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第18回 中国の外交テクニック(その3)

  • 2005/05/26(木) 22:25:54

3.”善玉・悪玉”チーム

 中国は交渉相手に対して、あたかも中国側の交渉担当者たちが、一枚岩ではないように見せかけるときがある。

そして中国側交渉担当者たちが”善玉・悪玉”の二人一組のチームとなって一芝居うち、相手国にゆさぶりをかける。

 それでは”善玉・悪玉”チーム戦術をわかりやすい例にしてあげてみよう。

例えば、交渉の妥結の条件としてA・B・C・Dの四つがあり、

Aは中国として絶対受け入れたくない、

Bは中国としては受け入れ可能だが、うまみは少ない、

Cは中国の望みどおりの満額回答、相手国にとって極めて不利、

Dは交渉相手国にとって全く不利であり、相手国として絶対受け入れられないもの、

だったと仮定しよう。

そして、中国の交渉相手がを提案したとするが、それが中国にとって受け入れ可能であっても、あせって合意を急ぐようなことはしない。

中国側の交渉者として、まず”悪玉”役が出てきて「Bは中国として絶対受け入れられない。中国はD条件での妥結を要求する」と、相手が絶対飲めないような条件を主張して、さんざん交渉を引き伸ばす。

時には、B条件を提案した相手を激しく非難し攻撃するような、高圧的な態度さえみせる。

当然、交渉は膠着状態に入って、にっちもさっちもいかなくなってしまう。

そこで”善玉”役が登場し「まあ、そうカッカするな」とばかりに”悪玉”役をたしなめたあと、”善玉”役は交渉相手国にこう持ちかける。

「Dはあなた方としても受け入れられないだろう。そこで中国としてはDから大幅に譲歩してCを提案しよう。 ここは私の顔(メンツ)を立てて、それで手を打ってくれ。中国と一衣帯水の関係にある、あなたの国との友好のためにだ。」

ここで相手国の交渉担当者が「”善玉”が我々のために渋る”悪玉”を説得して、結果として中国は大幅に譲歩してくれたのだ。」と感激のあまり合意文書にサインしたら、もうアウトである。

思い出して欲しいが、そもそもCは中国にとって大満足・相手国には極めて不利なのであって、実は譲歩でもなんでも無い。

ここで大切なのは、中国がどのくらい譲歩したか、何回譲歩したかといった相対的なものではなくて、中国が出してきた交渉妥結の条件が、交渉相手国の国益にとってプラスとなるのかどうかという絶対的基準による判断である。

残念ながら現在の中国政府において、誰が”善玉”役で誰が”悪玉”役かはわからないが、70年代においては、黄華外相が”悪玉”役で、小平副首相が”善玉”役としてコンビを組んでいたと言われる。

4.”あなたの中国の友人が危ない”

 ”善玉・悪玉”チーム戦術の変形として、”あなたの中国の友人が危ない”戦術がある。

これは、中国と交渉している相手国の交渉担当者が親しくしている中国の政治家を、いわば人質にとったかたちで一芝居うち、相手国に譲歩を要求する戦術である。

わかりやすいように一例をあげると、

まず中国側から相手国の交渉者に対して、「あなたが中国との交渉で、非友好的な態度をとっているために、あなたが親しくしている中国の友人Aの立場が”悪玉”たちによって危うくなっている。」と訴える。

そして中国側は「友人Aが失脚すれば、今後中国とあなたの間の交渉は難しくなり、両国は友好関係を維持するのも困難になる。だからAを”悪玉”から救うために、交渉であなたが譲歩して欲しい」と揺さぶりをかけてくるのである。

 1970年代前半の、アメリカと中国の国交正常化のための交渉時に、中国側は「アメリカに理解のある周恩来が危ない。周が失脚すれば米中交渉は難しくなる」と訴えて、ニクソン大統領に譲歩を迫ったと言う。

 今年、中国各地でまきおこった反日暴動について、遺憾の意を表明した中国が一夜で反日暴動の擁護姿勢に転じ、責任は日本側にあると主張した背景に、対日最強硬派の江沢民・上海グループの影響があるという分析が一部にある。

一方、ある外交筋によれば、日本の中国の暴動に対する弱腰対応には「江沢民・上海グループとの対立に苦慮する胡主席への配慮もあった」という。

http://www.sankei.co.jp/news/
050509/kok007.htm


もし「反日暴動をあおったのは江沢民・上海グループという”悪玉”で、彼ら”悪玉”のせいで胡錦涛主席が失脚して、江沢民・上海グループが中国の指導部に復活すると、日中関係が破滅的状況になりますよ。

だから”日本の友人・胡主席”を助けるために、日本が譲歩して弱腰対応をとりなさい」
と中国側から持ちかけて来たのだとしたら、

そして、ある外交筋の言うように「江沢民・上海グループとの対立に苦慮する胡主席への配慮」で、反日暴動の謝罪も賠償もウヤムヤにして中国新幹線へのODA投入などが決められたのだとしたら、

日本はまんまと”あなたの中国の友人が危ない”戦術に引っかかったと言える。

たとえ自分達の友人であり、優秀でもある中国の指導者が、”悪玉”に失脚させられたとしても、最終的に国益を損なうのは我々ではなく、中国自身であるということを肝に銘じて交渉にあたらなければ、何度でも同じ手に引っかかるだろう。

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日中友好のために その3

日本と中国の関係において、いろいろと間違った事が伝えられてしまっています。物事をきちんと整理して、ゆっくり考えていけば、おのずと何が正しいかが分かります。来月は終戦の月です。今から、毎年8月に報道されるであろう事を、ゆっくり考えておきたいです。極東国際軍

  • From: 諸葛川 |
  • 2005/07/10(日) 01:29:34

この記事に対するコメント

。。。。日本の政治家には太刀打ち出来なそうですね。見た感じみんなてんでバラバラに動いてるとしか思えない。もちろん旗色が違うくらいの差は分かっても、到底役割分担なんてところまでは行ってないのは間違いないように思います。
おとくいの「政府一丸となって」戦術的にも頑張ってもらいたいもんですが遠いだろうなあ。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/05/26(木) 23:18:12
  • [編集]

みんなバラバラ

官邸と外務省、いや小泉内閣のなかでさえ、外交政策がバラバラにみえます。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/05/28(土) 00:15:45
  • [編集]

中国外交

中共の政治家や外交官は、外交交渉に失敗すると、厳しく非難され、その地位がなくなることは当たり前。という背水の陣なので、わが国の外務省や政治屋のように失敗してもなんら責任を追及されることの無い、ぬるま湯に使った連中には太刀打ちできません。

  • 投稿者: hide
  • 2005/08/16(火) 10:46:18
  • [編集]

>中国外交

 確かに今のままの、のんきでお人よしの受験秀才出身の日本の外交官では、粛清の嵐を乗り越えて生き残ってきた独裁国家の外交官には太刀打ちできないかもしれませんね。

だからこそ、このブログを立ち上げました。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/08/17(水) 14:18:21
  • [編集]

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