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第17回 中国の外交テクニック(その2)

  • 2005/05/25(水) 19:46:53

2.交渉の妥結をあせらない

 数千年にわたる悠久の歴史を刻んできた中国は、外交交渉の妥結を決してあせって急いだりはしない。

中国の交渉に対する姿勢は「百年後、あるいは二百年後に中国の国益にとって有利なようになっていれば良い」というもので、その結果、中国との交渉は非常に時間がかかる場合が多い。

あるアメリカの中国担当外交官は「私は中国側と百回以上交渉したが、合意できたのはわずか数件の事案だった」と述べたという。

交渉が妥結しない方が中国にとって有利と見れば、交渉をダラダラと引き延ばして、時間稼ぎに使う事もしばしばである。

中国にとって交渉とは、必ずしも相手と合意するために存在するものでは無いという点に注意しなければならない。

それは、一旦交渉が始まれば「何か相手と合意しなければ成果が無かったんじゃないか」と考えて、たとえ日本の国益を損ねても、あせって交渉の妥結や合意を急ぐ、日本外交とは正反対と言える。

中国にとって、国益の確保のために交渉とその妥結があるが、日本の場合は交渉の妥結のために国益を捨てているとさえ、言えるだろう。

 1970年代前後に、東シナ海における海底油田の存在が国連によって発表されると、中国は東シナ海に浮かぶ尖閣諸島を突然中国領であると宣言した事は、ご存知の方も多いはずだ。

それ以来日中間で尖閣諸島の領有権問題が発生したが、1972年の日中国交正常化交渉の際には、この問題で日中は合意できず、尖閣問題は棚上げとされた。

そして日中平和条約の批准書交換のため来日した、小平副首相(当時)は、

「尖閣諸島を我々は釣魚島と呼んでいる。その呼び方も異なれば、双方には異なる見解もある。中日国交正常化を実現したとき、我々双方はこの問題には言及しないことを決めた。

今回、中日平和友好条約について交渉したときも、双方はこの問題に言及しないことを約束した。一部の人たちはこの問題が刺激となって、中日関係の発展を妨げると思っている。

我々は両国政府がこの問題を避けるのが賢明だと思っている。このような問題は、しばらく棚上げしても構わないだろう。10年待っても構わない。次の世代は、我々より賢いだろうから、きっと互いに納得できる方法を見つけるだろう」と述べた。

 これを聞いた日本の政治家のなかには、「さすが小平だ。話がわかる。」と快哉を叫んだものもいたと言うが、1970年代と言えば、中国における改革開放政策がはじまる前のことであり、中国は単なるデカイ発展途上国でしかなかった。

人口比はともかく、経済力などの純粋な国力を比較してみれば、中国は日本の10分の1以下の小国に過ぎなかっただろうし、軍事力にしてもアメリカとの同盟をバックにした日本に対して、中国は通常戦力では全くかなわない。

中国は尖閣諸島に戦闘艦艇を派遣は出来ても、当時の中国空軍の主力だった殲撃5型・6型戦闘機(ソ連製ミグ17・ミグ19のコピー)では、制空権が握れない。 仮にアメリカが空母機動部隊を派遣してくれば中国としてはお手上げとなってしまう。

しかも当時、国境紛争の激化で中ソ関係が最悪の時期を迎えていて、そのような情勢下で日米と武力衝突を起こして二方面同時作戦をはじめれば、中国の国益は大きく損なわれる。

それ以上に中国としては、アメリカそして日本との関係改善と経済・技術援助がノドから手が出るほど欲しかった。

もし国力の弱い中国が尖閣諸島問題の交渉の妥結を急げば、日本からの援助を受ける代わりに、中国は尖閣諸島の日本領有を認めざるを得なくなる。

しかし、尖閣問題交渉の妥結を先延ばしにして時間を稼いだ上で、その間に日本を含めた西側からの援助によって中国の国力を増大させ、国力の日中逆転が起こった後に、増大した軍事力・経済力を背景に再び日本と交渉をはじめれば、10年後20年後には、尖閣問題を中国の有利なように解決できる。

何のことは無い、中国への資本主義の導入と、西側からの資本・技術による中国の強国化・大国化をライフワークとし、後に”改革開放の総設計師”と呼ばれた小平の戦略に、まんまと一杯食わされたのは、日本だったのである。 

現在、東シナ海の日本の経済水域内を中国の海軍艦艇・調査船が我が物顔に跋扈しているのをみれば、その小平を褒め称えた日本人もまったくおめでたい。
 
 東シナ海といえば、排他的経済水域の日中中間線にまたがる海底ガス田を中国が一方的に開発し、日本がそれに抗議しているのは皆さんのご存知のとおりだが、日本の抗議を受けた中国側の提案によって、これまで日中間で何度も交渉が重ねられてきた。

しかし、中国側は自らの主張を繰り返すだけで、日本側が要求しているデータ開示にも応じていない。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050331-00000007-san-pol


中国は交渉を時間稼ぎに使って、その間にガス田開発の既成事実化を狙っているのは明白だ。 

このような中国側の交渉態度をみて、日本外務省から「協議だけやろうと言っているのは理解に苦しむ」とか「中国から交渉を持ちかけてきたから、何か新しい提案でもあるのかと思ったが、何も無いじゃないか」といった声が漏れてくるが、

「交渉は必ず妥結・合意するためにある」という固定観念にとらわれているから理解に苦しむのである。 

日中国交正常化交渉の前後から、日本外務省は30年以上にわたって中国と交渉してきたが、失敗から何も学ばなければ、これまで経験してきた中国の交渉のやりかたのデータの蓄積さえ無いようだ。

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この記事に対するコメント

うーん。まさに中国四千年の歴史ってやつですね。しかもお話を聞いているとそれに対する「ずるい」という批判はほぼ無意味のような気がします。
「棚上げしておいて30年後に国力を増強させておく」っていうのは、少なくても今の日本の発想ではありえないですよね。単なる強がりではなく、国として息の長い一貫した主張こそが国益を生むっていうのはホントに基本的ですが、実は簡単なことではないような気がしました。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/05/25(水) 23:23:18
  • [編集]

コリコリさん

>単なる強がりではなく、国として息の長い一貫した主張こそが国益を生むっていうのはホントに基本的ですが、実は簡単なことではないような気がしました。

長期的な戦略を立てて実行するというのは確かに簡単ではないかもしれませんね。
しかし、暴動の謝罪も賠償もとれていないのに中国人へのビザ拡大を日本側からオファーするのは戦略が無さすぎます。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/05/26(木) 00:39:35
  • [編集]

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