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トヨタ世界一と三角合併解禁

  • 2007/04/28(土) 00:06:57

 トヨタ自動車グループの、2007年の第1四半期(1~3月)の世界販売台数は234万8千台で、アメリカのGMをおさえて四半期ベースで初めて世界一となった。

参考記事 

アメリカは日本を支配し破滅させようとしているという、アメリカ陰謀論をとなえる者をちょくちょく見かけるのだが、これはどういった陰謀の結果、起こったことなのだろうか。

それはさておき、当初アメリカに輸出された日本車はまだまだ技術力が伴わず、”おもちゃ”と言われたものだが、それからするとまさに隔世の感がする。

 もう一方では、5月から三角合併が解禁され、外国企業が日本企業をいくぶんか買収・合併しやすくなる。

そうしたなか、きのう27日、アメリカのシティグループによる日興コーディアルグループに対する株式公開買い付け(TOB)が成立した。

参考記事 

外国企業による日本企業のTOBとしては過去最大規模となる、9200億円が株式買い付けに投じられた。

 この二つのニュースからわかるのは、日本とアメリカの国際収支の構造の違い、わかりやすくいえば、両国が国際ビジネスで食っていくメシのタネの違いである。

日本は、自動車や家電、特殊鋼などで製造業が国際競争力を持っており、貿易収支つまりモノの輸出で黒字が稼げる。

しかも、世界各国にもつ債権や証券投資から得られるリターンもあって所得収支も黒字だ。(近年はこちらのほうが黒字額が大きくなった)

サービス収支は赤字であるが、貿易サービス収支全体はプラス、所得収支もプラス、よって日本の経常収支全体はプラス、世界にお金を貸しているので、資本収支はマイナスとなる。

 一方、アメリカはどうか。

アメリカにある製造業は、航空宇宙産業や軍事産業など一部をのぞいて、国際競争力を失っている。近年は中国から巨額のモノを輸入していて、サービス収支は黒字だが、それを簡単に吹き飛ばすほどの巨額の貿易赤字をかかえている。

そうした巨額の貿易赤字・財政赤字の双子の赤字をファイナンスするため、主に証券投資という形で世界から多額のお金を借りている。よって資本収支は大きくプラス。

さらに世界から集めたお金を、ハイ・リターンが見込める中国・ロシア・インド・ブラジル(いわゆるBRICs)など海外への投資にまわし、そこから得られたリターンで世界から借りたお金の金利を支払い、なおかつ所得収支をプラスにしてきたのである。

アメリカの対外資産のうち過半は、収益性が高い直接投資や株式など非金利性資産が占める。

アメリカの国際収支構造は、貿易サービス収支は大赤字、これまでは所得収支はプラス、経常収支全体は大赤字、世界からお金をかき集めているので資本収支は大黒字だ。

おおざっぱに言えば、アメリカはあたかも一つの巨大なヘッジファンドのようなものと言えるのではないだろうか。

 以上みてきたように、アメリカのメシのタネは、世界最高水準の金融工学を利用した海外への直接投資・株式投資である。

である以上、世界のマーケットはアメリカ金融資本が投資しやすいように開かれていることが必要不可欠なのである。

だからこそ中国のWTO加盟交渉時に、アメリカは中国国内の金融市場を外資に開放するよう要求したのだ。

その結果として、シティやHSBCなど外国資本の銀行が中国で人民元業務を開始、出資上限が決められているものの、中国四大国有商業銀行である中国銀行や中国工商銀行に外資が資本参加することとなった。

「アメリカは中国と手を結んで日本を滅亡させようとしている」という者は見かけるが、アメリカ金融資本に金融市場を開放した中国を「親米ポチ」と呼び、「アメリカは中国を支配し破滅させようとしている」と唱えるアメリカ陰謀論者がいないのはどうしてだろうか。

 先ほどの三角合併解禁の話に戻るが、アメリカがいわゆる年次改革要望書で事細かに口うるさく、外資が三角合併を行う際に障害となるものをなくすように求めたり、金融市場における規制緩和を求めたのも、

戦後の高度成長期に日本の製造業が発展する過程で、自動車の街デトロイトや鉄鋼の街ピッツバーグが打撃を受けたというアメリカ側のいら立ちがまずあって、「日本の製造業ばっかり儲けていないで、アメリカの得意な金融・サービス分野を開放してアメリカにも儲けさせてくれ」という強い欲求があったからではないのだろうか。

 私が外資の日本企業買収をどう考えるかと言えば、防衛産業やエネルギー企業、巨大金融機関など日本の国家戦略に大きく関わる企業の外資買収に関しては、政府なり議会なりが厳しく審査して、制限を加えるとか全面禁止にすべきだとは思う。

アメリカでも、UAE国営のドバイ・ポーツ・ワールド社がアメリカの港湾施設管理権を買収しようとしたとき、イスラム国家の企業がアメリカの港湾施設を管理するのは安全保障上問題があるとして多くの反対の声があがり、結局買収に失敗したことがあった。

だが、通常のケースでは日本企業の外資買収を認め、アメリカにも儲けるチャンスを与える必要があると思う。

フランスの外交官ジュール・カンボンは「外交とは交渉であり、交渉は相当分取引である」と言ったけれども、取引であるならば、日本が一方的に儲けて相手には儲けさせないというのでは、外交が成り立たない。

日本は経済以外にも、アメリカから安全保障やインテリジェンスなどの分野で協力してもらっているというのもある。

ポエニ戦争や第四回十字軍の例をひくまでもなく、古来より通商問題は国家同士の戦争が起こる大きな原因の一つであった。

戦後の自由貿易体制で一番の恩恵を受けたのは、敗戦国の日本でありドイツであったことも見逃せない。

通商問題は本当に難しいのであって、それを軽く見たり狭い視野にとらわれて対応を誤ると、より大きな問題を背負い込むことになるだろう。


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チョ・スンヒ追悼碑と韓国の不寛容な文化

  • 2007/04/25(水) 23:13:29

 銃乱射事件のあったバージニア工科大学で授業が一週間ぶりに再開されたそうだ。

乱射事件の原因を韓国人の人種的特徴にもとめる考え方には断固反対するが、
事件に対する最近の韓国社会での反応には違和感を感じるものが多かった。

そうした問題の根底にあるものは、韓国が依然ひきずっている伝統的な儒教文化ではないだろうか。

(文化は考え方を変えることで改善することができる)

 儒教文化では、罪は犯した本人だけではなく、家族・一族から子々孫々に至るまで及ぶと考える。そうした考え方がエスカレートして罪は民族全体にまで及ぶと韓国では考えられている。

乱射事件の犯人が韓国人だと判ったとき、韓国ではアメリカが国を上げて韓国人に報復するのではないかと本気で心配したのも、「自分たちがそうだからアメリカ人もそうだろう」と考えた結果である。

実際に報復事件が起こった後ならともかく、事件が起こる前からそうしたことを心配し、対策を求めるのはアメリカに対して非常に失礼ではないのか。

また、韓国人がアメリカ人に報復を受けたという多くのデマが流れたのもアメリカへの侮辱だと私は感じた。

http://www.chosunonline.com/article/
20070421000029

だが、今のところアメリカが国を上げて在米韓国人への報復を行ったという事実は無い。

それどころか、事件現場にチョ・スンヒ容疑者を追悼する場が設けられ、そこに手紙や花が添えられているという。チョ容疑者の家族へも励ましのメッセージが送られている。

http://www.chosunonline.com/article/
20070423000052

厳しい仕打ちを受けて当然の容疑者に対し、このように寛容な精神を持つ人々がいるアメリカに深く敬意を表したい。

しかし、それだけに儒教文化にとらわれた韓国社会の不寛容さがくっきりと浮き彫りになってくる。

2002年、在韓米軍の装甲車による交通事故で韓国人女性が亡くなったとき、韓国社会は国をあげてアメリカ人への敵意と憎悪をつのらせた。

群集が街に飛び出して大規模なデモを行い、星条旗を破り捨て火を放つなどしてアメリカを侮辱した。

事故とは関係の無い在韓アメリカ人が韓国人市民に殴打されたことを伝える報道もあった。

こうした憎悪のパワーが、反米主義者ノムヒョンを青瓦台の大統領執務室へと送ったのだった。

さらに、冬季オリンピックにおいて、日系アメリカ人アポロ・アントン・オーノ選手と接触して韓国人選手が転倒したことがきっかけとなり、韓国社会は、アメリカのみならず日系人というだけで何ら関係の無い日本にまで敵意を向けた。

2002年のサッカーワールドカップでのアメリカ対韓国戦で、アメリカからゴールを奪った韓国代表選手たちは、サッカーとは何の関係も無いのに、アメリカ人選手のまえでスケート選手のマネをして侮辱し、それを見た韓国社会はアメリカ人への報復が達成されたと快哉を叫んだ。

アメリカ社会の成熟ぶりと比べて、韓国社会の未熟さがどうしても際立つ。

 さらに、銃乱射事件のチョ容疑者へ追悼の祈りを捧げたアメリカ市民についても考えたい。

彼らが追悼の場で祈りを捧げたのは、純粋にチョ容疑者の安らかな眠りと冥福を祈ったからに違いない。

当然、チョ容疑者の行動を正しいと思ったから足を運んで参拝し、祈りを捧げたわけではないだろう。

韓国の大手紙・朝鮮日報も「チョ容疑者も(アメリカの)仲間たちのゆるしを得て、安らかに天へ上っていくものと信じたい」とオピニオンで述べた。

http://www.chosunonline.com/article/
20070424000062

生前の行為の善悪に関係無く、死者の安らかな眠りを祈るという行為は、人種・民族・文化を超えて世界に広く存在し成立するものだと思う。

私が靖国神社を参拝したとき、いわゆるA級戦犯の人達のことが頭に浮かんだ。

問題が多かった外交・安保政策を主導した彼らの生前の行いに対しては複雑な思いがなくはないが、死刑となって天に召された以上、いつまでもそのことをネチネチ問うようなことは神道の伝統的な考え方とは相容れない。

だから、靖国のすべての霊の安らかな眠りと冥福を祈った。

ところが韓国という国やノムヒョンは、いくらこのことを説明しても「靖国に参拝するな。靖国を廃止して代わりの追悼施設をつくれ」と要求するばかりだ。

であるならば問おう、乱射事件のチョ容疑者を追悼するアメリカの人々は、乱射という行為が正しいと思って追悼したのか?

なぜ韓国政府やノムヒョンは、「乱射事件を正当化することになるからアメリカの人々はチョ容疑者を追悼すべきではない」と、いつものように言わないのか?


 日本の韓国統治が終わってから生まれた人が大半となった日本を「犯罪者の子孫」と決め付け、敵視し、憎悪をつのらせ報復行為を繰り返してきた韓国。

1965年の日韓基本条約と五億ドルの援助で、過去の清算が一切終了したと両国で決めたのに、「あの条約に慰安婦問題の謝罪と賠償は含まれていない」と後だしジャンケンのようなムチャクチャな理屈で、未来永劫、日本人の謝罪と賠償を要求し続ける韓国。

日本の韓国統治時代を経験していない世代が、激しい恨みと憎しみを増幅させ、相手が日本人なら何をやっても良いと考える韓国。

自分達への許しは要求しても、絶対に他者を許そうとはしない韓国。

その韓国に、銃乱射事件の容疑者の安らかな眠りを求めるオピニオンをかかげる資格があるのだろうか。

 韓国が、日本やアメリカなど国際社会で問題行動を起こすその原因は、韓国の多くの人が、罪は犯した本人だけではなく、家族・一族から子々孫々に至るまで及ぶと考える儒教文化、未だに朱子学あるいは中華思想といった古代・中世からの儒教文化を頑迷に引きずっているからである。

韓国文化の特徴と言われる”恨”(ハン)や偏狭な民族主義もまた、それが原因である。

21世紀を迎えた今でも、韓国社会は古代や中世の世界をさまよっており、そのことが他者への不寛容さ・偏狭さを生んで、国際社会と様々な摩擦・あつれきを生み出す原因となっているのである。

21世紀は、現代文明の日米欧と、儒教のような中世文明をひきずる韓国・北朝鮮・中国との、摩擦と対立・衝突の世紀なのかもしれない。


----------------------------------------------

これに関連して、

日本で犯罪を犯した韓国・朝鮮系の人達が、本名ではなく日本名で報道されるのは違和感があって仕方が無い。

これではまるでマスコミ自身が、本名で報道すれば日本の韓国・朝鮮系コミュニティに対して報復があると前提にしているようなもので、それはおかしい。

やはり報道するときは、アメリカのようにどの人種・民族にかかわらず本名でするべきである。

それが世界の常識であろう。


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関連記事・靖国問題にどう対処すべきか?(その1)

関連記事・日韓国交正常化交渉の裏側(その3)

韓国の絵本とドス黒い動機

  • 2007/04/24(火) 01:47:02

 新日鉄は韓国の製鉄会社ポスコと共同で、日本の製鉄技術が古代朝鮮半島から伝わったという”事実”を、おとぎばなし仕立てとした子供向け学習絵本を五万部製作、希望者に無料配布することを発表した。

参考記事

絵本は、

韓国の”ドッケビ”と呼ばれた製鉄技術者が、鉄の作り方をまだ知らない日本に行こうと突然思い立って日本へ渡来。

日本人に製鉄技術を伝えた”ドッケビ”は、韓国語で大きい人という意味の”オンニ”と呼ばれ、それがなまって日本で鬼と呼ばれるようになった。

日本の祭りにも子供の守り神として鬼が登場するが、日本に製鉄技術を伝えた古代韓国人”オンニ”は現代日本の子供たちを今でも守っているのだ、

という内容になっている。

新日鉄HPより(PDF) 
 
 これがただのおとぎばなしの絵本であるならば目くじらを立てず、歴史的事実の少々の間違いは笑って目をつぶるところなのだが、韓国がからんでいるとなると話は別だ。

子供向けの無邪気な絵本と見せかけて、韓国側の陰険・不純な動機とドス黒い悪意が隠されているからである。

新日鉄側にとっては、純粋に日韓友好によかれと思ってやったのだろうが、絵本の執筆を全面的に丸投げして韓国人作家に任せたことで、友好の掛け橋となるはずの子供向け絵本が、韓民族優越主義というイデオロギーに真っ黒に染められてしまった。

それは、縄文時代まで日本人は劣等な民族であり、それを文明人にしてやったのは韓国人である。その大恩人である韓国を日本は侵略したのだという、歴史的事実からみても不正確で、非常に人種差別的なイデオロギーである。

 まず歴史的事実について言えば、韓国人は現代韓国語と古代の朝鮮半島で使われていた言葉はほとんど変わらないということを自明の理としているが、古代の朝鮮半島で使われていた言葉で記された文献がほとんど現存しないため、どのような言葉であったかはほとんどわかっていない。 

古文書のほとんどが漢文表記だからである。

また、古代の朝鮮半島には、高句麗・百済の扶余人、新羅の新羅人、半島南部の馬韓人・弁韓人と、多種多様な民族が居住していたのであり、それぞれの言葉も多かれ少なかれ違っていたことが予想される。

(それらがまとまって現代の韓国人の祖となるのは統一新羅以降のことである)

よって”ドッケビ”だの”オンニ”だのといった語が古代の半島や日本で使われていたというのはどういう根拠をもとにして主張しているのか、事実かどうか非常に怪しい。

また日本の”鬼”の語源は、平安時代ごろに目に見えないものをさす”隠”(オヌ)が訛ったものという説があるようだが、鬼の語源が古代韓国語?の
”オンニ”だという説も全く聞いた事が無い
し、少なくとも定説が無い以上、子供たちの学習絵本にさも歴史的事実のように記載するのは、非常に問題である。

 次に古代日本と鉄についてだが、この絵本を読むと古代韓国人が製鉄技術を伝えるまで日本には鉄がまったく無かったと子供たちが誤解しないかと大変懸念される。

私が韓民族優越主義者と某掲示板で議論していた90年代後半、相手の主張にはことごとくそういった傾向があったからだ。

朝鮮半島で鉄生産がはじまったのは紀元前3世紀前後の半島北部で、半島北部と接していた中国の燕から技術が伝わったとみられる。

ところが韓民族優越史観では、紀元前3世紀ごろから朝鮮半島全体が一斉に鉄器時代に突入し、「様々な道具が鉄器化されて韓国は強国となった」ということになっているのだが、

実際のところは、朝鮮半島南部で鉄器が盛んに生産されて普及するのは紀元前後頃であり、それまでは石器が広く使われていたのである。

一方、日本に鉄製品が流入したのが、縄文晩期の紀元前3~4世紀ごろで稲作の開始とほぼ同じころだとみられている。

(考古学では、鉄製品がその地域に流入してきた時期と鉄をつくる技術が入ってきた時期は区別される)

縄文晩期に稲作を日本に持ち込んだのは、中国の長江下流域に住んでいた人達(漢人とは限らない)という説が近年では有力だ。製鉄技術を持っていたかはわからないが、鉄器もその人達がまず日本に持ち込んだ可能性がある。

(この人達は、九州北部だけでなく半島南部へも渡ってきたようである)

参考 

日本で鉄器が普及してくるのは紀元前後ごろの九州北部からで、先ほども言ったように鉄器の普及に関しては半島南部と九州北部はほぼ同時だったと言える。

その時代の記録として”魏志”東夷伝弁辰条に「国、鉄を出す。韓、ワイ、倭みな従ってこれを取る。諸市買うにみな鉄を用い、中国の銭を用いるが如し」とあるのが、そのことを裏付ける一つの記録となろう。

今の半島南部の弁辰(弁韓とも)と呼ばれた地域に、韓人・ワイ人(半島北東部に住んでいたツングース系とみられる民族)そして倭人(日本人)がいて、盛んに鉄をとりインゴット(鉄テイと呼ばれる)にして、それが貨幣のような役割を果たしていたことが記録されている。

”魏志”や”漢書”には、半島南部に倭人が居住し、南部の韓人には倭人の風習であるイレズミをするものも多いという記述がある。

このように西でキリストが生まれたころの半島南部では韓人だけでなく倭人も鉄の生産に深く関わっていて、そこで生産された鉄がインゴットなどに加工されて九州北部へと運ばれ鉄器が普及していく。

そして弥生時代後期にあたる3世紀ごろには鉄器が日本に広く普及するようになる。

日本に製鉄技術があったという確実な証拠は、5~6世紀の遺跡にまで下らないと見つからないのだが、5世紀以前の製鉄遺跡がなかなか見つからない理由は、

知られていた鉄鉱山が半島南部にしかなかったために、そこで倭人も韓人にまじって鉄鉱石を掘り、半島内部で製鉄を行いインゴットに加工して日本に送ってしまったためではないかと推測するのだが、

それはともかく、5世紀より以前に、日本列島には鉄器が流入しており、半島南部にいた倭人も鉄の生産に深く関係していた以上、「古代韓国人が古代日本人に鉄の作り方を教えてやった」式の単純な歴史観を子供向けの絵本に反映させるのは問題が多いと思われる。

 さらに言えば、日本に来た”ドッケビ”が韓国語で大きい人という意味の
”オンニ”と呼ばれたという主張には、韓民族優越史観に特有の差別的思想が含まれている。

つまり、「古代日本人は古代韓国人に比べて低身長だったに決まっている。だから古代韓国人は古代日本人から大きい人(オンニ)と呼ばれたのだ」という身体的特徴の人種差別的決め付けである。

韓国社会に存在する、日本人は背が小さい、日本は島国だから大陸国家・韓国より狭い、日本人は心も狭く”縮み志向”である、という歪んだ考え方は、韓民族優越主義を長年ウオッチしてきた者なら誰でも思い当たるはずである。

 このような特定の歪んだイデオロギーに偏向した絵本を、日本の子供たちに読ませるのは適当と言えるのか。

というより、韓国側の陰険な動機とは正に、韓国政府が国策で韓民族優越史観を韓国の子供たちに刷り込んでいるように、日本の子供たちの脳がやわらかいうちに韓民族優越史観で洗脳してしまおうというものではないのか。

日本向けの絵本が韓国向けよりも五倍も多く製作されたという事実が、この絵本がつくられた本当の目的を雄弁に語っている。

韓国の子供たちは、韓国政府がつくった国定歴史教科書によって洗脳されるから、この絵本を読む必要性が低いのである。

この絵本を読んだ日本の子供たちが、将来日韓併合の事実を知れば、いわれの無い罪悪感を背負い、

「日本に鉄の作り方を教えてくれ、自分たちを守ってくれていた”オンニ”の国・韓国を日本が侵略し、恩を仇で返したのか。そうした過去を清算するためには、日本は韓国の言うことは何でも聞き、永遠に謝罪をして賠償金を支払い続けなければいけない」

という結論にたどり着くのは目に見えている。

新日鉄が韓国のポスコと組んだのは、世界の製鉄業界の巨人・アルセロールミタルに対抗する戦略のためだろうが、相手の素性を知らなさ過ぎる。

このように日本への悪意に満ち満ちた相手と組むなど最悪である。

何の疑問も無く、製鉄技術の歴史や言語学に詳しいとはとうてい思えない韓国人作家に絵本製作を丸投げし、「外国人は生まれながらにして善である」という、外国人とあまり交流したことの無い日本人に特有の”外国人性善説”に基づいて、科学的・考古学的裏付けも取らないからこうなるのである。

歴史に無関心で韓国についても何も知らない日本人がだまされるのは、いつもこのパターンだ。

 それにしても、韓国。

意識的にそう主張しているにしろ無意識なものにしろ、民間企業から一個人に至るまで、韓国人が持つ歴史観がまるで金太郎アメのようにまったく同じというのは、本当に気味が悪い。まるで全体主義である。

多用な意見が許容される民主国家である日本とは正反対だ。

戦後半世紀にわたって、政府がたった一つの歴史教科書”国史”をつくり、それを国民に強制して韓民族優越史観を洗脳的に植え付けてきた、その凄まじさを今さらながら実感せざるを得ない。

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朝鮮通信使四百年イベントの茶番

  • 2007/04/21(土) 00:49:53

 江戸時代に朝鮮通信使が始まって四百年を記念した行事が、今韓国で行われている。

当時の衣装を”再現”した行列がパレードしたり、韓国から日本へのウォーキングなど、日韓各地で朝鮮通信使開始四百年記念のイベントが行われるという。

参考記事 

「四百年前から日本と韓国は友達だったんだ!」とばかりに、日本の”日韓友好原理主義者”が好んで飛びつきそうなイベントだが、本当の歴史を少しでも知っていれば、朝鮮通信使を古来からの日韓友好のシンボルだとする見方に、無邪気に賛成することはできないだろう。

私なぞは、「日本人と韓国人の心のすれ違いの歴史は、四百年一日だな」とさえ思ってしまう。

日韓交流に対する日本人と韓国人の考え方の違いにはどうにも越えられない溝があって、この四百年間それはほとんど変わっていないと思う。

 江戸時代の朝鮮通信使が始まったいきさつは、秀吉の朝鮮出兵以後、断絶していた朝鮮との国交を回復させ、それを幕府や将軍の権威を高めるために使おうと考えた徳川幕府の朝鮮王国側への要請からだった。

そのため、朝鮮通信使は新しい将軍が就任した時など、徳川将軍家の慶事を祝うために派遣された。

一方、儒学者や文人など日本の知識人層にとっては、鎖国で外国文化の流入が厳しく制限されていたため、幕府公認の数少ない海外との文化交流の場として、大変貴重なものだった。

特に、中国の儒教文化への強いあこがれのあった江戸時代の知識人達は、朝鮮を儒教が国の隅々までいきとどいた国、まさに”東方礼儀の国”として理想化して見ていたために、自分のつくった漢詩を持参して朝鮮通信使の宿泊先をたずねるなど、真剣に文化交流を行いたいという熱意があった。

幕府側も、儒教の礼がいきとどいた東方礼儀の国の客人にそそうがあってはならないと、儒教の知識のあるえりすぐりの人間を接待の責任者として据えた。

 ところが、通信使として派遣された朝鮮人の多くは、中華思想にすっかりと毒されていて、中華文明を忠実にコピーした小中華の朝鮮に対し、日本は中華文明の及ばない未開の国で日本人は儒教も知らずなんと野蛮なことだ、といった態度をとった。

儒学者・雨森芳洲は、朝鮮を儒教的礼儀のいきとどいた理想の国と見ていた日本人の一人であり、朝鮮通信使としてやってきた申維翰を大切な客人として心づくしのもてなしをした。

ところが申維翰は国に帰ると「雨森芳洲は心のねじれた人物」とカゲ口を書き記すありさま。

他の朝鮮人たちも、日本の文人が持ってきた漢詩を見ると、まるで書道の先生が生徒の習字を赤い墨で添削するように、筆を持ってきて”指導”したという。

また、朝鮮通信使が日本の町民・農民の鶏を盗むなど、礼儀どころの話ではない記録が残っている。



黒い笠をかぶっている方が朝鮮通信使で、色のついた着物を着ているのが日本の町人。

 こういった事実を知っていれば、朝鮮通信使を古来からの日韓友好のシンボルとしようといった発想は出てこないのではないだろうか。

朝鮮通信使を日韓友好のシンボルだと考えている日本人は、朝鮮王朝を東方礼儀の国として理想化した江戸時代の日本人とまったく同じ過ちを繰り返しているように思える。

そうした日本人にとって、朝鮮通信使は日韓友好のシンボル以外の意味はないだろう。

だが、朝鮮通信使の再現イベントを喜ぶ韓国人は、必ずしもそうではない。

韓国は国定教科書”国史”を使って、朝鮮通信使を韓国民にこう教えている。

日本は朝鮮を文化の先進国と考え、使節を派遣するよう要請してきた。これに対し、朝鮮では通信使を派遣したが、その一行はおよそ400余人になり、 国賓として待遇を受けた。
日本は通信使の一行をとおして先進学問と技術を学ぼうと懸命であった。したがって、通信使は外交使節としてだけでなく、朝鮮の先進文化を日本に伝播する役割も果たした。



このようなゆがんだ考え方には全面的に反対するが、韓国人の多くは朝鮮通信使に対して「先進文化・先進技術を持っていた朝鮮が文化的に劣る日本を文明化させたのだ」という非常に民族差別的な意味をこめ、意識的にしろ無意識的にしろそれが前提となっているのである。

そして日本人がそうは考えていなくとも、朝鮮通信使を四百年ぶりに再現することに賛成するということは、「韓国人は日本人より優秀である。韓国人のおかげで日本は文明化したのだ」という韓国の国策歴史教育を喜んで受け入れるという意味があるのである。

朝鮮を東方礼儀の国として理想化した日本の文人と、日本人を野蛮と見下していた朝鮮通信使の間に越えられない溝があったように、朝鮮通信使は日韓友好のシンボルと見ている現代の日本人と、韓国側の間には決して乗り越えられない溝がある。

四百年たっても進歩しない人は沢山いるものだとため息が出る。

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関連記事・近代日本の対朝鮮外交 (その1)

関連記事・近代日本の対朝鮮外交 (その2)  

長崎とアメリカ、二つの暴力事件に衝撃

  • 2007/04/19(木) 00:13:39

 今日はパソコンのキーが鉛のように重い。

イラクやアフガニスタンなど中東各地でテロ事件が後を絶たないが、ここ数日、内外で起こった凄惨な暴力事件にも強い衝撃を受け、ただただ戦慄をおぼえるばかりだ。

 選挙運動中に暴力団組員から銃撃された伊藤一長・長崎市長が亡くなった。

参考記事 

これは、日本の民主主義体制への重大な挑戦であり、このような暴力行為に断固反対する。

政府・警察・公安関係者には、日本の民主主義や表現の自由を断固として守るため、よりいっそうの治安対策強化を求めたい。

凶弾に倒れた伊藤市長のご冥福をお祈りするとともに、ご家族には心からお悔やみ申し上げる。

 さて、マスコミ各社もこの事件を大々的に報道しているが、違和感を感じたのがテレビ朝日系列の番組・報道ステーションだった。

古舘キャスターの隣にいた解説者が、事件直後の安倍首相のコメントに民主主義への危機感が感じられなかったと噛みついていた。

だが銃撃事件が起こる前に、報道ステーションに銃撃事件の容疑者からの実名で、伊藤市長への批判をつづった手紙やカセットテープが郵送されてきていた。

それを番組では”犯行声明”としていたのだから、テレビ朝日側にそういう認識があったと受けとめられて当然だ。

参考記事 

封筒表 

封筒裏 

テレビ朝日が民主主義への危機感を持っていたのであれば、伊藤市長なり警察なりに何故このことを電話で通報しなかったのか。 110番は24時間つながるし、そうすれば警備を固めるなどして銃撃事件は防げたのではないか。

少なくともテレビ朝日が、えらそうに他人を説教できる立場にはいないと思うが。

 他方、アメリカのバージニア工科大学で、韓国人留学生による銃乱射事件が発生。学生・教職者など30人以上が犠牲になるというアメリカ史上最悪の事件となった。

参考記事 

前途ある若者たちが次々と命を奪われ、ホロコーストを生き延びたユダヤ系教職者も亡くなっている。

銃撃の犠牲となられた方々、ならびにご家族の方々のご無念は、いかほどだろうかと想像すらできないほどだ。

謹んで哀悼の意を表明したい。
 
事件の真相はこれからの捜査によって明らかになってくるだろう。

一部の報道では、恋人の浮気に対する復讐心が事件の背景にあるとされていたが、それをひっくり返す、こんな報道もある。

http://japanese.joins.com/article/
article.php?aid=86662&servcode=400§code=400

(中央日報ネット版「初の犠牲者、女友達ではなくストーカー行為?」)


今日はここまでにしたい。

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インド海軍と海自・米海軍が共同訓練

  • 2007/04/17(火) 00:00:48

 日本・米国・インドそれぞれの海軍はきのう16日、房総半島沖で初めての試みとなる三カ国共同訓練を行った。

インドからはデリー級駆逐艦”マイソール”、ミサイルコルベット”クタール”、それに補給艦一隻が参加。

ホスト国日本からは、イージス艦”きりしま”など四隻、在日アメリカ海軍からもイージス駆逐艦”ジョン・S・マッケーン”など二隻が参加した。

訓練では、無線や発光信号を使っての通信訓練、補給等の場合必要となる近接運動、一斉に方向転換したり縦列を組んで航行したりする戦術運動などが実施された。

参考記事 

 このブログを立ち上げて最初につくった記事のひとつが、日本とインドとの外交・安保協力強化を訴えるものだった。

日本が取るべき対中戦略(その3)

日本が取るべき対中戦略(その4)

それから二年経った今、安倍首相や麻生外相の主導のもと、ようやくここまできたかという思いだ。

インドは既に経済規模や国際社会での存在感で韓国を抜き、人口でいずれ中国を抜いてアジア最大の国となると言われている。

困難をかかえながらも民主主義を守り、中国を射程におさめる核弾道ミサイルを保有し、何より、チャンドラ・ボースが友好の掛け橋となってくれたおかげもあって、アジア最大の親日国であることが大きい。

一回こっきりでは意味がないので、今後も着実に外交・安保面での日印協力をすすめてほしいと思う。

 ただ、日本・アメリカあるいはオーストラリアとインドとの安保協力を進める上で、技術的な障害がなくもない。

少々専門的な話になるが、こういう話はウチぐらいしかしないと思うのであえて触れておきたいが、日・米・豪とインドでは兵器体系がまったくと言っていいほど違う。

前者がアメリカ製兵器を中心とした兵器体系であるのに対して、インドは独立後の政界を長らくリードしてきた国民会議派が社会主義を志向してきたこともあって、ソ連(ロシア)製兵器を主とし、フランス製を従、一部に旧宗主国イギリスの兵器を使うというユニークな兵器体系となっている。

なんでこんな複雑怪奇なことをやっているのだろうか、性能の高いフランス製兵器が買えるのだったらそれで統一できなかったのかと思わなくもないが、

雑誌・軍事研究のジャーナリストがインド軍の士官にそのあたりのことを尋ねると、「フランスの兵器は高性能なのは良いがデリケートでな。その点ロシア(ソ連)製兵器は、ひっぱたけば治るから」だそうである(笑)

インドのような途上国では、武人の蛮用に耐えてメンテナンスも楽、戦場でちゃんと動いてくれるほうがありがたいということだろう。

「最新・最高性能の機械が良いに決まっている」とばかりに、日本がアジアやアフリカの途上国にハイテク医療機器をODAで援助しても、メンテナンスするお金も技術も途上国側には無いので、しばらくすると援助したハイテク機器がその病院で一番高価な飾り物になってしまったという話を聞く。

日本人にはちょっと耳の痛い話である。

話がやや脱線した。

そのロシア製兵器も最近は性能が高くなってきており、インドの仮想敵・中国が急速に兵器のハイテク化をすすめているので、インドもスホーイ30MKI戦闘爆撃機やキロ級潜水艦、それに長射程の対艦ミサイルなど、高性能ロシア兵器を導入して対抗している。

そのため日・米とインドで兵器体系の違いが、通信システムの違いや敵味方識別の問題、あるいは習慣の違い(例えばフィートを使うかメートル法か)となってあらわれる。

今回の日米印三カ国訓練では、そうしたことをふまえて貴重な経験が積めたのではないかと思う。

 ただ忘れてはいけない点が、インドがこれで日米豪の同盟に喜び勇んで参加してくれるというわけでもない、ということだ。

インドの現政権である国民会議派とインド共産党などの連立政権は、前述の通り昔は社会主義を志向していたリベラル政権であり、私には日米と中露との外交バランスを常にとろうとしているように見える。

日本の民主党や自民党の親中派議員が「日米中の正三角形外交を構築せよ」と言っているのと同じである。

4月12日からインド海軍は中国・青島に艦隊を親善目的で派遣しているのも、そうしたあらわれであろう。

参考記事 

これがヒンズー右派のインド人民党政権となると、中国・パキスタン同盟に対して強硬姿勢となる傾向がある。

 ともかく、安倍政権のインドとの関係強化を強く支持するとともに、今後の関係発展に期待したい。

-----------------------------------------

ちなみに今日4月17日は、下関条約締結の日、
つまり日清戦争戦勝記念日。

関連記事・近代日本の対朝鮮外交 (その5)

関連記事・近代日本の対朝鮮外交 (その6)

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温家宝首相訪日

  • 2007/04/14(土) 00:51:39

 中国の温家宝首相が来日した。

今回の訪日について中国側の狙いは何と言っても、「小日本はいけ好かないが、胡錦涛政権の掲げる”和諧社会”の実現のためには、省エネや単純加工貿易以外の分野での日本からの投資協力・技術援助を引き出さなければならない」という、実利面での目標を達成するためである。

ただ、軍部の最強硬派や憤青(偏狭な民族主義に陥った、江沢民チルドレンとでもいうべき中国国民)のような反日派、あるいは日本との関係強化はもちろん、和諧社会にも反対している上海閥あたりは、たとえ実利外交という名目があったとしても温首相訪日を快く思っていないことだろう。

そうしたこともあって、温首相訪日直前から中国国内世論向けの「日中友好ムード盛り上げ宣伝」は、気味が悪いほどであった。

4月3日から中央電子台で日本への渡来僧・鑑真和尚を主人公にしたドラマを放映し、視聴者に「一衣帯水の日中関係」を強調した。

参考記事 

この他にも唐沢寿明主演の日本ドラマ”白い巨塔”も放映されているという。

新聞各紙も経済・文化などの諸分野で日中協力関係が活発化することを期待しそれを評価する記事を掲載しているという。

参考記事 

中国当局の管理下にあるネット界でも、中国三大ポータルサイトのひとつ
”新浪網”に設置された専用掲示板で、

「温首相はよく言った。理性的に日中関係をとらえることは北東アジアに平和をもたらす」
「感動して涙が出そうになった。日本人も同じであることを期待する」
「日中友好は時代の潮流だ。長い歴史の中では数十年の逆流の時期もあったが、基調はやはり友好だ。日本人は第2次世界大戦後、奇跡を成し遂げ、トヨタ、キヤノン、ソニーなどの世界的なブランドを立ち上げた。我々は日本人の勤労精神を学ぶべきだ」

などと温首相訪日を歓迎するコメントが書き込まれ、中国抗日戦争史学会の王錦思氏は、新聞やネットで「歴史問題だけがすべてではない。文化、礼儀、素質など多角的に日本を見ることが重要」として、対日悪感情をあおる虚偽情報の危険性を説いているという。

このような胡政権の宣伝煽動担当部門が主導する日中友好ムード盛り上げ宣伝からも、前述の反日勢力を押さえ込むために、胡錦涛-温家宝ラインの指導部が非常に気を使っているさまがうかがえる。

また日本の世論に対しても気を使っているのは、訪日した温首相と安倍首相の共同記者会見を避けたことからもわかる。

記者会見をすれば、空気の読めない日本の左翼マスコミ記者が、靖国や歴史認識問題を持ち出すのは目に見えている。

そうなれば親分の面子にかけて「日本は過去を反省し、首相は靖国参拝を中止すべきだ」と”厳命”せざるをえない。

結局、歴史でエラそうに説教をたれてヒンシュクをかった上海閥の親玉・江沢民訪日失敗の轍を踏むことになって、これまでの努力が水の泡になる。

だからヤブ蛇をつつかれないよう共同記者会見を避けたのであろう。

このあたり、先月31日の日韓首脳会談でソン外相からマスコミまでがスクラムを組んで麻生外相と日本をつるし上げるように、「慰安婦!慰安婦!反省しろ!反省しろ!」の連呼に終始した、韓国のノムヒョン政権とは正反対である。

感情の暴走に任せるまま、陰に日向に反日活動しかできない韓国と、実利を得るためにはトップがひきつった作り笑いをして国内世論対策の工作をしてでも日中友好を演出する中国。

だから中国は煮ても焼いても食えないわけで。

しかし、それでも掲示板の一部には「日本の国連安全保障理事会常任理事国入り断固反対!」「お笑いだ」「譲歩しすぎだ」と、日中共同プレス発表に対して反日感情をむきだしにした書き込みも見られるという。

参考記事 

温首相の国会演説については、稲作・漢字・儒学・仏教を日本に教えたという中華思想臭が鼻についたし、”過去の侵略戦争”をしっかり指摘するのを忘れず、中国は残留日本人孤児を助けましたという恩着せがましいところも見られた。

周恩来・魯迅・郭沫若が日本で学び、孫文も日本に助けられた、中国近代化のための日本の支援を中国人民は永遠に忘れないとしたところが、中国側のせいいっぱいの努力か。

「日本は戦後平和発展の道を選び、世界の主要な経済大国と重要な影響力を持つ国際社会の一員となりました。中国人民は日本人民が引き続きこの平和発展の道を歩んでいくことを支持します」という部分を読み飛ばしたことが話題になっているが、

この部分は、「日本は今でも軍国主義だ」あるいは「日本は軍国主義の復活を狙っている」という妄想にとり憑かれている前述の反日中国人勢力の主張とは食い違うので、そちら方面への配慮で読み飛ばしたのではないだろうか。

国会演説は中国へも生中継されていたと聞くし、やはり映像の力というのは文書よりはるかに威力があるものだから。

それにしても、「中国共産党は一党独裁を放棄せよ」と温首相にヤジを飛ばして、民主主義の洗礼を浴びせるような漢(おとこ)気のある議員は日本にはいないのだろうか。

参考記事 

”庶民派として定評のある”温首相のランニングとかキャッチボールなんてどうでもよろしい。

 タテマエと演出の話はそれくらいにして本題である実利の話をしたいが、今回の温首相訪日では東シナ海のガス田問題で中国側の政治決断があるかどうかが注目されていた。

しかし、ガス田問題ではまったく進展なし。

むしろ温首相演説と同じ日に、日本のEEZにまたがる東シナ海ガス田
”樫”で、原油と天然ガスの生産が始まったことが中国海洋石油によって発表され、中国外務省がしらばっくれるというふうに事態が悪化している。

参考記事 

日中両国は、日中共同声明・日中平和友好条約・日中共同宣言の三つの文書の原則を遵守すると日中共同プレス発表で確認したのだから、ガス田問題(もちろん靖国や教科書など歴史認識問題も)における中国のやり方は、日本に対する主権侵害・内政干渉であり、

「両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする」 「両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する」とした、日中平和条約第一条に違反すると、日本は中国を堂々と批判するべきではないのか。

現在、三つの文書の原則というのは、日本だけが守らなければならない義務になってしまっていて、まったく戦略的でも互恵的でもない。

今後、ガス田問題や靖国・歴史認識問題で中国の態度が改まらないようなら、日本だけが三つの文書の原則をクソまじめに守る必要はない。

中国の共産党独裁による専制政治・それに反対する国民を対象とした臓器狩り目的の生体解剖など種々の人権弾圧、軍拡による領土・領海拡張主義を、日本がどんどん批判していくべきだろう。

ガス田問題や中国の軍国主義的領土拡張主義については、同じ悩みをかかえるベトナムとの安保協力強化も図るべきだ。

参考記事 

人権問題の話に関連して、突如、温首相が天皇陛下の北京五輪ご行幸を要請するという隠し球を出してきたが、フランスなど欧米諸国の一部で持ちあがっている、人権弾圧を理由とした北京五輪ボイコットの動きを封じるのがその目的だろう。

天安門事件の制裁解除のゴーサインとするために、天皇陛下のご訪中を利用するという、あの悪夢がよみがえる。

参考記事 

 日本政府・外務省にも「今は、友好ムードを醸成して交渉の下地をつくりたい」という意図があるのかもしれない。

それについて理解できなくはないが、それでも中国主導の友好ムードに流されることなく、日本はしっかりと実利をとらなければならない。

実利といっても、中国への輸出・投資拡大といった経済的実利はもう十分だと思う。むしろ主権や国土・領海・経済水域の防衛といったカネでは買えない実利の方が、これからは大事になってくる。

友好ムードに流されハシタ金に目がくらんで、日本が持つ省エネ技術をそっくり譲り渡してしまい、それによって国力・軍事力を強化した中国に、尖閣を含む東シナ海全域が制圧されてしまえば、日本の国益に取り返しのつかない損害を与えることになるだろう。

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関連記事・ガス田問題で日本が焦る必要は無い

関連記事・臥薪嘗胆

麻生外相の外航機利用と日本の機密保護

  • 2007/04/12(木) 00:34:20

 先月31日に韓国・済州島で日韓外相会談が行われたが、TVニュースを見ていて一つ気になったことがあった。

それは会談に臨んだ麻生外相が、韓国の航空会社の飛行機に乗って帰国したことだ。

以前、麻生外相がロシアを訪問したときも、ロシアのアエロフロート航空を利用したことがニュースで報じられていたし、川口外相時代にもAOMフランス航空やウラジオストク航空など、あまり聞かないような航空会社を使っていた。

麻生外相が韓国の航空会社を利用したのは、日本の航空会社が済州島と日本を結ぶ直行便を開設していないからだと思われるが、日本の国家機密保護の観点からして、日本の国務大臣が外国の航空会社を利用するのは、全く好ましくない。どこで会話が盗聴されているかわからないからだ。

「そんな、まさか」と思われる人もいるかもしれない。

これは”エシュロン”に関する本に書いてあった話だが、ある国連安保理の常任理事国(仮にP国としておく)の企業とアメリカ企業が、国際プロジェクトの入札をめぐって激しく争っていたことがあった。

そんな中、アメリカ企業の幹部たちがP国の航空会社のファーストクラスを利用して移動し、プロジェクトの入札会場に入ったが、実際の入札ではアメリカ企業の提示額をわずかに上回る金額で、P国のライバル企業が落札したという。

これはおかしいということでアメリカ企業の落札金額がどこで漏れたのか調査が始まったが、そこで浮上したのが、アメリカ企業の幹部たちがP国の航空会社の機内で入札に関する直前の打ち合わせをしたことだった。

そのため、アメリカ企業の幹部たちはP国の航空会社を利用することを見合わせるようになったという。

中国が政府専用機としてアメリカに発注したボーイング767型機に、何者かによって盗聴機がしかけられていて、中国政府は完成した政府専用機を受け取ったものの、中国国際航空に払い下げてしまったという例もある。

(来日中の温家宝首相が新幹線による移動を拒否したのも同じ理由からだろう)

このように、飛行機の中という密閉された空間では盗聴の危険性が高く、日本の首相や外相などが外国の航空会社を使うというのは、国家機密の漏洩という危険と隣り合わせなのである。

まさか麻生外相や外務省の幹部が、韓国やロシアの航空会社の機内で、外相会談直前の重要な打ち合わせをやったりはしていないと思うが(情報管理の甘い日本のことだから、ちょっと心配)、1分でも惜しい多忙な外相が、外国の航空会社利用時に機内で大切なことが何もしゃべれない、事務方と打ち合わせもできないというのでは、不便きわまりないだろう。

これに関連した話だが、連絡がとれなくなるために危機管理上問題があるとして見合わせてきた首相の民間航空機利用をこのほど解禁することになった。

参考記事 

首相の国内移動に政府専用機を出すとコストがかかりすぎるが、かといって民間航空会社利用では連絡がつかなくなるので、時間がかかっても陸上の交通機関を使っていたのだが、それでは行ける場所が限られてしまうということで苦渋の決断だったようだ。

そこで麻生外相の件も含めて提案なのだが、航空自衛隊にはU-4という幹部輸送や指揮連絡に使われる多用途機がある。

首相の国内移動や外相・防衛相・財務相クラスの海外移動に、U-4を使えないものだろうか。

U-4の航続距離は6500Kmと、国内はもとより東南アジアあたりまでなら給油なしで直接飛んでいける。

自衛隊機だから盗聴の心配は無いし、通信機器を増設するなり機長の無線を使うなりすれば、いつでも首相・外相・防衛相と連絡がつく。

日本の航空会社が直行便を飛ばしていない場所へも直接飛んで行けるので、わざわざ外国の航空会社を使わなくても良くなるし、乗り換えなどの時間のロスもない。

格納庫で眠っているのなら、首相・外相がどんどん活用するべきではないだろうか。

日本では”ジャンボ信仰”が根強くて、こんな小さな飛行機は危険で信頼性に欠けるのではないか、と考える人も多いのではないかと思うが、世界的にみて政府専用機にボーイング747ジャンボジェットを使っているのは、日本とアメリカ、それに大金持ちの産油国ぐらいで、U-4のようなビジネスジェットぐらいの大きさの飛行機を政府専用機として使っている国は決して少なくない。

以前、日本の首相が東ティモールを訪問したときに、首都のディリ空港の滑走路が短すぎて政府専用機が離発着できず、やむなくインドネシア経由にしたということがあったが、U-4であれば短い滑走路でも離発着できる。

U-4で何か問題があれば、首相の国内移動や外相・防衛相の海外移動用、あるいは政府専用機の故障に備えたバックアップとして、747より小さいサイズで短い滑走路でも運用可能な機体を新たに購入するのも一つの案だ。

候補としては大きい順から、ボーイング737BBJエアバスACJボンバルディア・グローバルエキスプレスガルフストリームG550、あたりになるか。

最近では小型ジェット機の性能が上がってきていて、これらの航空機でも航続距離はジャンボとそれほど変わらないし、航続距離とトレードオフの関係になるが、ジャンボが入れない短い滑走路でも使える。

最大の問題が、財務省の主計官との戦いだが(笑)

航空自衛隊のU-4も使えず、新しい小型政府専用機も買えないという場合でも、首相はもちろん外相の移動にも外国の航空会社を使うようなことは避け、せめて日本の航空会社の飛行機をチャーターして欲しい。

外相の外国の航空会社利用もそうだし、イージス艦の機密漏洩疑惑の問題もそうだが、日本人は情報の価値というものが、頭では一応分かった振りはしても、イマイチ身に染みて理解していない気がする。

手間やお金をかけて情報を集めることにも、自分が持っている貴重な情報をやはり手間やお金をかけて守ることにも、どこかおざなりなところがあるように見えて仕方がない。

日本人は、形あるものの価値は理解できるが、そうでないものは理解できないとは思いたくないものだが。


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ノムヒョンの戦略転換と米韓FTA

  • 2007/04/10(火) 00:30:49

 いま韓国では米韓FTA(自由貿易協定)交渉がまとまったことが大きな話題となっている。

低迷していたノムヒョンの支持率が、これをきっかけに30%台まで急上昇するなど、国民の評価はかなり好意的なものだという。

韓国マスコミも手放しの喜びようで、「米韓FTAに日本ショック」(東亜日報)などと、日本をモノサシにしないと自分たちの行動の良し悪しを評価できないという、お決まりの対日コンプレックス丸出しの反応とともに、反米から親米に”豹変”したノムヒョンを奇跡だと賞賛しているそうだ。

参考記事 

 ノムヒョン政権は、2002年のサッカー・ワールドカップの熱狂も冷めやらぬなか、「韓民族は世界四強民族だ。アメリカや日本なぞ何するものぞ!」という自民族優越主義的ナショナリズムの後押しを受けて誕生した。

単なるサッカーの試合結果と政治・経済・軍事など実際の総合国力との区別がつかないというのは、我々日本人にとっては全く理解できないことだが、サッカーを戦争そのものとして考える強い傾向のある彼らにとっては、そんなことはケンチャナヨ(気にしない)だった。

ノムヒョンは、韓国における反米・反日ナショナリズムを追い風として「韓国は東北アジアのバランサー」と主張して、親北朝鮮・親中国寄りに外交の舵を切ったが、北朝鮮のミサイル実験・核実験によって太陽政策は頓挫し、中国からは東北工程・白頭山工程の強化という手痛いしっぺ返しをくらい、アメリカともスキマ風が吹いて、すっかり韓国は孤立した。

経済面でも、日本には引き離され中国からは猛追を受けるという「韓国サンドイッチ危機論」が巻き起こっていた。

 今回ガチガチの左翼主義者のノムヒョンが反米から親米へ”豹変”し、思い切った政治決断をしてまで米韓FTA交渉をまとめたのは、これまでの外交政策の失敗を取り戻すための切り札にしたいと考えたからではないかと思う。

だがそれは、親北・反日政策の転換を意味するものではなく、むしろ親北・反日政策を強化するために、経済のみならず外交・安保面でもアメリカの力を利用したいから便宜的に親米になってみせたということだろう。

親北・反日政策の軸は決してブレてはいないということだ。

韓国の貿易構造をおおざっぱに言えば、日本から精密部品や生産設備を、中東からエネルギーを輸入し、それらを韓国内で組み立て、その多くは中国へと輸出される。そして中国から稼いだ外貨を日本と中東諸国に支払う、というふうになっている。

韓国のIT製造業は素材や部品など中間財の国産化率が5大主力品目で36%にすぎない。韓国が誇りとするはずの三星電子であるが、三星半導体部門の製造装備国産化率に至ってはわずか17%である。

参考記事 

つまり韓国経済は、日本と中国に大きく依存しているということである。特に日本への依存度が大きいことは、反日原理主義者のノムヒョンにとって許せないことであったろう。

それが米韓FTAによって、部品や生産設備の輸入先が、日本からアメリカへシフトするかもしれないという分析が韓国内で出ている。

参考記事 

もちろん米韓FTAによって韓国製品をアメリカに売りこみ易くすることで、中国の追撃をかわしアメリカ市場で日本製品に差をつけるという効果も狙っているのだろう。

またFTA交渉で韓国がアメリカに要求していたことが、韓国が投資している北朝鮮の開城工業団地で生産された商品を韓国製として認めることだった。

北朝鮮の工業製品をFTAで有利となる韓国製としてアメリカに売りこむことで、アメリカの力を借りて北朝鮮経済の立て直しの第一歩としたいという思惑が見て取れる。

政治面においても、六カ国協議における米朝交渉が成功するよう、韓国は積極的にバックアップしてきた。

そして任期終了がせまったノムヒョンが最終的に目指しているのが、ピョンヤンでの南北首脳会談開催南北連合結成ではないかと思われる。

最近ノムヒョンは、ドイツの新聞に対し、「金正日総書記が会談を提案する場合、いつ、どこでも会う用意がある」と述べるとともに、南北統一問題については「韓国の統一政策における第1段階は南北連合で、欧州連合(EU)における国家間の関係程度と見ればよい」と述べた。

http://www.chosunonline.com/article/
20050408000032

アメリカに北朝鮮の体制保証やテロ国家指定解除・国交正常化をうながし、中国も巻き込みつつ、アメリカの力を利用して半島情勢を安定させる。

それによって南北首脳会談の開催にこぎつけて、そこで左翼独裁政権の北朝鮮と左翼リベラル政権の韓国がEUのようなゆるやかな国家連合を北の主導で結成する。

それをノムヒョン自身の手で成し遂げるというのが、ノムヒョン政権の巻き返し戦略の最終目標ではないだろうか。

北朝鮮と韓国の国家連合を、日本・中国・ロシアといった周辺大国の影響下から脱した国とするため、ノムヒョン政権のうちに基盤をつくってしまおうというわけである。

 そのノムヒョンにとって、障害となるのが日本人拉致問題である。

これがある限りアメリカのテロ国家指定解除・北朝鮮への体制保証と国交正常化が進まないとノムヒョンは見ているのではあるまいか。

そこで日本人拉致問題を相殺してしまうために、韓国側がアメリカで慰安婦決議騒動を盛り上げたと仮定すると、最近日・米・韓で起こっている出来事が一本の糸でつながり、スッキリと理解できるのではないだろうか。

慰安婦決議騒動の裏で、ノムヒョン政権の韓明淑・前首相と会ったことがある徐玉子が率いるワシントン慰安婦問題連合が実際に動いている。

さらに日本人拉致問題は、「歴史的に見て、韓国・朝鮮人は常に正義の神、日本人は常に悪魔」という韓民族ナショナリズム教のドグマ(教義)に傷をつけるものだった。

それを慰安婦問題で相殺して消してしまうことも大きな目的であるし、歴史問題で中国を引き込み日本と衝突させることで、統一朝鮮が漁夫の利を得るという狙いもあるだろう。

ノムヒョンはもちろんソン外相も、アメリカで慰安婦問題が持ちあがるとここぞとばかり日本を非難しているし、前述のドイツ紙とのインタビューにおいても、「日本の首相が靖国神社を参拝することは韓国はもちろん、中国にも『大きな侮辱』を加えるもの」とノムヒョンは述べて、中国を引き込もうとしている。

米韓FTAは、まだ両国とも国内での批准が済んでいないため、正式に発効するかわからないし、その経済・安保・外交における効果がノムヒョンの思惑通りにあらわれるかもわからない。

特にノムヒョンが、米朝”雪解け”と関係強化を後押ししたことで、これまで北朝鮮の後見人として多大なる援助をしてきた中国の逆鱗に触れる可能性がある。

中国は、首都中枢部にあまりにも近いという地政学的理由から、多額の援助を行ってまで北朝鮮を保護国としてきたのだが、米朝関係が良好なものになると中国の長年の努力が吹き飛んでしまうからである。

ともかく、便宜的に親米に豹変したノムヒョンの戦略転換について、今後もチェックしておく必要があろう。

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マスゴミの腐敗しきった捏造体質を許すな

  • 2007/04/07(土) 01:00:55

 関西テレビの番組・”あるある大辞典”の捏造事件を代表例として、マスコミの事実の歪曲・捏造が大問題となっているが、政府は、総務大臣が放送局に捏造事件再発を防止するための計画策定を要求し、それに意見を付けて公表することができる、新しい行政処分を導入することを含む放送法改定案を閣議決定した。

ただ実際の行政処分は、放送局自らが捏造の事実や社会への悪影響を認めた場合に限り、さらにNHKと民放で組織する”第三者機関”・放送倫理・番組向上機構(BPO)による再発防止策が機能している間は、発動しない方針だ。

参考記事 

しかし、そのBPOの理事長である飽戸弘・東洋英和女学院大学長は、閣議決定された放送法改定案に盛り込まれている、総務省による捏造防止策強化に反対する考えを明らかにした。
 
参考記事 

 政府が、最近多発しているマスコミによる事実歪曲・捏造事件に対して、再発防止策を強化しようとしている。

ところが、「報道・表現の自由」をたてに、それに反対する声が一部の学者・マスコミ関係者から上がっている。

実際のところ、マスコミの事実歪曲・捏造は本当にひどい。

”あるある”の納豆ダイエット捏造事件もひどいが、TBSが巨大掲示板”2ちゃんねる”そっくりの掲示板画像をデッチ上げたり、街頭インダビューに仕込みの人間を何度も使うなど、やらせ・デッチ上げにあふれている。

参考記事 

TBSの事実歪曲に関しては、石原東京都知事が「日韓併合を正当化しない」と発言したのを、「~正当化」のところで不自然に映像をカットした上で「日韓併合を正当化する」とテロップをつけて放送したり、アメリカのヘンリー・ハイド議員の「日本の首相が靖国神社に行くことに反対しない」という発言を「反対だ」と正反対の日本語訳をつけるなど、枚挙にいとまがない。

少し前にもテレビ朝日のニュースステーションが、埼玉県所沢市の野菜のダイオキシン濃度が高いと報道、しかし、テレビ朝日がダイオキシンの最高値として放送した数値は野菜ではなく乾燥した煎茶のもので、生野菜と比較できるものでは当然なく、煎茶として問題となるような数値でもなかった。

これによって同市の野菜に風評被害が発生し、所沢市や埼玉県が被害を受けた農家を対象に融資を行う予算を計上することになった。

(テレビ朝日側はそれでも風評被害があったとは認めていない)

以上見てきたように、マスコミによる事実歪曲・捏造というのは、政治・経済に多大な悪影響・損害を与えるのであって、たとえそれが故意でなかったとしても、一回謝罪しておけばそれでOKという問題ではない。

「故意じゃないから」ということで許されるのであれば、たとえば電車の運転士が故意じゃなかったけれども事故を起こしてしまい、それで多数の犠牲者が出ても、一回謝ればそれで許されるということになってしまう。 だったらこの世に警察はいらない。

いや、たとえ故意じゃなくても電車の事故が起これば、鬼の首をとったように「今、鉄道会社の安全意識が問われています!!」と報道するのはマスコミ自身であろう。

私は、思想・表現の自由を熱烈に擁護する者だが、だからといってマスコミに事実を歪曲・捏造する自由は無い。 自由には責任が常に伴うのである。

一部の学者やマスコミ関係者は、マスコミの事実歪曲・捏造事件が起こるたびに「報道・表現の自由」を振りかざして、事実を歪曲したマスコミ側をかばおうとする。

だが「報道・表現の自由」を取り違えた、極めて腐敗した者・甘ったれた者同士の傷のナメあいである。

わかりやすいように具体的に言うと、

太陽が東から昇ることについて、賛成だとか反対だとか、嬉しいとか悲しいと発表する権利はマスコミにあると思う。

それが「報道・表現の自由」だ。

だが「太陽は西から昇ることは事実です」と報道する自由はマスコミにはない。これは事実の歪曲であり捏造だ。決して許されることではない。

一定期間の電波停止などなんらかのペナルティを受けて当然であろう。

しかし、一部の学者やマスコミ関係者は「太陽が西から昇ることは事実です」と報道したマスコミが社会から非難されると、「報道・表現の自由」をたてに事実を歪曲・捏造したマスコミ側をかばおうとするのである。

特に学者などは「国家のやることはすべて悪であり、市民がやることはすべて善である」という、左翼思想の影響を強く受けていて、マスコミを監督する立場にある行政側が、事実を歪曲・捏造したマスコミに処分を下すのを、なんとかして防ごうとする。

もちろん、事実を歪曲・捏造したマスコミに対処するのは、政府側でもマスコミ側でもない本当の意味での中立機関が望ましいが、現在のBPOはNHKと民放が設立したもので、中立の第三者機関と言えるのか少々疑問である。

この件でも抜本的な改革が望まれる。

 事実を歪曲・捏造したマスコミには電波停止・発刊停止といった実効力のあるペナルティが絶対に必要だ。

たとえ故意で無かったとしても、政治家の発言を正反対に伝えるような悪質なものについては、数ヶ月間電波停止ぐらいの処分を下さなければ、腐敗と甘ったれ体質に染まったマスコミを改善することはできないだろう。

マスコミも事実を報道する気がないのであれば、

たとえば、ニュースや情報バラエティ番組が始まる前に、「これから報道する内容はフィクションであり、実際の人物・団体とは一切関係がありません」とテロップを入れれば良いのだ。

あるいは法改正して、たとえばマスコミに「当社は民主党・社民党・共産党を応援しており、中立・不偏不党ではありません。当社の報道はそうした方針に従ってバイアス(偏向)がかかっています」と断りを入れさせるのも良いだろう。

だったら私も文句は言わないが、それさえも嫌だというマスコミは、狭い日本にへばりついていないで、報道・表現の自由を求めて中国か北朝鮮へ行ったらどうだ?

TBSや朝日新聞なんかは思う存分、報道の自由・表現の自由を満喫できるだろう(爆笑)


------------------------------------

2007.12.24追記

せっかく安倍政権で、マスコミの「事実を歪曲・捏造する自由」に少し歯止めがかかったと思ったのに、安倍政権が倒れ福田政権が登場してから、マスコミの「歪曲・捏造する自由」がほぼ復活してしまった。

これでは日本が守れない。


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アメリカが別の顔を見せ始めた

  • 2007/04/05(木) 00:08:48

 先月30日アメリカ商務省は、中国が不当に安い価格で紙製品を輸出しているとして、報復関税をかけることを仮決定した。 今年の夏にも本決まりとなることが予想される。

中国のような市場経済国と認定されていない国に対する報復関税の発動は23年ぶりの方針転換となる。

参考記事 

これまでブッシュ共和党政権は、「中国はステークホルダー(利害共有者)」と連呼して、人民元の対ドルレート切り上げ拒否(あるいは、非常にゆっくりとした上昇による時間稼ぎ)による近隣窮乏化政策をとる中国に対し、通商問題で大変寛大であった。

しかし今回の決定は、それまでの対中通商政策を大転換させるものとして注目される。
 
 他方、日本も人事だと思って笑ってはいられない。

民主党のスタベノウ上院議員は、日本が円ドル相場を(円安に)操作してアメリカの自動車産業が被害をこうむったとして、日本のドル準備取り崩しによって円高誘導をめざす”対日為替操作是正法案”を28日に提出した。

参考記事 

日本が円安ドル高に誘導するためには、円でドルを買い支えねばならず、その結果としてドル準備がみるみる積み上がっていくことになるが、中国や韓国のドル準備増加とは反対に、最近の日本のドル準備は微減しており、それが日本は円ドル相場に介入していないという動かぬ証拠になっている。

よって日本が円ドル相場を操作しているなどというのは全くの間違いである。
ポールソン財務長官も日本のドル相場介入を否定していた。

最近の円安は円相場が市場原理、つまり金利の安い円を借りて高金利のユーロやドルで投資をしようとする世界的な動き、いわゆる円キャリートレードによって導かれたものである。(金利の低いスイスフランが安いのも同様)

しかも日本のドル準備のほとんどは、アメリカ財務省証券(アメリカの国債)という形でもっているのだから、市場原理で動いた円安を無理やり円高にするために、世界で一番アメリカ国債を保有しているはずの日本がドル準備を取り崩して円を買い戻したら、アメリカ国債の暴落と金利急上昇の引き金となってしまいかねない。

ただでさえ中国・イラン・ロシアといった反米国家が、ドルの基軸通貨としての地位からの転落を望んでチャンスをうかがっているのに、そのチャンスをアメリカ自身が提供することになってしまう。

この民主党のスタベノウという議員は正気なのか?それとも経済学が大の苦手なのか?

東アジアでドル相場を操作をしているのは、ドル準備が増えつづけている中国であり韓国だ。

日本はアメリカを安定的にファイナンスして助けてきたのであり、スタベノウ議員は攻撃する相手を完全に間違えている。

 同じ民主党のマイク・ホンダもそうだが、どうしてこうも民主党の議員は、感情最優先で行動するアマチュア政治家が多いのだろうか。

彼らはアメリカにとっての友人と敵の区別がまったくついていないようだ。

私がもしアメリカに生まれていても熱烈な愛国者になっていただろうと思うが、このアマチュア体質が直らない限り絶対に民主党には投票しないだろう。

 こうした、アメリカで”通商戦争”を始めようとする動きや慰安婦問題で日本をバッシングしようとする動きが出始めたのも、民主党が中間選挙で勝利し議会で多数派となったことが原因である。

ブッシュ共和党政権の基盤が安定し、共和党が議会で多数派であったころは、日米関係にこんなトラブルは起こっていなかった。

私は以前から、「アメリカは全く別の二つの顔を持つ国だ。共和党政権のときと民主党政権のときでは対日政策ががらりと変わってしまう」ということを口を酸っぱくして言って来たわけだが、民主党が中間選挙に勝ってブッシュ政権の力が弱まったことで、アメリカが別の顔を見せ始めているということである。

 だが、こうしたことを理解できていない人が日本には非常に多い。反米左翼日本人はともかく保守を自認している人でも。

ブッシュ共和党政権の基盤が比較的安定していて日米関係が非常に良好だった、つい最近でさえ、「アメリカ(=ブッシュ政権)は反日国家だ。 アメリカは日中を戦わせようと陰謀をたくらんでいる。(逆に「アメリカは日本を中国に売り渡そうとしている」というのも)アメリカ氏ね!!」なんてことを言っていた人間がどれだけいたことか。

民主党が議会で力を持ったことが原因で、同じ民主党のマイク・ホンダが慰安婦決議を通そうとし、NYタイムズやワシントンポストのような左翼リベラルマスコミが勢いづいて日本叩きを加速させたり、「日本が持つ米国債を売って円高に誘導しろ」などとワケのわからないことを言う民主党議員が出てきたことで、これまで私が言ってきたことがようやく理解してもらえるのではないかと思う。

 前回のクリントン民主党政権は、米中蜜月・対日バッシングであったが、今のところ、巨額の対米貿易黒字が原因の通商問題と人権問題があるので、アメリカ政界で民主党が強くなっても米中蜜月とはならない感じだ。

しかし、だからといって民主党が日本に好意的というわけでも無いようである。

そうしたことを頭に入れて、これからの対米外交を考えることが必要不可欠である。

最後にアメリカ側に注文をつけるとすれば、ブッシュ政権と共和党は、アメリカの友人と敵の区別がつかない民主党のアマチュア政治家から日本を守るべきだ。

それは日本のためだけではない。アメリカ自身の国益のためでもある。



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関連記事・親米か?反米か?

ガス田問題で日本が焦る必要は無い

  • 2007/04/02(月) 22:59:05

 現在、アメリカの慰安婦決議問題に注目が集まっているが、こちらの問題も重要なので取り上げておく。

中国の温家宝首相が今月11日に訪日するが、それを前にして東シナ海のガス田問題に関する日中協議が活発になってきた。

先月29日の局長級協議では、ガス田の共同開発にむけた技術専門家による話し合いを近々開くことで合意している。

参考記事 

 最近、ガス田問題について触れるチャンスがなかったが、ガス田問題と東シナ海のEEZ画定の交渉がデッドロックに乗り上げて1年以上経つが、その間の政府の姿勢にはまったく不満だ。

白樺などのガス田では実際に生産がはじまり、一部は中国沿岸部の都市へ供給されているという未確認報道もある。

それでも日本政府は「ボールは中国の手にある」と言って実力行使を含む対抗手段を何もとらなかった。

2007年度の対中円借款が中止になったという報道も聞かなかったし、日本が海底資源調査や試掘をしたという話もまったく聞かない。

つまり中国が好き放題やっているのを、みすみす指をくわえて見ている状況だった。

 政府は温首相訪日をチャンスとして、ガス田の日中共同開発を進めることで、この問題の打開を図ろうとしているように見える。

ガス田の日中共同開発について日本が絶対に崩してはいけない基本原則は、”日中ガス田交渉せまる!”の記事で述べた通りだが、

まず、共同開発はEEZの日中中間線にまたがって存在するガス田だけに限り、純粋に日本のEEZ内に存在するガス田については中国に指一本触れさせてはいけないということが一点。

これは日本にとって大幅な譲歩であり、これ以上の譲歩は認められない。

次に、日本のEEZにかかるガス田から既に中国に吸い取られてしまった天然ガスについては、きっちりと補償を受けることが二点目である。

この二点の原則が守られるためには、日中共同による当該海底ガス田のデータ収集とその検証作業が欠かせない。 

 安倍首相の訪中以後の政府は、日中は戦略的互恵関係にあると位置付けたが、これまでのところ日本が一方的に、中国に恵みを与えているだけのように思える。 

温首相率いる訪日団にはエネルギー関係者が多数参加する予定だが、のどから手が出るほど日本から省エネ技術が欲しい中国が、本来なら
”いけ好かない日本”との協力関係を切ることができない
という、切実なお家事情が透けて見える。

これに対して日本側は、政府主導で”日中エネルギー協力セミナー”や”エネルギー政策対話”を開催してやって、高度な省エネ技術を持つ日本企業の中国に対する技術協力を進めようとしている。

参考記事 

”サーチナ”なんかも盛んに、「中国での省エネビジネス参入は日本企業にとってビックチャンス」などとあおっているが、エネルギー効率の絶望的悪さは、中国の覇権主義・勢力圏拡張主義に制限を与えるブレーキである。

軍艦も戦闘機も戦車も油がなければ動かない。

戦争遂行のためにエネルギーを軍に優先的にまわせば、エネルギー効率がひどい中国の産業は大打撃を受ける。もちろん軍自体も長期にわたる戦闘維持が難しくなる。

ところが日本企業が持つ高度な省エネ技術を、数億とか数十億円といったハシタ金で中国側に売ってしまえばどうなるか?

「中国のエネルギー効率が良くなれば東シナ海の海底資源を独り占めするようなムチャなことはしなくなるだろう」なんて甘い幻想は捨てたほうが良い。

東シナ海のガス田だけでは、中国のエネルギー需要を満たす上でぜんぜん足りない。つまり中国が東シナ海で既成事実を作り上げている理由はエネルギーだけではないということである。

もし日本政府が省エネ技術を供与することにGOサインを出せば、中国企業が知的所有権なぞお構いなしに日本企業の省エネ技術をコピーしまくり、中国はもとより世界中に日本企業よりも安い値段をつけて売り歩くだろう。

もっと深刻なのは、エネルギー効率が良くなることで中国の覇権主義・勢力圏拡張主義へのブレーキが外れ、軍事的な冒険をする敷居がこれまでよりずっと低くなることだ。

尖閣を含む南西諸島は中国軍の脅威にさらされ、東シナ海は中国の海となるだろう。 もちろん台湾も危うくなる。

中国における省エネ技術ビジネスは、対中ODA終了後の目玉だと言う人間もいるらしいが、「自分さえ甘い蜜が吸えれば祖国日本がどうなったって良い」という政治家・官僚・企業家が対中ODAに群がったことが、日本の国益を大きく損なったのだ。

数億のハシタ金で安易に省エネ技術を中国に売り渡せば、その二の舞となるのは明白だ。

ハシタ金と日本の安全(人命・領土・財産)のどちらが大切なのか、よくよく考えてみるべきだ。

中国がガス田問題やEEZ画定問題で、相変わらず誠実さが見られない中で、日本が前のめりになって省エネ技術を与えようとしているのは、まったく賛成できない。

ぜんぜん戦略的互恵関係ではない。

省エネカードを切るにしても、ガス田・EEZ画定問題・靖国や歴史認識など日本への内政干渉問題などで、中国が問題行動を止め、日本側の懸念を払拭するような誠実な行動に出てから、少しづつカードを切っていくべきだろう。

また、アメリカで中国系の反日団体が”南京”や”慰安婦”で活発に動いているが、これについても日本側から「在米中国人団体の日本敵視行動は、日中関係にとって何らプラスにならないし、友好関係を醸成しようという現在の日中両国の雰囲気と逆行するものだ」と明言して、中国政府に注文をつけるべきだろう。

このことも、省エネ技術協力をすすめる上での指標とすべきだ。

竹島問題を抱える韓国や北方領土問題をかかえるロシアとの関係もそうだが、現在の政府は近隣諸国との外交で何か成果をあげようと、少し焦っているようにも見える。

政府・外務省には、日本の安全と国益(国民の人命・領土・財産の保護)を最優先にし、焦らず慌てず長期的視野にたって、どっしりと腰を据えて外交に取り組んで欲しい。


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