初めていらっしゃった方へ

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第4回 初心者のための外交講座(その4)

  • 2005/02/19(土) 13:06:22

 原始時代の話で

>「あいつはヤリの名人だから、あいつの持っている剣は一番切れるから、襲うのはやめておこう」といった具合に、相手にコワサを感じさせる事こそが自分の命や財産を守った。

と書きました(第1回参照)が、これは現在の国と国の関係でも同じことが言えます。

侵略したいと考えている国に、侵略をガマンさせる一番ききめのある方法は「あの国の軍隊は強いからこちらに大変な被害が出る。だから侵略するのはやめておこう」と思わせることです。

 しばしば日本の政治家が「自衛隊は、まわりの国に脅威をあたえないようにしなければ」と言いますが、これはある意味間違いです。

周辺国より圧倒的に強すぎる軍隊を持つのは好ましいものではありませんが、まわりの国がコワイとぜんぜん思わない程度の軍隊では、まったく意味がないのです。

もっとも戦争が起りにくい状況は、対立している二つの国の軍隊の強さがちょうど同じぐらいの時で、二つの国が両方とも「あいての軍隊は強いからこちらに大変な被害が出る。だから侵略するのはやめておこう」と同じことを考えている時です。
これを均衡(バランス)状態と言います。

現在の外交や安全保障政策において一番重要な事は、この均衡(バランス)という状態を作り出すことなのです。逆に均衡(バランス)がくずれると、戦争が起りやすくなります。

戦争が一番起こりやすいのは、ある国のリーダーが「今戦争をやれば勝てるかもしれない。戦争に勝てば問題が解決するかもしれない」と考える瞬間です。
負けようと思って戦争を始めるリーダーはまずいないでしょう。

ですから、となりの国のリーダーに「A国に戦争をしかければ勝てそうだ」と思わせること、そして実際に戦争をしかけられてしまう事は、A国の安全保障政策としては完全な失敗なのです。

かつてヨーロッパで、フランスの軍隊が飛びぬけて強い時期がありました。17世紀の国王ルイ14世がおさめた時代です。

一方、周辺のベルギー(当時は南ネーデルラント)、オランダ、ドイツの小国・ファルツ伯領などはフランスに比べれば軍隊がずっと少ない国でした。

「軍隊がなくなれば平和になる」という人たちの言葉が正しければ、これらの軍隊の少ない国々は軍隊の多いフランスより平和になっていたはずです。

しかし実際の歴史ではこれらの国々はヨーロッパ最強の軍隊を持っていたフランスに侵略されてしまい、大切な平和を失ってしまうのです。

安全保障政策において均衡(バランス)がいかに大切かがおわかりいただけるかと思います。

また原始時代の話で

>一族の別の誰かが常に相手に仕返しができる態勢をとっていれば、襲う方も仕返しが恐くて襲うことをガマンするでしょう。

とも書きました。(第1回参照
現代の世界の国々でも同じ事をやっています。

例えば、A国の軍隊が少なすぎて、軍隊をたくさん持っている隣の国と均衡(バランス)状態がつくれないときには、仲の良い別のB国と「A・Bどちらか一方が外国に攻撃されたら、もう片方の国も攻撃してきた相手に仕返しをして、いっしょに協力して戦う」と約束することによって、A・B二つの国の軍隊の力を合わせることで相手との間に均衡状態をつくったりします。
これを集団的自衛権といいます。

東西冷戦時代に日本はアメリカと組むことで、日本より軍隊の強かったソ連と均衡(バランス)状態をつくりだして、平和を維持していたわけです。

「軍隊が無ければ平和になる」という人達がよく言うように、”憲法九条”があったからではありません。”九条”に違反して、日本が軍隊を持ち、アメリカと組んでいたからこそ日本は戦争をしかけられずに済んだのです。

(たいした軍隊を持たず、アメリカのような強い同盟国も持たなかった、アフガニスタンは1979年にどうなったでしょうか?調べてみてください)

 おさらいします。

安全保障とはその国の人々の命や財産を守る事であり、そのためには軍事力が必要不可欠であることが、悲しい事ですが目をそむける事の出来ない、現在の事実なのです。

----------------------------------------
参考:スイス政府が国民に配布している安全保障読本”民間防衛”より

☆世界とともに平和に生きることを欲しないスイス人があろうか。戦争を非としないスイス人がいるだろうか。

我々が軍隊を国境に置いているのは、我々が平和に生きられるよう、他の国がそっとしておいてくれるようにである。

人類の幸福は我々には重要なことだ。我々は、力の及ぶ限りそれに貢献している。赤十字の活動、開発途上国への援助、戦争状態にある国の利益代表など。ところが現実はこのとおりである。

それを知らないとしたら、我々はお人よしであり、軽率だということになろう。

我々を取り囲む国々が武装しつづける限り、我々は自国の防衛を怠ることはできない。(略) 我々はニセ平和主義者が武装するのをやめないでいることを確認している。(略)

我々は誰一人殺そうとするつもりはないが、ただ正当防衛を確保しなければならぬ。

我々が武器を使用せざるを得ないようなことがないように!我々はこれ以上に真摯な願いを持たない。

☆自由と独立は我々の財産の中で最も尊いものである。

自由と独立は断じて与えられるものではない。

それは絶えず守らねばならない権利であり、言葉や抗議だけでは決して守ることができない。

自由と独立は手に武器を持ってはじめて得られるものなのである。

banner_04.gif

↑あなたのワン・クリックがこの国を変えます。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

現代社会問題の図解を試みたよ

『クロフネ』さんのサイトでは、ようやく民主主義の本質をめぐる論争が終わったようです。ほとんど人格攻撃に近い論難だったので、大変だったと思います。お疲れさまです。でも、naplessにとっては、とても良い勉強になりました。ということで、本日はnaplessの勉強の成果を

  • From: 右向け右! |
  • 2006/05/27(土) 16:30:28

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する


・いつもコメント&TBありがとうございます。

アダルト系ブログからの、サイトポリシーに違反したコメント・TBが後を断たないため、受信したコメント・TBを管理人が審査することにしました。

サイトポリシーに違反したものについては予告無く破棄します。

また問題の無いコメント・TBを頂いても表示されるまで少し時間がかかります。 悪しからず御諒承ください。

「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れると、管理人だけが読める非公開コメントになります。 非公開コメントを下さる方のプライバシーを尊重し、あえてお返事をしておりませんが、「公開コメントでも良いのでレスが欲しい」という方は、非公開コメントにその旨をお書き添えください。
                

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。