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日中がASEANで激突!

  • 2005/12/15(木) 23:40:19

 東アジア共同体の創設をめざし開催された、ASEAN(東南アジア諸国連合=タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・ベトナム・フィリピン・ブルネイ・ラオス・カンボジア・ミャンマー)と日・中・韓の首脳会議であるASEANプラス3と、これにオーストラリア・インドなどを加えた東アジア首脳会議は、きのう14日クアラルンプール宣言調印をもって閉幕となった。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20051214-00000029-san-int


 今回これら一連の会議で焦点となったのは、まぎれもなくアジアにおける日中の主導権争いであった。 あまりのつばぜり合いの激しさにASEAN側から、「良好な日中関係構築に努力して欲しい」と注文が出るほどだった。

 ここで日本・中国・ASEAN三者の思惑をクロフネなりに分析してみたい。

 まずホストであるASEANだが、最初に「東アジアに共同体をつくりたい」と言い出したのは、ASEANである。

 90年代はじめ、高度経済成長に沸くASEAN諸国は「これからはASEANの時代」と世界から言われたものだった。

当時、反米志向のマレーシア・マハティール首相が、アメリカを排除した形で東アジア共同体結成を日本などに呼びかけたが、日本は消極的な姿勢に終始し、そうこうしているうちにめざましい経済発展をとげる中国が台頭してくると、日本に失望したマハティール首相は中国へと傾いていった。

 そして90年代の後半に”アジア通貨危機”がASEAN各国を襲った結果、域内経済は低迷。 そのせいもあって、経済のテイクオフでは後発だった中国にあっという間に抜かれて、アジア経済におけるASEANの地位は低下した。

そうした状況に危機感を抱いたASEAN各国は、経済や政治など各分野の統合を深化させて、日中の他にアジアにおけるもうひとつの巨大なパワーを形成して、世界におけるASEANの地位の向上をめざそうとしている。

 また、伸び悩む先進国を尻目に毎年10%近い驚異の成長をみせる中国を「自分たちの発展のチャンス」ととらえて、ASEANと中国との市場統合をめざし、

日本と中国、域外のアメリカなど大国同士のパワーバランスに注意を払って、列強の勢力均衡状態をつくりだし、それを利用することによって、ASEANでアジアを引っ張っていこうという思惑が、彼らから感じられる。

 だからASEANは、日中が決定的に対立することを望んでいないし、どちらか一方が絶対的優位に立つことも望んではいないだろう。

ASEAN各国が一番恐れているのが、日中両国から「お前の国はどちらの味方なのだ?」と踏絵をふまされることだ。
どちらを選んでもカドが立ち、日中に比べて国力の小さい彼らとしては、選ばなかった方からの報復が恐い。

だから「どちらの方にも良い顔をしておきたい」というのがホンネだろう。

 一方の中国は、”中国の魔術”に魅せられたASEAN各国の甘い願望につけこんで彼らを取りこみつつ各個撃破し、アメリカや日本の影響力を排除して、政治・経済・軍事の各方面でASEANを中国の勢力圏としたいようだ。

さらに中国・ASEANと、既に経済的に深く取りこまれて中国に頭が上がらなくなった韓国でアジアの多数派を形成して日本を孤立状態に追いこんで屈服させ、最終目標であるアメリカに立ち向かうというシナリオも想定に入っているだろう。

 では日本はどうかというと、今回はじめてといっていいぐらい積極的な対ASEAN外交をみせたと言える。

ASEANを自分の勢力圏としたい中国は、ASEANと日・韓だけで共同体構想をすすめたかった。これら国々を国力が小さい順に各個撃破して配下に取りこんでいけば、アジアの覇権を握る近道になるからだ。

 これに対して日本は民主主義の価値観をかかげて、世界最大の民主国家インドやオセアニアの雄・オーストラリアなどを巻き込む事に成功、将来的にアメリカが関与する余地もつくった。

中国はこれに対抗して上海協力機構の同盟国・ロシアを引き入れざるを得なくなり、”東アジア共同体”は中国の当初の思惑とは別の方向へと大きく動きだした。

特に今回、日本外交にとって収穫と思われるのは、日本とASEANで戦略的パートナーシップを結んだ事だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051214-00000006-san-pol

http://www.mofa.go.jp/mofaj/
kaidan/s_koi/asean05/
p_ship_k.html


 以前からクロフネは「日本とASEANとの間の安保協力を積極的にすすめよ」と主張してきたが、政治・経済だけでなく安全保障分野も含めた今回の戦略的パートナーシップ締結は、その第1歩となるかもしれない。

今まで受身で消極的だった日本の外交姿勢に変化が見え始めている。

 さらに日本にとって追い風となっているのが、最近になってASEANが民主主義を重視し始めたことである。

ASEANも「世界中から信頼を得て、ASEANの地位を向上させるためには、域内の民主化の進展は欠かせない」と考え始めたようで、最も民主化が遅れている加盟国のミャンマーに対し、圧力をかけはじめている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20051214-00000016-nnp-int


「話し合うだけで行動はしない」と世界から皮肉られてきたASEANとしては大方針転換だ。

ミャンマーは東南アジア最大の中国の同盟国で、民主化が進展し日本や欧米からの援助が入るようになれば、中国は大打撃をこうむる。

 今後ASEAN全体で民主化が進行すれば、民主主義の価値観を共有する日本としては心強いし、独裁国家中国は東アジアの中で浮いてしまって影響力を後退させることは避けられまい。

 外側からみた感じでは、今回の日中の対ASEAN外交攻勢を判定すると、日本の6勝4敗あるいは7勝3敗ぐらいは、いったかもしれない。
ともかく幸先のよいスタートが切れたと言って良いのではないだろうか。

 しかし日中のアジア主導権争いは始まったばかりで、まだまだ油断はできない。

日本とASEANの投資・貿易の拡大も必要だし、今こそタブーを取り払ってインドをとりこみつつ、自衛隊とASEAN各国の軍との直接交流を含む、安保協力の強化をはかりたい。

そして押しつけがましくならないように注意しなければならないが、ASEAN各国と共同歩調をとりつつ、日本がアジア各国の民主化の進展も積極的にバックアップしたい。

 また、ネガティブキャンペーンをタブー視するのではなく、”中国の魔術”に魅せられて、中国を盟主とする上海協力機構のような”独裁国家クラブ”に飲み込まれないよう、日本がASEAN各国に注意をうながしていくことも大切である。

以前から日本の左翼系メディアや”知識人”は、「アジアは一致団結していて、ひとり嫌われて孤立していているのは日本だけ」というプロパガンダをさかんに流してきたが、全くのデタラメで、

1965年、中国がインドネシア共産党と現地の華人をあやつってクーデタを起こさせ(9.30事件)、自らの勢力圏としようとして失敗して以来、中国への反感と警戒心を持っているインドネシアや、南シナ海の領土・領海を力ずくで中国に奪われ泣き寝入りさせられたベトナムやフィリピンなど、決してアジア全体が中国に全幅の信頼を置いているわけではない。

 経済的にみてもASEAN各国は、国内の一握りの華人に富の大部分を支配されているといった問題を抱えている。

 逆に華人系をのぞけば、ASEAN各国の大半の市民の対日感情は決して悪くない。 そうした利点を活用して、パートナーとしての日本と覇権的・強圧的な中国という現在の構図を、ASEAN各国の人々に理解してもらう努力が必要だ。

(シンガポールだって市民レベルでは、対日感情はそう悪くないはずである)

反日運動に血道をあげる中・朝・韓のいわゆる特定アジアを「アジアのすべて」と考えて、「日本のアジア外交は行き詰まった。アジアで孤立した日本はもうおしまいだ」などとうろたえるのではなく、

もともと日本に対して好感を抱いてくれているASEAN各国とインド、さらにオーストラリアなどに外交資源を重点的に投入して、対アジア外交の力点をそこに置くべきである。

世界最大の民主国家にして親日国であるインドやオーストラリアと手を携えながら、日本からASEAN・オーストラリア、そしてインドへとつながる親日国の弧を形成できれば、覇権主義をふりかざす中国を牽制しつつ、日本の安全を確保し、シーレーンも万全になる。

 ただ、私には関係各国が、東アジア共同体を最終的にどういった形にしようとしているのか、イマイチつかめない。 それは関税同盟なのか通貨同盟なのか、それとも政治統合まで進めようとしているのだろうか。

ともかく共同体がはっきりとした姿となって現れてくるのは、もう少し先のことなのだろうが、「東アジア共同体の関税同盟化が引きがねとなって世界がブロック経済化しなければよいのだが」という一抹の不安を禁じえない。

関連記事・中国に呑み込まれつつあるASEAN

関連記事・日本が取るべき対中戦略(その3)


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