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クロフネの防衛力整備計画(その7)

  • 2005/12/12(月) 23:52:03

前回のつづき

 それでは最後に、島嶼(とうしょ)防衛に必要となる陸軍力について考えてみたい。

従来の日本の陸軍力整備の考え方は米ソ冷戦を前提として、空・海の防衛線を突破して北海道に上陸してきたソビエト軍を迎え撃ち、彼らを撃退するために必要な戦力を保持する事を最優先目標とすることだった。

その結果として、最新鋭の戦車や歩兵戦闘車・自走砲などが北海道の部隊に最優先に配備されてきたが、共産主義革命の世界への輸出をかかげたソビエト連邦の崩壊以後、ソビエトの後を引き継いだロシアが北海道に大部隊を上陸させるといったことは、動機も無ければその能力も無いという理由から、非常に考えにくくなっている。

 そうした国際情勢をふまえ、最近の防衛力整備に関する日本政府内の議論では、「日本本土に外国の正規軍が大規模に上陸してくるような危険はほぼ無くなったのであるから、対戦車戦闘や対砲兵戦が起こるようなことも無いだろう。 だから財政難なんだし陸上自衛隊の戦車や対戦車ヘリ、榴弾砲を減らすべきだ。」といった声が一部にある。

 しかし、これは大きな間違いで、確かに日本本土に外国の正規軍が大規模に上陸してくる可能性は低くなったが、だからといって対戦車戦闘を含む正規軍同士による陸上戦が発生する可能性がゼロになるという事は有り得ない。

日本の離島に外国軍が上陸してきて、その島を陸自が奪回しなければならなくなった場合、相手国が島内に戦車を持ちこんでくれば、狭い離島で機甲師団同士の大戦車戦は起こらなくても、対戦車戦闘は発生するのであり、自走砲を持ちこんでくれば砲撃戦はやっぱり発生するのである。

 「これからは大規模戦闘は発生しない。起こったとしても離島における小規模の武力衝突だ。 だから陸自の正面装備(戦車や対戦車ヘリ、榴弾砲など)の質と量を落としても大丈夫だ。」という考え方は、以上の理由から間違いだとわかる。

たとえ日本全土が完全に制圧されるような陸上戦が発生する可能性が低くなっても、質と量のバランスを考えた日本の陸軍力の維持・向上は、依然として欠かせない。

これまでどおり、敵正規軍との陸戦を想定した陸軍力整備は継続しなければならないのである。


 過去を振り返ってみると、日本の陸軍は犠牲をいとわない勇猛果敢さが特徴であったが、伝統的に敵味方両方の戦車を軽視して大いに苦しみ、大変な犠牲を出した事が教訓としてあげられる。

日本の陸軍の首脳達が「あくまでも戦車は歩兵の進撃を助ける補助兵器」という”歩兵第一主義”に無意味に固執したために、日本陸軍の戦車は対戦車戦の能力が軽視され、装甲が薄っぺらで砲は小さく威力が無いというのが相場だった。

おかげで第二次大戦当時、太平洋の島々の戦場に登場した、十分な厚さの装甲と大威力の戦車砲をもつアメリカ軍のM4シャーマン戦車に対して日本の戦車がほとんど使い物にならず、日本陸軍は歩兵で米軍の戦車に対応しなければならなくなるハメになり、散々苦しめられ大変な犠牲を出したのであった。

 尖閣諸島の領有権を主張する中国が猛スピードで軍備拡張を開始し、中国と台湾の武力衝突の可能性もからんで、日本の有人・無人の島々に、中国が海兵隊や陸軍を上陸させるような危険性が高まっている。

中国は上陸戦に備えて通常の戦車の他に、大量の水陸両用戦車を保有しているが、その水陸両用戦車は装甲こそさほど厚くはないものの火力はそこそこあり、これに対応するためにはやはり戦車や各種大砲など正面装備が必要である。

小規模の武力衝突しかおこらないからといって戦車や砲を減らして、結局陸自の体むき出しの歩兵が中国の戦車に戦いを挑まなければならなくなるようなハメにおちいる愚を繰り返してはならない。

 さて、冷戦以後の国際環境の変化に対応するために、日本の陸軍力整備はようやくその方向性を変え始めたが、依然北方重視の部隊配置をひきずっているところをみると、まだまだ充分とはいえないだろう。

特に、外国の陸軍が上陸してくる可能性が極めて低くなった北海道に、250両以上の新鋭戦車を張りつけておくのは、効率的とは言えないのではないだろうか。

それに加えて全国に800両以上配備されている、老朽化しつつある74式戦車の交換も解決しなければならない課題である。

 このままだと、誰も攻めてこない北海道の守りは完璧で、侵略を受ける危険性が高まっている南方の島嶼地帯が手薄になるといった笑えない状況も起こりかねない。 

日本の陸軍力の維持・向上に加えて、すみやかな配備の見直しと必要な装備の調達、その適材適所化が必要である。

つづく

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