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第6回 パクス・シニカと世界

  • 2005/07/20(水) 23:49:26

 前回は、21世紀になってユーラシア大陸に突如として姿をあらわした、中国を盟主とする上海協力機構についてみた。

それでは、この中国主導の同盟体制、Pax Sinica(パクス・シニカ=中国の平和)が現在、その他の世界にどういう影響を与えているのだろうか。

残念ながら、その影響はプラスよりマイナスの方が大きいと言わざるを得ない。

 世界各国の国家戦略は多かれ少なかれ、「自分さえ良ければ」という側面を持つ。

しかし、上海協力機構の盟主たる中国の外交戦略は「自分さえ良ければそれでいい。だからやりたいことは全てやらせてもらう」という面が露骨すぎる。
そして、その”強欲さ”ゆえに世界各地で利害の衝突をくりかえしている。

 中国は、石油・天然ガス・鉄鉱石など世界中の天然資源をその他の国が手をつけられないように、まず手当たり次第に囲い込んでから買いあさり、国際市場をとおさず中国本土へ送り込み”爆食”している。

その結果、石油など天然資源の国際相場の急上昇と高止まりを招く原因のひとつとなり、資源に乏しい国々の景気の足を引っ張るマイナス要因となっている。

 特に問題なのは、国際社会がその独裁政治や圧制を問題視し、制裁を課しているような国、例えばイランやスーダン、ミャンマーといった国に、中国がぬけがけのように接近していることだ。

独裁国家・圧政国家は、その強権的政治体制ゆえに国の内外に敵が多く、支配者は自らの体制維持のため強力な武器を欲しがる。

中国はそのような独裁者の心理を利用し、中国製兵器を供給し経済援助を与え、その独裁者の支配体制がより強固なものとなるよう手伝いをするみかえりとして、その国の独裁者からのお墨付きをもらって石油などの天然資源を囲い込み、獲得した資源を本国へと直送している。

例えば、近年スーダン政府軍や政府系民兵ジャンジャウィードによる市民虐殺事件が深刻な問題となっているダルフール紛争など、スーダンにおけるいくつかの悲惨な内戦の火に油を注いだのは、まちがいなく中国である。

(しかも中国は安保理の常任理事国という強力なパワーを利用して、スーダン内戦の悪化を防ぐことを目的とした国連の介入を影に日向に妨害してきた)

中国の現在の繁栄は、ダルフール紛争などで、中国から与えられた兵器によって殺され、犠牲になるような人々の屍(しかばね)の上に成り立っているとも言える。

 さらに中国は大量破壊兵器の国際売買ネットワークの基点のひとつであり、中国から流出した核兵器製造技術はパキスタンへと流れ、パキスタンから北朝鮮へと流出し、さらにイランへと広がりつつある。

弾道ミサイルについても、中国と北朝鮮が基点となり、パキスタンやイランへと拡散していった。

こうした大量破壊兵器の”ブラックマーケット”の存在が、北朝鮮やイランの核開発問題を引き起こす一因となり、世界各地の安全保障に深刻な影響を与えている。

 また通商・貿易面に目を移すと、中国は変動相場制ではなく固定相場制を維持する事によって自国通貨・人民元の価値を他の通貨より異常に低く保つことで、中国の工業製品の価格競争力をむりやり高め、輸出産業の追い風としている。

このような通貨・産業政策は「デフレの世界への垂れ流しではないか」「通貨ダンピングではないか」といった批判を巻き起こし、アメリカやEUなど世界各地で、深刻な貿易摩擦を生じさせつつある。

 以上、中国そして中国が盟主となって創設した上海協力機構とその他の世界との関係の実情についてみてきたが、それは国際協調といったものとは、まったく程遠いものであり、世界各国との摩擦・衝突が悪化しつつあるのが現状である。

 日本・アメリカ・EUの三極を軸とする自由主義世界と中国を中心とした独裁国家のグループである上海協力機構との関係がどういったものになるか、これからしばらくはそれが世界のゆくすえを決める大きな要因となりそうな気配である。

それでは、自由主義世界は、中国を中心とする上海協力機構に、どのように対応したらよいであろうか。

そうした課題をふまえながら、日本がもつべき世界戦略はどのようなものだろうか、次回はこれらについて考えてみよう。


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上海協力機構/米国追い出し戦術に警戒を

 中国、ロシアが中心となり、中央アジア四カ国の計六カ国で構成されている上海協力機構は、今月初めに開かれた首脳会議で中央アジアからの米軍の撤退を期限つきで求める共同声明を発表するなど、反米姿勢を強めている。 この背景には米国の影響力をアジア地域で弱めたいと

  • From: 世界日報サポートセンター |
  • 2005/07/29(金) 14:16:20

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