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反米同盟化してきた上海協力機構

  • 2006/06/19(月) 23:58:05

 先週15日、中国の上海で上海協力機構(SCO)首脳会議が開かれた。

SCOは中国・ロシアと中央アジア4か国で構成され、準加盟国であるイランのアフマディネジャド大統領やパキスタン・モンゴルなどの首脳も参加した。

首脳会議後に発表された共同宣言では、「体制の違いを口実にした内政干渉はすべきでない」という内容がもりこまれ、ユーラシア大陸中央部をめぐるアメリカ・EU対中・露のグレートゲームの構図が年々はっきりとしたものとなってきている。

イランのアフマディネジャド大統領も「上海協力機構が強大な機構となり、不法な強権による干渉を阻止すべきだ」と演説し、中・露との連携強化をはかってアメリカに対抗する姿勢を強く印象付けた。

中・露もこれにこたえ、イランなどSCOの準加盟国を正式加盟国にして組織拡大をめざすことを共同宣言にもりこんだ。 中・露は国連でもイランの核開発に同情的で、制裁に強く反対している。

引用記事 

 これに対してアメリカは、SCOが反テロを目標に掲げながらアメリカがテロ支援国家と名指しするイランを準加盟国として加えていることは「理念に反する」と批判し、アメリカを念頭に置いた「体制の違いを口実にした内政干渉はすべきでない」という共同宣言にも反論をした。

引用記事 

 中国などが「SCOは反テロリズムのための平和的な組織で、第三国を標的にした軍事同盟ではない」としつこく言っているが、昨年8月山東省で実施された中・露合同の軍事演習の内容は、決してテロリスト相手のものではなかった。

まずバックファイアやフランカーといった(戦闘)爆撃機が、空対地ミサイルを使って相手のレーダーサイト・空港を破壊し、次に空挺部隊が輸送機からパラシュート降下して相手の重要拠点をおさえ、沖に待機する揚陸艦から水陸両用の戦車・装甲車と上陸用舟艇が発進して、空・海から援護を得ながら本格的に敵地へ上陸するという、明らかに独立国家へ侵攻する場合にとられる作戦の定石をふんだ内容のものであった。

SCOは大陸国家どうしの同盟だから、強襲揚陸艦をつかって上陸作戦を行うような軍事演習する必要性などほとんどない。 もちろんテロリスト対策のための部隊・装備でもなかった。

はっきり言えば、あの軍事演習が想定しているのは台湾侵攻作戦である。

世界各地のテロ組織を支援しているパスダラン(イラン革命防衛隊)をかかえるイランを準加盟国として加えながら、他国への侵攻を想定した軍事演習をおこなうSCOが「反テロリズムのための組織」であるとは、センスの悪いジョークである。

 兵器やエネルギーの売買によって結びつきを深めるSCOは、かつての”ワルシャワ条約機構”と”コメコン”を合体させたものに似てきた。

ロシアとイラン・中央アジア諸国が中国にエネルギーを供給し、
兵器の流れは、まずロシアが先端兵器を中国(一部はイラン)へと供給し、中国はさらにパキスタンやイランへと兵器を輸出する。

中国が中央アジアやイランなどの油田を囲い込み、がぶ飲みしてくれるおかげで、石油がコモディティ(市場商品)から戦略物資になって価格も高騰、ロシアやイランといった産油国の財政力と国際社会における発言力がアップするという構図になっている。

 だが、プーチン大統領がなぜロシアの周りに親露の衛星国をつくりたがるのか非常に疑問だ。

プーチン大統領が独裁政治の傾向を強めたのは、ロシアにエネルギー依存は危険の記事で取り上げたように、ロシアが社会主義から資本主義になる過程で現れたオリガルヒ(政商)が富を独占し、政治・経済において大統領を左右するほどの強い発言力を持ったからだった。

「ロシア国民は依然農奴のようなもので、せっかくバウチャー(株式引換券)を配っても、オリガルヒに二束三文で売っぱらってしまい、国を乗っ取られてしまった。だからロシアにはツアー(皇帝)が必要だ」とプーチン大統領は考えたのだろう。

「当然オリガルヒから権力を奪い返すためにも、大統領の独裁化による強権が必要だ」というプーチン大統領の考え方はわからなくはない。

しかし、ウクライナやグルジアなど民主化した旧ソ連圏の親欧米国家に対して露骨にエネルギー戦略を発動して圧力をかけ、もう一度親露の衛星国として引きとめようとするのは、ロシアの国益にとって利するところはほとんど無いと思う。

ロシアが周辺に衛星国を欲するのは、ナチスドイツによるソビエト侵攻のトラウマが原因なのかもしれないが、もはやそのような古典的地政学の時代ではないと思うのだが。

あるいは、かつてのソビエト連邦の復活を狙っているのだとしたら、アナクロニズムも良いところだ。

 衛星国などなくてもロシアは充分偉大になれる可能性を秘めている。

プーチン大統領が見習うべきなのは、偉大なロシア建設のために西欧から学ぼうとしたピョートル大帝であって、中華思想にもとづく覇権主義によって領土・領海を拡張しようとする国家・中国では無い。

 これは余談になるが、インドからはSCO首脳会議に参加したのはシン首相ではなく、石油天然ガス省のデーオラー大臣だった。

インドは長年ロシアから兵器を購入し、イランからパキスタン経由のパイプラインでエネルギーを確保したいと考えている。

このためにSCOに準加盟しているのだと思うが、イランとの関係強化でSCOが反米同盟化してきたので、そのヤバイ雰囲気を微妙に感じ取ったのかもしれない。

もしそうだとしたら、インドは外交で本当にしたたかだと思う。

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この記事に対するコメント

インドについて

論旨に同感です。インドについては、首脳会議の宣言で「国連安保理改革で、意見の相違が大きい案への強行採決や期限設定に反対」なんてことがうたわれていて、要するに常任理事国入りを妨害されているわけですから、この点でも利害が一致しません。いずれは「付き合いきれない」ということになるのでしょう。

  • 投稿者: 猫研究員。
  • 2006/06/21(水) 06:22:36
  • [編集]

猫研究員。 さん

中国は「インドなら常任理事国入りの資格がある」などと思わせぶりな発言もしますが、中国兵器の一番の顧客であるパキスタンとの関係が切れないかぎり、リップサービスで終わるのではないでしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/06/21(水) 20:20:17
  • [編集]

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