったら、現在の世界の安全保障体制を根底からひっくり返すような大事件で、世界はハチの巣をつついたような大騒ぎになる。

核から身を守るのに自国しか頼れないとなったら、世界のある程度の経済力を持つ国々はみんな核武装に走るだろう。

核兵器が発明されて60年、初歩的なものなら核兵器製造はそれほど難しいものではなくなってるし、ネットで検索すれば、核兵器のしくみについていくらでも出てくる時代である。

あらたに核保有国となった国が、友好関係にある非核国に、核兵器の製造技術や核兵器そのものを供与することも、大っぴらに行われるかもしれない。

こうなったら核を保有する国連常任理事国が、他国の核武装を阻止しようとしても、もはや誰も言うことを聞かないだろうし、説得力も持たない。

世界各国が普通に核兵器を保有するような事態が現実のものとなれば、テロ組織の手に核兵器が渡るという可能性がいっそう高まる。

そのような世界は、こうやって文章にしただけでも恐ろしいものだ。

特にアメリカにとっては悪夢のような世界である。

冷戦期には、アメリカの核兵器による報復を恐れて、あえてアメリカに核を使おうとするような国は無かった。 つまり核による抑止力が働いたわけだが、死を恐れない自爆テロリストをかかえるテロ組織に、核抑止力など通じない。

だから悪夢なのである。

ここで始めの話に戻るが、以上の点から考えて、中国なり北朝鮮なりが核兵器で日本を恫喝したとき、アメリカが中・朝の核を恐れて日本を簡単に見捨てたり見殺しにしたりすることはできないと思う。

もしアメリカが非核保有の同盟国を見殺しにする場合は、相当の覚悟が必要になるだろう。

 さらに言えば、米ソ冷戦真っ盛りだった時代ならいざ知らず現在の世界では、アメリカの圧倒的な核戦力に挑戦できる独立国家がちょっと見当たらない。

先日のテポドン騒ぎのとき、ロシアが保有する”オコ”および”プログナツ13”という弾道ミサイルの発射を探知する三機の早期警戒衛星のうち一機が作動しておらず、ロシア近海に発射されてはじめて北朝鮮の弾道ミサイルが打ち込まれたことを知ったという報道があったことからもわかるように、ロシアの核戦力は、”盾”も”矛”も相当ガタガタになっていることが予想される。

猛スピードで通常兵器の軍拡をすすめる中国でも、おそらく早期警戒衛星すら無いみたいだし、アメリカの核戦力に対抗できるまでにはいっていない。

西太平洋をパトロールしているであろう、アメリカの核ミサイル搭載原子力潜水艦に対して、中国や北朝鮮は対抗手段を持たない。

当分の間は、アメリカを少なくとも核兵器で恫喝しようとするような独立国家は現れないだろうし、将来的には、日米が共同開発しているミサイル防衛システムの完成度が高まることになる。

もし中国・北朝鮮が「日本をかばうならアメリカに核を落とす」と言ったとしても、アメリカが慌てず騒がず「やれるもんならやってみな」という態度をとり続ける限り、アメリカの圧倒的な核による報復力を恐れて、中・朝が日本に核を先制使用するような可能性はかなり低いと思う。

 では話をまとめると、日本を見殺しにすることで世界の核拡散が進んでしまうというアメリカにとってのリスクは、日本に核の傘を提供しつづけることによって負うリスクよりはるかに大きいし、アメリカが日米同盟が強固であることを世界にアピールし続ける限り、アメリカを核で恫喝したり、日本を核で先制攻撃するような独立国家が現れる可能性は低いだろうというのが私の考えである。

だから、今のところ日本が核武装する必要は無いとは思うが、外交・安保というのは何がおこるかわからない、100%確実ということの無い世界であるので、

繰り返し言っているように、スタンドオフ空対地ミサイルや巡航ミサイルなどのいわゆる”敵地攻撃能力”の整備は今すぐにでも必要だし、独立国家に欠かせない目であり耳である、情報機関や偵察衛星の拡充も力をいれなければならないと思う。


banner_04.gif

↑管理人が元気になりますので、もっと記事が読みたいという方はポチッとしてください。

関連記事・独立独歩の精神

関連記事・再度、独立独歩の精神を要求する!

関連記事・祝 H2Aロケット打ち上げ成功!

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

ごもっとも。

  • 投稿者: あっおー
  • 2006/09/16(土) 01:00:57
  • [編集]

アメリカは日本を見捨てないと思うけどその代わりに日本に不利な条件で手打ちにするでしょう。
例えば尖閣を譲歩しろとか。

  • 投稿者: くり
  • 2006/09/16(土) 01:08:12
  • [編集]

米国民主党

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/i/24/
先日、米議会公聴会で靖国批判の意見が出されたように、
民主党の親中嫌日傾向が心配です。
中国の「嘘も百回言えば本当になる」に対抗するには、性悪説の外交が必要でしょう。
ヒラリー政権になった時の備えに、
「真実はそのうちに明らかになる」
など悠長な事を言わず、火種は火種の
うちに消しておくべきです。
民主党政権は代々日本叩きするのだから。
ブッシュ政権が言った、
「日本への攻撃は米国に対する攻撃と見なす」
を、民主党がどう覆すと思われますか?

  • 投稿者: 太郎
  • 2006/09/16(土) 08:12:16
  • [編集]

本日9月16日の土曜日、柏駅前と渋谷ハチ公前にて
安倍晋三氏の街頭演説会が行われます。
予定は以下の通り。

①千葉県柏駅前 12:30~
②渋谷駅ハチ公口前 14:30~

皆さんご覧になってみてはいかが。

  • 投稿者: ご連絡
  • 2006/09/16(土) 09:07:36
  • [編集]

うーむ

なるほど。いつも非常に勉強になる記事を提供いただきありがとうございます。
拙速な核武装論はいかがなものかとは思っておりましたが、本日のエントリー、至極納得できる内容で、目から鱗です。
今後もご活躍、期待しております。

核抑止の利かない世界..確かに今以上に恐ろしい世界です..

  • 投稿者: ファイブ
  • 2006/09/16(土) 13:49:12
  • [編集]

連名でしつれいします

あっおーさん

どうもです。


くりさん

>アメリカは日本を見捨てないと思うけどその代わりに日本に不利な条件で手打ちにするでしょう。

アメリカといっても共和党政権と民主党政権では、日米安保に関する考え方に差異があるとは思いますが、

どちらにしろアメリカは日中間で領土紛争が勃発することを懸念しているとは思いますが、直接尖閣諸島をどうしろとかは、言ってこないと思います。

もしそうしたことをすれば、日米同盟への裏切りとなりますし、そうなれば日本で自主国防への声が高まり、核武装へと突き進むことになるでしょう。

少なくともそれはアメリカの国益と合致しているとは思えません。


太郎さん

>「日本への攻撃は米国に対する攻撃と見なす」を、民主党がどう覆すと思われますか?

正直どうなるかは私にはわかりません。

次期大統領が誰になるか決まったわけでもありませんし...

先入観をもって見てはいけないのでしょうけれど今までの経験から、民主党出身者が次期アメリカ大統領になったら、ちょっと不安な点もあります。


ファイブ さん

>拙速な核武装論はいかがなものかとは思っておりましたが、本日のエントリー、至極納得できる内容で、目から鱗です。
今後もご活躍、期待しております。

ご声援ありがとうございます。

「アメリカはいざとなったら日本を見捨てる」という主張でスッポリ抜け落ちている重要な点を指摘してみました。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/09/16(土) 18:49:25
  • [編集]

米国民主党は見捨てる

クリントン政権のころ、親中疎日の動きはひどかった。新聞コメント欄はもっとひどかった。おりしも日米自動車摩擦や日本の金融不安のころ。
米国は日本が金融恐慌になれば日本を経済絶縁し、中国と一緒にアジアを取り仕切る。こういう主張が外交評議会のリーダーからの寄稿で述べられていた。2年後の選挙では民主党政権に移行する公算大であろう。親中断日政権誕生を覚悟して、米国世論誘導を計画したほうがいいかも知れない。
断日したら何が起るか、まず米国国債を売りますよ、お覚悟召されませと。




  • 投稿者: ブローガー
  • 2006/09/16(土) 20:20:15
  • [編集]

>アメリカを核で恫喝したり、日本を核で先制攻撃するような独立国家が現れる可能性は低いだろうというのが私の考えである。

中国製核ミサイルのターゲットは、日本に向いてることぐらい知っていますか?アメリカとは相互に、ターゲットからはずす合意は、できているが、日本とは何の合意も交渉すら何もないですよ。ボタンさえ押せばいつでも、日本は焦土ですよ。

アメリカに対しても中国は核の先制使用を持さないと公言しています。

>日本に核の傘を提供しつづけることによって負うリスクよりはるかに大きいし、

アメリカは日本に核の傘は提供していないというのが、正確な見方ですよ。
安保条約は、通常戦争までで、核戦争は想定もしていません。読んでみたらわかることです。現状は、日本側による一方的な期待だけが核の傘の実態であり、核攻撃を受けた場合、アメリカが報復する可能性は50%以下だろう。

>核から身を守るのに自国しか頼れないとなったら、世界のある程度の経済力を持つ国々はみんな核武装に走るだろう。

だから、核拡散が現実に進んでいるんじゃないか?

>スタンドオフ空対地ミサイルや巡航ミサイルなどのいわゆる”敵地攻撃能力”の整備は今すぐにでも必要だし、

ミサイルだけあっても、搭載する弾頭が火薬じゃ、報復攻撃しても、相手はスリ傷だけで痛くも痒くもないだろうに・・・
核か核に近い破壊力の弾頭じゃないとな・・・

  • 投稿者: 通りであるが
  • 2006/09/17(日) 00:36:27
  • [編集]

米国民主党は

中国(清)を侵略した負目を背負ってるとの分析があります。
自称リベラル政党の建て前でしょうが、
その反動で日本が割を食っては、
それこそ割に合いません。

経済重視の同党が人口の多い中国を、
ビジネスパートナー(市場)にしたいのが本音でしょう。
しかしリベラルなはずの同党が、
中共の人権無視をスルーとは片腹痛い。
民主党・クリントンの外交上の無礼は今でも許せません。
日中の険悪、日本の強硬化、米民主党政権、
と言えばいつか来た道ですが...

  • 投稿者: 太郎
  • 2006/09/17(日) 18:12:02
  • [編集]

連名で失礼します

ブローガーさん

>クリントン政権のころ、親中疎日の動きはひどかった。新聞コメント欄はもっとひどかった。おりしも日米自動車摩擦や日本の金融不安のころ。

本当にひどかったですよね、あのときは。

思い出したくもありませんが、確か江沢民とグルであるかのように、米中が動いていましたよね。


通りであるが さん

>ボタンさえ押せばいつでも、日本は焦土ですよ。

あなたのおっしゃっていることについては、すでに記事本文で前提条件として含んだ上で、結論を出しているので、ここでもう一度同じことを書かなければならないのは、正直非常にめんどうなのですが...

記事にあるように、中国が非核国である日本に核を先制使用するようなことになれば、世界の非核国にパニックが起きるだろうし、アメリカがその時日本を見捨てればなおさらパニックになって、一層核武装に走るでしょう。

現在、北朝鮮とイランの二カ国の核開発が問題になっていますが、その深刻度は現在と比べ物にならなくなります。

そうなると>日本を見殺しにすることで世界の核拡散が進んでしまうというアメリカにとってのリスクは、日本に核の傘を提供しつづけることによって負うリスクよりはるかに大きい。

という結論になります。

それに日本に核攻撃すれば、たとえば首都圏に行えば、横田・厚木・横須賀等にいる米軍も巻き添えになります。

にもかかわらず、中国が米国からの核報復が無いと確信して日本に先制核攻撃をするとはとても思えません。ムシのよすぎる想定です。

そういったもろもろのことを踏まえた上で、アメリカ政府は日本を見捨てる可能性は低いのではないかと私が考えた、というのがこの記事の趣旨です。

また、日米安保に

>通常戦争までで、核戦争は想定もしていません。

なんて条文があるとは、初耳でした。ソースをお願いします。

それから、

>アメリカに対しても中国は核の先制使用を持さないと公言しています。

これも「先制も辞さない」というだけで、必ず先制攻撃するとは言っていませんね。

ちなみにこれってソースありますか?
まさか中国政府の公式見解ではないなんてことはありませんよね。

>ミサイルだけあっても、搭載する弾頭が火薬じゃ、報復攻撃しても、相手はスリ傷だけで痛くも痒くもないだろうに・・・

日米安保によってアメリカが核の傘を提供しているという現在の前提条件のもとでの、現実的な政策選択です。

通常弾頭でも北京やピョンヤンの政権中枢やミサイル基地をピンポイントで攻撃できる手段ができるわけですから、無駄にはならないでしょう。

それに私は未来永劫、通常弾道しかつけないとは一言も言っていませんし。


太郎さん

>中国(清)を侵略した負目を背負ってるとの分析があります。
自称リベラル政党の建て前でしょうが、
その反動で日本が割を食っては、
それこそ割に合いません。

それは興味深い視点ですね、初めて目にしました。ありがとうございます。

>日中の険悪、日本の強硬化、米民主党政権、と言えばいつか来た道ですが...

まだアメリカの次期政権がどうなるかわかりませんが、もし民主党政権が誕生しても賢明な対アジア外交を期待したいと思います。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/09/18(月) 03:21:22
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する


・いつもコメント&TBありがとうございます。

アダルト系ブログからの、サイトポリシーに違反したコメント・TBが後を断たないため、受信したコメント・TBを管理人が審査することにしました。

サイトポリシーに違反したものについては予告無く破棄します。

また問題の無いコメント・TBを頂いても表示されるまで少し時間がかかります。 悪しからず御諒承ください。

「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れると、管理人だけが読める非公開コメントになります。 非公開コメントを下さる方のプライバシーを尊重し、あえてお返事をしておりませんが、「公開コメントでも良いのでレスが欲しい」という方は、非公開コメントにその旨をお書き添えください。
                

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。