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実話

  • 2006/01/04(水) 23:51:09

 あらためまして皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

さて、新年そうそう生臭い話をするのも無粋なので、実質的な今年一発目の記事は、今までとはちょっと趣向を変えて管理人クロフネが実際に体験した、とっときのお話をする事にして、新しい年のスタートにしたい。

              ◆

 これは数年前の話になるが、クロフネが某国際空港の到着階を歩いていたところ、突然日本語で「すみません」と呼び止められた。

振りかえってみると、年のころは60代後半といった感じの上品そうな老夫婦が立っており、

老紳士の方が「ちょっとお尋ねしますが、○×航空の搭乗手続きをしたいと思っておるのですが、どちらへ行ったら搭乗手続きができるかご存知でしょうか?」といった具合に、私に道を尋ねてきた。

 実のところクロフネは、その老紳士がしゃべった内容を一字一句ここで再現することはできない。

記憶があいまいになっているせいもあるが、それよりも老紳士の言い回し・語句の使い方が今風とはちょっと違っていて、どこかなつかしい響きがありながら、しかし自分の祖父母が使う言い回しとも違うといった、なんとも不思議な感じのするしゃべり方だったからだ。


 話をもとに戻すが、道を尋ねられた私は「ああ、○×航空の搭乗手続きでしたら、ああ行って、こう行って、」と説明したところ、

老紳士が「すみませんが、ごらんのような年寄りでして、説明だけでは何とも... もしよろしかったら近くまで一緒について来てはくださらんか。」とおっしゃった。

私は特に急いでもいなかったので「いいですよ。」と返事をして、いっしょに○×航空の搭乗手続きカウンターまでついて行くことにした。

 目的地までの道すがら、私は老夫婦と何のとりとめもないような話をしながら歩いていったのだが、しばらくして老夫婦が引っ張っていたスーツケースの名札がなんとなく私の目に入った。

私は、その名札にかかれていた老夫婦の名前を見て驚いた。

そこには「中華民国 台北市△□ 陳敏男」(本人のプライバシーのため仮名にしておきます)と書かれていたのだ。

 その瞬間まで、てっきり日本人だとばかり思っていたのだが、私の目の前にいる、日本語を流暢にあやつるこの老夫婦は、なんと外国人だったのである。 

私は心の中で「話には聞いていたが、こ、この人たちこそ、日本の統治時代に日本語で教育を受けた世代の台湾の人たちであるか! 」と思った。

 と同時に、老夫婦のあやつる日本語が今現在の日本語とは違って、どこか懐かしいような不思議な感じがすることにも何となく合点が行った。

自分の祖父母は日本国内で生活している以上、使っている日本語が時代に合わせて変化していくのは避けられない。

しかし日本語教育を受けた台湾の人達は、日本国内の言葉の流行や変化から隔離されているために、純粋な戦前の日本語が台湾にそのまま保存されて、現代まで来てしまったのではないだろうか。

ともかくその老夫婦のあやつる日本語は完璧で素晴らしく、本家本元の日本人のくせに敬語も満足に使えない私などは顔から火が出る思いであった。

 老夫婦が台湾の人だとわかったので、私はおそるおそる「失礼ですが、もしかして台湾の方ですか?」と聞いてみた。

すると老夫婦は、にっこりと笑いながらうなづいた。

 それから話題は台湾のこととなり、最後に台湾の政治家・李登輝氏の話となった。

私が「李登輝さんは優れた政治家ですよね。 あの方は日本語が完璧にお出来になるし、どうです? ウチのボンクラ首相と交換トレードしませんか?(ちなみに当時の首相は小泉さんではなかった) 今なら社民党と共産党の党首もオマケにつけときますよ!」とオファーすると、

老紳士はカラカラとお笑いになって「いやぁ、彼(李登輝氏)は台湾のためによくやってくれております。」とおっしゃって、交換トレードの申し出をやんわりとお断りになった。(賢明な選択である。

(ちなみに、相手が台湾人だからといって、戦前から台湾に住んでいた”本省人”か、戦後大陸から台湾に渡ってきた”外省人”かを確かめずに、うっかり政治の話をするのは、本当はよくないのかもしれない。)  

 そうこうしているうちに目的地が近づいてきたので、私が「○×航空の搭乗手続きはあそこで出来ます。」と指差して言うと、老紳士が「ありがとうございました。大変助かりました。」とおっしゃった。

すると老婦人が「本当はちゃんとしたお礼をしなければいけないんだけど、飛行機に乗るまで時間が無くて... だから喫茶店でおいしい物でも飲んでくださいね。」とおっしゃって財布からお金を取り出そうとなさったので、

「いけません奥様。お金が欲しくて道案内をしたわけではありませんから。」と言ったのだが、老婦人は半ば強引に、私の上着の胸ポケットにお札をねじ込むと、「いいのよ。どうか受けとって下さいね。」とおっしゃって、老夫婦でそろって軽く会釈なさると、空港の人ごみの中に消えていった。

              ◆

 これが、私が実際に体験した掛け値なしの、とっときの話のすべてである。

戦後の日本では「日本人は全てのアジア人から嫌われていて、ひとりぼっちなのだ。」といったようなことが、左翼リベラル系の”知識人”やマスコミを中心にえんえんと主張されてきたのだが、こういう事を言う人は、本当はアジアの人達に会った事がないか、意図的にウソをついているかのどちらかだと思う。

確かに日本人を嫌っているアジア人も沢山いるのかもしれないが、それがアジア人の100%全てでは無いし、日本人もそういったウソにいつまでも惑わされるべきではない。

(だから”特定アジア人”という言葉が生まれたのだろうが)

日本や日本人に対してプラスイメージもマイナスイメージも抱いていないアジアの人達や、逆に日本人に好意的なアジアの人達も沢山いるのだということは、ちゃんと知っておくべきだと思う。

そして日本人は、日本に好意を寄せてくれる人達こそ大事にして、彼らの好意や信頼を裏切らないような行動をしなければならないと私は痛感するのだが、皆さんはどうだろうか。


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ええ話や~。あまり格好いいコメント書けませんがいつも楽しみにしております(ちなみに携帯から)
今年も益々のご活躍期待してます(・∀・)ノ
   By 一ファンより
P.S.余談ですが、F/A-22の名称がF-22に戻ったり、F-35に関しては計画自体が先行き怪しくなってきたみたいですね。(F-35のA型が中止になるとかならないとか…)
戦闘機系のニュースはしばらく目が離せませんね。

  • 投稿者: サンパ
  • 2006/01/05(木) 01:51:13
  • [編集]

私も台湾で、70代のお母さんと話したことがあります。

なんだか近所のおばあちゃんと話しているような、綺麗な日本語でしたね。

日本語を話したがっているんだ、と強く感じました。(とは言っても、おばあちゃんの家族内だけでも、3人の子供たちが「日本留学」や「日本語学校」で、多少なりとも日本語が話せるんですが)

台湾のCMで驚いたのは、台湾銀行だったかの銀行のCMで、「私は日本へ行きたい」「日本語を勉強したい」→銀行に貯金しましょう!と拙い日本語で(日本語だけのCMを)やってたました。

とりとめもなく書きましたが、その国を好きになるということは、その国の人を好きになることですよね。僕は台湾が大好きです。

クロフネさん、いつも楽しく拝見しています。今年もがんがってね!

  • 投稿者: ずび
  • 2006/01/05(木) 02:44:11
  • [編集]

よいお話でした。ありがとうございました。

  • 投稿者: K.たま
  • 2006/01/05(木) 18:42:42
  • [編集]

サンパさん

>今年も益々のご活躍期待してます

どうもありがとうございます。 そう言っていただけると励みになります。

携帯からご覧になっている方もおられるのですね。 携帯の機種によって見にくいとか表示がおかしいといった事がございましたら是非ご一報を

>F/A-22の名称がF-22に戻ったり、F-35に関しては計画自体が先行き怪しくなってきたみたいですね。

初めて知りました。重ね重ねありがとうございます。 ちょっと調べてみましたが、F-35Aをキャンセルにしようという計画があるようですね。

F-35Cがキャンセルにならなければまあ問題なしだとは思うのですが...

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/01/05(木) 22:25:35
  • [編集]

ずびさん

>私も台湾で、70代のお母さんと話したことがあります。
なんだか近所のおばあちゃんと話しているような、綺麗な日本語でしたね。

ずびさんもステキな体験をなさっているのですね。台湾のお年寄りの日本語は本当に綺麗ですよね。

>台湾のCMで驚いたのは、台湾銀行だったかの銀行のCMで、「私は日本へ行きたい」「日本語を勉強したい」→銀行に貯金しましょう!と拙い日本語で(日本語だけのCMを)やってたました。

おもしろいですね。 私は「阪急電車」とか「のっぽとデブの競争」といった、意味不明の日本語がプリントされたTシャツを着ている台湾の人を何度か見かけた事があります。

私も台湾の人は好きですね。 何度か台湾の人と話した事がありますが、不愉快な思いをした事がありません。

日本人と一番相性がいいのかも。

>クロフネさん、いつも楽しく拝見しています。今年もがんがってね!

ありがとうございます! ボチボチがんがります!!

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/01/05(木) 22:34:06
  • [編集]

K.たまさん

どういたしまして(笑) とは言っても私はたいしたことはしてないですが...

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/01/05(木) 22:38:29
  • [編集]

良いお話でした。思わずにっこり微笑んでしまいますね。
マスコミからは負のイメージを強く
与えられますが、うんざりです。
お話のご夫妻は小津安二郎の映画に出てきそうな雰囲気ですね。
これからもがんばって下さい。

  • 投稿者: sesiria
  • 2006/09/10(日) 21:20:56
  • [編集]

sesiria さん

>お話のご夫妻は小津安二郎の映画に出てきそうな雰囲気ですね。これからもがんばって下さい。

どうもありがとうございます。 実は私も当時、同じことを感じていました。 
「なんだか”小津映画”に出てくるような古き良き日本人だな」といった具合にです。

しかし外国人だとは夢にも思いませんでした。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/09/11(月) 21:18:53
  • [編集]

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