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第8回 結論・イラク戦争とはなんだったのか?(その1)

  • 2005/02/16(水) 21:05:44

 追い詰めながらもラディン逮捕に失敗してしまい、焦るアメリカに驚愕の情報がもたらされたと言われる。
それは「核や毒ガスといった大量破壊兵器を保有するイラクのフセイン大統領が、ラディン率いるアル・カイダに、それらを渡そうとしている」というものだった。

過去に核開発や毒ガス使用の前科があるフセインから手に入れた大量破壊兵器で、アル・カイダが報復の自爆テロを起こせば大変な事になる。

例えばアル・カイダの工作員がニューヨークのど真ん中に放射性物質やサリンのような毒ガスをばら撒けば、工作員は死ぬかもしれないが(もっとも彼らは死ぬ事を恐れていない)ニューヨーク市民に大変な数の犠牲者が出るのは容易に予測できる。

 アメリカはその恐怖ゆえに、国連を通じて大量破壊兵器を保有していないかどうかの査察を受けるよう、イラクに要求した。

(イラク戦争でアメリカはいきなり武力に訴えたわけではない。湾岸戦争・アフガン戦争も同様)

 しかしフセインは国連による完全査察をのらりくらりとかわしていた。
ビン・ラディンを依然逮捕できないアメリカに残された時間はなく、アメリカは期限を切って国連の完全査察を受けなければ先制攻撃すると最後通牒をつきつける。

 アメリカの先制攻撃宣言に対してフランス・ロシア・中国が反対した。
しかしそれは日本の一部世論の言うように、戦争狂いのブッシュとは対照的に仏・露・中が平和愛好グループだったからではない。

彼らはフセインと長年にわたりビジネスを行ない巨額の債権・利権を持っていたからというのが反対した一点目の理由である。

仏露中は長年イラクに武器を売却した主要三カ国である。彼らはれっきとした、いわゆる”死の商人”であり、”平和愛好グループ”であったかのように言うのは、たちの悪いジョークだ。
(特にイラクとイラン双方に武器を売却した中国は、イラン・イラク戦争は笑いが止まらなかったのではないか)

 また仏露中三カ国は国連安保理の常任理事国である。
常任理事国には拒否権という”伝家の宝刀”があり、たとえ国連加盟の約200ヶ国が賛成したとしても米英仏露中のうち、たった1ヶ国でも拒否権を行使すれば、その議案は葬り去られる。

その意味で仏露中は国連における特権貴族なのだ。そして”特権貴族”としての地位をフルに生かすことがこれら三カ国の外交の基礎となっている。
しかしアメリカは安保理の枠組を無視して単独行動でイラクに先制攻撃を加えようとしていた。

もしアメリカの単独行動を許せば国連安保理がいかに無力なものであるかが白日のもとにさらされる。
安保理が無力化・空洞化すれば、仏露中は”特権貴族”から、スワジランドやアンチグア・バーブーダといった国々(もちろん日本も含めてだが)と同じ”平民”に格下げになったも同然だ。 

”平民”に落ちぶれて外交パワーを大きく減衰してしまう、このような事態を仏露中が受け入れられるはずがない。
だから単独行動をしようとしたアメリカに強硬に反対し、あくまで国連安保理の枠内で共同歩調をとるよう(ということはアメリカのイラク攻撃はなくなる)仏露中は求めたのである。

つまり仏露中が国連での”特権貴族”としての地位を守ろうとしたというのが本当の理由の二点目だ。
その意味で「自分勝手なブッシュは悪で国連を尊重する仏露中は正しい」という日本の一部世論も全くナンセンスである。

(多くの日本人が抱きがちな「国連=公平中立な平和団体」という考え自体が、そもそもナンセンスなのだ)

今から考えると、イラクが大量破壊兵器を本当に持っていなかったのならば、堂々と国連の完全査察を受ければよかったのではないかと思うのだが、仏露中のバックアップと安保理の力を過信してアメリカの単独先制攻撃はありえないと読んだのか、フセインはアメリカの最後通牒さえつっぱねてしまう...

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