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IMF改革と財務省の新・大アジア主義

  • 2006/09/02(土) 00:47:41

 国際通貨基金(IMF)で31日、中国・韓国・トルコ・メキシコのクォータ(出資割当額)を引き上げることが内定した。 9月にシンガポールで行われるIMF総会で正式決定される予定だ。

クォータの引き上げ幅は、上記4カ国合計でIMF加盟国全体の出資総額(3170億ドル)の1.8%(57億ドル)となるもようだ。

引用記事 

 IMFとは、世界各国と経済政策・通貨政策について対話を行ったり、国際収支の悪化した国に金融支援をしたりする国際機関のことで、現在の加盟国数は184カ国である。

記事に出てきたクォータとは、IMFが経済危機に陥った国にお金を貸す時の原資となるもので、加盟国がIMFから融資を受ける際も、クォータの額によって借り入れ限度額が決まる。

クォータの額はその国の経済力などで決まり、25%まではSDR(特別引出権)またはドル・ユーロ・円などの信頼性のある通貨で、残りは自国通貨で払い込むことになる。

 また、IMFの意思決定機関における各加盟国の投票権の大きさもクォータで決まるという特徴がある。 加盟各国は基礎投票権250票に加え、クォータの額10万SDRごとに追加投票権1票が与えられる仕組みとなっている。

わかりやすく言えば、国連総会では各国が平等に1票ずつしか投票権を持たないが、IMFでは各国が供出したクォータの額によって持っている票数が異なるということだ。

最大の票数を持つのはアメリカで約37万票(全票数の17.1%)、2位は約13万票(6.1%)の日本。 中国は約6万票(2.9%)で韓国は約1万3千票(0.06%)、最小はパラオの281票(0.013%)となる。

ということは、今回IMFが中国や韓国のクォータを引き上げれば、IMFにおける中国や韓国の発言権が大きくなるということである。 今日の記事のポイントはこの点にある。

IMFクォータについての詳細

 中国や韓国などアジアの発言権が実際の経済力に比べて小さすぎるとして、IMFや先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の場で盛んに働きかけていたのは、他でもない谷垣財務大臣ひきいる財務省閥の面々である。

引用記事 

谷垣財務大臣ひきいる財務省閥が、戦前の”大アジア主義”の焼き直しのような思想を強く持っていることについては、以前の記事で取り上げたとおりだが、

欧米の影響力が強いIMFで、日本が中・韓を助けてアジアの影響力を拡大させようとする、財務省閥の”新・大アジア主義”の影がここでもちらついている。

当然、「靖国問題などでギクシャクしている対中・対韓外交を立て直すべきだ」と主張する谷垣財相としても、ここで日本が中・韓のためにがんばって汗をかけば、中・韓が日本を好きになってくれて日本の対アジア外交が上手くいくようになるだろうという思惑もあるのではないか。

 確かに、世界経済に占める中国の経済力の大きさからすれば、IMFにおける中国の発言権は小さいと思う。

しかし、人民元を市場メカニズムに任せるのではなく中国政府が人為的にコントロールし、どんなに対米貿易黒字を積み上げても人民元の対ドルレートがごくわずかしか切り上がらないようにするという近隣窮乏化政策をとるアンフェアーな中国のIMFにおける発言権を大きくしてやることは、極めて危険ではないだろうか。

アメリカはIMFに、世界の為替市場がバランスのとれたものとなるよう監視する役目を強化してもらいたいと考えているはずだが、中国が人民元相場をコントロールして近隣窮乏化政策をとっていることについて、IMFが中国に注意を与えようとしても、IMF内で中国の発言力が高まってしまえば、結局IMFは中国に何も言えなくなってしまうのではないかという強い危惧を私は持っている。

もしかしたら、IMF内で中国に責任あるポジションを与えることで、中国が人民元相場をコントロールして近隣窮乏化政策をとるような無責任なことをやめさせようと考えているのかもしれないが、それは楽観的過ぎると思う。

中国は国連安保理で常任理事国という責任あるポジションについているが、国際社会が、核開発や大量破壊兵器の保有をすすめるイランや北朝鮮に対して制裁をしようとすると、決まってそれを妨害するのは責任あるポジションについているはずの中国である。

むしろ中国は、北朝鮮やイランに武器を供給する無責任極まりない国なのであって、国際機関で中国に責任あるポジションを与えれば、中国は無謀なことはしないだろうという中国性善説を信じる人はナイーブ過ぎる。


中国のIMFクォータを引き上げる代わりに、中国が人民元を完全変動相場制に移行させるという確実な約束をするのであれば、話は別だけれども。

本来ならIMFで2番目に発言力のある日本がイニシアチブをとって、中国に対して人民元相場の人為的コントロールをやめよというメッセージをIMF全体として出させる方向へ持っていかなければならないのではないか。

 また、日本と中国・韓国との二国間関係からしても疑問だ。

IMFにおける中国の立場は世界経済における中国のポジションを正しく反映していないという主張はわかるが、だったら国連における日本の立場は、日本の国力の世界に占めるポジションや国連への貢献度を正しく反映しているとはとても言えない。

そこで国連安保理改革の話が出たわけだが、中国・韓国はそんなことは一切お構いなしに日本の常任理事国入りを全力で叩きつぶしにきたのである。

国連で中・韓に煮え湯を飲まされた当の日本が、どういうわけでIMFにおける中・韓の発言力・影響力の向上に、先頭を切って汗を流さなければならないのか?


日本がIMFにおける中・韓の発言力・影響力の向上を実現するかわりに、中・韓が日本の常任理事国入りを実現させるというバーター取引でもあるのなら話は別だが、そうではあるまい。

 谷垣財相と財務官僚の面々は普段新聞も読まないからこうしたこともわからないのか? それとも素で抜けているのか?

中国の東シナ海ガス田開発によって日本の国益が損なわれているというのに、財務省管轄下の国際協力銀行が中国の東シナ海ガス田開発に融資するという、あの大失態が再び脳裏によみがえる。

 財務省が現在やっていることは、日本全体の外交政策とまったく整合性を欠いているし、フェアーな人民元為替相場の形成に役立つのか大変疑問だ。

財務省は日本の政府内政府として、自分勝手に”新・大アジア主義”に突っ走っているようにみえる。

その姿は、戦前の政府内政府として好き勝手やっていた軍部や、軍部内軍部として、あたかも野に放った虎のようだった関東軍とダブって仕方がない。

財務省の”新・大アジア主義”には要注意だと思う。

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今度の組閣で

今度の組閣では谷垣は外して貰いたい。

靖国とか絆とかどうもピンボケが出ていて、こんなのが財務大臣では日本の国益が損なわれるばかりである。

  • 投稿者: 通りすがり
  • 2006/09/04(月) 17:37:53
  • [編集]

通りすがり さん

>今度の組閣では谷垣は外して貰いたい。

私も今度の組閣では、政策が一致する人たちだけで組閣してもらいたいと思います。

ということは、谷垣財相は退場ということになりますね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/09/05(火) 23:11:58
  • [編集]

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