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第5回 初心者のための外交講座(その5)

  • 2005/02/19(土) 13:34:26

 それでは次に外交とはなんでしょう?

これはなかなか難しい質問なのですが、プロの外交官に広く読まれている(はずの)ジュール・カンボン(フランスの外交官1845-1935)の著作で、彼は「外交とは交渉であり交渉とは少なくとも相当分、取引である」と言っています。

 多くの日本人は外交と言うと「友好のために外国の人と笑顔で握手」のような場面を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし国と国との関係が現在もなお、かつての原始時代のような公平なルールも警察も無い「食うか食われるかの弱肉強食」である以上、「笑顔で握手」は外交のほんのうわっつらに過ぎないと言わざるをえません。

むしろ北朝鮮のやる外交のように、誘拐した日本人のニセの遺骨を出してきて遺伝子検査でウソが見破られてもウソをつきとおし、約束を破るのもへっちゃらの「ルール無視の何でもあり」といった外交も確実に存在するのです。そして北朝鮮が罰を受けてそのような事をやめたことがあったでしょうか?

 結局のところ、おおかたの国は「自分さえよければそれでいい」ということを最大の目標として外交をおこなっています。
もちろんそんな、はしたない事を市民レベルにわかるようにはやりません。「世界のため・友好のため」と言いながらやるのです。

 「自分さえ良くなる」のだったら、それまでの友達を裏切って、けんか相手と仲良くなる事だってあります。「ルール無視の何でもあり」の世界ですからそうでもしないとやっていけません。
「外交に永遠の敵無く、永遠の味方なし」とか「敵の敵は味方」などと言ったりします。

もちろん、国と国の間に見返りを求めない”真の友情”が成立することがまったく無いわけではありませんけども。

 結局、外交とは”ルールなき世界における取引”と言えるのではないでしょうか。

”ルールなき世界”で、取引によって約束した事を相手に守ってもらうためには、基本的には自分の国で何とかしなければなりません。
相手が約束を破ったら何らかの罰を与えて約束を守ってもらう力を、自分が持たないといけないのです。その意味でも軍事力というのは必要になってきます。

 アメリカ第35代大統領J.F.ケネディは「アメリカ大統領の紋章の鷲は、右の爪にオリーブの枝を持つとともに、左の爪に矢の束を持つ。我々はその双方に同等の関心を持っている。」と言っています。

ケネディはオリーブが象徴する平和と、矢が象徴する軍事力の両方に同じだけの関心があるといっているのです。

また駐日アメリカ大使をつとめたアレクシス・ジョンソンは「軍事力と外交は二本の指のようなもので軍事力の裏づけなしに平和を求める事は政策ではなく、信頼性と効果の双方を欠いた単なる希望の表明に過ぎない」と言っています。

問答無用でいきなり軍事力を使うのはいけない事ですが、外交交渉だけでも問題を解決することは出来ません。
自分の国や人々の命・財産を守ること、つまり安全保障にとって、外交と軍事力は、どちらも欠かせない車の両輪のようなものなのです。

 それではまとめます...
相手が日本人あるいは外国人にかかわらず、個人対個人の関係では信頼と友情を最優先させた関係を持つことが出来ます。
逆にいつも相手を疑ってかかるのは失礼でさえあるでしょう。

しかし国を取り締まる警察も法律も無い、国対国の関係ではそうはいきません。
相手が国単位であれば、野生の小鳥のような慎重さ・用心深さが必要になります。
ただ残念な事に日本人は、この切り替えがまったくヘタです。

おそらく歴史的にみても、島国育ちで外国人と接触した経験が圧倒的に少ない日本人が、”外国”や”国際”といったものに理想的なイメージ、あこがれやロマンをいだいてしまうからでしょう。

 でも、人間や猫をみて「自分を襲ってくるだろうか?」といつも警戒している野生の小鳥に、「他人を疑ってばかりいて失礼なヤツだ!」と怒る人はいません。

これと同じことで、国対国の関係であれば警戒心を持って相手をみる事に、なんら罪悪感を持つ必要は無いのです。

繰り返しますが、一つの国の中の人と人の関係と地球の上の国と国の関係は全く違うのですから。

日本人が日本の外交を考える時は、法律や警察によって守られていて、武器をもったり相手を疑ったりする必要の無い自分という立場から考えるのではなく、

法律も警察も一切に無く、殺人やオレオレ詐欺をやっても誰も捕まらないような国、自分で武器を持って自分の身を守らなければならない国に放り出されて、生きていかなければならないつもりになって、日本という国がどのような外交をやればよいのかを考えて欲しいと思います。

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この記事に対するコメント

大変良い勉強をさせて頂いてます。
クロフネさんの講座は解り易く
ありがたいです。
私は、士族の末裔ですので
戦いとなると熱いモノを感じますが(笑)今後ともよろしくお願いします

  • 投稿者: gaera
  • 2006/09/14(木) 21:16:36
  • [編集]

gaera さん

gaera さん、こちらこそよろしくお願いします。

>私は、士族の末裔ですので戦いとなると熱いモノを感じますが(笑)

なおさら記事の内容に共感いただけたのではないかと思われます(笑)

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2006/09/15(金) 22:55:20
  • [編集]

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