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第16回 中国の外交テクニック(その1)

  • 2005/05/21(土) 22:00:31

 これから数回にわたって、中国の外交テクニックをとりあげてみたい。

さすがに紀元前の昔から何千年も権謀術数のかぎりをつくして、「きったはった」をやってきた国だけのことはあって、中国の外交テクニックの多彩さ、巧妙さは世界でも際立っており、外交専門家や中国ウオッチャーの間では有名である。

それは要請、つまり相手にひたすらお願いするだけしか、レパートリーが無いと思われる日本外交とは対極にあるのではないだろうか。

もちろん中国のやる外交が理想的なものだと言うつもりは、さらさら無い。

しかし、これから何度も中国と交渉していかなければならない日本としては、中国がどのような外交テクニックを持っているのかをあらかじめ知っておくことは、非常に重要な事だと思われる。

それでは具体的に中国の外交テクニックの数々をみていこう。

1.交渉場所へのこだわり

 中国は、外交交渉や首脳会談が開催される場所について、並々ならぬこだわりを持つ。

中国が最も好む外交交渉の開催地は自国、それも北京である。
その外交交渉が中国の国益にとって重要であればあるほど、北京で開催される可能性が高くなる。

その理由の第一点は、相手を呼びつけることで精神的に優位に立って交渉を有利に進め、さらに自国民や第三国に対して、交渉相手国より中国の方が力関係が上であることを誇示するためである。

普通、力関係が同じならば動物は自分のナワバリにいて精神的に優位に立っている方が勝つ。 これは人間も同じでスポーツ、特にサッカーやボクシングでは、実力が同じなら地元チーム・地元選手が勝つ確率が非常に高いことは良く知られている。

 紀元前の昔から清帝国まで”華夷秩序”が存在した時代では、中国の皇帝は、みずから軍勢を率いて親征でもしない限り、外国を訪問するようなことはまず無かった。

そして”中華思想”では、中国の皇帝は黙って都にある宮城の玉座に座っていれば、”皇帝の徳”を慕って、”野蛮人のおさめる外国”から使者が貢物をささげに来るということになっていた。

 もちろん現代では、中国の指導者が絶対北京から出ないなどということは無いが、それでも、特に中国の方が力関係が上であるということを思い知らせたい相手に対しては、北京に呼びつけるという手段が使われることが多々ある。

 また最近行われた、ジャカルタでの日中首脳会談では、第三国での開催にもかかわらず、中国の胡錦涛国家主席が滞在するホテルを小泉首相が訪ねるという形で行われたが、これも同様のことが言えよう。

 このような事は中国と同じ社会主義の同盟国である北朝鮮でもみられる。

外交の慣例を破って、小泉首相は二回連続して日朝首脳会談をピョンヤンで開催したが、このことは北朝鮮国民に「将軍さまに対して日本の首相が二回も頭を下げに来た」という印象を与える効果があった。

しかも最初の会談では、小泉首相をピョンヤンに呼びつけた上に、会談の会場の寒々しいホールで10分近くも小泉首相を立ったまま待たせ、
そのあと悠然と金正日が出てきて、握手するという場面も見られた。

こうしたことも精神的に優位に立ち、交渉を有利に運ぼうという計算があっての事と思われる。

 二点目の理由は、北京などの自国で交渉を行った方が、何かと細工がしやすいということである。

交渉相手の控え室や宿舎に盗聴器をしかけるといったことは、自国でしかできない。

そして中国が好むのが会談の雰囲気の操作である。これも自国開催でなければ効果的にやるのは難しい。

これは次に詳細に述べる。

2.会談の雰囲気の操作

 中国が国益上、重要な交渉を自国でやりたがる最大の理由は、会談の雰囲気を操作することが可能となるからである。

中国が重要な交渉の相手を自国に招いて細心の注意を払い、心配りがすみずみまで行き届いた接待、ぜいたくの限りを尽くした宴会を催すのは有名である。

これによって交渉相手の理性ではなく感情に訴えかけて、中国に対する深い感謝の念をおこさせる。

そして、その後の交渉の場で「あのような豪華な接待をしてもらったのだから、少しは譲歩をしなければ」といった感情を相手に生じさせることによって交渉を中国の有利な方向へと運ぶのである。


アメリカの元国務長官のヘンリー・キッシンジャーは「北京ダックの晩さんの後なら何にでも合意してしまう」と、中国政府の接待攻勢を皮肉っているし、

イギリスの元首相、マーガレット・サッチャーの外交顧問で、イギリス外務省の中国専門家だったサー・パーシー・クラドックも「彼女(サッチャーのこと)は多くの西側の政治家と違い、北京でたくさんのごちそう攻めに会うと、すぐに中国のとりこになってしまうようなタイプではなかった」と言っている。

この発言も裏を返せば、北京の豪華な接待攻勢で、いかに多くの西側政治家が篭絡されてきたかを示している。

同時に中国の接待攻勢は、「再びこのような接待を受けたい。だから中国に嫌われたくない」という依存心をも交渉相手におこさせる点で、その効果が持続的である。

 中国の接待攻勢はただ単にぜいたく・豪華なだけではない。

1972年に日中国交正常化のために訪中した田中角栄元首相の北京の宿舎には、彼の好物であった”木村屋のあんぱん”が用意されていたという。

交渉相手を調べ尽くして丸裸にし、どうすれば一番喜ぶのか、どうすれば中国に対する深い感謝の念と依存心を相手に植え付けることができるのかを分析した上で、そのツボを的確についてくる。

そういった中国の外交テクニックがこのようなさりげない心遣いによっても、うかがえるのである。


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この記事に対するコメント

コラムを読んで世の中に危機感を感じてます。
個人的な話を書かせてもらうと、DJをやってるのですが、付き合いのある音楽好きの連中は日本に住んでながら人ごとのように日本を考えていて、安易に平和とか反戦を唱えています。
DJのイベントをやってるとアメリカや小泉を批判しないといけないような空気がありますが、批判している人達は偽善者だと内心思ってます。
コラムを読んでちょっとホッとしたような気がしました。くだらないこと書いてすみません。

  • 投稿者: DUB
  • 2005/05/21(土) 23:39:51
  • [編集]

最近日本の政治家がチョコチョコと中国へ行き、「こいつら何しに行ったんだ?」と情けなくなることがありますが、そういうこともあるのでしょうかね。もっとも行く前の気構えの時点で負けてるんじゃないか?という気もしますが。
日本の田舎政治家じゃ篭絡するのはさぞ簡単なように思います。

  • 投稿者: コリコリ
  • 2005/05/22(日) 03:52:37
  • [編集]

面白い!

面白いです!毎回興味深い話しで更新されたら必ず読んでます。

自分のBlogからもリンクをさせて頂きました。

  • 投稿者: Tabito@シドニー
  • 2005/05/22(日) 08:02:48
  • [編集]

くだらなくないですよ。

 はじめましてDUBさん。 DJをやってらっしゃるなんて凄いじゃないですか。

>音楽好きの連中は日本に住んでながら人ごとのように日本を考えていて、安易に平和とか反戦を唱えています。

音楽の事は詳しくないのですが、労働者階級から生まれたロックにしろ、黒人マイノリティーから生まれたラップにしろ、基本的には”反体制”なんですよね?

それを考えると、ある程度しょうがないのかもしれませんね。

 ただ、外国人が日本に来ると、ラッパー系(ヒップ・ホップ系?)ファッションの若者が多くてビックリするようです。
「彼らはこんなに豊かで恵まれているのに日本社会のどこに不満があるんだ?」とか言って。

実際、彼らの多くは階級差別や人種差別など社会に不満があったり、思想的背景があってラッパー系ファッションをしているわけではないとは思いますが...

ともかくDUBさんのような方は貴重ですから、アンチ・エセ平和主義者をテーマにラップかなんかで日本社会を皮肉ってくれると痛快だななんて思います。

でも日本のオーディエンスって政治に興味無い人が多いからメッセージが伝わるかどうかは不安ですね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/05/23(月) 00:07:28
  • [編集]

コリコリさん、tabitoさん。

連名で失礼します。

>、「こいつら何しに行ったんだ?」と情けなくなることがありますが、そういうこともあるのでしょうかね。もっとも行く前の気構えの時点で負けてるんじゃないか?という気もしますが。

コリコリさん、おっしゃる通り、日本の政治家は行く前から気合負けですね。
訪中する日本の政治家と訪日する中国の政治家の数の統計をとると、面白いかもしれません。

tabitoさん、毎回コメントありがとうございます。後ほどこちらからもリンクさせていただきます。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/05/23(月) 00:16:36
  • [編集]

お返事をもらいましてありがとうございました。コラムに関係ないことを書いてすみません。

レゲエのDJをやってます。
クロフネさんの言ったとおり音楽のオーディエンスはエセ的で反体制な人が多くて、実際にはスタイルとして反体制的なだけで政治的な考えはゼロだと思います。
でも、クラブとかで反体制意識の洗脳みたいなことがされてるのがマズイ気がしました。
ほかの人のコメントのように政治に専門的なことを言えないので、このコメントに返答されなくてもかまいません。
毎回くだらなくてすみません。

  • 投稿者: DUB
  • 2005/05/25(水) 03:29:48
  • [編集]

DUBさん

>クラブとかで反体制意識の洗脳みたいなことがされてるのがマズイ気がしました。

そうなんですか。それはちょっと深刻ですね。

政治に詳しい方からも、そうでない方からも、コメントは歓迎いたしますので、すべてにお返事はできないかもしれませんが、どうぞお気軽に。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2005/05/25(水) 23:21:58
  • [編集]

DUBさん

音楽等でクリエイティブな仕事をしている人達は左傾思想を持つことが多いようですが、単なるポーズだったりするのではないでしょうか。

YMOの坂本龍一は、かつて学生運動を共に指揮していた塩崎恭久(自民党)の選挙運動にわざわざニューヨークから愛媛まで応援で来ていたそうです。

確かに体制に立ち向かうアーティストといえばカッコよく聞こえます。
CDを売るために反体制的な宣伝すら許されるところが自由主義国家の寛大なところではないかと思います。共産主義国家なら処刑されかねません。
アーティストは資本主義国家でしか飯をまともに食えませんから。
坂本龍一が根っからの左翼であれば、おそらくアメリカに移住したりしないでしょう。

  • 投稿者: 東京
  • 2005/05/28(土) 04:39:30
  • [編集]

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