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第9回 低信頼社会と高信頼社会

  • 2006/01/18(水) 23:48:55

 このシリーズの5回めで、「外交とは交渉であり交渉とは少なくとも相当分、取引である」というジュール・カンボン(フランスの外交官 1845-1935)の言葉を紹介しました。

「外交は取引」である以上、日本外交の主役である日本政府・外務省が存在する一方で、必ず取引する相手が存在します。 つまり外国です。

「敵を知り己を知らば百戦危うからず」の言葉を引くまでも無く、外交をうまくやるには交渉相手をよく理解するとともに、自分自身もよく知っておく事が欠かせません。 後で理由を述べますが、日本ぐらいこの事が大切な国はありません。

 さて、世界には様々な文化や社会のしくみが存在していて、世界各国の人々の考えかたには違いがあります。

そのような文化の違いをもとに世界をグループ分けする、ひとつの方法として、
”高信頼社会””低信頼社会”という分けかたがあります。

 ”高信頼社会”とは、法律のもとにすべての人々が平等な権利を持っていて、人々もよく法律や契約、約束事を守っているような社会です。

もっともすすんだ高信頼社会では、書類に約束した内容を残さなくても、口で約束したことが(紳士協定)比較的よく守られます。

商業活動に関しては、為替や手形などの信用取引きが高度に発達し、一つの商品がすべての人に同じ価格で提供されます。(一物一価の定価販売)

 高信頼社会の代表は、西ヨーロッパの先進国やアメリカなどです。

個人的な見解ですが、同じ高信頼社会のヨーロッパでもイタリアやスペインといったラテン社会よりも、ドイツ・オランダ・イギリスや北欧諸国などのゲルマン社会の方が、信頼度が高くなるような気がします。

 逆に”低信頼社会”とは、人々が法律や契約、約束事をあまり守らず、裁判官や警察官などもコネやワイロしだいでどうにでもなるので、「法のもとの平等」が全く当てにならないという人治社会です。

書類で決められた事さえ守られないわけですから、口約束を信じる人はほとんどいません。

 商業活動に関しては、借金のふみたおしの危険があるので、手形や売り掛け販売などの信用取引きよりは、現金・現物取引が好まれます。

また定価が存在せず、知らない相手には相場よりも高くふっかけたり粗悪品を売りつけてみたり、逆にコネのある相手には品質のよい商品を割安で提供したりと、買い手の顔を見て商品の値段を変える”言い値主義”なので、取引のたびに面倒な交渉が必要になってきます。

 低信頼社会は、中国・朝鮮半島・南アジア・ロシア・中央アジア・東欧の一部・中近東を含むユーラシア大陸からアフリカにかけての広い地域に存在しています。

(もちろん100%信頼できる高信頼社会とか、ウソしかない100%の低信頼社会というものは存在しません。 程度問題ですし、もちろん例外もあります。 また同じ国でも地域やコミュニティによって信頼度に違いがあります)

 「私が古くから知っている中国人とは、家族同然の付き合いをさせてもらっているし、私と義兄弟の契りを交わし血をわけた肉親も同然の韓国人は、私をだましたり裏切ったりした事は一度も無い。中国や韓国が低信頼社会なわけないじゃないか! クロフネは中国人や韓国人の悪口を言って、彼らを差別をしているに違いない。」と言う人も日本人のなかにはいるかもしれません。

「古くから知っていてコネがある」「血をわけた肉親」 これが低信頼社会をより深く理解する
キーワードです。

実は低信頼社会には誠実さとか信頼が全く存在しないわけではありません。

外の社会が、法のもとの平等や契約・さまざまな約束事が守られない、非常に遅れていて信頼できないものであるからこそ、逆に血のつながった一族や同じ地方出身の知り合いといった、コネを持つ人々同士が固い結束を守りながら助け合うのが低信頼社会のもう一つの顔です。

(高信頼社会に移民した華僑が、それでも固い結束を保つのをやめないのは、おそらくこの習性が抜けないためでしょう)

そうでもしなければウソや裏切り、だまし合いがはびこる低信頼社会では生きていかれないからです。

ですから、それぞれの小さなコネ社会(血縁・地縁グループ)の内側では約束事がよく守られ、損得感情をぬきにした助け合い・もたれあい・恩の貸し借りによる信頼関係が維持されているのです。

 しかし低信頼社会の人間は、自分たちのコネ・グループに属さない”よそ者”に対しては強く警戒してなかなか信用しませんし、よそ者に損をさせたり、裏切ったり、ウソをついたりしてもあまり罪悪感を感じることがありません。

「よそ者はこちらをだまそうと常に狙っているのだから、こちらが相手をだましたり裏切ったりするのは当然だ。」と考えがちなのが、低信頼社会の人達の特徴と言えるでしょう。

こうした考え方の存在が、低信頼社会の人間が”よそ者”へのウソや裏切りといった問題行動に、良心の痛みを感じない大きな理由のひとつです。

高信頼社会の人間から見れば「倫理・道徳観のかけらもない恥知らずなもの」に見える、低信頼社会の人達の”よそ者”への問題行動は、こうした原理によって発生するのです。


低信頼社会の人達にとって、”よそ者”の最たるものは、言語や文化・宗教の違う外国人です。

 おそらく前に述べた、低信頼社会の人達である中国人や韓国人と高い信頼関係が築けているという日本人は、彼らのコネ・グループの内側に入り込むことに成功し、彼らの一員と認められたから、そのような良い待遇を受けているのでしょう。

「クロフネは中国人や韓国人を差別しているに違いない。」と思った日本人の方でも、

「知り合いの中国人は晩メシのおかずをおすそ分けしてくれたりして大変親切なのに、知らない中国人ときたら最悪だ。」と感じる事も多々あるのではないでしょうか?

例えば、お店や交通機関の行列に他人が割り込んでくるのは当たり前で、タクシーの運転手でも店員でも、べらぼうな値段をふっかけてくるし、つり銭はごまかすし、100元札を出したのに10元しかもらっていないとウソをついたり、
商品10個まとめて500元という条件で売買の約束をしたのに、あとになって「そんな約束知らないね。商品1個につき500元だ。」と言い出し、言った言わないの水掛け論となって大変不愉快な思いをしたとか、中国人の取引相手がこちらの売りかけ金と受取手形を踏み倒してトンズラしたとか、そういった経験があるのではないでしょうか。

このように「知っている人と知らない人」で全く正反対の二つの顔を見せるのが、低信頼社会の人たちの特徴といえます。

 ところで土楼(円楼)というものをご存知でしょうか?



土楼

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土楼の構造

 土楼とは中国の客家という少数民族特有の家です。

客家は中国社会で迫害されてきた歴史をもっており、中国社会がまったく信頼出来ないために、一族同士が助けあわなければ生きていくことができませんでした。

そうした理由から、客家は外敵から身を守るために、この円形の要塞のような家を築いて、血のつながった親戚同士の数家族がまとまって住んでいるのです。

低信頼社会とは、目に見えない土楼が無数に集まってできている社会と考えると理解しやすいかもしれません。

人々は血のつながった一族や同じ故郷出身の知り合いといったコネ・グループごとに、目に見えないカベを築き、そのカベの内側の人達とは、信頼や恩や義理に基づいて助けあいながら暮らしたり商売したりしますが、

カベの外側の人間・他の土楼の人間に対しては基本的に、きりが無いほどの不信感を抱いており、自分の利益になると思えば、だましたり裏切ったりすることにあまり罪悪感を感じません。

この二重基準(ダブルスタンダード)が存在するのが、低信頼社会の特徴と言えます。

それでは、我が日本はどのような社会なのでしょうか?


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この記事に対するコメント

おひさしぶりです

こんにちは
せっかくリンクをいただきながら当方はタイトル変えちゃいました。投資家としてブログ再構築を図りたいと思います・・
ところで「低信頼社会と高信頼社会」のエントリーにふさわしい?ライブドア騒動でしたね。信じてあの株を買った人がこのままではゼロになりかねないのです。同じような手口で会社から国家の経理まで操作しているのが中国や韓国ですからね。それでも信じようとする日本人は涙ぐましいですよ。

  • 投稿者: SAKAKI
  • 2006/01/20(金) 16:22:18
  • [編集]

>おひさしぶりです

>同じような手口で会社から国家の経理まで操作しているのが中国や韓国ですからね。それでも信じようとする日本人は涙ぐましいですよ。

だまされ続ける日本人を何とかしたいというのがこのシリーズの狙いです。

あと、ブログの名称変更の件は存じませんでした。 すみやかに対応します。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/01/21(土) 01:40:42
  • [編集]

うーむ、身内意識ですか

拝啓、私の友人知人に息子の嫁さんがシナ人。 彼女や親友がシナ人のひとが居ます。 (^-^)風顛老人爺のシナ朝鮮観を偏りかつ歪んでいると。 まあ、歪んでいる所もゼロではありません。 シナにコネや個人的に血縁婚姻関係もしくは、それに準ずる関係を持つひとは 特別なんですね。 でも、やはり 行列を作らない 順番待ちをしないという欠点は指摘しており。 基本的に弱者は死ぬという社会だと明言していまする。 拙文ながら。 草々

  • 投稿者: (^-^)風顛老人爺
  • 2006/04/27(木) 00:39:48
  • [編集]

(^-^)風顛老人爺さん

>阿呆です、その極み也

中国へのODAは即時停止してほしいです。

中国に魂をぬかれた日本人も、「使い古された手にひっかかりやがって」と言いたいです。

>同感です

>せめて、アメリカ並の良識とバランス感覚が シナをリードするには、100年から200年掛かると私は個人的に思っています。

私も同感です。 韓国民があれだけ豊かになっても、精神年齢の低さには驚かされますし。

> ただし、日本が目一杯落ち目になっても、シナは 今迄の日本みたいに国を傾ける援助はしてくれません。

日本ほど底抜けの能天気な国はありませんから。

>うーむ、身内意識ですか

>シナにコネや個人的に血縁婚姻関係もしくは、それに準ずる関係を持つひとは 特別なんですね。

中国人とコネのある日本人には、なまじ中国を良く知っているだけに、中国を美化しすぎる傾向がある人が少なくないのかもしれません。

> でも、やはり 行列を作らない 順番待ちをしないという欠点は指摘しており。 基本的に弱者は死ぬという社会だと明言していまする。

やはりそうですか。 ここらへんを良くチェックしておけば、中国人を必要以上に美化せず、等身大で理解できるのにって思います。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/04/29(土) 00:05:04
  • [編集]

低信頼性のお話よませていただきました。なるほどそういう見方ある事知りました。
 いい面もあるかもしれませんが、区別明確になるので排他的になる不安がでますよね。

厳罰についてはすみませんが、賛成しかねます。こくに国家によるものはファシズムにすすむ危険があるので怖いです。
  疑わしきは罰するだと、極端な話おおくの男の人が痴漢で有罪厳罰になるかもしれません。

まあ中国人と日本人は平均点での気質がだいぶ違うんでしょうねえ・・・。

 画一的でなく相手を理解しそれぞれ対応するのってなんかよさそうな印象です。 安全にも有効だし、できるだけ良好な関係でいられそうだし。

  • 投稿者: あゆ
  • 2007/05/19(土) 10:50:20
  • [編集]

高信頼国家は警察や裁判など、悪い事した人に不利益を与えるような国家機関が機能しているから高信頼国家たりうるのではないでしょうか

  • 投稿者: 右ですが
  • 2007/10/27(土) 02:47:47
  • [編集]

右ですが さん

それプラス、国民の成熟度も関係ありそうです。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/10/28(日) 00:18:52
  • [編集]

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