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ウクライナからの大切なシグナルを見逃すな!

  • 2005/07/17(日) 22:34:45

 20日からの訪日をひかえる、ウクライナのユーシェンコ大統領は、日本を「民主主義・市場経済の価値を尊重する西側世界の大国」と位置づけるとともに「日本とは政治、経済、安全保障分野を含む総合的な協力関係を結びたい」と語り、日本とウクライナの戦略的パートナーシップ締結を呼びかけた。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050716-00000008-maip-int


 現在の世界情勢をふまえれば、ユーシェンコ大統領の日本-ウクライナ間の戦略的パートナーシップ締結の呼びかけは、日本にとって非常にありがたいものであり、ウクライナからの重要なシグナルを日本政府は見逃してはならない。

ウクライナは人口五千万の欧州の大国であり、かつてはキエフ・ルーシ、つまりウクライナこそ東スラブ民族の政治・文化のリーダーであったという高いプライドを持ち、そのためロシアとは伝統的なライバル関係にある。

特に日本にとって重要なポイントは、ウクライナからの軍事関連の輸出が、中国軍近代化に大きく貢献してきたという事実である。

ウクライナの軍事技術は、主に中国海軍近代化のために導入されており、近年建造された中国の多数の駆逐艦やフリゲート艦の推進機関に、ウクライナ製ガスタービンエンジンが採用されている。

またウクライナは旧ソ連時代から軍用輸送機や旅客機の開発で有名だったアントノフ設計局をかかえており、最新型の”アントノフAN70”軍用輸送機を中国に売り込もうとしていた。

最近では、ウクライナから旧ソ連製の巡航ミサイル”Kh55”が中国に不正に輸出され、それが北朝鮮の手に渡った可能性も指摘されている。

中国と地続きで国境を接するロシアは自国の安全のため、戦車と巡航ミサイルのような戦略兵器の中国への売却を控えてきたが、ウクライナは中国と国境を接していないからこそ、巡航ミサイル売却が可能になったのではないだろうか。

 こうしたことをふまえると、ウクライナとの戦略的パートナーシップ締結の条件として、ウクライナから中国への兵器・軍事関連技術の輸出ストップを日本側が提示して同意がとりつけられれば、中国の軍備拡張のスピードを鈍らせることができ、日本やアジアの安全保障にとっても、その意味は大きい。

 ウクライナ側の戦略としては、日本からの投資を呼び込んでウクライナ経済を立て直し、外貨を稼いでそれによって石油や天然ガスなどのエネルギーを買い、エネルギー供給地・ウクライナ製品輸出市場としての立場を利用して、ウクライナの首根っこをがっちりとつかまえているロシアの影響下から抜け出そうというものだろう。

 しかし日本側としてもウクライナへの投資は国益にかなうのではないだろうか。

自動車などの工業製品生産ラインを労働コストが比較的安いと予想されるウクライナに構えて、EU圏への供給基地とすれば、日本のメーカーは価格競争力の面で有利になるのではないだろうか。(後はEUの関税しだいだが)

また日本は国産小型旅客機の開発・製造計画を持っているが、日本が欲しいノウハウをアントノフが持っているなら、そこから買うというのも一案だ。

 現在ウクライナ工業の中心はドネツクといった東部の親ロシア地域だが、日本の投資はリボフやウジゴロドといった親EUの西部地域をメインにしてやらなければならない。

また社会インフラもまだまだ未整備であろうから、日本政府による借款や無償援助投入といった、ウクライナ進出日本企業へのバックアップ策も必要になるだろう。

ともかく日本としては、ウクライナへの投資がビジネスとして成り立つかどうか、適切な評価が必要になってくるが、周辺国と投資条件がそう変わらないならば、むしろ積極的かつすみやかに進めるべきだ。

 フランスやイギリスに匹敵する人口をもつウクライナが日本企業の投資によって、東欧有数の豊かな工業国となれば、ライバル関係にあるロシアの心中は穏やかではないだろう。

ウクライナの豊かさ、発展ぶりをみせつけられて焦ったロシア国民の多くから「南クリール(北方領土・四島)なんて小島は日本にくれてやれ。我々が欲しいのは日本からの投資だ」という声があがってくれば、

「日本からロシアへの投資と北方領土をバーター取引にしよう」という交渉がやりやすくなるし、北方領土問題の平和的解決の実現も不可能ではないと思うのだがどうであろうか。

(その意味で、最近発表されたトヨタのロシアへの大型投資は、北方領土返還のための日本の戦略とは整合性を欠く。

今度のプーチン大統領訪日で、領土問題に前進がみられないのであれば、トヨタのロシア投資はキャンセルにし、ウクライナへもっていくぐらいの戦略が必要である。

「もう約束しちゃったし、国際公約だから」などと、のんきなことを言っている限り、北方領土は永久に返ってこないだろう。)

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この記事に対するコメント

ウクライナ

ウクライナの経済が落ち込んでいて、投資機会があるのも確かですが、まだ投資家や起業家が簡単に手を出せる国ではないように思います。
なにしろ、旧共産圏では新規事業をする際、役人に賄賂を払うのが必要悪だという状態。国家レベルでの支援がない個人企業家・投資家などは進出し難いと思います。また国のレベルで考えると、アジア戦略のためにはロシアとのパートナーシップは欠かせないかな、とも思います。ロシアとウクライナ両方に投資したほうが、双方を競わせた上で日本寄りにもできる、という点でいいのではないでしょうか。

  • 投稿者: vollleben
  • 2005/07/19(火) 10:03:52
  • [編集]

>ウクライナ

>国家レベルでの支援がない個人企業家・投資家などは進出し難いと思います。

そのへんも考慮して、

>また社会インフラもまだまだ未整備であろうから、日本政府による借款や無償援助投入といった、ウクライナ進出日本企業へのバックアップ策も必要になるだろう。

と書いたのですが...
もうけを考えないでできるのが、国家による経済援助ですし。

ワイロうんぬんの話をすれば、ウクライナもロシアも五十歩百歩で、さして変わらないでしょう。

そのあたりは、来日するウクライナ大統領に「法律面もふくめてウクライナ側の投資環境の整備の努力がなされなければ日本としては投資できない」といった条件を提示すればよいでしょう。

>ロシアとウクライナ両方に投資したほうが、双方を競わせた上で日本寄りにもできる、という点でいいのではないでしょうか。

 まず三カ国の思惑をもう一度確認しておきましょう。

日本は北方領土問題を解決したいというのが最大の目標でしょう。

ロシアは北方領土問題をウヤムヤにしたまま、日本からの投資だけ欲しいというのがホンネでしょう。

ウクライナは日本からの投資を呼び込んで、経済的に自立し、ロシアの影響下から脱出したいというのが戦略パートナーシップを日本に呼びかけた理由です。

 資源大国・ロシアという観点からみれば、日本がロシアと手を組めばメリットがあるのはわかりきったことですが、しかし北方領土をウヤムヤにはできません。

投資というのは日本のロシアに対する唯一にして最強カードであり、本来ならこのカードは北方領土四島返還というカードと交換でない限り切れません。

北方領土の返還前に、このカードを切ってしまえば、前述のロシアの戦略にまんまとハマッたことになり、四島を返そうというロシアのモチベーションは著しく下がるでしょう。

また日本とウクライナ間には現在、利害の対立がほとんどなく、ロシアと天秤にかける必要性もなければ、そのようなことをしてわざわざウクライナ側の不信感をあおるようなことをする理由もありません。

本文でも書きましたが、そもそもウクライナはエネルギー供給源としてのロシアに頭が上がらない状況なので、ウクライナとロシアが競れば圧倒的にウクライナが不利です。

ですから、日本がまずウクライナに投資をすることによって、かの国を豊かな工業国にし、ロシアの影響下から脱出させつつ、ロシア国民に日本の投資パワーをみせつける必要があるのです。

同じ投資をするにも、まずウクライナが先というのは絶対条件で、順番を間違えて、ロシアと同時とかロシアを先にしたのでは、北方領土返還という日本の外交課題からみれば正反対の結果を招くのではないでしょうか。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/07/20(水) 00:34:40
  • [編集]

国家レベルのサポートに関する記述、読み飛ばした形になり申し訳ありませんでした・・・。また、より詳しく説明していただきありがとうございます。競争させることによる不信感、確かに否めません。
欧州では、ロシアが北方領土を返還するように勧告したそうですが、日本ではほとんど報道されていないので、外交課題を本当に解決する意図があるのか不安でした。クロフネさんのエントリ、これからも楽しみにしてます。
拙いコメントにも真摯に対応していただきありがとうございます^^

  • 投稿者: vollleben
  • 2005/07/20(水) 22:13:21
  • [編集]

vollleben さん

>欧州では、ロシアが北方領土を返還するように勧告したそうですが、日本ではほとんど報道されていないので、外交課題を本当に解決する意図があるのか不安でした。

確かに日本ではちらっと「ロシアが怒っている」という記事が載っただけでしたね。

>国家レベルのサポートに関する記述、読み飛ばした形になり申し訳ありませんでした・・・。

いえ、こちらこそ説明不足でした。
言語というのはコミュニケーションの手段としては完璧ではありませんし、お気になさらないでください...

>より詳しく説明していただきありがとうございます。

議論へのご参加ありがとうございました。自分の主張も以前より頭の中で整理できましたし、私にとっても有益な議論でした。

vollleben さんのブログも時々のぞかせていただきますね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/07/22(金) 01:22:56
  • [編集]

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