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”左翼”を解剖する(その2)
- 2006/05/10(水) 23:54:47
前回では、左翼の本質を解剖し、「アニマルとしての人間の本能である感情を、理性でコントロールするのが苦手」で「『だって左翼は正義なのだから』という感情で、殺人・暴行・拉致監禁・言論思想統制など、どんな悪いことでも正当化する人達」という結論を導き出した。
今回は、これまで左翼がやって来たことを振り返る。
「だって左翼は正義なのだから」という感情で、ありとあらゆる悪行を正当化する、グロテスクな左翼の代表例として、カンボジアの”赤いクメール”(クメール・ルージュ)を取り上げたい。
1970年に革命が起こるまで、王制時代のカンボジアは東南アジアでは割と豊かな国で、首都プノンペンは”東洋のパリ”と呼ばれた美しい街だった。
しかし、極左で狂信的な毛沢東主義者だったポルポト率いる”赤いクメール”が中国の後押しを受けてプノンペンを陥落させ、カンボジアの支配権を握ったのは1975年だった。
そこからカンボジアの悲劇が始まる。
ポルポトは「お金というものがあるから格差社会が生まれるのだ」として、通貨リエルを廃止して交易はすべて物々交換とし、「都市住民は資本主義思想に汚染されている」として、すべて農村に強制移住させられた。
この過程で家族制度も解体され、大人の男性だけの集団と女性だけの集団、それに5歳以上の児童も親から引き離されて男女別にグループ分けされて、共同生活をしながら慣れない農耕作業を強要された。
そして教師やジャーナリスト・技術者などの知識人は「矯正不可能」としてすべて処刑された。
これによって、東洋のパリと呼ばれた美しい街・プノンペンから人っ子ひとりいなくなり、ただの紙くずになった大量のリエル紙幣がプノンペンの大通りを紙ふぶきのように舞った。
”赤いクメール”の狂気の政策によって、カンボジア全人口の1/3にあたる300万人が犠牲になったと言われる。
「だって左翼は正義なのだから」という感情で、どんな悪事も正当化していくと倫理観が破壊され、人間はここまで残酷になれるのである。
ちなみに”赤いクメール”を打倒したのは、ベトナム軍に支援されたヘン・サムリンで、中国が支援する”赤いクメール”を打倒したその報復として、中国軍は79年にベトナムを侵略した。
この極左集団”赤いクメール”を「アジア的な優しさにあふれている」と恥も外聞も無く言ってのけた日本のマスコミがある。
あの朝日新聞社だ。
朝日新聞1975年4月19日夕刊2面 和田俊記者
朝日新聞1975年5月17日7面 和田俊記者
オマケ
和田俊記者といえば後年、テレビ朝日系の”ニュースステーション”にも出演して、しれっとした顔をしてニュース解説をしていたように記憶しているが、
朝日新聞社の報道姿勢をみると、人間としてのモラルが完全に破壊されているとしか思えない。
中国や北朝鮮のような独裁国家の悪事から目と耳をふさぎ続けたのは全く恥知らずだし、安倍官房長官と中川農相がNHKに圧力をかけたという”誤報”問題も、未だ解決していない。
朝日新聞がニュースの捏造・事実の歪曲などへっちゃらで良心の痛みも感じないのは、左翼特有の「だって左翼は正義なのだから」という感情でどんな悪事も正当化できるからであろう。
自分のやっていることが悪事だという自覚がない偽善者ほど、タチの悪い者はないが、朝日新聞・テレビ朝日・毎日新聞・TBSなど左翼マスコミが、左翼チャートに示したような矛盾に満ち満ちた善悪二元論の妄想を垂れ流して、日本国民をミスリードしてきた、その罪は重い。
不偏不党が原則のはずの”某国営放送”NHKも近年は「左向きに真剣。」で、左翼思想への偏向が顕著のように思われる。
マスコミや教育界に広がった左翼思想は、世間知らずでナイーブな”お受験秀才”たちの多くにとっては”正しいマニュアル”となって無批判に受け入れられ、その悪影響は現在も官僚や政治家に及んでいる。
”左翼チャート”
善 | 悪
―――――――――――――――
左翼 | 右翼
アジア(特ア)| アメリカ
中国・韓国・北朝鮮| 日本・アメリカ
弱者 | 強者
平等 | 格差
自由 | 抑圧
民主主義 | 独裁主義
平和(非暴力)| 戦争(暴力)
国際協調主義 | 帝国主義(侵略)
平和憲法 | 非平和憲法
反核・非核 | 核兵器
非武装 | 軍隊
地球市民 | ナショナリズム
大学の一般教養でとった人は知っているのではないかと思うが、政治学では”やわらかい方向と硬い方向”ということが言われる。
極左⇔極右 と 自由民主主義⇔社会民主主義 が、”やわらかい方向”で、例えば極左主義者と極右主義者同士は容易に転向しうるが、極左・極右が自由民主主義者・社会民主主義者に転向するのは珍しい、つまり”硬い方向”であるという説である。
ここで極右だけ定義していなかったので、このブログでの”極右”の定義をしておくが、独裁者のカリスマ性や自民族優越主義によって独裁政治を肯定する人達・体制を極右と呼ぶことにする。
”やわらかい方向と硬い方向”が正しいかどうかは知らないが、少なくとも極左と極右は容易に転向するのは事実であると思われる。
例えば中国の場合、清帝国という皇帝の持つカリスマ性に基づく専制政治(極右)から中国共産党による独裁体制(極左)となり、90年代の改革開放以後は共産主義を捨て去り、中華民族優越主義を独裁体制維持のためのイデオロギーとしたという点で、再び極右へと戻ったと言える。
私は極左と極右、いいかえれば共産主義とファシズムは、独裁体制という名の一つのコインの裏表だと思っている。
独裁体制を「格差社会阻止・平等社会建設」というタテマエで正当化したのが共産主義、独裁者のカリスマ性や自民族優越主義などで正当化したのがファシズムで、ありとあらゆる悪徳にまみれ、ろくでもないという意味では、共産主義もファシズムも全くいっしょだった。
21世紀の今でも、左翼共産主義が根強く残っているのは、ファシズムが「誰の目から見てもわかりやすい独裁」だったのに対し、共産主義が「格差社会阻止・平等社会建設」という一見、誰も反対しにくいタテマエを掲げた独裁体制だったからではないだろうか。
私は「格差社会阻止・平等社会建設」というタテマエと「だって左翼は正義なのだから」という感情で、殺人・暴行・拉致監禁・言論思想統制・差別・報道の歪曲など、ありとあらゆる悪徳を正当化してきた左翼は、20世紀以降の現代社会における最低最悪のサギ師だと思う。
共産主義者のような極悪非道の極左をかばい続けた社会民主主義者、いわゆる左翼リベラルも同罪である。
戦後、イギリスの政権与党となった左翼リベラル政党である労働党は、格差社会の是正のためローバーなど大企業をかたっぱしから国有化した。
そのおかげでイギリス産業は競争力を失って深刻な長期不況、いわゆる”英国病”を招いた。
1974年に政権についたウィルソン労働党内閣は、”英国病”克服のために、軍事費を削減しイギリス軍をリストラしたが、その後遺症でアルゼンチン軍事政権に”なめられた”イギリスは、結果的に82年のアルゼンチン軍によるフォークランド侵攻を誘う形となってしまった。
そして現在のブレア労働党政権は選挙に勝っても、もう「イギリス産業の国有化」なんてバカな事は言わなかった。
左翼は資本主義制度に福祉制度を導入させた点では大きな功績があったが、
結論としては、左翼なんて、大概ろくなもんじゃねえってこと。
それでも左翼になる自由、左翼思想を表明する自由を擁護するけれども。
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この記事に対するコメント
左翼を解剖する(その一)に書かれていることは、ずばり朝鮮人について書かれたものの様に見えますね(笑)。もちろん非難ではありません。
広告にハルピン女性との国際結婚なるものがありますね。こちらは非難します。もう二人の幼児殺害やインシュリン殺害事件は風化したのでしょうか?
前回の丁寧なコメント、
どうもありがとうございました。
どうやら私の視野が狭かったようです。
日本国内だけでなく、世界に目を向ければ
確かに腑に落ちるものがありました。
そして、ご指摘の通り、矛盾に混乱していました(笑)
かなりこじつけめいてますが、
一応考えてみたことを申しますと、
『競争は勝者と敗者を作り出す』
⇒『結果が平等にならないので戦争反対』
⇒『少しでも戦争に関わるもの反対』
⇒『武力の存在そのもの反対』
我ながらお粗末な論理だと思いますが、ちょっとこれが精一杯でした。
クロフネさま こんばんは
右翼・左翼の分類表も興味深く拝見しました。さて、ちまたでは「共謀罪」が取り沙汰されていますが、クロフネさまはこの法案についてどうお考えでしょうか?是非コラムで扱っていただければと思います。では失礼します。
連名で失礼します
無名戦士さん
>左翼を解剖する(その一)に書かれていることは、ずばり朝鮮人について書かれたものの様に見えますね(笑)。
みずからの感情・情緒を理性でコントロールするのが苦手という意味で、左翼と朝鮮・韓国系の人達は酷似していますから。
あと広告に関しては、どういうものが表示されるかは、管理人は全く制御できませんので、ご理解ください。
紅葉 さん
>我ながらお粗末な論理だと思いますが、ちょっとこれが精一杯でした。
左翼思想自体、矛盾に満ちていますから、肩の力を抜いて冷めた目でみたほうがよいのかもしれません。
こば☆ふみさん
>ちまたでは「共謀罪」が取り沙汰されていますが、クロフネさまはこの法案についてどうお考えでしょうか?
気にはなっているのですが、お恥ずかしながら全くの勉強不足なんです。
チャンスがあったら、よく調べて記事で取上げることもあるかもしれません。