fc2ブログ
初めていらっしゃった方へ

菅政権、50万被災者放置

  • 2011/04/16(土) 17:02:09

 今どきパソコンのCPUでもマルチコア・マルチスレッドが当り前になっているのに東日本大震災当時、菅首相の頭脳は原発事故ひとつで処理能力がオーバーし、菅の秘書官たちは”政治主導”で原発事故を解決するため六法全書と格闘していたと報じられた。

だがその間に、東北から北関東の地震と津波による被災者への人命救助やライフラインの復旧は、首相官邸から事実上忘れ去られていたと言っていい。

大震災発生から何日も経つのに、未だに被災地の状況がどうなっているか情報が無い、生き残った人達が集まる避難所には水・食料・燃料・毛布など何もかも物資が不足しているとTVは報じていた。

一方、菅政権は再三指摘しているように全てのことに対して受身のままで、自治体から要請があったら物資を届けるという姿勢に終始していた。

津波で各自治体の役場そのものが被災していて機能しておらず、あるいは自治体が生き残っていても通信手段の喪失や燃料不足で車が動かず、外部との連絡が困難な状態でどうやって政府に救援を要請できるというのだろうか?

ようやく震災から一週間ぐらいたって、菅政権は”被災者生活支援対策本部”などいくつもの対策本部を乱立させることになるのだが、指揮命令系統がいったいどうなっているのかさっぱりわからない、というのが震災直後に感じたことである。

「震災は会議室で起きているんじゃない!」という織田裕二の怒鳴り声が聞こえてきそうだが、民主党政権は大災害時の救難・復興支援計画をなんにも考えていなかったと見える。

 こういう場合、最初にいかに有効かつ効率的で継続的に使用できるシステムを構築できるかが勝負となるだろう。

私であれば、参謀役の制服組との相談になるが、震災に乗じた日本への侵略行為に備えるための部隊を残して、被災者の生存率が高いであろう震災直後にできるだけ多くの戦力を投入する事を考える。

どの部隊をどれくらいの期間活動させたら休ませるか、各師団・各部隊のローテーションも考えておかねばならない。

その上で、まず陸上自衛隊の通信科部隊や偵察隊などからなる先遣隊を被災地の自治体ごとに派遣して、地震・津波が来ても大丈夫な場所に現地本部を構築させる。

もし自治体そのものが被災して機能していない場合は、先遣隊がその自治体の災害対策本部を一時的に兼ねる。

通信科部隊は山に囲まれたリアス式地形でも通信が確保できる移動式の衛星通信を装備しているはずだから、先遣隊からもたらされる被災地の情報は通信衛星経由で最終的に東京の防衛庁にある中央指揮所に集約する。

中央指揮所か首相官邸の危機管理センターのどちらか使いやすい方に首相以下官邸スタッフが詰めて、そこを震災対策の総司令部とする。

先遣隊は陸自の観測ヘリや各自治体と連携しながら被災地の情報を総司令部に入れ、総司令部で情報を分析・判断を下す。

自衛隊を救援・復興支援の実働部隊の核とし、警察・消防もこれに協力させる。在日米軍や諸外国への協力要請も必要に応じて総司令部から出される。

これで総司令部と被災地で動く実働部隊との情報収集・指揮命令システムが一応構築できたはずだ。

例えば、どこどこのビルの屋上に被災者が取り残されているという情報が入れば、救援のため現場に一番近いヘリを急行させられる。

地震で道路が寸断されていて被災地へ入れないという情報がもたらされれば、どういうルートで道路を通せば効率的かを判断した上で、施設科(工兵)部隊を派遣して道路や橋の修復に当たってもらう。

どこの避難所でどういう物資がどれくらい不足しているかの情報を入れてもらい、陸自の後方支援(補給)部隊や民間トラックで救援物資を届ける。

こうすれば通信手段を失った自治体職員がいちいち車を運転して国に支援を要請しにいく手間が省け、届けられた物資を各避難所に適切に分配することに専念してもらえる。

そもそもガソリンが無いから自治体が国に支援を要請できないなんてことも起こらない。

道路や港の復旧が遅れているところは、海上自衛隊の輸送艦でトラックを輸送し、大型ヘリや上陸用ホバークラフトなどで直接被災地に陸揚げさせる。

港湾設備が復旧すれば、民間の海運会社に協力してもらってRO-RO船でトラックやタンクローリー等を輸送すれば、東北各地の高速道路の復旧をまたずして被災地に物資が届けられる。

日本全国や海外から集まった支援物資は、水・食料・医薬品・燃料・衣類・寝具など種類ごとに仕分けして各地の備蓄所に保管し、スーパーやコンビニがやっているように物資にバーコードを貼り付けてパソコンで管理し、どこに何がどれだけ備蓄してあって、何がどの避難所へどれだけ行って消費されたので残りはどれくらいかを総司令部で把握しておくと、とても効率的だ。

総司令部からの指揮により、補給部隊も被災地との間を効率良く回ることができる。

最初から全ての避難所に物資を不足なく届けるのは無理だが、先遣部隊からの情報をもとに人命を最優先に考えて必要とされる物資から効率よく送り届ければ、被災者の皆さんが忍耐を強いられる期間をできる限り短くできるはずだ。

震災から1週間以上たっても民主党政権の不手際で、食料が足りている避難所に食料ばかりが集まってきて、逆に燃料が足りなくてストーブが使えずブルブル震えるといった事態が起こっていると報じられていたが、そういう非効率なことも防げるだろう。

総司令部の判断で行った作戦が期待した効果を得られなかった場合も、先遣隊から情報を送ってもらうことで、すみやかに改善策を打つことができる。

それによってこのシステムはどんどん改善され現地のニーズにあった効率的なものになっていくはずだ。

一度こういうシステムを構築してしまえば、災害支援が軌道に乗り自治体や警察・民間ができることは彼らに任せて、派遣される自衛隊の規模を徐々に縮小させていく。

こういった国民の生命を守る安全保障システムを平時から予算をつけて準備しておかなくてはならない。

この首相を頂点とする震災対策のための情報収集・指揮命令システムに入ってくる災害情報の一つが原発事故なのであって、首相が原発事故だけで頭がいっぱいになって、50万人以上もの被災者の存在を何日もの間ほとんど忘れてほったらかしなど言語同断だ。

いや、国家の最高指導者としてどう軍隊を動かせば国民の生命を守れるかということを最低限知っていれば、即席であっても東日本大震災に対応するためのシステムづくりはできただろう。

だが、「自衛隊は犯罪者だからいらない。平和憲法を守れ!在日米軍も日本から出て行け」という思想を持っているのが左翼政党・民主党であり、その支持母体(日教組や自治労)なのだから、そんなことは初めから期待すべくも無かった。

東日本大震災の被災者支援がここまで混乱したのは、「日本の国(政府)や軍隊(自衛隊)は弱ければ弱いほど良い」という歪んだ思想を持つ”地球市民”がつくった民主党政権が招いた人災と言えるだろう。

政府や自衛隊が弱ければ、その分助けられる被災者も少なくなるわけだが、その点、日本人でありながら「日本のため」と言って日本の不幸を願う彼らの願望通りになったのではないか。

自民党・安倍政権時代に”日本版NSC”の創設を目指したが、あの時それができていて現在までに運用経験を積んでおけば、今回の大震災でも被災者救援の総司令部として有効に機能したかもしれない。

それをつぶしたのは他でもない、当時「安倍政権が日本を戦争の出来る国にしようとしている」と主張していた民主党とその支持者達であったことは、国民は絶対に忘れてはいけない。

 「司令塔不在」と言われるなか自衛隊は1万6000人近い被災者の命を救い、国民のために本当に良くやっていると思うし、国民の一人として深く深く感謝している。

今回の被災者救援や復興支援活動の経験は自衛隊にとっても貴重な教訓をもたらしたことだろう。(特に実戦部隊の継戦能力を支える補給面において)

被災者支援の最中に自衛隊にも様々な問題が発生していたと思う。

例えば、自衛隊の給水車が東北の避難所で給水しようとしたところ、夜間の気温が氷点下まで下がったため凍結して、給水したい時にできなかった場面がTVで報じられていたが、実際に冬季に戦闘が起こったら同様のことが発生しうる。

こうした、様々な教訓を生かして問題点を改善し、自衛隊には次の有事に備えて万全の態勢を取ってもらいたい。

国民も自分達の生命を守ってくれる自衛隊を良く理解し、必要とあれば防衛予算の増額を政府に求めなければならない。

水と安全は決してタダではないことが分かったのが、東日本大震災の教訓だから。





↑民主党政権はも~うたくさん!と思った方はポチッとしてください↓
人気blogランキング

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

次期大統領

 次期大統領に、推薦します。あっ、まだ大統領制になってなかった、、残念。

  • 投稿者: ikigakari
  • 2011/04/16(土) 17:33:09
  • [編集]

ikigakari さん

>次期大統領に、推薦します。あっ、まだ大統領制になってなかった、、残念。

私は今の立憲君主制を変える必要はないと思っています。
それでも首相になりたいと思ったことはありませんが。

そうそう、大統領制にするなら憲法を改正しなくてはなりませんね。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2011/04/17(日) 00:46:37
  • [編集]

あぁ・・・民主党

>そもそもガソリンが無いから自治体が国に支援を要請できないなんてことも起こらない。

東北地方でガスステーションに何キロも並ぶ車を見ながら、なぜ政府は、臨時の給油所を設置しないのだろうと私も思っていました。

インフラの整っていない建設現場などでは重機に給油するのはドラム缶と手動ポンプを用いた「現場給油所(?)」です。

この臨時給油所ならば小型トラック、ヘリ等を用いれば、被災地に数多く設置できた筈です。そして既存のガソリンスタンドが復旧するまでは大いに活用するべきでした(ガス欠車が過剰であった震災初期に給油口を多数設置できるメリットは大きかった筈です)

自衛隊も民間会社もやらせてもらえなかったのでしょうね…終盤、自衛隊が少し実施しましたが。

ガス欠の車が東北中に発生しているときに、暢気に高速、鉄道、ガスステーションの復帰(停電でポンプが動かない)を待ちながら「今、必死で復旧、救援に当たっている」と連呼するのが精一杯なのが民主党政府なのでしょう。

ですが、民主党政権は日本人に多くの貴重な経験を与えてくれました。日本国民の政治に対する意識を変えてくれたという意味で、民主党の存在も少しは役立ったのでは…と前向きに考えるようにしています。

少なくとも「政治家など誰がなっても同じ」という言葉をはく日本人は確実に減ったことでしょう。

  • 投稿者: JAN
  • 2011/04/17(日) 12:54:00
  • [編集]

JANさん

>東北地方でガスステーションに何キロも並ぶ車を見ながら、なぜ政府は、臨時の給油所を設置しないのだろうと私も思っていました。

海江田が、「高速道路が復旧次第、タンクローリーを一斉に東北へ向かわせる」とか何とか言っていたと思いますが、私は「どうして自衛隊の輸送艦かRO-RO船にタンクローリーを載せて東北の港へ向かわせないのか?!」とTVに向かって叫んでました。

しょせん、左翼の”地球市民”じゃ政府や軍隊の動かし方がわからず、国民の生命や財産は守れないことを有権者の皆さんはしっかり学んで欲しいです。

何しろ”市民”ですから。 あんなのに政権を取らせてはダメです。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2011/04/17(日) 23:25:52
  • [編集]

他でも書いてますが

麻生内閣と安倍内閣で造った中央防災会議というシステムが有ります。
これは平時の事務次官会議の発展版で、あらゆる既成の法律を緊急災害復旧に関連してのみ時限的に無効化し縦割り行政を停止して強力な指導力で事態を解決する事を目的に創設されましたが。
召集に対しては総理の意思に委ねられて強制力が無い為に本来は災害発生後24時間以内の召集が想定されていたにも関らず未だに召集されて居ません。
この罪一つとっても万死に値します。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E9%98%B2%E7%81%BD%E4%BC%9A%E8%AD%B0
何だか内容が変わっています、民主党は男女共同参画にしても一言の通達で本質をガラリと変えさせた政党ですから、この程度は当たり前かも知れません。www
因みに陸前高田では履物の不足で困っています。
何より裸足で逃げ出した人が本当に多いからです。
サンダルでも何でも良いと言われました。

  • 投稿者: 火天大有
  • 2011/04/20(水) 22:07:20
  • [編集]

火天大有さん

>麻生内閣と安倍内閣で造った中央防災会議というシステムが有ります。

お恥ずかしながらこれ知らなかったのですが、中央防災会議でも内閣総理大臣は”災害緊急事態の布告”ができるようですね。

もっとも、菅は「国民一人一人で震災を乗りきってくれ」という一貫した態度ですから、どんな有効システムがあったとしてもリーダーがボンクラではどうしようもありません。

  • 投稿者: クロフネ@管理人
  • 2011/04/20(水) 22:25:57
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する


・いつもコメント&TBありがとうございます。

アダルト系ブログからの、サイトポリシーに違反したコメント・TBが後を断たないため、受信したコメント・TBを管理人が審査することにしました。

サイトポリシーに違反したものについては予告無く破棄します。

また問題の無いコメント・TBを頂いても表示されるまで少し時間がかかります。 悪しからず御諒承ください。

「管理者にだけ表示を許可する」にチェックを入れると、管理人だけが読める非公開コメントになります。 非公開コメントを下さる方のプライバシーを尊重し、あえてお返事をしておりませんが、「公開コメントでも良いのでレスが欲しい」という方は、非公開コメントにその旨をお書き添えください。