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第4回 次の冷戦はあるのか?

  • 2005/07/07(木) 22:13:10

 20世紀の後半は、アメリカを中心とした自由民主主義陣営とソ連を中心とした全体主義陣営との冷戦の時代であった。

両陣営は地球を何度も滅亡させられるような数の核兵器を保有してにらみ合い、対立が極限まで達したキューバ危機で人類は破滅の瀬戸際までいった。

結局、1985年ソ連にゴルバチョフという新しいタイプの指導者が誕生したことをきっかけに、「人類に平等な社会を建設するためのプロレタリアート独裁・共産党独裁は民主主義なんだ」という社会主義者のウソにウンザリしたポーランドやハンガリーといった東欧の人々が民主化運動をはじめると、

東ドイツ国民はなだれをうって西側自由世界になだれ込んでベルリンの壁を崩壊させ、これに呼応するようにチェコスロバキアやルーマニアで民主化革命が勃発し、ドミノ倒しのように社会主義・ソ連を守るための衛星国家群は消滅した。

ソ連自身も長年にわたって維持されてきた「バターより大砲を」という軍国主義優先の政策と、それが生み出した巨大な軍隊が弱体化した経済を押しつぶすといった国家の破綻を招き、バルト三国の独立運動がひきがねとなって、社会主義的全体主義の総本山とも言うべきソ連は崩壊した。

今思えばソ連共産党の「平等な社会をつくるための共産党独裁」というものは、ロシア皇帝の独裁権力と宮廷貴族官僚の特権をそっくり引き継いで、決して手放すことの無かった共産党のエゴを正当化するためだけの見苦しい言い訳にすぎなかった。

 そして、帝政ロシアの遺産ともいうべき植民地を引き継いだソ連は、その消滅とともに遺産を次々と失った。

そのときに生まれたのがバルト三国やウクライナ、グルジアなどのコーカサス諸国、カザフスタンやウズベキスタンといった中央アジア諸国である。

社会主義諸国のドミノ倒しの影響は遠くアフリカまで波及し、アンゴラやモザンビーク、コンゴ、ベナンといった国々は社会主義の看板をとりあえず下ろさざるを得なかった。

こうして20世紀の冷戦は自由主義世界の勝利に終わり、社会主義的全体主義は敗れ去った。

そしてフランシス・フクヤマのように、自由民主主義の勝利が確定し、もはやイデオロギー対立による戦争などは起こらないといった見方さえあらわれた。

 では21世紀に自由主義世界に挑戦するような勢力が現れ、新たな冷戦が勃発するような懸念は完全に無くなったのだろうか? 

私がこの点で懸念を抱いている二つの勢力がいる。

 実は、冷戦後の自由世界の勝利は決して確定したものではなかった。

東欧からはじまった社会主義的全体主義の崩壊をうながす民主化の流れは、市民社会が未成熟で経済水準が低いアジアにまでは届かなかった。(モンゴルを除く)

また、いったん民主化されたはずのロシアやベラルーシ、中央アジア諸国など旧社会主義国家群の一部も、徐々に独裁国家へと時計の針を逆戻りさせていった。

(民主化の成功度の高低は、その国の市民社会の成熟度の高低と密接な関係があると思われる。 以前から高水準の市民社会が成立していたポーランド・チェコ・バルト三国などでは、革命以後に民主主義が確実に根付き、順調に運営されたのに対し、そのようなものを持たなかった中央アジアではあっという間に独裁国家へと逆戻りしていった。)

 そしてアジアで生き残った世界最後の社会主義大国・中国は、もはや誰も信用しなくなった「平等社会の建設」という社会主義の看板を「民族主義」・「愛国主義」につけかえて、民衆の外国への敵意をあおることで、みずからの独裁政治の継続と自由・人権・民主主義などの制限の正当化をはかっている。

同時に中国があおる”中華民族主義”は、中国共産党が清帝国から引き継いだ遺産である、チベット・ウイグル自治区(東トルキスタン)・内モンゴルなどの植民地の喪失を防ぐ役目も担っており、彼らが”失われた中国”と考える台湾を併合するための大義名分でもある。

(ソ連共産党が帝政ロシアの遺産の維持に失敗したことを、中国が教訓としていることは容易に推測できる)

 ベトナムやキューバはこれよりもっと穏健な政策を取っているので懸念される材料は極めて少ないが、北朝鮮は中国と似たり寄ったりだ。

そして軍国主義が終わってわずか20年ちょっとで、もともと民主主義の基盤が弱く、近年北朝鮮に極めて同情的な左翼政権が誕生して以後、ますます言論・思想・表現の自由の制限を強めている韓国も、このグループの予備軍である。

これら自民族優越主義をかかげたり、あるいは指導者個人の神格化によって独裁体制を維持しようとする国家群が第一の勢力である。

 第二の勢力はいわゆるイスラム原理主義をかかげるグループである。

もっとも、このグループにはいくぶんか同情の余地があるだろう。

 これまでのアメリカの対中東政策は、あまりにもイスラエルに偏りすぎており、パレスチナ難民や全世界のイスラム教徒の不満・怒りを増大させることになった。

その結果、極めて過激な一派が生まれ、パレスチナでテロ行為を繰り返し、ついには世界へと広がった。

(しかしいかなる理由があってもテロのような無差別大量殺人行為が正当化されるものではない。)

このグループに属する国家としては、イランやスーダンがあげられるが、もっとも懸念される勢力は国境を越えて活動する国際テロ組織である。

 以上の二つのグループは、21世紀に入ってその存在感をますます強めている。

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この記事に対するコメント

第二次世界冷戦かあ。経済交流(何か嫌な言葉です)がこれだけ進むと国交断絶みたいな感じでは関係が途絶することはなさそうですが、余計に生きにくい世界になりそうな感じです。
アメリカが今後今まで以上に東アジアに首を突っ込むとすれば、ユーラシア大陸の昨今の騒動はアメリカが糸を引いてることも考えれば、最終的な標的は中国(共産党)かなと思うのですが、どうなのでしょうか。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/07/07(木) 22:59:49
  • [編集]

コリコリさん

>最終的な標的は中国(共産党)かなと思うのですが、どうなのでしょうか。

どうでしょう...今後数年間の米中関係がどうなるかによって影響してきそうですが、まだ私にはなんとも言えません。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/07/11(月) 22:52:54
  • [編集]

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