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超然主義の復活を許すな!

  • 2006/02/25(土) 00:32:24

 今日は本題に入る前に、明治以降の日本の政治史の話をしておきたい。

 明治維新によって日本は近代的な政治システムを導入し、それを現在まで発展させてきたわけだが、

近代日本の政治史は、官僚による集団独裁体制である”超然主義”と”民主主義”のせめぎあいの歴史という側面を持っていた。

 明治新政府が出来たとき、実質的に政治を取り仕切っていたのは天皇ではなく、薩長などの下級武士出身の官僚たちであった。

薩長など倒幕派によって天皇家による王政復古がさけばれたのは、薩長出身の官僚たちが国のトップになったのでは、諸大名や民衆がついてこないと考えたからであろう。

だから明治新政府は、諸大名や民衆に求心力のある天皇を国家の象徴的なトップにすえて、実際の政治は官僚たちによる集団独裁体制で動かすという形をとったわけだが、

民主主義の土壌がまったくと言ってよいほど存在しなかった江戸幕藩体制から、いきなり近代的民主国家に移行するのは不可能だったから、大久保利通や伊藤博文らの選択は正解だったと思うし、実際これ以外の選択肢もなかったであろう。

 だが、明治政府が発足してすぐに選挙の実施と議会開設・憲法の制定を求める民主化運動である、自由民権運動が国民の間から巻き起こった。

欧米帝国主義列強によって結ばされた不平等条約改正を悲願としていた明治政府は、憲法や議会を持っていないことは国際社会の日本軽視の原因となり、不平等条約改正には不利に働くと判断したこともあって、19世紀の末には憲法制定と国会開設に踏み切らざるを得なかった。

 こうして日本はアジアで初の立憲君主国となり、制限選挙ではあったものの、国民は政党を結成し自らの代表を国会に送り込んだ。

これに対抗して政府官僚側の黒田清隆首相が超然主義を訴えて、民主主義をかかげる政党側と国会で激しく対立した。

超然主義とは「政治は行政のプロである官僚に任せておけばよいのであって、国民やその代表である政党政治家は、政策のことに口出しせんでもよい。」という考え方である。

 それでも1898年に、初めての政党内閣である第一次大隈政権が誕生したが、わずか4ヶ月で退陣し、その後成立した超然主義の第二次山県政権は、選挙によって選ばれた議員からなる政党の影響力が官僚に及ぶのを阻止するため手をうった。

政党の文官への影響力行使を阻止するため”文官任用令”を定め、武官には軍部大臣現役武官制をしいた。

このあと政党勢力と官僚勢力がしのぎを削る桂園時代をへて、華族でも藩閥出身官僚でもない平民・原敬を首相とする内閣誕生によって、大正デモクラシーの時代となり、超然主義と一進一退を繰り返しながら、徐々に民主主義と議会政治が日本に根付いていった。1925年に普通選挙法も成立している。

 しかし1930年代はじめ、世界恐慌によって日本の内政が不安定になると超然主義が強大なパワーを復活させた。その主役となったのは軍人官僚たちである。

1931年に発生した軍事クーデタである5.15事件で、犬養首相が暗殺されて政党内閣が崩壊。 太平洋戦争敗戦後までそれが復活することはなかった。

 軍人官僚たちは武力で国政への影響力を強めるとともに、制度上の欠陥もうまく利用した。

2.26事件直後に成立した広田内閣は、一旦は廃止された軍部大臣現役武官制を陸軍の要求で復活させたが、これが日本の民主主義の息の根を完全に止めることになる。

軍部大臣現役武官制とは「陸軍大臣・海軍大臣は現役軍人の大将・中将しかなれない」という制度で、気に入らない内閣が成立しそうになると、軍部は陸軍・海軍大臣への将官の派遣をしぶり、組閣を妨害したのである。

これで内閣はいっそう軍人官僚たちの意のままとなってしまった。

 その後、太平洋戦争の敗戦で、超然主義をかかげた軍人官僚たちの手から国民の元へと日本の主権が戻ってきたわけだが、超然主義は完全に死んだわけではなかった。

戦前のような軍人官僚こそ絶滅したが、こんどは文官が民主主義のルール違反スレスレで、超然主義を復活させようとしたのである。

官僚は許認可権という強大な権力をバックに、民主主義のルール上、根拠があいまいな”行政指導”で、担当する業界や企業に強い影響力を行使したのであった。

 もちろんこれは与党・自民党政権の黙認のもとに行われたから、完全なルール違反とは言えないかもしれないが、国政選挙の洗礼を浴びていない官僚が、政策を決定し実行するのは完全な超然主義であり、民主主義に対する重大な挑戦である。

 これに対して超然主義を正当化しようとする官僚側からの「日本は三権分立であり、行政が立法や司法をチェックしなければならないから、それは当然だ。」などという見苦しい言い訳が散見される。

誰が考えたのか知らないが、こんな頭の悪い言い訳をよく思いついたものである。

こういった話は官僚からちらちら聞くので、霞ヶ関では割と広く流布しているのではないかと思うのだが、こんな世迷言を並べる輩は、もういっぺん高校に入学して政治経済をやり直したほうがよい。

三権分立の行政といった場合、そのトップは国民から行政権を委託された首相であって、官僚ではない。

当然、官僚が勝手に政策を決定したり実施したりする権利は一切なく、人事も含めて首相の決定に一切服従しなければならない。

以前にも言ったが、官僚とは国民によって操られるパペット(操り人形)であって、そのパペットが自らを操る糸を断ち切って、自分勝手に動くことなど絶対に許されない。

 にもかかわらず、戦後の官僚は糸を断ち切って自由に動くチャンスを常に狙ってきた。 自分たちに有利な人事の実現や予算獲得など、国家全体の利益よりも省と官僚の利益を最優先させる超然主義によって。

このために、一方では外務省が中国の東シナ海における海底資源盗掘に抗議しているにもかかわらず、もう一方では財務省の所管にある国際協力銀行が中国の東シナ海油田開発に融資をするといった、マヌケな事態が発生したのである。

何度も言うが、ある限られた狭い分野では優秀なのかもしれないが人間としてトータルで見た場合、日本の”お受験秀才エリート”ってバッカじゃなかろうか。

 長い前フリとなったが、ここからが今日の本題。

民主党による”メール攻撃”に、与党閣僚の関心がひきつけられているうちに、そのウラで官僚が既得権益の保護に乗り出し、小泉政権の行政改革が骨抜きになりかかっている。

引用記事 

引用記事 

クロフネが特に注目しているのは、先ほど言ったマヌケな失態を繰り返さないための、政府開発援助(ODA)を官邸主導で統一された戦略のもとに運用するための改革が実現するのかどうかであるが、

ODAの既得権益をめぐって財務省と外務省が綱引きをはじめ、結局、両省が傷をなめ合う形でウラ合意を成立させ、双方の既得権益の維持をはかった。 これで円借款にも財務省がくちばしをはさむ余地を残してしまった。

引用記事 

また「国際協力銀行(JBIC)のブランドは大切」といった意味不明な理由から、JBICの国際金融部門が新政府系金融機関に統合されてもJBICの名前は残り、財務省からの天下りポストも維持される方向で決まったようだ。

例えるなら、ひとつの屋根の下に新たに二つの屋根をつくったのである。

これで果たして統一した国家戦略のもと、円借款・無償資金協力・技術協力・国際融資が実施できるのだろうか? 非常に不透明な感じがする。

 日本の影響力向上や外交政策の実現といった、国益第一でODAを実施していくためには、外務省が政策決定の材料を官邸に上げて、それをもとに首相と外相が決定した一貫した国家戦略にもとづいて、それに矛盾しない形で円借款・無償援助・技術協力・国際融資が実施されなければならない。

これが実現しないのであれば、改革した意味がなくなる。

 行政改革をふくむ”三位一体の改革”をかかげたからこそ、国民は小泉政権を大勝させて強い権力を与えたわけであるから、小泉首相は任期をまっとうするまで、行政改革の熱意を失ってもらっては困る。

行政改革は国民多数の意思である。

自らの利益を最優先させて、その国民の意思に逆らい、民主主義に挑戦してあからさまに超然主義を振りかざすような官僚は、完膚なきまでに叩きのめしてもらわなければならない。

小泉首相も「官僚の陳情がすごいね」などと、のんきなことを言っている場合ではない。

行政改革に抵抗し、民主主義に挑戦する官僚は懲戒免職等の厳罰を持ってのぞむべきである。

改革に抵抗する官僚は窓際にでもやって、やる気のある中堅どころを抜擢するのも一つの手だ。

それでも抵抗するようなら信長よろしく、”財務省焼き討ち”でも何でもやってもらわなければならない。

 また、安倍官房長官や谷垣財相・麻生外相といった小泉後継候補も、国民が自民党を大勝させた理由をよく踏まえて、官僚の利益を代弁するような行動は慎むべきである。

特に谷垣財相は、財務官僚が押さえ込めなくてどうして首相が勤まるだろうか。

 近代の日本の政治は、民主主義と超然主義(官僚独裁主義)との戦いの歴史でもあった。

二度と超然主義の復活を許してはならないし、そのためにも抵抗する官僚は完膚なきまでに叩きのめす必要がある。

苦しい財政状況のなか、日本と国民は愚かな官僚と一緒に沈んでいくわけにはいかないのである。

小泉政権には行政改革を最後まで貫徹して、次期政権につないでほしい。


 これは余談になるが、出所が不明な怪しいライブドアのメールで国会を空転させておいて、民主党は今更「メールはホンモノじゃありませんでした」で済むと思っているのか?

結果として行政改革に抵抗する官僚をアシストする形となった民主党は、万死に値する。

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