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”強い中国”と、そのアキレス腱

  • 2005/08/22(月) 23:22:14

 上海協力機構のリーダー中国と、NO.2のロシアが、現在中国の山東省で、大規模な軍事演習を実施中である。

両国は、この軍事演習が特定の第三国に対するものではないことを公式に表明しているが、そのような外交辞令を真に受ける者はいない。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050820-00000312-yom-int


今回の軍事演習の目玉となっている、陸海軍一体となった強襲揚陸演習や、戦略爆撃機とミサイルを使用した洋上打撃演習などをみれば、この軍事演習の仮想敵が、台湾と日米安保体制であるのは間違い無い。

強襲揚陸演習は台湾上陸作戦を想定したものであり、洋上打撃演習は、アメリカ空母機動部隊による、中・台軍事衝突時の米軍介入を阻止するためのものであることは、明らかである。

 ロシアは、自国のエネルギー資源の潜在的な顧客として日・米に期待しているので、なるべく両国を刺激しないよう、軍事演習の舞台を台湾や沖縄の対岸である浙江省ではなく、山東省にするよう中国に要請したもようだ。

ともかく中国としては、この軍事演習を実行することによって、「戦争も辞さない、強い中国」の軍事力を誇示し、「台湾問題への口出しは許さない」と、日米に対して無言の圧力・警告を与えることを選択した。

 これら中国と上海協力機構の動きを牽制するように、アメリカのライス国務長官は、中国の軍備拡張に対して明確に懸念を表明している。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050821-00000011-san-int


 最近、アメリカは中国へ先端兵器を売却している主要国のひとつ、イスラエルに圧力をかけはじめた。

イスラエルは過去に、中国の新型戦闘機”殲撃10型”の機体製造ノウハウや火器管制レーダー、”パイソン”空対空ミサイル、無人偵察機などを輸出したと言われている。

中国空軍が開発と配備をすすめている、空中早期警戒管制機(AWACS)のレーダーやコンピューターにも、イスラエルの軍事テクノロジーが使用されているという情報もあるが、アメリカは、イスラエル経由の西側軍事技術流出を防止して、中国の軍備拡張にブレーキをかけようとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050818-00000069-mai-int


 アメリカはまた、上海協力機構へ接近のきざしをみせていたインドに対し、原子力発電所建設などの技術援助を与え、インドの取りこみをはかろうとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050721-00000010-san-int


経済の急激な発展にエネルギー供給が追いつかないインドは、中央アジア諸国やロシア、イランなどに石油・天然ガス利権を持つ中国に接近して、経済成長に必要なエネルギーを確保しようとしたようだが、アメリカがそれに「待った」をかけたわけである。

アメリカ・中国双方にとって(もちろん日本にとっても)インドが重要な理由は、中国が中東で買いつけた石油の輸送路・シーレーンがインド洋を通っているからである。

 これはあまり知られていない事実だが、現在中国には石油や天然ガスといったエネルギー資源の国家備蓄が一切無い。(日本は6億バレル以上、約半年分の備蓄がある)

中国では現在、ガソリン不足が深刻な問題になりつつあるが、もし中国へのエネルギー供給が全面的にストップするような事がおこれば、大変なことになる。

石油ショックによる中国経済の悪化も問題だが、エネルギー不足によって、中国軍の艦艇や戦闘機が自由に動けなくなる可能性があり、だからといって民需用の石油を軍用へ優先的に回せば、中国経済は決定的なダメージを受ける。 

中国政府、特に人民解放軍幹部が、このような可能性を心配しているようである。

 中国が台湾問題にからんで日米にみせる「中国は戦争も辞さない」といったコワモテの仮面の裏側に、このような心配と弱点が隠されているのである。

中国が世界中に”シノペック”のような国策石油会社を進出させて、石油や天然ガス利権を囲い込んで、国際石油市場をとおさずに本国へ直送したり、日本や東南アジア諸国とあえて摩擦を抱えても、東・南シナ海での、海底資源囲い込みに狂奔しているのは、こういった理由からだ。

 中国は、エネルギーの安定的な供給確保の観点から、なるべくなら中国とその同盟国内を通る陸上パイプラインが、供給ルートとして望ましいと考えているようである。

 中国は、中央アジア諸国やロシアから中国へと向かう石油パイプライン建設を積極的にすすめているし、ミャンマーと中国とを結ぶ石油パイプライン建設構想も浮上している。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050817-00000001-scn-int


これは、ミャンマー産の石油のほかに、中東で買いつけた石油をミャンマーで陸揚げし、陸上パイプラインを使用して中国へと送り込もうとするもので、これが完成すれば、現在中国の輸入原油の8割が通るマラッカ海峡を避けて、より安全にエネルギーを本国へと供給できる。

(中国がマラッカ海峡を避けたい理由は、海賊の危険性もあるが、シンガポールを押さえている米軍の存在が一番であろう。もちろんロンボク海峡をぬけるルートもあるが、アメリカの戦略拠点グアムに航路が近くなって、うまくない)

しかし、中国が買いつけた中東原油をミャンマーへ持ってくるには、どうしてもインド洋を通らなければならない。 そのために「インド洋の制海権を誰が握るのか」といったことが、中国にとって重要になってくるわけである。

現在、インド洋の制海権を握っているのは、まず第一に、インド洋に浮かぶ英領の孤島、ディエゴ・ガルシアをおさえるアメリカだろう。

ディエゴ・ガルシアを拠点にステルス爆撃機や空母機動部隊を展開させれば、中国のシーレーンの命運を容易に左右できる。

 二番目が、空母も保有するインド洋沿岸では最大の海軍力をほこるインドで、中国はベンガル湾に近いミャンマー領のココ諸島に軍事基地を持っているが、インド洋におけるプレゼンスは薄い。

(日本が、アメリカ軍などのアフガン対テロ作戦を支援するため、イージス護衛艦や補給艦をインド洋に派遣したところ、中国だけがヒステリックに海上自衛隊のインド洋展開を批判をしたのも、これでうなずけよう)

中国が近年、イージス艦や攻撃型原潜の建造を急ぎ、空母保有も視野に入れた”ブルーウォータ―・ネイビー”(外洋型海軍)建設を進めているのも、台湾併合とともに、中国自身のシーレーン防衛のためであるのは明白である。

 インド洋は日本のシーレーンでもあり、中東から日本へ石油を安定供給させるには、他国に日本のシーレーンを守ってもらうか(現状はこれ。日本のシーレーンを守ってくれているのは、もちろんアメリカである)、日本が自力で守るかしかない。

その意味でも、日本はこの地域に無関心ではいられない。

 中国は、軍人による過激な発言とともに、日米同盟や台湾を仮想敵とした軍事演習を活発化させている。

さらに、東シナ海では、日本の抗議などお構いなしに、海底資源の採掘を急いでおり、日本側の資源探査などの活動に対しては、中国水上警察の艦艇を派遣して、武力をちらつかせながら露骨な嫌がらせを繰り返している。

 最近日本国内で、にわかに「日本は親米であるべきか、親アジアであるべきか」といった問いが提起されている。

(この場合のアジアとは多くの場合、パブロフの犬的反射から、中国・韓国・北朝鮮をさしているようだ)

 しかし、一時の感情に基づいた選択によって、日本の将来を誤らないようにしなければならないが、民主国家・日本の将来の選択の基準はもちろん、親米か親アジアかではなく、親民主主義でなければならない。
そうなると自ずから答えは導き出される。

 日本はいつまでも「安保アレルギーで受けつけないから」などとは言っていられない。

東アジアにおける独裁国家・中国の増大する軍事力を背景とした、危険な膨張主義に対する歯止めとするためにも、日本は、アメリカとインドとの関係強化をうながしつつ、インドとの安全保障分野における協力関係を強化させるべきである。

(マラッカ海峡をかかえるASEANと日本、ASEANとアメリカの安保協力強化も同様に重要であるし、もちろんインドへのエネルギーの安定供給や投資といった経済面の協力も必要である)

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左右のリーダー

地球が太陽系に誕生してから46億年、植物や動物の死骸が、気の遠くなるような長い年月をかけて変質し、化石燃料となった。化石のうち、植物性のものは石炭に、動物性のものは石油や天然ガスになった。 46億年かけて蓄積された石油が本格的に採掘されて約100年。1900年頃、ア

  • From: Hotta World:: 「活・喝・勝」 |
  • 2005/09/11(日) 17:58:16

この記事に対するコメント

 どうも、支那帝国は大陸側の脅威がなくなると、列島及び、太平洋に出てきたくなるのでしょうか。

 いってみれば、今は、元寇前夜と言えるのかもしれませんね。

 確か、中国の武器体系はロシアのそれに組み込まれているようですから、どのみちロシアとことを構える気はないということですよね。

 まあ、中国はインドにも随分領土問題で譲歩したようですし、ともかく、むしりやすい所から、徹底的にむしろうということなんでしょう(苦笑

 また、強きを助け、弱きを挫く、これが支那人の本性のひとつであることは間違いないようですね。

>これはあまり知られていない事実だが、現在中国には石油や天然ガスといったエネルギー資源の国家備蓄が一切無い。

 『諸君』の七月号に「中国の「石油・鉄喰い」が世界を亡ぼす 」という論稿がありましたが、恐ろしく非効率な原料とエネルギーの使い方を具体的に紹介していました。足りないのは、エネルギーだけでなく鉄鉱石などの原料も同様とのことなんですが、ただ、どうあっても、経済成長を続けなければならない中国にとっては、この手の課題は物凄いアキレス腱でしょう。だから、引くときはあっさりとひくようなところもみせるのでしょうが、恫喝して、むしりとるなら、やっばり日本を的にして、となりますよね(笑
 
 ロシアやインドを相手にすることを考えれば、はるかに費用対効果が見込めますからね。自分が中国の立場に立てば、自然とそう考えると思います。


 さて、さて、拙作のサイトのリンクをして頂きましてありがとうございます。

 実は、今年の四月にちょっとした事情がありまして、前のサイトを一旦閉鎖してのリニューアルなので、いまだバタバタとしておりますが、長い目でお付き合い下さい。

 私の方は、サイトのリンクも取り扱いますが、単独のエントリーも記事として紹介させて頂きたいと思っております。

  • 投稿者: ホント号
  • 2005/08/23(火) 15:03:30
  • [編集]

ホント号さん

>どうも、支那帝国は大陸側の脅威がなくなると、列島及び、太平洋に出てきたくなるのでしょうか。

対台湾、対日、対米で、ドンパチやることにそなえて、背後をかためようと思ったのかもしれません。

特に、最近の中国外交をみると、対日包囲網を形成したがっているように感じます。

>確か、中国の武器体系はロシアのそれに組み込まれているようですから、どのみちロシアとことを構える気はないということですよね。

中国が中露国境線画定を急いだのもそのためでしょう。

ロシアの方は、中国に完全に心を許したわけではないようです。

ロシアが中国へ売却する兵器の多くは、ロシア軍が使用するものより、微妙にダウングレードさせています。

>また、強きを助け、弱きを挫く、これが支那人の本性のひとつであることは間違いないようですね。

魯迅の作品の主人公で、そんな人いませんでしたっけ?

>私の方は、サイトのリンクも取り扱いますが、単独のエントリーも記事として紹介させて頂きたいと思っております。

当ブログはフリーリンク、フリートラバですから大歓迎ですよ。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/08/23(火) 23:40:34
  • [編集]

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