危うくなってきた、世界の核兵器拡散防止の試み

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 「北朝鮮による核実験が間近ではないか?」と噂されるなか、11日に北朝鮮政府は公式に「原子炉から八千本の使用済み核燃料棒を取り出す作業を終了した」と発表した。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050512-00000001-san-int


 一方イランでは、欧州諸国との交渉が不調に終わり、「自主的に中断してきたウラン濃縮の前段階であるウラン転換の再開を決定した」とイラン側は12日に明言した。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050513-00000010-san-int


イラン政府は平和利用を強調しているが、アメリカやイスラエルは核兵器への転用の疑いを強く持っている。

 東の北朝鮮と西のイラン、両国の核開発に対して、アメリカによる国連安保理への付託の可能性が高まっている。

それが実現すると、両国に対する経済制裁といった強硬手段がとられることも充分考えられるだろう。

 あるいは、国連が機能不全に陥り、安保理に見切りをつけたアメリカやイスラエルが、第二・第三の”バビロン作戦”(”オシラク原子力発電所”で核開発を秘密裏にすすめていたイラクに対し、イスラエルが同発電所を奇襲攻撃で破壊した事件)の発動を決断しないだろうかという懸念もある。

(もしイスラエルが日本の立場だったら、北朝鮮の核施設がまだ小さいうちに空爆したかもしれない。 またイスラエルが核武装しているというのは公然の秘密でもある。

そのことをもろ手で賛成するわけではないが、日本は事実上、北朝鮮に対して自衛のための先制攻撃ができない、自前の核抑止力を持つことが許されないなどの”禁じ手”が多く、安全保障には苦労させられる)

 筆者は以前、「六カ国協議は、北朝鮮の核開発のための時間稼ぎのチャンスを与えるだけだ」と述べたが、どうやら予測はあたりつつあるように思える。

そこで、日本国民にとって大きな懸念材料となってくるのが、アメリカの”バビロン作戦”発動に対して、六カ国協議での解決を前提として動いていた日本政府は、充分な備えができているのか?ということである。

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