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第22回 中国の外交テクニック(その7)

  • 2005/06/21(火) 22:45:18

8.国連の私物化

 中国は、本来世界各国に対して中立な立場であるべき、国連のような国際機関でさえ中国自身の利益のために奉仕させ、これを中国と他国との二国間関係にも最大限に利用することによって、相手国の外交政策を中国の有利なように強制的に変更させようとする。

「国連は公平・中立な国際機関である」というのは、多くの日本人が抱いている幻想にすぎず、国連参加各国は多かれ少なかれ、国連を自国の利益の為に利用しようとしてきた。

このことは特別、中国に限った事では無いが、中国はその露骨さ・悪質さで他の追随を許さない。 それでは、具体例をみていこう。

 1990年、ユーゴスラビアを構成するコソボ自治州内のアルバニア人は独立を宣言、ユーゴの多数派であるスラブ系セルビア人とアルバニア人の間に民族紛争がはじまった。

この動きは、隣国マケドニアにも飛び火し、マケドニア領内に居住するアルバニア人とスラブ系マケドニア人との関係は一触即発の状態となった。

これを見た国連は民族間紛争によるマケドニア内戦を予防するため、93年にPKO部隊(国連保護軍:UNPROFOR、95年に国連予防展開隊:UNPREDEPと改称)を派遣した。

PKO部隊による両民族の引き離し作戦が功を奏し、マケドニア内戦の危機は一応去った。

UNPREDEPはマケドニア政府のみならず、国際社会全体からも紛争予防・内戦防止に高い評価を得、駐留期限が来るたびにマケドニア政府からの要請で延長されてきた。 もちろん国際社会も喜んでマケドニア政府の要請に応えてきたのである。

 しかし、99年2月にとんでもないことが起こる。

ユーゴ連邦軍とコソボ解放軍の武力衝突が激化するなか、国連安保理でUNPREDEPのマケドニア駐留再延長の是非が問われた。

コソボ紛争の事態悪化をうけて、バルカン半島における民族紛争をこれ以上拡大させないためにもUNPREDEPの駐留再延長は、国際社会共通のコンセンサスと言えた。

ところが驚いたことに、たった1カ国これに反対する国があったのだ。中国である。

中国は安保理で拒否権を行使し、駐留期間の再延長は不可能となり、国連PKO部隊・UNPREDEPはマケドニアから撤退した。

 中国は何故このような無謀な行動をとったのであろうか?

実はマケドニアは、中国の反対を押し切って、中国が敵視する台湾と国交を持っていた。つまり中国の拒否権発動はマケドニアに対する姑息な意趣返し、世界情勢を全く無視した「江戸の仇を長崎で討つ」ような仕返しであることは明白であった。

マケドニアの国連代表部は「(中国は)国際社会の責任ある構成員であり、かつ安保理に重要な地位を占めながら、わずか2国間関係の変化(マケドニアが台湾と国交を持つこと)に対して地域の平和を顧みない行動に出るとは、まったく遺憾である」と中国を批判し、

国家存亡の危機に同国のディミトロフ外相は「UNPREDEPの存在はマケドニアのみに価値があるのではなく、地域全体に対して大きな価値があるものだ」と述べた上で、「北京の拒否権発動は世界が遺憾としている。なぜなら、国連の平和維持部隊は2国間の問題ばかりでなく、地域全体の安定と平和維持にかかわる問題だからだ」悲痛なSOSを国際社会に発した。

米国、EUを代表してドイツとスロベニア、アフガニスタン、カナダなどが中国に厳重抗議したが、中国はこれらを一切黙殺した。

2001年に、マケドニア北西部で民族紛争の危機が再び高まり、内戦勃発による国土の荒廃を恐れたマケドニア政府は、国連からの支援を受けるために中国の望みどおり、台湾との国交を断絶して中国との外交関係を樹立した。

 誰を友人として選ぶか、どの国と外交関係を結ぶのか、その選択権はすべての独立国家が保有する基本的な権利であり、他国がとやかく言う筋合いのものではないし、ましてや他国にそれを強制させるようなことは断じて許されない。

しかし、中国はおのれのエゴの為に、安保理において拒否権を発動し、マケドニアを国家滅亡の危機に追い込むという卑劣な手段を講じて、中国に屈服・服従させ、独立国家としての尊厳を奪ったのである。

中国がおのれのエゴの為に拒否権を発動して、相手国を屈服させようとした例は、ほかにもグアテマラ・ハイチの例がある。いずれも台湾と外交関係がある国である。

http://www.geocities.jp/
kawabe_ichiro/column/199909.html


http://news.goo.ne.jp/
news/jiji/kokusai/20050529/
050528224933.emaubz7r.html


 中国はしばしば、「中国が常任理事国だからこそ世界中の発展途上国の利害を代表することができるのだ」と主張して、自国が安保理の常任理事国として強大な権力である拒否権を持つことを正当化してきた。

しかし前述の事実からもわかるように、それを保有しない世界の大多数の国家にとって極めて不平等な拒否権を、中国はおのれのエゴの為に乱用し、むしろ発展途上国をさんざん苦しめ、奴隷のように従わせてきたことがわかる。

国連分担金などの義務を果たさず、権利だけを要求しそれをエゴむき出しでふりまわす中国に、国連の運営についてとやかく言う権利は全く無い。

そしてこれらの事実は「中国が国際社会で強大な権力を握ると、どういうことが起こるか」の貴重な教訓を我々に与えてくれる。

中国に、彼らの道徳・良心から発する自制を要求したり、自浄能力に期待することがいかに愚かなことであるかが、皆さんにもおわかりいただけるだろう。

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日本が常任理事国入りするのと、中国を常任理事国から外すのではどっちが世界に貢献できるかハッキリ判ったような気がします。あの国があそこまで膨れ上がるともう無理なんでしょうか。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/06/21(火) 22:58:17
  • [編集]

コリコリさん

>あの国があそこまで膨れ上がるともう無理なんでしょうか。

無理とは、中国を安保理からはずすのが無理ということですか?

それはかなり困難でしょう。

クロフネの国連改革私案でも述べましたが、サミットを安保理の代わりにする方が、実現性は高いのではないかと考えています。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/06/21(火) 23:25:55
  • [編集]

そうか。。。ベクトルの根っこの向きからして違ってるのかもしれないですね。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/06/23(木) 01:43:04
  • [編集]

 根本的な質問ですけど、なんであんな国が常任理事国で、日本、ドイツ、イタリア、フィンランドなどが敵国なのでしょうか。こんな国連から脱退したらわが国とunited nations(あえて国連といいません)はどうなるのしょうか

  • 投稿者: ソラフネ
  • 2007/11/25(日) 14:14:42
  • [編集]

ソラフネさん

それは、常任理事国が第二次大戦に勝ち、日本やドイツは負けたからです。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2007/11/25(日) 22:40:46
  • [編集]

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