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第9回 結論・イラク戦争とはなんだったのか?(その2)

  • 2005/02/17(木) 00:36:41

 最後通牒をフセインが無視したことでアメリカは予告通り、2003年3月19日イラクに先制攻撃を加えた。イラク戦争の開始である。

同時にアメリカは安保理を見限り、国際社会からアメリカを支持してくれる有志を募った。
アメリカ単独では”十字軍”というイメージがぬぐえないからだ。これではアラブを含めた国際世論の印象も悪くなってしまう。

 これにはイギリス・スペイン・イタリア・日本などの国々が加わった。残された大国ドイツはEUでフランスと外交の共同歩調をとっているため反対にまわった。

 イラクに侵入したアメリカ軍は史上最速ともいわれる電撃作戦を展開してバクダッドに迫った。

少数スンニ派のフセイン政権打倒と多数シーア派の台頭は、アメリカが絶対開けてはならないパンドラの箱だったのは前述した通りだが、今回はアメリカもパンドラの箱を開ける覚悟ができていた。

アメリカ自身の安全がかかっている以上、サウジ・クウェートなどGCC諸国とその油田が少々危険になっても、完全にフセイン政権を打倒し大量破壊兵器がアル・カイダの手に渡る前に取り上げねばならない。

そしてアメリカ軍はバクダッドに侵攻し、フセイン政権はとうとう倒れた。
フセイン自身を逮捕するのはそう難しい事ではなかったが、大量破壊兵器は今も見つかっていない。

 結局、イラク戦争とはなんだったのか?という問いの答えは、「イラク戦争そのものが誤爆だった」ではないだろうか。

 戦争直前にアメリカが「イラクが大量破壊兵器を保有している」とはっきりと断定していたので、”エシュロン”という世界最大規模の諜報網を持つアメリカのことだから、確固とした証拠をつかんで言っているのだろうと筆者も思っていた。

どうやら反フセインのイラク反政府組織のメンバーが「フセインが大量破壊兵器をビン・ラディンに渡そうとしている」という情報をドイツの諜報機関に流し、情報提供を受けたアメリカ首脳陣が、何の疑いも無くそれを鵜呑みにしたというのが真相のようだ。

それはともかく「殺(や)られる前に殺(や)らなければ自分が危ない」というアメリカの恐怖心がイラクへの先制攻撃をひきおこし、大量破壊兵器発見が不可能となった時点で「フセイン独裁打倒とイラクの民主化」という理由を、アメリカは戦争の目的としてあとづけした、今の時点ではそう考えるのが妥当なのではないだろうか。

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★関連図書―もっと詳しく知りたい方は...
20050523162728.jpg

エシュロン―アメリカの世界支配と情報戦略

◆アメリカ(いや「アングロ・サクソン文明の」と言った方が適切だろうか?)の情報戦略の一翼を担う”エシュロン”の真相に迫る!

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この記事に対するコメント

イラク戦争は「誤爆」か「確信犯」か

自分は今年(平成19年)になって初めてこのブログを知った者です。
外交と安全保障のイロハが非常に分かりやすく書かれており、「初心者のための外交講座」から順に読ませていただき、大変勉強になりました。

最後に「イラク戦争とはなんだったのか?」のシリーズを読ませていただいたのですが、その核となる、「結論・イラク戦争とはなんだったのか?」については、ちょっとしっくり来ませんでした。
これについては色々な見方があるのは当然なのですが、他のシリーズより「しっくり度」が低かったという意味です。

ちなみに、「イラク戦争とはなんだったのか?」について自分が一番しっくりきた見方とは、高山正之氏の「異見自在」(http://zeroplus.sakura.ne.jp/u/index.html)の「1. 米が仕掛けた悪夢払い」に書かれている見方です。もし読まれていなければ、是非一度読んでみて下さい。

クロフネさんが「イラク戦争そのものが誤爆だったのではないか」とする見方を書かれたのが2005年時点。高山氏のコラムが書かれたのがその2年前の2003年の事ですから、高山氏が新事実をもとに新たな見解を書いたというわけでもありません。

高山氏の見解にはクロフネさんの見解とオーバーラップする部分もありますが、イラク戦争は「誤爆」ではなく「確信犯」とする点が核だと思います。クロフネさんは高山氏の見解をどう思われるでしょうか。

  • 投稿者: 杉本
  • 2007/02/16(金) 19:45:19
  • [編集]

杉本さん

高山正之氏のコラムを拝見いたしました。

私自身、高山氏の見解を100%否定できる材料を持ち合わせてはいませんが、にわかには信じがたいです。

サウジとアメリカにとって最大の脅威はイランです。

アブドラ皇太子がフセインと仲がよかったとすればシーア派に対抗する意味でのスンニ派つながりでしょう。

国王となった現在でも、アラブ各国で同盟を組んでアメリカに反抗するような姿勢はみじんも見えません。

それどころか、アメリカがイラクから撤退するのは反対。もしそうするならイラクのスンニ派に味方するとまで言っています。

サウジ軍の兵器はアメリカ製がほとんどでイラン軍との対抗上、反米政策は非現実的です。

また現在に至るまで、サウジに革命が起こりそうだという話も聞きません。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/02/17(土) 00:27:11
  • [編集]

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