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国会の空転は誰のせい?

  • 2008/03/28(金) 23:48:27

 ちょっと前に産経の教育面を読んでいて、ある先生が非常に興味深いコラムを書いておられた。

残念ながら記事をスクラップしておかなかったのでお名前を失念してしまったが、そのコラムの内容をかいつまんで言うと、日本人は法で禁止されていることと、日本民族の情緒・感情から形成された道徳的規範からやってはいけないことの区別がついていない、というものであった。

多くの日本人はこの両者の区別が出来ておらず、しばしば混同してしまうというその先生のお話は非常に鋭いと思った。

(ただ、これを混同してしまうのは日本人だけではないのではないか。日本人にそれらを混同する傾向が強いと言ったほうが適切なのかもしれない)

法で禁止されていてやってはいけないことの代表例は殺人や窃盗などの犯罪であり、今さら解説の必要もないだろう。

それでは法で禁じられてはいないけれども日本人の情緒・感情からやってはいけないとされていることの一例として、高校野球連盟のトリックプレー禁止通達を取り上げたい。

 禁止されているトリックプレーの種類もあやふやで、どこまでやって良いのかいろいろな説があるらしいのだが、

例えば二塁に走者がいる場合、まず投手が二塁へ牽制球を投げるフリをし、セカンドやショートがボールを取り損なって後ろにそらす演技をする。

それを見た二塁ランナーがベースから飛び出したところで、ボールを持っている投手が本当の牽制球を投げアウトにするというトリックプレーが、高野連から「相手をだます、高校生らしくないプレー」として、それを禁じる通達が出されている。

他にも、隠しダマで相手ランナーをアウトにするとか、ランナーが一・三塁で、投手がボールを投げる瞬間まず一塁ランナーがスタート、相手キャッチャーが盗塁を阻止するために二塁へボールを投げると、三塁ランナーがホームへスタートし、一点を取るという攻撃側のトリックプレーも「相手をだます、高校生らしくないプレー」として禁止されていたように思う。

 私は合理主義者なので、ベースボールのルール(競技規則)を破っていない以上、こうしたトリックプレーをしたチームがごうごうたる非難を受けたり、そうしたプレーが高野連からの通達で禁止されるというのもおかしな話だと思う。

もしそうしたトリックプレーが良くないというなら、ルールブックにハッキリと禁止すると書くべきだ。
でないと混乱のもとになる。

トリックプレーが「相手をだます、高校生らしくないプレー」というなら、直球と見せかけて打者の手元でストンと落ちて空振りを狙うフォークボールや、直球のようでいて右打者の外へ外へと逃げていくスライダーだって、「相手をだます高校生らしくないプレー」ということで禁止しなければならなくなる。

相手をだますのがいけないというなら、いちいち投手が打者に向かって「次はカーブを外角低めのストライクゾーンいっぱいに投げます」とか「時速145kmのストレートを内角高めに投げてボールにします」などと正直に申告してから投げないといけなくなり、それを守れない投手にはペナルティを与えなければならなくなる。

「相手をだましたかどうか」という高野連の判断基準に照らせば、フォークボールで相手を空振りさせることが今も認められていて、高野連が禁止したトリックプレーだけがダメという合理的理由を説明できる人がいるだろうか。

そもそも、そのような「相手をだまさない高校生らしいスポーツ」の一体どこが面白いのか?
もはやそれをベースボールと呼べるのか?

まさに大混乱である。

 どのプレーまでが高校生らしいフェアなものと考えるかは人それぞれであって、非常にあいまいなものだ。

ある人にとっての「許されるべきでない、アンフェアなプレー」が他の人にとってはそうではないという問題が出てくる。

高野連のように「高校生らしい」という非常にあいまいな基準で、いったんルールの例外規定を認めてしまうと、(つまりルールブックでは禁止されていないトリックプレーを根拠のあやふやな通達で禁止するということ)どこまで本来のルールを守れば良いのか、ルールを守る方も守らせる方も混乱するし、不公平感が残る。

投手がいちいち正直に球種とコースを申告してから投げるみたいに、ベースボールという競技そのものを歪めてしまいかねない。

価値観や情緒・感情がそれぞれ異なる誰が読んでも、できるだけ違う解釈が起こらないように、ルールとして許されることと許されないことをはっきりと明記して、どういう理由であれルール破りの例外を認めないということが大事なのではないだろうか。

”インフィールドフライ”というルールが出来たのが良い例。

高野連が、どうしてこのように混乱しているかと言えば、冒頭で述べたように、法で禁止されていること(例えばピッチャープレートを踏まずに投手が投球すること)と、日本人の情緒・感情が生みだした道徳的規範(トリックプレーを高校生らしくないという理由で禁止すること)の区別がついていないからである。

それではネタフリはここまでにして本題に移りたい。

 今、日本の国会が空転しっぱなしだ。

いくつもの租税関連法案が宙吊り状態になっていて、日銀総裁も空席のままだ。
日本経済の四月パニック説まで出ている。

どうしてこんな事態になっているのかと言えば、まず昨年七月の参議院選挙で国民の多数が民主党に入れたからである。

これによって、自民党多数の衆議院と民主党多数の参議院という、いわゆる”ねじれ国会”が生まれた。

まずこの”れじれ国会”を国民多数が望み、選択した結果生まれたものであることを忘れてはならない。

(私自身は参院選で民主党には入れなかったが)

 だが日本国憲法に、”ねじれ国会”が生まれても国会が空転して日本という国がマヒ状態にならないような対策が明記されている。

それが、参議院と衆議院の意見が食い違った時、衆議院の意見を尊重するという「衆議院の優越」という決まりである。

本来ならば憲法59条から61条あるいは67条の第2項で認められている衆議院の優越規定によって、日本がマヒ状態になってしまうことは防げるはずなのだが、実際はそうなっていない。

それはなぜかと言えば、参議院で多数を占める民主党を中心とする野党陣営が「衆議院の優越なんか認めない。多数派の横暴だ」と、堂々と憲法違反の主張をして、国会審議をボイコットしているからである。

(じゃあ、参議院で多数派を占める民主党は何なのか?)

例えば、自民多数の衆議院で可決された法案を民主多数の参議院で否決しても、もう一度衆議院で3分の2以上の多数で再可決すれば法律となり、

衆議院で可決された法案を参議院が受領後60日以内に議決しない場合、みなし否決として衆議院でもう一度多数決を取れることが憲法59条で認められている。

しかし、民主党を中心とする野党はダダッ子のようにそれを認めないというのである。

憲法違反をしている民主党は国民から袋叩きにあいそうなものであるが、決して少なくない有権者が、憲法やぶりの民主党を支持し、憲法59条で認められている、参議院で否決された法案を衆議院の2/3以上の多数で再可決することに感情的な反発を見せている。

これに対して衆議院で多数を占める自民党も、「民主党が憲法違反をしているから国会が空転して何も決められないのであり、国民も国会空転の原因となっている憲法違反の民主党を応援しないで欲しい」というふうに毅然と訴えれば良いものを、煮え切らない態度でグズグズ・グダグダやっている。

こうした”ねじれ国会”が原因の日本のマヒ状態を解消するために、毅然として「衆議院の優越を定めた日本国憲法を守れ」と訴えるのではなく、自民党の古賀誠選対委員長や与謝野議員、それに民主党の小沢党首や読売新聞の渡辺主筆みたいに、自民・民主の候補が共存できるように中選挙区制に戻しての大連立などという、小手先のゴマカシでお茶を濁そうという人たちもいて、これが天下国家を考え国民を導く代議士・知識人なのかとあきれてモノが言えなくなる。

(中選挙区制は腐敗と汚職の原因として選挙制度改革によって、現在の小選挙区比例代表並立制に改められた)

ここでも多くの日本人が、法律で認められていること・禁止されていることと、日本人の情緒・感情が生み出した道徳的規範からしてやって良いこと・悪いことの区別が全くついていないことが良く分かる。

「衆議院の優越」や「参議院で否決された法案を衆議院の2/3以上の多数で再可決すること」は法(憲法)で認められていることだが、それは日本人の情緒・感情からして許さない、だから憲法違反をしても良いという野党政治家・有権者が日本には少なくないのである。

どうして日本人にそのような感情が起こるのか、それは「少数者・弱者は無条件に善人に決まっている。多数者・強者は悪者に決まっている」という、何の根拠もないイメージ優先の感情(いわゆる判官びいき)のせいではないかと推測するが、ともかく多くの日本人は憲法よりも自分の情緒・感情を優先させるわけである。

これでは法治国家ではなくて、人間が気まぐれに統治する人治国家である。

それが先進的な法治国家であるはずの日本の国会空転・国家の意思決定が何もできないというマヒ状態を生んでいるわけで、情けなくて仕方が無い。

 日銀総裁のような国会同意人事では衆議院の優越という規定すらなく、衆議院と参議院の意見が完全に一致するまで、誰を総裁にするか決められないというのも、

まず衆議院と参議院で意見が違っても両者が話し合えば必ず分かり合えて意見が一致するということが大前提となっていて、フェイルセーフという思想がすっぽり抜けた欠陥システムであろう。

我々日本人は法で禁止されていることと、日本民族の情緒・感情から形成された道徳的規範からやってはいけないことの区別をしっかりとつけて、絶対にやってはいけないことがあるなら憲法を改正してでもしっかり明記すべきだし、いったん憲法に明記したら全ての日本人がそれを守らなければならない。

国会の空転を防ぐために、私はもっとハッキリとした参議院に対する優越を衆議院に与えて欲しいと思っている。

衆院と参院で意見が違ったら自動的に衆院の案が法律になるとか、みなし否決に必要とされる日数を減らすのはもちろん、国会同意人事も衆院の案に優先権を与えるといった具合にだ。

衆議院で多数をとった政党にはこれを認めるのだから、自民党に有利とか民主党に不利といったことも無い。

それがまどろっこしいというなら、いっそ一院制にしてしまえば良い。
財政が苦しい日本としては助かる。

 意志決定のスピードが速く、国際競争力のある強い日本をつくるためには、日本の国家システム・法治システムの信頼性をもっと上げる必要がある。

そのためには、政治家・有権者の別なく日本国民全体の民度をもっと上げなければいけない。

国民が、現在の国会の空転をぜんぶ政治家のせいにし、憲法違反をして国会審議から逃げつづける民主党を応援するようなら、この国の将来は暗い。


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 福田首相が、ガソリン税の環境税化も念頭において、暫定税率はそのままに、道路特定財源の一般財源化を打ち出している。

国交省の官僚と古賀氏のような自民党道路族議員はしぶい顔をしているが、本当にそれができるなら画期的なことで、昼行灯首相と呼んだことは撤回しなければならないかもしれない。

しかし、福田首相がそこまで民主党に歩み寄っているのに、民主党はそれを無視し、しつこく暫定税率を撤廃しろと言っている。

ここまで日本の財政が悪化するなか暫定税率撤廃は現実的ではないし、税収不足を見越して地方自治体の中には、ひび割れた道路の補修さえ見合わせるところも出てきている。

道路が陥没したり、老朽化した橋が落ちたりして国民に犠牲者が出たら民主党はどう責任を取るのか?

憲法を無視し国会審議から逃亡、日本経済四月危機発生の可能性をわかった上で、国民の生命や庶民生活を人質にとってまで政権を取ろうとする”自爆テロリスト”の民主党に、与党となる資格は無い。


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台湾新総統は馬英九氏

  • 2008/03/25(火) 23:53:10

 台湾の総統(諸外国の大統領にあたる)選挙は、22日に投開票され、野党・中国国民党の馬英九候補が与党・民主進歩党(民進党)の謝長廷候補を大差でやぶって当選した。

国共内戦に敗れた蒋介石が台湾へ逃げ込み、中国国民党独裁政権を樹立、独裁政権は息子の蒋経国へと引き継がれたが、次の李登輝政権時代に民主化を達成、その後与党の座を失っていた。

国民党にとって8年ぶりの政権奪還となった。

選挙の争点は主に経済問題で、中国との関係強化による経済振興策をかかげる馬候補に対し、民進党の謝候補は、8年におよぶ民進党政権の汚職イメージや内部対立が響いたのか、幅広い支持を得られなかった。

参考記事 
 
 台湾の総統選は、香港生まれの国民党出身候補・馬英九氏の大勝に終わった。

台湾国民は、民進党や謝候補がかかげる台湾の独立よりも経済、特に中国とのお金もうけを選択したようである。

謝候補も国民党の主張を先まわりするように中国との経済関係強化もかかげたが、陳水扁・民進党政権の汚職イメージがマイナスに働いたのかまき返しはならなかったし、中国によるチベット虐殺事件も追い風とはならなかった。

私は台湾国民ではないから、選挙結果については台湾国民の判断を尊重するよりほかない。

ともかく「台湾の自主独立よりも、中国とのお金もうけ」という国民の審判がハッキリと下されたのだから、それが吉と出るにしても凶と出るにしても、選択の結果責任はすべて台湾国民が負うことになる。

たとえ選択の結果が凶と出たとしても、そこから台湾国民が多くのことを学び、過ちが修正されて二度と同じ過ちが繰り返されなければそれで良いのではないだろうか。

ただし、過ちを修正するチャンスが再び与えられれば良いが...。

 もっとも今回の選挙結果、全人口の15%前後で国民党を支持する外省人に言わせれば、台湾にとっての凶は自分たちにとっての吉なのかもしれない。

台湾国民と一口に言っても、もとから台湾に住んでいて「自分は台湾人」という意識の強い本省人と、国共内戦に敗れた蒋介石と一緒に大陸から逃げてきて、「自分は台湾人よりも中国人」という意識の強い外省人の二種類存在するのは、このブログの常連さんなら良くご存知だろう。(その他タイヤル族のような少数民族も)

台湾が民主化される1980年代後半まで、台湾の政治・経済・マスコミはすべて、台湾全人口の15%程度の外省人と国民党が支配していた。

イラクのフセイン独裁政権も、イラク全人口のわずが20%のスンニ派アラブ人(つまりサダム・フセインとバース党)が残り80%のシーア派アラブ人とクルド人を支配していたが、その構図と良く似ている。

その後、台湾の総統に李登輝(本省人)氏が就任すると、ゆっくりと民主化がはじまり、とうとう国民党も独裁政治を放棄した。

しかし、今だに台湾マスコミ界は一握りの外省人に支配されていて、多数派である本省人の価値観が報道にあらわれにくいというのは、マスコミ界が左翼勢力に牛耳られている日本にも通じるところがあるように思える。

 台湾の新総統になることが決まった国民党・馬英九氏は香港生まれで、もちろん外省人である。

香港人は台湾の本省人に比べると中国人という意識が強く、反日度も強い傾向があるように思える。

馬氏は総統就任前に日米両国を訪問することを検討するなど、反日・反米政策をかかげることは無いとアピールしているし、チベット問題が悪化すれば、台湾選手団の北京五輪ボイコットも示唆している。

参考記事 

参考記事 

今のところ馬氏は、本省人を中心とした台湾世論に配慮しているのか実利主義を優先させているのか、現実的な外交姿勢を見せているが、実際に馬・新総統がどういった外交の舵取りをするのか未知数である。

もしかしたら、北東アジアのバランサーと称して中国に擦り寄る反面、極端な反日・反米外交をやり、特に日本を領土問題・歴史問題で挑発して自国の民族主義をあおり、自らの支持率アップにつなげるという”台湾のノムヒョン”になる可能性が無いとは言いきれない。

その場合は相当やっかいなことになる。
日本も最悪の場合に備えて、対抗策を準備しておかなければならない。


例えば、第二第三の日本のシーレーンを確保しておく必要があろう。

多少遠回りしてもやむを得ないからロンボク海峡ルートを確保する、あるいは地球温暖化の副産物として出来た、ベーリング海峡から北極海を通って欧州や中東へ向かうルートなどが候補として考えられる。

現在儀装中と思われる護衛艦”ひゅうが”やその二番艦以降を、長大なシーレーン防衛にあたらせるSTOVL機搭載型空母にする必要も出てくるかもしれない。

まあ、わが昼行灯首相は何も考えていないことが確実だし、「中国が第一」の野党第一党党首も頼れないので、政府や与野党内で正気を失っていない人がいるならば、お願いしておきたい。

(外務省は馬政権誕生を素で喜んでいるらしいが、正気の人はいないのか)

 ところで、中国国営新華社が「台湾の国民党が、自陣の馬英九氏が台湾島の指導者選びで勝利したと宣言した」と報じたわけだが、

参考記事

地球上に台湾という独立国家が存在していて、共産党とは別の政権党と、胡錦涛とは別の国家指導者もいることを認めちゃったわけだ。

しかも台湾では指導者を選出するのに、複数の政党・候補から選ぶことができるという、中国のどこでもやっていない文明的な方法を使って。

「台湾なんて独立国家は存在しない」と常々言っているハダカの王様・中国の致命的ミス。

李登輝さんが日本に来るとブーブー言う北京も、かつて馬英九氏が訪日したときは何も言わなかったんだから、馬・新総統に訪日してもらって日台首脳会談もOKだろう。


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中国、殺人ギョーザの報復か

  • 2008/03/22(土) 00:20:32

 日本の梨やリンゴの産地が今ピンチを迎えている。

梨やリンゴの木が実を結ぶようにするには、人間が梨やリンゴの花にあるメシベに花粉をつけてやらないといけない。

その花粉を集めるのに、たいへんな手間ひまがかかるので、高齢化と人手不足がすすむ日本の農家は人件費の安い中国から花粉を輸入し、これまでそれを使っていたという。

ところが殺人ギョーザ事件発生直後から、中国の国家質検総局(CIQ)が日本への梨・リンゴの花粉輸出を全面的に禁止し、再開のメドがたっていない。

千葉や福島など日本の有名な梨産地では、開花まであと一ヶ月とせまり「人工授粉に間に合わない」と農家は危機感を強めているという。

参考記事 

参考記事 


 中国の国家質検総局(CIQ)が日本向け梨・リンゴ花粉の輸出を全面的にストップしている。

CIQの説明では、植物検疫の強化ということらしいが、だったらそれまでどうして中国産花粉が滞りなく日本に入ってきていたのかということになる。

CIQと言えば、例の中国製殺人ギョーザ事件で「中国国内から日本へ輸出されるまでの過程で毒が混入した可能性は考えられない」「(殺人ギョーザを製造した)天洋食品の工場に異常なし」「(中国製殺人ギョーザ事件は)北京オリンピックとは何の関係もない」などと声高に主張してきた張本人である。

そのCIQが殺人ギョーザ事件発生直後から、日本への花粉輸出を全面的に差し止めるという決定をしたほか、日本が中国へ輸出した米も、通常なら数週間で終わる通関作業が今は一ヶ月以上かかり、その間中国の倉庫で積みっぱなしとなっているという。

 数年前にも、中国製欠陥商品が日本で問題にされると、中国国内において、たいした問題もない日本製の化粧品や電化製品が欠陥商品として当局によって回収が命じられるという事件があったが、CIQによる中国製花粉の輸出禁止命令も中国外交の常套手段「鶏を殺して猿に警告する」であろう。

簡単に言えば、「日本国内においてギョーザに毒物が混ぜられた可能性はきわめて低い」と発表した日本に対する中国の報復である。

「日本がこれ以上中国製ギョーザの件で騒ぐなら、食料輸出を全面禁止にして日本を飢え死にさせてやる。だからこれ以上中国に逆らうな」という中国の真意を日本側が読めということだろう。

自分と一族以外の人間にはどんなに嘘をついても、どんな損害を与えてもへっちゃらという、低信頼社会の人間・組織の特徴が良くあらわれていると思う。

それプラス、「家来は自らの分を良くわきまえて主人に絶対に逆らってはいけない」「野蛮人が文明人に対して何を言うか」という儒教と中華思想の影響も。

 私自身、日本の農業が人工受粉用の花粉まで中国から輸入していたなんて全く知らなかったのだが、たとえこの事件が無かったとしても、人口13億人をかかえる中国を日本の食料供給源として頼るというのは、そもそも無理がある。

日本が1970年代に中国と国交を回復させた理由の一つとして、中国を日本の石油供給源の一つにしようという思惑もあった。

オイルショックに苦しんだ日本は、政情不安をかかえる中東産油国に石油を頼るのは危険と考え、中国に接近していったわけだが、それも同様に無理があった。

日本との国交回復以後、宝山鉄鋼を代表として中国産業界に日本の技術協力が行われたが、工業化がすすめば中国が莫大な石油を輸入するようになって、日本にまわす石油が無くなるというのは子供でもわかりそうな話である。

同様に、人口13億の中国が遅かれ早かれ世界の食料を爆食する食料輸入国になるのは明白であって、値段が安いからといって中国を日本の食料供給源にしようとすれば、その戦略はいつか破綻するであろう。

自給率100%は無理にしても、日本の食料供給を極力中国に頼らない形にするべきだ。

国産農産物の利用促進は、消費者物価高騰として跳ね返ってくるという意見もあるが、悪いことばかりではないだろう。

これまでさんざんデフレ不況だと騒いできたのだから、年率2%ぐらいの”心地よいインフレ”だったら、忍耐できるレベルではなかろうか。

採算ラインがあがってくれば、新たに農業ビジネスに参入する人も増えて雇用が創出されるかもしれないし、農家の所得が上がれば消費が増えて、内需拡大にも貢献しよう。

 食品衛生管理がきわめてまずく、致死量の毒が入ったギョーザを輸出しといて一言も謝罪しないばかりか、反論すればすぐさま仕返しのようなことをして、自分が悪かろうが何しようが全く反省せず、メンツを守るために相手を力づくでねじ伏せようとする中国。

それは現在進行中のチベット大虐殺事件にも良くあらわれている。

こんな国に日本の食料供給は頼れないし、自分の血族とメンツが何よりも大事で悪さをしても反省できない中国に、金輪際、日本も頭を下げる必要はない。

5月の胡錦涛訪日時には、腐ったギョーザやフリーチベットの横断幕でお出迎えしてあげるのが良いかもしれない。

こんなのとか↓



FREE TIBET


 中国共産党独裁政権によるチベット大虐殺への国際的非難が高まっているが、アメリカの野党・民主党のナンシー・ペロシ下院議長は「(大虐殺は)世界の良心に対する挑戦だ」と強く非難している。

参考記事 

昼行灯(ひるあんどん)みたいな日本の首相の言動にはいちいちイライラさせられるのだが、アメリカの民主党がチベット大虐殺を強く非難しているのに、なぜ日本の野党・民主党の小沢党首は黙りこくっているのであろうか。

中国国内の人権じゅうりんを強く非難することで、外交を安心して任せられる政党として、有権者に政権交代を訴えられる絶好のチャンスなのに、民主党と小沢党首はどうして何もしないのだろうか。

チベット大虐殺を非難できない人は、政治家にしろブログの中の人にしろ、彼らのスポンサーが誰でどことつながっているか良くわかるというものである。

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関連記事・殺人ギョーザ・中国が無罪宣言

関連記事・チベットで大虐殺事件発生

民主党は地方公務員改革はしないのか?

  • 2008/03/20(木) 00:34:05

 社会保険庁の労働組合である、自治労傘下の”全国社会保険職員労働組合”(元・自治労国費協議会)の組合員によるヤミ専従が現在問題になっている。

ヤミ専従を説明するまえに、専従活動について説明する必要があろう。

労働組合の組合員は労働者の権利として一定時間、通常の勤務時間中に本来の仕事をせず組合活動に専念することを自治体や企業から認められている。

この場合、組合活動をしている人の給料は労働組合が支払い、その人を雇用している企業・自治体が支払うことは労働組合法で禁止されている。

これを専従活動と言うが、ヤミ専従とは、自治体なり会社なりに「本来の仕事をしています」と報告して、ちゃっかりそこから給料をもらいながら、実は労働組合の活動をやるというれっきとした違法行為である。

今問題になっている社会保険庁職員で言えば、たとえば、社保庁から通常の給料をしっかりともらいながら、年金事務などの本来の仕事をおっ放り出して国会前に終結、

「年金問題を俺たちのせいにするな!」
「地方公務員の労働時間をもっと減らし、給料は上げろ!」 
「地方分権をすすめ、予算と権限を中央から地方へ!」
「人権擁護法案をはやく成立させろ!」
「在日外国人に参政権を!」
「韓国・朝鮮人慰安婦や中国人強制連行被害者に国は謝罪と賠償を!」
「日本政府は北朝鮮との国交を早く正常化して植民地支配の罪を清算せよ!」
「首相の靖国神社参拝反対!」

などと、自治労がずっと主張している政策の横断幕をかかげて座り込みデモをやったりすると、ヤミ専従となる。

http://www.jichiro.gr.jp/shoukai/houshin/2.htm

社会保険庁の職員が本来の年金業務をおっ放り出して組合活動に精を出していたにもかかわらず、不正に国から受け取っていた給料は、わかっているだけで27人分、7億5000万円の巨額にのぼる。

参考記事 

これはあくまでも現時点でわかっているだけ、つまり氷山の一角であり、日本全国の自治体で地方公務員の労働組合員によるヤミ専従がどれくらい行われているのか想像するだけでゾッとする。

仕事をおっ放り出して遊んでいるような社保庁の労働組合員に7億5000万円も払った、そのカネの出所はもちろん我々国民が納めた税金からである。

会社をリストラされ離婚、ローンが残っているマイホームも手放し、家族も家も失ってホームレスになってしまう人とか、あまりの空腹さに耐えかねて、ある市役所なり役場なりに助けを求めたが、役人に放置されて餓死した人とか、バブル崩壊以後悲しい話を時々耳にするが、

本当に困っている人に我々の税金が使われず、ちゃんと仕事をしているかのような報告をして、実は組合活動と称して仕事をさぼっている公務員に7億5000万円も支払われているとは、「正義は死んだか、神は滅んだか」と言いたくなる。

ヤミ専従を行った社保庁労組はカネは返すと言っているが、返せば良いというものではないだろう。
これは犯罪ではないのか?

明らかな違法行為にもかかわらず、6年9ヵ月ヤミ専従を行った高端照和委員長をはじめ、彼らはどうして訴えられないのか?

高端委員長は、組合の組織的犯行ではないと言っているが、国民としてはとうてい信じられない。

 以前にも言ったが、民間企業に勤める普通の労働者と違って、犯罪でも犯さなければまずクビになることはない公務員に労働運動は必要無いと思う。

民間の労働者は企業の経営方針に口出しすることはできないから、待遇を改善するために労働運動を認める必要があるが、国や自治体の労働者は、選挙時の投票によって、国や自治体の”経営方針”に口出しする権利が与えられている。

もし公務員の待遇改善が必要だと有権者が判断すれば、投票によって政府や自治体もそうした方向へ政策を転換するだろう。

だから、民間の労働者より生活保障においてかなり恵まれた立場にもある公務員に、労働運動の必要性があるとは思えない。

むしろ民間労働者より公務員を優遇する一種の逆差別であろう。

年金問題に見られるように、専従活動と称して本来の仕事をおざなりにして、組合から給料をもらうなどもってのほかだし、「ちゃんと仕事してます」と報告して仕事をサボリながら、みんなが納めた税金からカネをくすねるなど言語道断である。

霞ヶ関の中央官庁を対象とした行政改革だけでなく、地方自治体・地方公務員に対する行政改革も待ったなしだということを痛感する。 

 ガソリン税や道路特定財源、日銀総裁人事など、いつも中央官庁へはつらく当たる民主党だが、社会保険庁労組メンバーのヤミ専従など、地方公務員のデタラメな仕事ぶりには目をつぶったままだ。

年金問題にしても、自治労など社保庁職員の労組は「年金問題を社保庁職員のせいにするのは本末転倒だ」などとワケのわからない言い逃れに終始していて、まったく反省のできない人たちだなと思うのだが、行政改革に熱心なはずの民主党も歩調をあわせるように「(自治労批判は)社保庁全体の問題をすり替えている」と言っている。

すり替えているのは民主党の方で、「年金問題は、自治労に加入している社保庁職員のせいではなく、庁全体の問題でしょ」というそのトンデモ理論からは、「連帯責任は無責任」という言葉を真っ先に思い出す。

参考記事 

 以前にも触れたが、社会保険庁の労働組合は地方公務員の労働組合である自治労傘下であり、その自治労は民主党を応援、民主党は自治労メンバーをすくいあげて国政選挙に立候補させ、あいはらくみこ議員のように元自治労メンバーが国会議員にもなっている。

ヤミ専従をしようがどんなに腐っていようが、民主党にたくさんの票を入れてくれる地方公務員の労働組合には何も言えないということなのだろう。

(社会保険庁労組の一部は社民党も応援しているし、全労連系の”全厚生職員労働組合”は共産党とつながりがある)

 民主党は中央官庁だけは叩いて、「庶民の味方・行政改革をめざすクリーンな政党」を装いながら、実のところは地方公務員のための楽園をつくり、組合活動と称してブラブラ遊んでいる地方公務員に国民がカネを貢ぐシステムをつくろうとしているとしか思えない。

これを批判しているのはネットぐらいのものだが、民主党が主張するように人権擁護委員会という暴力装置が出来れば、地方公務員の楽園を守るため、それに反対する人は片っ端から”人権侵害”で訴えて”治安維持”を行うのであろう。

民主党のかかげる政策は、人権擁護法案成立・地方分権による中央から地方への予算権限の移譲・地方公務員の待遇改善・在日外国人の地方参政権付与などなど、自治労が要求していることそのまんま。

民主党が政権を取れば、日本と日本国民は地方からガン細胞に侵されていくことになろう。 

ヤミ専従事件を見ればわかるように、国民は日本の特権階級である公務員貴族のために税金を貢ぎ、地方自治体予算は公務員貴族を太らせるためにまわされ、本当に困っている弱者に救いの手が差し伸べられることはない。

公務員貴族はそのことを反省すらしない。

あまつさえ、格差是正・弱者救済と称して、公務員貴族の権力・利権の拡大をはかる。

まさに生き地獄だ。

----------------------------------

時事コラムもこの記事でちょうど500回。

これも皆様の熱いご支持があったればこそで、今日は精神的肉体的に記事のアップがつらいなと思う時でも、皆様の応援と日本の将来を思うと自分にムチが入ります。

あとは有志ブロガーのがんばりに良い刺激を受けて、競争原理が働くというのもあります。

というわけで、これからもどうぞよろしくお願いします。

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チベットで大虐殺事件発生

  • 2008/03/18(火) 00:38:00

 14日、チベット・ラサで独立をさけぶ民衆と中国政府の武装警察が衝突、大規模な暴動に発展した。

暴動は、14日ラサで中国政府の装甲車1台がチベット人群集に突っ込んで100人以上の人をなぎ倒し、民衆がそれを見て怒り狂ったのが原因との証言がある。

参考記事 

”ラジオ自由アジア”は数え切れないほどの死体が放置されていると報じている。

参考記事 

インド・ダラムサラにあるチベット亡命政府は、殺された人は80人以上と述べた。

 中国政府当局者は15日の会合で、独立を求めるチベット人に対し”人民戦争”を宣言、徹底したチベット人弾圧を指示した。

参考記事 

現在は、中国の武装警察官がチベット人の民家に次々と押し入り、警棒で殴打しながら”容疑者”を続々と連行しているという。人権団体は中国当局によるチベット人への拷問を懸念している。

参考記事 

チベット独立デモはチベット以外にも拡大、四川省ではチベット人デモ隊に向け武装警察が発砲、僧侶を含む10人以上が殺害されたという。

チベット独立デモは青海省・甘粛省などチベット人が多く住む他の省へと拡大、ラサを中心に、中国全土で犠牲者は100人を超えたもようだ。

中国当局によって連行された人も数百人にのぼった。

チベットの最高指導者ダライ・ラマ14世は「文化的虐殺が起きている」「恐怖の支配だ」などと非難した。

インド・フランス・イタリア・オランダなど世界各国でも、中国の虐殺行為に反対するデモが発生、各国政府も中国政府を批判するコメントを発表している。


 今回チベットで発生した独立運動は、ダライ・ラマ14世や多くのチベット人が祖国を追われることとなったチベット動乱から49周年を迎えた3月10日に、ラマ教寺院の僧侶を中心に発生したデモが発端だったようだ。

これに対し中国政府が、武装警察による発砲あるいは装甲車でひき殺すような容赦ない弾圧を加えたためチベット人民衆が激怒、大暴動にまでエスカレートしてしまった。

 中国当局はチベット人民衆に対し”人民戦争”を宣言したが、人民とはこの場合チベット人民衆だろう。ならばどうしてチベット人民衆に銃を向けるのか。

これは人民戦争などではなくて侵略戦争だ。

独立したがっているチベット民衆を、暴力によって抹殺しようとする侵略戦争である。

 1990年代はじめにソビエトという”赤い帝国”が崩壊したことで、ひとつの国が多くの異民族と広大な植民地を支配する帝国の時代も終わりを告げたように思われた。

だが21世紀の今でも、中国という地球最後の植民地帝国が依然生きながらえているのは驚きとしか言いようがない。

 歴史的にチベットは、中華王朝の支配下に入ったことのない独立王国であった。

五胡十六国時代、羌・テイと呼ばれるチベット系民族が中国に侵入して王朝をうちたてたことがあったが、漢人はチベットを中華文明のおよばない野蛮国とみなしていたが、遊牧民特有の高い軍事力によって中華帝国に屈しないチベットにてこずり、唐の時代には政略結婚や同盟関係を結ぶことによって、チベットとは対等の外交関係を有していた。

その後18世紀に、ツングース系の満州人による清帝国がチベットを征服、清が倒れた後いったんチベットは独立を回復するが、漢人の毛沢東がチベットを侵略したにすぎない。

毛による文化大革命によって、チベットの貴重な文化遺産・遺跡が破壊されもした。

2006年には、中国本土との間に鉄道が開通、多くの漢人がチベットに植民し、チベット伝統文化の破壊によるエスニック・クレンジング(民族浄化)や、植民してきた支配民族である漢人と被支配民族であるチベット人との経済格差によって、チベット人民衆の不満と怒りは頂点に達していた。

それが今回の3.10チベット独立デモにつながったと言えよう。

 チベットの人々が本当に独立をのぞんでいるなら、国際社会は彼らの民族自決権を尊重しなければいけないし、東欧でも民族自決権にしたがってコソボが独立したばかりだが、国際社会の監視・管理下で公明正大に住民投票を行って、チベット独立の是非をすみやかにチベット民衆自身に問うべきだ。

だが、チベット人の民族自決権を無視するばかりか、一説に100人以上の犠牲者が出たとされる大虐殺事件を起こした中国共産党独裁政権。

IOCを含む国際社会は中国のカネに目がくらんで、チベット大虐殺事件から目をそらして良いのだろうか?

ソビエトによるアフガニスタン侵略戦争の開始でモスクワオリンピックがボイコットされたように、そもそも中国のような独裁国家で平和の祭典オリンピックが開催されること自体が間違いで、以後独裁国家でのオリンピック開催は禁止するべきではないか。

今回のチベット大虐殺事件を深刻に受け止めて、国際社会は北京オリンピックをボイコットすべきだろう。

半年から1年ぐらい開催を遅らせれば、北京にかわる代替開催地として立候補する都市も現れるのではないか。

チベット大虐殺事件に抗議して、北京オリンピックをボイコットすべきだ。


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悪いのはいつも日本

  • 2008/03/15(土) 00:34:20

 今年の3月10日で十万人もの人が亡くなった東京大空襲から63年になる。

それにあわせたように、大空襲の被害者やその遺族20人が国に謝罪と賠償を求めて二次提訴した。
昨年3月にも112人が一次提訴を起こしている。

参考記事 

参考記事 

 この東京大空襲裁判にかぎらず、広島・長崎の原爆投下関連の訴訟やソ連によるシベリア抑留に関する訴訟でもそうだが、どうして原告は日本政府を訴えるのか不思議でしょうがない。

私自身は、日本と各国との間で既に講和条約が結ばれた以上、太平洋戦争に関する過去の話を今さら蒸し返す気は無いし、お互い許し合う心が大切だと思う。

だが、近年の戦争においては、たとえ意図的に爆撃するつもりではなかったとしても、民間施設への誤爆が発生して何十・何百もの民間人に犠牲者が出た場合、人道上の観点から誤爆した方の政府は厳しく批判される。

であるならば、軍施設とは関係の無い、東京・広島・長崎などの住宅密集地をはじめから狙って爆弾を落とし、数十万人もの犠牲者を出すという行為をどう評価するかと問われれば、人道上の観点からやはり戦争犯罪であったと言わざるを得ない。

日ソ中立条約を一方的に破って日本を攻撃し、60万人以上の日本人を”戦利品”として拉致・強制労働させて6万人を死に至らしめたというソ連によるシベリア抑留も、やはり人道に反する戦争犯罪だったと思う。

もしこれら事件の被害者が訴訟を起こすなら、裁判の相手は大空襲やシベリア抑留を行った当事者であるアメリカやソ連(法的にそれを引き継いだロシア)になるはずである。

中国や韓国の”被害者”が日中戦争や”強制連行”がらみで訴訟を起こす時も、もちろん相手は日本政府か日本企業である。

たとえば中国の”被害者”が重慶爆撃を受けたからといって中国政府を相手どって訴訟を起こしたという話は聞いたことがない。

ところが日本の”被害者”だけは、戦争犯罪を起こした相手ではなく日本政府だけを訴えるのである。まったく不可解としか言いようがない。

 二番目の記事にあるように、東京大空襲の原告団は、日本軍による重慶爆撃という先行行為の結果として東京大空襲が起こったとしているが、日本軍による重慶爆撃が犯罪だと言うなら、東京大空襲もアメリカによる戦争犯罪だろう。

「日本が先に戦争犯罪をやったからアメリカにやられても当然だ」と言いたいなら、そんなデタラメな話はない。

重慶爆撃の相手はアメリカではなく中国国民党政権であるし、だからアメリカが日本に対して戦争犯罪をやっても無罪ということにはならない。

先に戦争犯罪をやったら後からやるほうは無罪になるという意味ならもっとメチャクチャである。

すべての人間が人種・民族の別なく平等であり、生まれながらにして基本的人権が認められているのは今さら言うまでもないが、それを大前提とすれば人種・民族の別なく、そして先にやったか後からやったかも関係無く、戦争犯罪をしたすべての政府がその罪を問われるべきである。

私には、東京大空襲の原告団が、法のもとの平等・基本的人権の尊重という大原則をまったく理解していないように思える。

 法のもとの平等といえば、この原告団は、旧軍人・軍属は国家補償を受けているが空襲などの民間被害者に補償制度がないのは「法の下の平等に反する」とも主張している。

軍人・軍属は国家の命令で戦地へ派遣されたのだから、そうではなかった民間人と区別されるのは当然だろう。問題は戦場ではない住宅密集地を狙って大空襲を行った側にあるのだから。

 百万歩譲って、東京大空襲が日本政府による戦争犯罪だったとしたら(ワケ分からん)、なぜ原告団の父兄が体をはって日本政府の犯罪行為を止めようとしなかったのか。

それを黙認したとすれば同罪であろうし、原告団は彼らの父兄も訴えるべきだろう。

 以上まとめると、戦争犯罪の当事者を訴えるのではなく、何があっても自分の国を訴えることしかしない日本人”被害者”の言動は、まったく不可解としか言いようが無い。

もし訴えるなら、当事者であるアメリカ政府やロシア政府を訴えるべきであろう。

それがどうして出来ないのか?

中・韓も過去の話をいつまでも蒸し返すなら、

終戦直後の混乱期に、中国や朝鮮半島でのズサンな裁判でありもしない罪をきせられて虐待を受けたとか、逃げる途中で財産を奪われて身包みはがされた上に暴行を受けた日本人がいるなら、中・韓・朝政府を相手取って訴訟を起こすべきだと思う。


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中国に呑まれつつあるアジア

  • 2008/03/14(金) 00:42:38

 中国の胡錦濤国家主席が5月6日から5日間の日程で訪日する方針がきまった。

98年の日中共同宣言に続く4番目の新文書発表のため、日中外交当局が交渉を重ねているという。

参考記事 

だが、前回の福田首相訪中時に合意された、胡首席訪日時の東シナ海ガス田問題解決の見通しがまったく立っていないのはもちろん、あやうく死者が出るところだった中国製殺人ギョーザ問題についても、中国側は非を認める姿勢を一切見せていない。

むしろ中国外務省は、「胡首席訪日とガス田問題・殺人ギョーザ問題を関連付けるな」と、あつかましい態度に終始している。

参考記事 

  ガス田問題・殺人ギョーザ問題の解決のメドがまったく立たない中、胡首席の訪日がせまってきた。

そのどちらの問題も正・不正、善・悪を基準にすれば、日本の主張に理があるのは今さら言うまでもないが、それならばこの問題の解決はそれほど難しいことではないだろう。

だが日本は別としても、中国はそうした基準でもって二つの問題を解決しようとはしていない。

韓国との竹島問題や慰安婦問題も同様だが、中国はガス田・殺人ギョーザ問題を、正・不正という基準ではなく、日本との勝負事の問題として考えていて、「たとえ中国が悪かろうが日本には絶対に負けるわけにはいかない。だからガス田問題にしろ殺人ギョーザ問題にしろ、中国が日本に非を認めるわけにはいかない。頭を下げて謝罪するわけにはいかない」と考えているのである。

ある中国高官は日本側に対し、「相手がベトナムならばいいが、(ガス田裁判で中国が)日本に負けるわけにはいかない」と言ったという。

参考記事 

 勝負事といっても正々堂々ルールを守ったスポーツのようなものならまだマシなのかもしれないが、中国は、どんな汚い手を使ってでもガス田・殺人ギョーザ・南京・慰安婦各問題で日本に勝とうとしている。

韓国もそうだが、だからこそ嘘歴史のデッチ上げ・合成写真の使用・真実の隠蔽なんでもありなのである。

「どんな汚い手」の中には当然のことながら軍事力も含まれている。

日中ガス田交渉においても、日本側はあくまでも話し合いによる解決を目指してきたが、逆に中国側は「日本が我々の言うことを聞かないなら軍艦を出す」と脅迫してきたことは良く知られている。

昨年5月、米太平洋軍のキーティング司令官に対し中国海軍高官(呉勝利・司令官か?)が「ハワイを中心に太平洋を東西に分割し、西を中国が管理したい」と提案していたことをアメリカ紙が報じたことは、以前このブログでもお伝えした通りだが、それが事実だったことがキーティング司令官本人の証言から明らかになった。

参考記事 

中国海軍がハワイより西の太平洋を管理するということは、簡単に言えば日本・台湾・朝鮮半島・フィリピン・ベトナム等を含む東アジアを、中国軍が排他的に支配するということだ。

独裁国家かつ軍国主義国家である中国が猛スピードで軍備拡張をすすめ、アジアトップレベルの軍事力保有を達成した段階で、もはや「中国によるアジア支配」という邪悪な欲望を隠す必要もなくなったというわけだ。

現在、中国は日本の軍事予算を追い抜いているが、隠し帳簿もあわせると実際の中国の軍事費は日本の3倍以上、アメリカに次ぐ世界第二位の規模になると言われる。

参考記事

水爆・原爆を含む数百発の弾道ミサイルや巡航ミサイル・人工衛星破壊ミサイル、核ミサイル搭載原子力潜水艦、攻撃型原子力潜水艦等、日本が保有していない兵器を数多く装備し、空母も建造中と言われる。

中国のサイバー部隊が、欧米や日本に再三攻撃をかけており、それも新たな脅威となっている。

参考記事 

いくら中国の物価が安いと言っても日本の防衛予算より少ないか同程度では、中国がこれらの兵器を保有できるはずがない。

中国軍の兵器には、ロシアやヨーロッパの技術が積極的に導入されており、それらの購入には巨額の予算が必要となってくる。この部分は中国の物価うんぬんは関係無い。

世界の目をごまかすための隠し帳簿があるのは確実である。

中国は軍事予算増額は兵士の待遇を改善するためと言い逃れするのが常だが、たとえそうであったとしても、中国が核ミサイル・原潜・空母を配備・建造しなかったということにはならない。

「ガス田問題で日本が我々の言うことを聞かないなら軍艦を出す」と脅迫したことも合わせて、ここ5年10年日本で論争になってきた中国脅威論が事実であったことが改めて証明されたわけである。

「中国の言うことを聞かない国には軍艦を出す」「太平洋の西半分は中国が支配する」
これが日本の脅威でなくて一体なんだと言うのか。

アエラやTBSなど左翼マスコミを中心に活躍している人などがその代表だが、「中国軍の近代化にどれだけの月日・どれだけのカネがかかるかわからない。だから日本の脅威とはなり得ない」などと言っていた自称軍事専門家や、話を経済問題にすりかえて「日本と中国は国際分業ができるから中国は脅威とならない」と言っていた中国専門家の罪は重い。

覇権主義的・軍国主義的な独裁国家に対してどうしてうまく対処できないのかと言えば、民主主義陣営の内側に、どんな手を使ってでも独裁国家をかばいそれを美化しようとする政治家・官僚・”知識人”・ジャーナリストがいるからで、ヒトラーやスターリン・ポルポトを礼賛した知識人がいくらでもいたように、それはいつの世も変わらないようだ。

参考記事 

 中国の大軍拡と露骨な軍国主義外交に対し、わが国の安全保障政策は頼りないの一言につきる。

最近も、陸上自衛隊が採用したアパッチ攻撃ヘリが、わずか13機の配備で生産中止となることが決定してしまった。

戦車やIFV、各種装甲車両の数において日本は中国に劣勢で、現代戦に必須である「ネットワーク中心の戦闘」の主軸を担い、戦闘車両の不足・火力不足を解消するものとして、陸自のアパッチ攻撃ヘリには大いに期待していたのだが、財政難が最大の理由であろうが、たった13機で配備中止とは福田政権は日本の安全を守る気があるのかと言いたくなる。

日本が財政難を理由に、戦闘機や戦闘ヘリ・戦車や大砲・軍艦等いわゆる正面装備を減らして、アメリカ軍への依存をどんどん強めている。

日本国民の生命・財産という名の卵をたった一つのカゴに盛るのは非常に危険だ。

私はアメリカ軍の制服組は信頼しているけれども、制服組はシビリアンコントロールに服さなければならないわけで、もしアメリカ大統領が親中派になったり、みずからの利益のために民主主義の同盟国を独裁国家に売り渡すような国務省やCIAの”リベラル”かつ”リアリスト”な官僚たちにホワイトハウスが引きずられると、日本の安全はたちまち危うくなる。

 質の高い兵器をそろえ、それにNetwork Centric Warfare(=ネットワーク中心の戦闘)というコンセプトを組み合わせれば、たとえ小粒であっても、通常戦力において中国に対抗できる防衛力を日本が構築することは不可能ではない。

(10年で60兆円分道路をつくると言い張る国交省だが、そのうちの1兆円ほどでもまわせばと思うのだが。道路を1兆円分つくらなくても日本が滅びることは無いだろうが、防衛費を1兆円削れば日本は風前の灯火である)

防衛省の中には「中国は日本侵略の能力は持つが、その意志は無い」などと言う人がいるし、アメリカ軍という最高の先生が近くにいながら現代戦への理解も決して高いとは思えないので、がっかりさせられることも多いのだが、最近ではこういう人も出てきていて、希望はまだあるかなとも思う。

参考記事 

 胡首席の訪日時までに、東シナ海ガス田問題や殺人ギョーザ事件を解決し、「日本が言うことを聞かないなら中国海軍の軍艦を出す」発言を謝罪しないなら、4番目の日中共同文書作成を福田政権は拒否すべきだ。

その時は日本国民も大ブーイングで胡首席をお出迎えしなければいけなくなる。

福田首相は、私の嫌がることをすべきではない。

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本当の悪魔は誰?(その2)

  • 2008/03/11(火) 23:22:22

前回のつづき

 特別会計と言えば、今なおガソリン税暫定税率や道路特定財源の問題をめぐって与野党間で激しい綱引きが繰り広げられている。

財政再建や年金問題ともからんでくる話なので、この問題にふれておきたいが、国交省による道路特定財源のとんでもないムダ使いがその後も続々と明らかになっていて、やはり特別会計にメスを入れるのに一刻の猶予も許されないと思う。

参考記事 

ガソリン税という名称をつけるから、道路建設以外の財源にしてはダメだという話になるわけで、暫定税率をそのままにして”環境負荷税”と名称を改めたらどうだろうか。

今や日本の労働者の三分の一が非正社員であり、非正社員の75%以上が年収200万円以下といわれている。これらの層が自家用車を維持していくのは容易なことではないだろう。

原油価格が1バレル=100ドルを突破するなか、高額な化石燃料を燃やして自動車を走らせるのは、富者によるぜいたく行為となりつつある。

だから化石燃料を燃やして日本の環境・社会全体に負荷や迷惑をかけたことに対して税というペナルティを取るのである。

これならば使い道をより柔軟にすることができる。

そこからまず既存の道路の維持・補修費用を差し引き、基礎年金の国負担部分として必要な額を差し引き、残りを緊急性が高い道路建設から順にまわしたらどうだろうか。

少なくとも、モノを買うという本来賞賛されるべき行為に罰を与えて景気を冷やし内需を縮小させ、逆累進性のために格差拡大をひどくしかねない悪税である消費税を増税するより、よっぽど良いと思うが。

国交省は10年で59兆円分の道路を造ると言っているわけだから、大変な財源だ。
これをそのまま年金など社会保障の財源にまわせば、増税は避けられるのではないか。

 与謝野氏も「国交省は道路を49兆円つくっても良い」なんて言ってないで、特別会計にメスを入れるために官僚や自民党の道路族議員を説得して行財政改革を達成し、それでも増税が避けられない場合に国民にお願いする下地づくりのため、最低限の義務を果たすべきだろう。

与謝野氏は、自分に反対する人たちを「悪魔的手法を使うな」と非難するのが口グセだが、官の失敗を国民への増税だけで尻拭いさせようとするつもりなら、与謝野氏の方がよっぽど悪魔だろう。

 福田政権発足以降、政府与党に与謝野・津島・伊吹・谷垣各氏のように、さも国益を守るようなフリをしながら、官僚の側にたち、大きな政府と国民への規制強化の立場からポジショントークを繰り返す人ばかりが要職をしめるようになった。

それ以来、外国人投資家は日本株を売りつづけ、株価は低迷。

ゆるやかながらも長く好況が持続した、ここ数年の日本経済も踊り場に差しかかりつつあると言われ、内閣支持率も超低空飛行だ。

国民もマーケットも、福田政権内の主流派による”大きな政府”政策を支持していないということだ。

 自民党の増税派・大きな政府派は、「国民が年金不安をかかえているから消費がのびず、日本経済が停滞している。だから年金問題解決のために消費税増税を!」と言っているが、本末転倒もいいところだろう。

首相に強いリーダーシップと経営者感覚があって、「これこれの新しい産業を興して、国民がまじめに働けば希望が持てる日本にします!私が率先して働くから国民の皆さんも協力して欲しい」といったような、正しいビジョンを持ち、明確なメッセージを国民に示して動き出せば、いくらでも日本という国・社会・経済は活性化する。

06年の日本の経常収支を見ると、外国へモノを売った結果の貿易黒字が7兆3000億円、外国への直接投資・証券投資から得た利益の項目である所得収支が13兆7000億円の黒字、その他もろもろ差し引いた経常収支黒字が20兆円もあったのである。

アメリカは言うに及ばず、これほどピッカピカの国際バランスシートを持っている国はそうはない。

参考資料

にもかかわらず、経済が停滞していて社会に希望が見えないのだとすれば、福田政権を主導している官僚と官僚OBたちが無能だということに他ならない。

今や、日本が海外に保有する約9兆円の株・債券や約5兆円の直接投資が生み出す利益が、海外へのモノを売った利益である貿易黒字の二倍にも達しているのである。

もちろんモノづくりも大切だが、日本が持つ金融資産をいかにうまく運用して増やしていくかということが国家戦略上重要になってくるのであり、国は日本の金融業界に国際競争力をつけさせ、人材供給の流れや産業の転換をはかるような策を本来ならば打たなければいけないのである。

ところが政府・官僚はやることなすこと、逆に足を引っ張っているとしか思えない。

だから国民の雇用も所得も伸びないのである。

他人(国民)のカネをいつも当てにして、それを失っても自分のカネでないゆえに痛くもかゆくもない官僚が、身銭を切って勝負する経営者になれるとは到底思えない。

 与謝野氏は「日本の風土に合わない」という理由で小さな政府や市場原理を否定するかのような主張も行っている。

参考記事 

もしそうであるならば、私は競争による市場原理が日本の風土に合わないとは思わない。

(以前にも言ったが、だからといって私は「100%市場に任せるべき」という考えを支持するわけではないけれども)

典型的なのが戦国時代である。

戦国時代は、幕府(中央政府)の権限が弱くなって日本が小さな国に分裂し、それぞれの国が存亡をかけて、激しく競争した時代である。

生まれついての家柄・身分より実力がものを言う時代であった。

それゆえに、織田信長・徳川家康をはじめ、武田信玄・上杉謙信・伊達正宗・毛利元就など、キラ星のごとく有能な指導者が出現した。

彼らの多くは、家柄は良いが実力の劣る付近の大国・大名を食って下克上の世をのし上がっていった。

油売りから一国一城の主となった斎藤道三もそうだが、百姓のせがれから天下をとった豊臣秀吉が一番の出世頭だろう。

各戦国大名は、楽市楽座のような規制緩和を含む商業・産業振興策で国を富ませ、軍事力を含む総合国力を増大させていった。

堺や博多のような商人による自治都市も生まれている。

中世の日本に、経済・社会を飛躍的に発展させることとなった競争社会である、立派な封建時代があったからこそ明治の文明開化や昭和の奇跡的な高度成長が達成され、強い日本につながっていったわけである。

与謝野氏のように「日本の風土に合わないから」と言って改革を拒否し、日本を自分の殻に閉じ込めるなら、アメリカ・EU・中国・ロシアなど世界との生存競争から取り残され、保護無しでは生きていかれない絶滅危惧種となるだろう。

つまり日本のガラパゴス化だ。

その行きつく先は亡国に他ならない。

官界で、良心と危機感を失っていない人がいるならば、霞ヶ関の内側から日本を救うために動いて欲しいと思う。

 最後に、民主党の「ガソリン税の暫定税率を撤廃し、特別会計を全廃しても地方の道路は全部造ります」とか、「年金を全額税負担にするけど、絶対増税しません」なんて主張は、具体的な財源の裏付けに欠けた空理空論で、政策論議というレベルですらないということは念押ししておく。

<了>

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本当の悪魔は誰?

  • 2008/03/11(火) 03:09:11

 自民党の中川秀直氏ら成長重視派・増税反対派と対立する自民党の財政改革研究会(財革研)が、特別会計や独立行政法人の資産・積立金いわゆる”埋蔵金”の存在をあらためて否定する報告書を二月末に発表して以降、与謝野馨氏らが率いる増税派が大攻勢にでている。

参考記事 

三月に入ると、財革研の「埋蔵金無し、まず増税ありき」の報告書を前提にして、自民党税制調査会(津島雄二会長)が「社会保障制度への不安が、日本経済を停滞させている。次の税財政で抜本的改革をしなければならない」と主張、平成21年度の税制改正で消費税増税を打ち出した。

参考記事 

 ここにきて、与謝野・津島両氏ら「国民への増税のみによる財政再建派」が大攻勢に打って出ている。

人事庁問題もからめて、中川秀氏と渡辺喜美行政改革担当相の行政改革派・増税反対派と、与謝野・津島の両氏に伊吹文明幹事長を加えた官僚の利害を代弁する行政改革反対派・増税派との、政府与党内での対立の構図がだんだんとはっきりしてきたように見える。

町村官房長官もいつのまにか後者に近い位置に立つようになってしまった。冬柴国交相もそうだが、こちらはストックホルム症候群

参考記事 

 財政再建にしろ年金にしろ問題の根底には、官僚・公務員に対する国民の不信感がある。

ここまで財政が悪化したのは、バブル崩壊以後にとられた財務省の経済政策が失敗したからで、何百兆円ものケインズ主義的公共投資がほとんど効果なく、たんなる国債の山にかわってしまったからだ。

外交・安全保障スキルはダメダメだったとしても、経済政策だけはマトモというのが戦後の官僚に対する評価だったはずだが、その最後の牙城さえも崩壊してしまったのかもしれない。

 年金問題にしても、なんで基礎年金の国負担部分を全額税方式にしようなんていう案が政府から出ているかと言えば、少子高齢化の影響があるにしても、国民から集めた年金を官僚が特別会計でプールして、そのカネでグリーンピアみたいな赤字を垂れ流すハコモノをつくり天下り官僚の温床にしてしまうとか、

(年金保険料2000億円を投じてつくられたグリーンピアは赤字を垂れ流した結果、たった50億円で投売りされた)

社会保険庁の公務員がチャランポランな仕事をして、国民がどれだけ年金保険料を納めたかの記録がどっかいってしまったおかげで、「官僚・公務員のおかげで私たち国民は将来ちゃんと年金を受け取れないかもしれない。だから年金保険料を払いたくない」という考え方の国民が増え、年金制度そのものが危機に瀕しているからであろう。

このように問題の本質は、国民の官僚・公務員不信にあるのに、当の官僚側は、国民の不信を解消するため公務員改革・行財政改革をするのではなく、官僚・公務員の失敗を認めず責任をとって自らの血を流すことも無く、ぜんぶ国民への増税という形で問題解決を図ろうという姿勢に終始している。

そうした官僚・公務員の利害代弁者が、自民党の与謝野氏ら率いる増税派・行政改革反対派だと言える。

与謝野氏らが必死に存在を否定している”埋蔵金”にしても、特別会計や独立行政法人を運用・運営している官僚がどれくらいの積み立て金を「最低限必要」と決定するかでいくらでも変わってくるわけで、極端な話、官僚が「今ある積み立て金は1円たりとも取り崩せない必要不可欠なものです」と決定すれば、埋蔵金はゼロとなる。

(話が難しいと思った人は以下※印まで読み飛ばしてもOK)

たとえば外為特会の積み立て金は、外貨準備を外国の国債なんかを購入して運用する場合に、ドル資産を円に戻すときに為替差損が出たとか、日米金利差が逆転したときに支払う利払いとか、外国国債価格が下落したというときに備えるためのものだろうが、そんなものが必要なのだろうか?

日米で金利差が逆転するなんて近い将来あるとはちょっと思えないし、まずアメリカが許すだろうかという問題がある。そもそも日本政府にドル準備を売る覚悟があるのか?と疑いたくなる。

ドル準備を売るつもりがないなら為替差損なんて起こらないだろう。

そのために外為特会で19兆円もの積み立て金をかかえている必要があるとは思えない。

もし外国国債価格が下落したり為替差損が出たのなら、”有価証券評価損”で処理して、損を埋め合わせるために財源が必要なら、その時にはじめてFBでも発行すべきではないか?

そして日米で金利差があるかぎり、およそ1兆ドルある日本の外貨準備から毎年2~3兆円の金利収入が得られるはずだ。

19兆円の積み立て金もこうして積みあがったのであり、財務官僚のさじ加減ひとつで埋蔵金の額なんてどうとでもなることがわかる。



 与謝野会長率いる財革研の「埋蔵金無し、まず増税ありき」報告に呼応して、自民党税制調査会は21年度の消費税増税を打ち出したが、津島税調会長の「いかなる行政においても、角度を変えればムダは常にある。それを全部きれいにするまで改革を先送りすれば、国が危うい」という開き直りにはあきれ果てる。

私も財政再建のために本当に増税が必要だというなら支持しなくもないが、それにはまず、政府・官僚側が徹底的にムダな歳出を削減し、特別会計改革・独立行政法人改革などの行財政改革を徹底して「血を流して」から、国民に「財政再建のために増税にご理解ください」と頭を下げるのスジであろう。

ところが大蔵官僚出身の津島会長はあからさまに官僚側に立って、行政改革なんてどうせできないんだから増税だ、と悪びれもせず、まるで居直り強盗のようなことを言うわけで、これを聞いた国民が激怒するのは必至だろう。

 人事庁問題でも渡辺行革相を批判している、これまた大蔵官僚出身の伊吹幹事長が「公務員を主導できる立派な政治家が出てこない限り(公務員制度改革は)できない」と言っているが、

民主国家では、選挙の洗礼を受けずクビにもならない官僚・公務員が選挙で選ばれた政治家(大臣・長官)の指示に従うのは当然のことであって、民意を受けた”政”が公務員制度改革をやると決めたら、
”官”にそれを拒否する権利は無い。


そんなことが許されるなら官による集団独裁国家である。

公務員を主導できる立派な政治家が出てこない限りうんぬんという伊吹幹事長の発想からして、「政治は官僚に任せておけば良いのであって、国民や国民が選んだ政治家などすっこんでいろ」という、明治いらいの官僚の悪しき伝統・超然主義が透けて見える。

伊吹幹事長のいう”公務員を主導できる立派な政治家”というのは、官僚OBで現役官僚の利害を代弁する政治家のことではないか?

だったら、永久に行財政改革なんてできない。

官僚が自分の痛みを伴う改革なんてするはずがない。


つづく

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東アジア共同体とEUへの誤解 (最終回)

  • 2008/03/07(金) 23:01:43

前回のつづき

 EUの”成功”で、ASEANやNAFTAなど世界で共同体ばやりであるが、私は必ずしも良いことだとは思えない。

第二次世界大戦の教訓は、世界各地に経済ブロックができて、それぞれが自由貿易を止めて通貨切り下げ合戦をはじめると、その終着点は世界中を巻き込む大戦争だった、ということだ。

それゆえ、戦後アメリカ主導でGATT(今はWTO)を軸とする自由貿易体制と、通貨切り下げ合戦を防ぐためにドル基軸による固定相場制つまりブレトンウッズ体制をつくったわけだが、GATTが例外として認めていたとは言え、EUの統合市場というのはマイルドな排他性をもった関税同盟であり、一歩間違えれば戦前のような保護貿易的経済ブロックに変質する危険性がある。

その意味でEUの統合市場とユーロは、アメリカ主導の自由貿易体制とドル基軸体制からの抜け駆けであり、反逆だったわけだ。

だから私はEUを無邪気に理想視するわけにはいかない。

特に農業分野では悪名高いCAPがあるが、これはEUの基準価格より安い外国産農産物がEUに入ってきたら国境で課徴金をかけ、逆にEUの農産物を外国に輸出する時は徴収した課徴金を農家に渡すことで価格を下げて、EU農産物の輸出競争力を高めようというものだ。

これは明確な保護貿易政策であって、アメリカ・日本のような先進国はもちろん農産物輸出で生計をたてている途上国から非難されてきた。

日本でも、政界・官界・財界の別なく、無邪気にアジア共同体やアジア共通通貨を求める声があるが、アジア・北米・南米・中近東・アフリカなど世界各地でEUのような関税同盟ができてそれぞれが統一通貨をつくり、貿易摩擦が深刻化してそれぞれが極端な保護貿易政策に転換したり、通貨同士の切り下げ合戦や資源・食料の分捕り合戦をはじめたら、(実際中国が人民元を意図的に安く誘導し続けている)、三度目の悪夢も考えなければならない。

歴史を正しく学んでいないせいなのか、「正義の味方の米・英・ソ・中が悪の日・独・伊をやっつけた」みたいな子供だましの御伽噺(おとぎばなし)を真に受けるほど日本人が幼稚化しているのか知らないが、歴史的教訓から導き出されるこういった危険性を国民にちゃんと説明する政治家や官僚を見たことが無い。

実際、世界各国は自由貿易には賛成、だが農産物など各論の話になると反対となって、WTOでの交渉は暗礁に乗り上げてにっちもさっちもいかなくなっているのが現状だ。

 アジア共同体について言えば、EU諸国は欧州文明・キリスト教・民主主義という共通の基盤があるから統合が容易だったし、EUの東方拡大についても、独裁政治から民主政治への転換といった最低条件をクリアしなければ加盟を認めなかった。

一方アジアは、日本・仏教・儒教・イスラム・ヒンズー・キリスト各文明が混在していて共通の基盤に欠けるばかりか、社会の発展度に差がありすぎる。民主政治さえ常識とはなっていない。

社会が高度に発展した日本のレベルに、民主政治システムや法治システムさえ満足につくることができない中国が追いつくには、10年20年では済まないだろう。

 それでもむりやりアジア共同体を結成するため、日本をアジアに合わせ、独裁化・言論統制実施など日本の文明レベルを退化させろと言うなら、「バカを言え!」だ。

文明の退化と言えば、私は東ドイツを思い出す。

もともと西欧でもドイツの文明度は高いほうだが、戦後アメリカの影響圏に取りこまれた西ドイツと、ソビエト・ロシアの影響圏に取りこまれた東ドイツに分割されたのは皆さんもよくご存知だろう。

同じドイツ人の国でありながら、ドイツより社会的発展が遅れていたソビエトに支配された東ドイツの文明の劣化はひどかった。

ウルブリヒトやホーネッカーのような独裁者ひきいる社会主義統一党の過酷な支配、秘密警察シュタージによる監視と密告によって息が詰まるような市民生活、工業力の差は、西の大衆車フォルクスワーゲンと100km出せば分解しそうな東のそれ、トラバントを見れば一目瞭然だった。

ましてや、ベンツのSクラスみたいな高品質の車を東ドイツがつくるなんて夢物語。

これが”社会主義の優等生”と絶賛された東ドイツの実態だった。

もし日本が、アジア共同体結成のために独裁化・人治国家化されれば、たちまち東ドイツのように文明・社会が退化するだろう。

日本国民にそんなことは耐えられないし、そこまでして共同体を結成して得られる利益なんてあるのか。

 中国より日本に発展段階が近いはずの韓国でさえも似たようなもので、日本社会には、多様な価値観の共存を認め、意見の違う人を尊重する文化的基盤があるが、韓国・中国・北朝鮮といった儒教文明圏では、異なる意見の共存を許すという文化があまり存在しない。

それこそ、日本との歴史認識の違いが問題となってあそこまでこじれている原因であって、共同体を結成できるような文化・価値観の共有性に欠ける。

朱子学を国教としている韓国は特に原理主義的で、相手が日本にしろ中国にしろ他者の文化を一段低く見る風潮が強すぎる。(韓国の千ウオン札・五千ウオン札に描かれている人物はどちらも朱子学者)

EUのような価値観の共存を許す共同体なんて、しばらくは無理だろう。

 さて、日本国際フォーラムは2003年に”東アジア経済共同体構想と日本の役割”という提言を発表している。

そこでは、2015年までに東アジアに関税同盟を、2025年までに単一通貨導入を提言している。

また、「日本経済の活性化のためアジア統一通貨を実現せよ」というコラムを載せる新聞もあるし、アジア開発銀行の日本人総裁がアジア統一通貨実現に相当熱をあげている。

だが、統一通貨をつくるということは金融政策も統一するということである。

日本の現在の政策金利は0.5%だが、中国の政策金利は6.5%を超えているはずだ。

常識的に考えれば、中国が日本のように年率2%前後でゆるやかに成長する、成熟した経済段階に至るまで何十年もかかるだろうし、高い成長とインフレが続く限り政策金利も高くせざるを得ない。

一方日本の政治家にしろ官僚にしろ、国家戦略というものを持たない。

逆に中国は、国家戦略を持つというよりは殺人ギョーザ事件を見てもわかるようにエゴの塊で、国際協調という文字は彼らの辞書には存在しない。

である以上、アジア統一通貨をつくれば中国のエゴに引きずられ、中国経済を再優先にした政策金利となるのは必定であって、日本経済のファンダメンタルズを無視して”アジア中央銀行”が政策金利を6%だの7%だのに設定したら、円を捨てさせられた日本は破滅する。

異常な高金利で大企業が苦しくなるのはもちろん、資金繰りに困った中小企業の倒産が続発するだろうし、設備投資や消費など内需も冷え込んで大不況へ突入。

長期金利の高止まりと税収の激減で日本政府の借金は爆発的にふくらみ国家破産まっしぐらである。

(中国の支配下で日本が”財政再建団体”になったりして)

1970年代から高度成長がはじまり、日本と経済発展段階が一番近いとされる台湾や韓国でさえ、現在の政策金利は3%~4%台に設定されている。

これからしばらく、アジアというくくりが単一通貨の最適圏となることは困難であろう。

現状で日本が、通貨主権や金融政策主権を譲渡するなど自殺行為である。

中国が日本の通貨金融政策を自由に操れるのであれば、競争相手の経済を大混乱に陥れることが出来て、願ったりかなったりなのかもしれないが。

 以上見てきたように、たとえ10~15年後の将来であっても、某国際フォーラムの提言にあるような、アジア共同体やアジア統一通貨をつくるのは無理がありすぎると言わざるを得ない。

日本としては、経済的利益はもとより安全保障面や日本文化に敬意を払ってくれるかどうかも考慮し、まずはASEAN諸国やインドとの経済・安保・文化各方面での関係を深めたほうが現実的だし、国益確保にも資するだろう。

忘れていけないのは台湾で、社会の発展度、文化的近さ、民主主義の定着度いずれをとって見ても、日本の最適なパートナーと言える。(次回総統選の結果は変数だが)

 現在の日本ではアジア共同体さえ出来ていないのに、「アジア系外国人に地方参政権を与えろ」とか、「人権擁護委員にアジア人を入れろ」といったような、EUのことをろくに調べもせず無責任な主張をする人たちが、イメージ最優先で暴走している。

それでは日本国民の生活をいたずらに混乱させるだけである。

<了>


-------------------------------------------


 日本の財務官僚やそのOBに、リベラルな親中派でアジア共同体とアジア統一通貨を熱望する人が多いが、アジア共同体・アジア統一通貨信者と、国民への増税のみによる財政再建原理主義者は重なっているような気がする。

もし外部条件が整っても、日本の財政赤字がある程度の範囲に収まらないと、アジア統一通貨は実現しないので、だから彼らは、財務省の失敗の尻拭いを全部国民に押し付けてまで財政再建を焦っているのではないかと勘ぐっているのだが、考えすぎだろうか。


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東アジア共同体とEUへの誤解 (その2)

  • 2008/03/06(木) 01:01:58

前回のつづき

 それではいよいよ何故EUが出来たのか、その本題に入る。

それは「国家は常に悪であり、戦争を無くすためにも国家や国境を無くした方が良いから」といった、多くの日本人が誤解しているような理由からではない。

むしろその反対、統合された国家であるEUという名の”強いヨーロッパ”をつくろうとしたのである。

 前回述べたように、第二次世界大戦後の英・仏は、広大な植民地や超大国としての地位を失い、世界金融の中心地はロンドンからニューヨークへ移り、ポンドは世界基軸通貨としての地位から転落した。

インドネシアやザイールといった広大な植民地を失ったオランダ・ベルギーも同様だが、英仏は戦争に勝ったはずなのに何もかも失ってしまったのだった。

戦後世界は、アメリカ・ソビエトという超大国が台頭し、並の国に転落した人口数百万から数千万のヨーロッパ諸国がバラバラに別れてチマチマやっていても、ヨーロッパの地盤沈下は進むばかりだった。

だからこそ強いヨーロッパ復活のために思いきった戦略の転換が必要だったのである。それがヨーロッパ統合だ。

 その目的は二つ、

まず二度の世界大戦とヨーロッパ没落の原因のひとつとなった、巨大な生産力を誇るドイツをうまく取りこんで、三度目の暴走を許さないこと、

ヨーロッパ各国の政治力・経済力・軍事力・人口を合わせ、規模の大きさを利用してアメリカ・ソビエトの二大超大国に対抗できるようにすることである。

しかし英・仏の間で欧州における覇権争いが起こったため、最初から順調だったわけではなかった。

カナダ・インド・南アフリカなど英連邦諸国やアメリカとの結びつきが強いイギリスに比べ、ドイツの経済力を取りこむことで欧州内のリーダーシップを取ろうとしたフランスが積極的に動き、以後、後者を軸に欧州統合がすすんでいく。

1952年に仏独伊ベネルクス三国が参加して欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が結成された。
その狙いは石炭と鉄という戦略物資をコントロールすることでドイツの暴走を防ぐことにあった。

1956年のスエズ動乱(第二次中東戦争)において英・仏が敗北し、国際社会における両国の凋落が誰の目にも明らかになると、ECSC加盟六ヶ国でヨーロッパ経済共同体(EEC)が結成され、より統合が深化していく。

イギリスもEECに対抗して北欧諸国やスイスなどを誘ってEFTAを結成するがうまくいかず、1963年にイギリスがEECに加盟を申請するも、フランスのド・ゴールが猛反対して却下された。

このあたりで、年平均10%もの高度成長を続けていた日本に経済力で追い抜かれ、ヨーロッパ諸国はショックを受けたことだろう。

1967年、EECにECSC、EURATOMなどをあわせて欧州共同体(EC)が発足、いよいよ域内で商品・資本・労働力が自由に移動する関税同盟が成立する。

1973年以降、イギリスやギリシャ・スペインが加盟してECは拡大を続け、1993年のマーストリヒト条約で欧州連合(EU)が発足、市場統合だけではなく将来的な政治統合も視野に入れて動き出した。

90年代はじめにソビエトが崩壊して東欧の社会主義国家が続々と民主化、EUはこれらの国々を受け入れて拡大を続けている。
 
 もちろん統一通貨ユーロのことも忘れてはならないが、それは前回述べたブレトンウッズ体制というドル支配からの自立の必要性からはじまった。

ベトナム戦争の長期化でアメリカが疲弊していた60年代末、ドルとヨーロッパ各国通貨との相場は不安定になった。

それはECという関税同盟存続を危うくし、アメリカのドル政策に翻ろうされないためにも欧州統一通貨が必要になってきた。

71年のアメリカによる金ドル交換停止(ニクソンショック)でブレトンウッズ体制が崩壊、金と交換できるドルを基軸とした固定相場制から、金と交換できない管理通貨となったドルを基軸とする変動相場制に移行したこともそれに拍車をかけた。

本来なら欧州最強の通貨・西ドイツマルクをそのまま統一通貨にすれば簡単だったのだろうが、フランスのプライドが許さなかった。

そこで欧州各国の通貨でバスケットをつくり、共通通貨単位ECUを経て統一通貨ユーロが誕生、通貨・金融政策を担当する欧州中央銀行(ECB)やTARGETと呼ばれる決済システムが整備されて、今やドルを脅かす存在にまで育ってきている。

 つまりEU(EC)とは、アメリカ主導でつくられたGATTによる戦後の自由貿易体制、もっと言えばアメリカの農工業製品から欧州産業を守るためにつくられた関税同盟であり、ユーロは基軸通貨ドルを握るアメリカの通貨政策からの自立を獲得するためにつくられたのである。

それは「国や国境を無くせば平和になる。主権を委譲してみんなで地球市民になろう」みたいな、幼稚なお花畑理論を実現するためではなくて、ヨーロッパの失地回復のためにEUという名の新しい国家を強化する動きである。

その証拠に、現在もEU加盟国と非加盟国の間にはちゃんと国境があるし、パスポートチェックも受けなければいけない。

EUは地中海をはさんだリビアに主権を移譲しようなんてしていない。

どうしてお花畑派日本人はそこを見ようとしないのであろうか?

次回へつづく

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東アジア共同体とEUへの誤解

  • 2008/03/04(火) 00:00:30

 「東アジア共同体や東アジア共通通貨をつくろう」

 「日本の主権を中国に委譲しよう」

 「人権擁護委員会のメンバーに外国人をいれよう」

 「外国人に日本の参政権を与えよう」

こうした考え方を持つ人は、EUに強い影響を受けていることが多い。

ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国同士だと、空路にしろ陸路にしろパスポートコントロールを受けずに国境を通過できるし、いったんシェンゲン協定国に入ってしまえば、それは日本人でも同様だ。

多くの日本人は「自分の国や社会・家族は、常に個人に害を与えようとする邪悪な存在である。だからそれと戦わなければならない」という思想が子供のときから刷り込まれているから、それを見ただけで「やっぱり国家や国境が無いって素晴らしい!!」と、ナイーブに感動してしまう。

そうした日本人が帰国して、熱病にでもうなされたように「アジアでもEUのような共同体をつくろう!ユーロのような共通通貨をつくろう!そして日本の主権を委譲しよう!」などと言い出すのである。

日本の政治家や高級官僚までがそうだから余計に始末が悪い。

なぜEUが出来たのかが正しく理解できていれば、そのような誤解は起こらないはずである。

そこで今回は、EUが出来た歴史的経緯を振り返り、その意味について述べたい。

 なぜEUが生まれたのかを述べる前に、どうして第二次世界大戦が起こったのかについて要点をかいつまんで述べる。

EUは第二次大戦が起こったから生まれたのであって、多くの日本人がEUの本当の姿を正しく理解できないのは、高級官僚・政治家のような”エリート”を含めて、どうして第二次大戦が起こったのか、その歴史を正しく学んでいないからだと言って間違いない。

「そんなこと言われなくても知ってる。悪い侵略者の日本やドイツを、正義の味方のアメリカやイギリス・ソ連がやっつけたんだろう」という人がたくさんいるのだろうが、それは動かされる人間が学ばされる歴史であって、世界を動かす方の人間が学んでいる歴史とは違う。

なお以下に述べることは、60年前の恨みを今思い出して、将来の日本外交を決定するために書かれたのでは無いのであって、感情と外交政策を分けて考えるという正しい外交への心構えが準備できていない人は読むべきではない。

 第二次世界大戦の直接のきっかけは1929年の世界恐慌にある。

この未曾有の世界同時大不況に対する、英・仏・米といった当時の超大国の経済政策が大失敗に終わったことが第二次大戦勃発の大きな原因の一つとなった。

英・仏・米は、自国とその植民地や経済的従属国との間で排他的な関税同盟(ブロック経済圏)を結成し、外国からの輸入品をシャットアウトする露骨な保護貿易政策に転換、金本位制から離脱して事実上の自国通貨切り下げ合戦をはじめた。(通貨の切り下げは自国の輸出品の値下げ・競争力強化を意味する)

いわゆる”近隣窮乏化政策”である。(今の中国がやっている通貨・貿易政策がこれ)

なんとか独立を維持している国(中南米諸国など)や植民地にさせられた国(アジア・アフリカの大部分)を犠牲にすることで、英・仏・米だけが助かろうとしたわけだ。

 そこで微妙な立場におかれたのが、日本やドイツ・イタリアなど、英・米・仏などの超大国にある程度対抗できるだけの軍事力と少々の”植民地”を持つ国々である。

これらの国々も、超大国による近隣窮乏化政策によって大打撃を受けたが、幸か不幸かそうした苦境を打破するための力があったし、苦境を甘受するつもりもなかった。

そこでこれらの国々も超大国のように”自分だけの通商圏”を獲得するため、イタリアはエチオピア、ドイツは東欧諸国、日本は中国へと乗り出していく(なぜなら超大国が植民地としてツバをつけていないのは、そこしか無かったから)が、英・仏・米はそれを阻止しようとして第二次世界大戦が勃発することになる。

(だから日・独・伊が100%正しかったと言っているわけではない)

戦争はアメリカの勝利に終わるが、少なくとも英・仏は自分たちの広大な植民地を自由にしてやろうなんていう気はサラサラ無かった。

だが戦前の英・米が日本の戦力を読み違え、あまりにも過小評価していたため、アジア植民地に独立のきっかけを与えてしまう。

アジアに戻ってきたフランス軍は、ホー・チミン率いるベトナム独立同盟軍との戦いに敗れ、インドネシアに戻ってきたオランダ軍は、スカルノ率いる独立勢力に敗北を喫してアジアから追い出された。

植民地独立の波は、アジアからアフリカ・カリブ海地域など第三世界へとどんどん広がっていく。

 第二次大戦後すぐにイギリスも動いた。

タフ・ネゴシエーターであるジョン・メイナード・ケインズをアメリカとの外交交渉に送り、イギリス本国と植民地・自治領でつくる排他的関税同盟の存続を容認するようアメリカに要請した。

また、ポンドが世界基軸通貨の地位から滑り落ちるのはやむをえないものとして、新しい基軸通貨”バンコール”をつくり、それを管理するための国際機関創設を提案した。

しかし、アメリカ代表のハリー・デクスター・ホワイト(ソ連のスパイとしても有名)はこれを一蹴。

アメリカは、GATT(当初はITOを創設しようとして失敗。GATTはのちにWTOに発展的解消)を軸に、世界に自由貿易体制を構築すること

(もちろん超大国の厳しい保護貿易政策が世界大戦の原因となったからであるが、これでアメリカも、英・仏植民地市場に手を突っ込むことができる)

金1オンス35ドルで交換できるアメリカ・ドルを新たな基軸通貨に

基軸通貨ドルと各国通貨とを固定相場制にして戦前のような通貨切り下げ合戦を防止し、ドルを基軸とする固定相場維持のため、短期の市場介入資金を各国に融資するIMFと、より長期の資金を融資する世界銀行を創設することで押し切った。

(いわゆるブレトンウッズ体制の確立)

こうして、戦争に勝ったはずの英・仏ヨーロッパ超大国は、世界中に保有していた広大な植民地をほとんど失い、ポンドは世界基軸通貨の地位から転落した。

世界経済の中心は名実ともにロンドンのロンバート街からニューヨークのウォール街へと移ったのである。

 チャーチルは戦争が終わるとまもなく、もはやドイツへの恨みは無くなったと言って、英仏がドイツを取りこむ形で結成するヨーロッパ合衆国構想を表明する。

これが世界を動かす方の人間が学ぶ歴史である。

 第二次世界大戦がなぜ起こって、それがどういう結末を迎えたかを正しく理解できていなければ、チャーチルの言葉が持つ意味も、EUがどうして誕生したのかも理解できるはずがない。

そして怪しげな陰謀論に惑わされることも無いだろう。


次回へつづく

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殺人ギョーザ・中国が無罪宣言

  • 2008/03/01(土) 00:24:54

 28日、中国製殺人ギョーザ事件の捜査を行っていた中国当局は、猛毒物質メタミドホスは人為的に日本でギョーザに混ぜられた可能性が高いとの見方を示した。

参考記事 

中国側は、中国製ギョーザの袋にメタミドホスが浸透したという”実験結果”もあわせて発表、袋にはメタミドホスが浸透しないという実験結果を先に発表していた日本側の主張を真っ向から否定した。

 中国側の実験結果は科学的根拠があるのかと困惑しながらも、警察庁は中国側に実験結果の詳しいデータを送るよう要請した。

参考記事 

 国営放送に中継させてまで行った、だまし討ちとも言える中国公安当局による”中国無罪宣言”に、泉信也国家公安委員長は29日、「信頼関係の上に捜査状況を交換してきた中で、理解し難い対応。警察当局は事実に基づき解明していくべきで、政治的配慮はかかわるべきではない」と不快感を表明した。

参考記事 

 中国製殺人ギョーザ事件に関し、とうとう中国当局が”中国無罪宣言”をした。

それどころか、ギョーザの袋にメタミドホスが浸透するという”実験結果”を発表、毒物の混入が日本において袋の外側から行われたことを示唆している。

中国製ギョーザに含まれていたメタミドホスが純度の高い日本のものとは違うという点についても、「不純物のまざっているメタミドホスは中国のものだけではない」と、いつもの詭弁術で逃げ切りをはかりたい本音がミエミエの発表となった。

「○×は外国だってやっている。だから中国は無罪だ」といういつもの手だ。

 殺人ギョーザは中国からどこも経由せずに日本に輸入された。
だから、日本のものでなければ中国製メタミドホスの可能性が限りなく高い。

中国にいた共同通信の記者が、中国で法律によって入手が禁止されているはずのメタミドホスを、簡単かつ無許可で手に入れて拘束されたという事件も起こっている。

無許可でメタミドホスを入手するという行為は決して誉められたものではないが、法律で禁止しているという当局のタテマエとは裏腹に、中国でメタミドホスが野放しになっている実態が明らかとなった。

なお中国の一部メディアが、中国で共同通信記者がメタミドホスを購入していたことを受け、殺人ギョーザの犯人である日本人が中国当局によって逮捕されたかのように報じ、中国のネット界では「それみろ、やはり犯人は日本人だった!」と、大騒ぎになっているという。

参考記事 

 また、ギョーザの袋にメタミドホスが浸透するという実験結果についても、人が生死をさまようほど高濃度のメタミドホスが本当に袋の外側から浸透するものなのか極めて疑問である。

中国の港から千葉と兵庫に分かれて出荷されたギョーザはそのまま店頭に並び、両者に接点は無い。

にもかかわらず千葉と兵庫において店員にも気づかれず、何者かがギョーザの袋の外側から日本に存在しない種類の高濃度メタミドホスを同時期に浸透させるなんて、まず不可能である。

むしろ、食品を汚染から守るために存在する中国製の包装が、それほど簡単に毒物を浸透させてしまうのならば、そんな不良品を使用した天洋食品とそれを監督する中国当局の重大な責任問題となろう。

中国は自分たちを守ろうとウソをついたのか知らないが、どちらにせよ墓穴を掘ったと言える。

犯人が誰にせよ、メタミドホスがどこ製にせよ、食品の衛生管理において天洋食品や中国当局に落ち度があったことは明白であり、それをぜんぶ棚に上げて”中国無罪宣言”をするとは、無責任にもほどがある。

 日本の警察当局は「必要なデータはすでに提供してある」と否定しているが、中国側はギョーザなどの証拠物件を日本側が引き渡さないと非難さえしている。

これも、中国側は日本に一切、事件の核心に迫るような証拠を提供せず、逆に日本側にギョーザやその袋などの物的証拠を引き渡すよう一方的に要求してきている。  

めぐみさんのニセ遺骨を出してきた北朝鮮が、それを返還するようしつこく日本に要求しているのと一緒で、おそらく日本側に一切の証拠を残さないことで事件をウヤムヤにするつもりなのだろう。

警察庁は絶対に証拠を中国へ渡してはならない。

そして「中国公安は事実の解明を望んでいる。犯人を検挙し正義を守るため無条件で日本に協力してくれる」といった中国性善説も捨てるべきだろう。

日本に輸入された中国製肉まんから、メタミドホスや有機リン酸系殺虫剤・ホレートが検出された問題で、中国の食品工場を監督する立場にある中国国家質検総局が、「肉まんをつくった中国工場は日本資本なのだから、毒入りの肉まん原料を買うほうが悪い」と開き直った。

日本当局は主権の壁に阻まれて、中国国内の食品工場を監督することはできない。

にもかかわらず毒入り原料をつくった中国側より、あくまでもそれを買った日本側が悪いというのである。

加害者が被害者にすり替わる瞬間を見た。

そんなデタラメな論理が通じるのだとすれば、中国が日本に侵略されたと言うなら、侵略される方が悪い。


参考記事 

 高信頼社会である日本では、法も裁判所も警察もほぼ公平にすべての人を扱ってくれる。

だから日本人は、世界各国でも日本と同じように質の高い行政サービスが受けられると勘違いしてしまいがちだ。 

中国でトラブルに巻き込まれた日本企業が、中国の警察や裁判所が「どんなときも自分たちを公平に扱ってくれるだろう」と無邪気に信じている事例を良く見かけ、大変驚かされる。

しかし低信頼社会の中国では、すべての人に公明正大な裁判など望むべくも無い。

中国企業が日本のアニメキャラクター”クレヨンしんちゃん”の知的所有権を侵害したにもかかわらず、中国の裁判所は、キャラクターの知的所有権を持つ日本企業ではなく、同じ民族という理由で中国人企業の方を勝たせたのだ。

今回の中国製殺人ギョーザ問題も、中国公安当局による”中国無罪宣言”。

 ここまでくると、中国当局が絶対に真実を公表できない事情があるように思われる。 

中国製殺人ギョーザ事件は、日本人への差別思想・人種的憎悪が理由の無差別化学兵器テロというのが、真実なのではないだろうか。

 中国のような低信頼社会では、だました者勝ちである。

シルクロードにあるオアシス都市のバザールで、中国人商人が客に毒入りギョーザを高値で売りつけ、もしそれを買った客が一命をとりとめて損害賠償を請求しに行ったとしても、その中国人商人はもうそのバザールにはいない。

シルクロードの東西南北どこへ行ったのかもわからないし、一生をかけて何百・何千キロ追いかけるわけにもいかない。

だから低信頼社会では、だました者勝ちなのであり、中国人は数千年それでやってきたわけだ。

 殺人ギョーザ事件も同じやり方でウヤムヤにしようというのだろう。

だが信用第一の高信頼社会・狭いムラ社会である日本で、中国式バザール商法は通用しないし、中国は逃げ切れない。

この事件を通じ、中国の本当の姿を多くの日本国民が知ることになったのは、災い転じて福となすか。


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