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再チャレンジの無い日本(その2)
- 2007/01/31(水) 23:39:04
前回のつづき
前回では、日本に存在する「失敗したら腹を切れ」という考え方と、そうしたタテマエの裏返しとしての「共同体メンバー全員のコンセンサスを重視する日本型意志決定システム」までお話した。
21世紀にはいって、世界におけるグローバリゼーションの流れはますます強くなり、日本人は好むと好まざるとにかかわらず、世界中をまきこんだメガ・コンペティション(大競争)に巻き込まれている。
そうした潮流を受けて企業を含む日本社会は、競争原理・成果主義を取り入れ、メガ・コンペティション時代を乗り切ろうとしているのは皆さんも良くご存知だろう。
格差ゼロをめざし競争原理が何一つ働かなった社会主義が大失敗したことを見れば、私は競争原理は日本にも必要だと思うし、それが進歩と発展を生み出すと考えている。
だが、日本人が競争原理のうわっつらだけ取り入れるのは非常に危険だと思う。
競争すれば当然のことながら、成功する者と失敗する者、勝者と敗者が誰の目から見てもハッキリと分かれる。
そんな競争原理に、日本にもともと存在している「失敗したら腹を切って死ね」という文化が融合すると、最低最悪の社会が誕生するのは間違い無いだろう。
つまり、何らかの失敗やアンラッキーな要因で一度競争に負けてしまうと、勝者から徹底的に叩かれ罰せられ、二度と敗者の立場から這い上がって名誉挽回するチャンスが与えられない、恐ろしい社会である。
前回で紹介した「フリーターやニートは、初めからろくでもない連中だから、政府が支援するなんてムダ」という一部の国民の投書から、こういう社会が誕生する危険な前兆を私は嗅ぎ取った気がしたのである。
「じゃあ日本人は競争原理を捨て、世界との競争を避けて日本列島に引きこもれるか」というと、そうもいかない。
それに「みんなのコンセンサスを重視する日本型意志決定システム」も、それはそれで良いところもあるのだろうが、現在の大競争時代には合わない部分が多い。
現在は時代の変化が速いから、組織がスピーディーにどんどん意志決定をしていく必要があるし、何か問題点がみつかったら、失敗の原因を速やかに発見し、対策を現場にフィードバックしていかなくてはならない。
だが、日本型意志決定システムだと、共同体のコンセンサスを成立させるのに時間がかかって、適切なタイミングで意志決定ができないおそれがある。
それに、みんなの意見を足しているから責任者が誰か不明確で、失敗の原因を究明しづらい。
例えば誰かが「あれが失敗したのはこれが原因だよね。」と指摘しても、失敗の原因と思われる人から「お前の意見だって取り入れたし、それに賛成したのもお前じゃないか」と言われれば何も言えなくなってしまい、誰も「腹を切りたくない」から失敗の原因究明がうやむやになる可能性がある。
コンセンサス社会というのは悪く言えば、身内どうしで責任のたらい回しと、失敗した時のかばい合い・傷のなめ合いをしているわけだから、そもそもスピーディーな決断や、責任者が誰で失敗した原因は何かを突きとめるのに向いていない。
最近話題になっている不二家やパロマは、どちらも同族経営という古い体質を引きずった企業だったと聞いたが、身内で傷をなめ合うような体質が存在していて、それが不祥事の原因になったのではないだろうか。
私は、今の日本が競争原理を捨ててしまうわけにはいかないと思う。
そこで競争原理の安全弁としての”再チャレンジが可能な社会”というのが重要になってくるのである。
たとえば競争原理のもとで勝ち残った、もっとも優秀な人がリーダーとなって決断をし、成功したときはそれに見合った報酬を受ける。
もしその決断が間違っていたのであれば、競争に負けた責任をとる。
だが、その人が仮に日本社会の一番下まで転落したとしても、再びたち上がってチャレンジするチャンスが与えられる。
意図的に何か悪さをしたとか、お金をもらうプロとして恥ずかしいイージーミスや取り返しのつかない重大な過失を犯したとかは別の話だが、
何かにチャンレンジして失敗したとしても、その失敗が全力を尽くした結果であり自分で責任を取るならば、「失敗したなら腹を切って死ね」と叩くのではなくて、むしろ困難な分野に果敢にチャレンジしたことを評価し、再びチャレンジすることを応援するような、そんな日本社会をつくる必要があるのではないか。
ともかく、うわっつらだけ取り入れた競争原理と「失敗したら腹を切れ」という日本文化が融合すると、恐ろしい社会になってしまうだろう。
競争原理を取り入れるなら、”再チャレンジ可能”も必ず一緒に取り入れなければならないと思う。
<了>
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再チャレンジの無い日本
- 2007/01/30(火) 23:57:00
安倍政権がかかげる政策の目玉に”再チャレンジ支援”というのがある。
その政策に従って、事業に失敗した企業家や失業者、フリーター・ニートが再びチャレンジするのを、安倍政権が手助けしようとしている。
そうした”再チャレンジ”について、昨年秋か冬ごろの産経新聞投書欄に、こんな意見が載っていた。
要約すると、「フリーターやニートは、はじめっから家庭を持ったり子供をつくったりする気の無い人たちだから、政府が支援するなんてムダ」というものだった。
たぶん日本人にはこういう考えの人が多いんじゃないかと思うが、日本人がまさにこういう考え方をしがちだからこそ、政府がいちいち「再チャレンジのできる社会を!」と大号令をかけなければいけないのだろう。
バブルの崩壊とその後の「失われた十年」で日本経済が超低迷期に入ると、企業は従業員のクビ切りや新規採用を中止することで、それを乗り切ろうとした。
このために失業者が大量に発生し、学校を卒業して正社員になれなかった人はパートタイマー(フリーター)にならざるを得なかった。
はじめから「何もしたくない」といって一日中ブラブラし、物質的・知的価値を何も生み出さない人は別としても、
フリーターの中には不本意ながらそういう境遇に追い込まれてしまった人も多いはずであるし、「なんとしても働きたい、社会に参加したい」という失業者・ニートも大勢いるはずである。
当初はなんとなくフリーターになった人、あるいはフリーターにならざるを得なかった人の中には後になって「家族が欲しい、そのために所得を上げたい」と考えるようになった人も当然いるだろう。
しかし、いざなぎ越えの好景気とは言うものの企業は人件費を絞ったままで、派遣・パートタイマー・アルバイターの正社員化はあまり進んでいない。
結果、所得が少ないから家族がつくれない、子供を持てないということになってしまう。
さらに前述の日本社会に存在する偏見、「フリーターやニートは、はじめっから家庭を持ったり子供をつくったりする気の無い人たちだから、政府が支援するなんてムダ」が追い討ちをかける。
「正社員になることに失敗した人間は、家族をつくるつもりもないような、ろくでも無いやつらばかり」と決め付けて、「失敗者は腹切って死ね」と言うのである。
関西のある大学の就職課が、正社員になることに失敗して一度でもパートタイマーになってしまったら、まるで人生が終わりであるかのように学生に吹き込んで、話題になったこともあった。
だからこそ政府が”再チャレンジ支援”を政策としてかかげ、そうした偏見を吹き払うことが重要であるわけだ。
仮にフリーターを経済競争の”失敗者”あるいは”敗者”とすると、所得が少ないということで充分過ぎる”罰”を受けていると思うのだが、どうして日本にはそれ以上に”失敗者”を叩き、罰を与えようとする人たちがいるのだろうか。
もしかしたら日本古来から存在する穢れ(けがれ)の思想と関係があるのかもしれない。
失敗した者・敗者は穢れた人間であり、所属する共同体全体を穢れさせるおそれのある悪い人間だから、失敗したというだけで罰を受ける理由がある、
そして共同体全体が穢れてしまうことを防ぐために失敗者はそこから追放されねばならず、だから「腹を切って死ね」という考え方である。
腹を切って死ぬわけだから、生きて失敗を取り返し名誉挽回するチャンスは当然ゼロだ。
もちろん何か失敗するたびに腹を切っていたんでは、日本から人っ子一人いなくなってしまうので、「失敗したら腹を切って死ぬ」というタテマエの裏側に、責任をうまく回避するシステムが出来る。
それが、参加者みんなの意見を足して参加人数で割ったものをコンセンサスとして共同体全体の意志とし、責任の所在をうやむやにする、日本型意志決定システムではないだろうか。
これだと、失敗したときの責任が自分だけに降りかかるのを避けつつ、かといって他人の意見がまるまる共同体全体の意志となるのを防げるので、「失敗=腹切り」を恐れる日本人にとって非常に好都合である。
こういう文化から、自己主張をするのが苦手で、周りの意見を異常に気にして自分だけ突出した意見を言わないように注意し、自分は責任をとりたくないくせに、トップダウンで共同体をぐいぐい引っ張っていくようなタイプのリーダーは毛嫌いして、「出る杭は徹底的に叩きのめす」という、ステレオタイプの日本人が出来上がったのではないだろうか、と考える。
産経新聞で紹介されていたが、海外のジョークにこんなのがあるそうだ。
「レストランに入って料理を注文し、出てきた料理にハエが入っていた。
中国人は問題なく食べる。ロシア人はウオッカで酔っ払っているので気づかずに食べる。アメリカ人は弁護士を呼んで訴える。 イギリス人は皮肉を言って店を出る。
日本人は、まわりのテーブルを見回し、自分の皿だけにハエが入っているのを確認してボーイを呼ぶ。」
外国人から日本人がどう見えているかの参考になる。
最後に韓国人の場合、
日本人のせいだと叫び、日の丸を焼いて謝罪を要求する。
つづく
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中国が日本の新幹線技術を所有?
- 2007/01/29(月) 22:59:02
JR東日本の新幹線技術を供与してつくられた高速鉄道車両が、きのう中国で営業運転をはじめた。
営業区間は上海-杭州間・上海-南京間だが、中国の各メディアは一斉に”国産ブランド新幹線”と報道し、新華社は「中国が知的財産権を所有」とさえ言っているという。
参考記事
中国国営・新華社通信が言っている、JR東日本の新幹線技術を供与してつくられた中国版新幹線の知的財産権を中国側が所有しているというのは、いったいどういう意味なのだろうか。
報道が事実ならば、「あ~あ、やっちゃったな」と思わずにはいられない。
これで思い出すのが、三菱自動車と現代自動車との関係だ。
三菱は現代自動車に、車の造り方を手取り足取り教えてやった。
現代の高級車・グレンジャーは、三菱デボネアのまるっきりのコピーだったし、目に見えないところの部品、たとえばオートマチックトランスミッションの技術さえ供与した。
その結果どうなったかと言えば、いま世界の自動車市場における現代の存在感に比べると、三菱の影響力はほとんど無いに等しい。
”ランエボ”に代表される、過去の栄光の歴史が泣いている。
三菱の経営陣は、いったいどういう戦略を持って、現代自動車に自社の技術を供与することを決定したのだろうか。
ライセンス料金の支払いといった、はした金をもらえればそれで良いと考えたのだろうか?
それでわざわざ自分のライバルを育て、そのライバルに世界シェアで追い抜かれて、三菱の自動車部門はボロボロ・「貧すれば窮す」なのだから世話無い。
いま韓国で「現代を育てたのは日本の三菱」という事実を知っている人はほとんどいないだろうし、だから韓国側が日本に多大なる感謝の意を表明したという話も寡聞にして知らない。
中国の昔ばなしに”朝三暮四”というのがある。
ある人が猿に向かって「今日から朝ごはんは木の実3個、夕ごはんを木の実4個とする」と言うと、猿たちは怒ってキーキー言い始めた。
そこでその人は「じゃあ、朝ごはんは木の実4個、夕ごはんを木の実3個としよう」と言うと、猿たちはひれ伏して大喜びしたという。
こういう目先の”利益”につられて長い目で見たトータルの利益の計算ができない人を、前述のバカなお猿さんに例えて”朝三暮四”というわけだが、日本人にも少なからずこうした人たちが存在する。
話を新幹線に戻せば、JR東海は中国への技術供与に慎重だったのだが、JR東日本は、広大な中国鉄道市場に日本の新幹線技術を売ることで「日本の新幹線を世界のデファクト・スタンダードにする」と息巻いて、異様な入れ込みようだったと記憶している。
しかし、本当にJR東日本の思惑どおりになるだろうか。
中国政府だって、みすみす自国市場を日本を含む外国企業に食われるのを、黙って見過ごすつもりはないだろう。
「広大な市場」というエサにつられて中国に売りこみに来た外国企業に対し、中国側企業への資金・技術提供といった”合弁”を受け入れた者に優先して、国内市場への参加を認めてきた。
そこに隠された戦略は、ある程度の自国市場をエサに、外資から導入した先進技術で中国企業を育て、中国企業が国際競争力をつけた時点で「外資は用済み」、あとは自国市場でも世界市場でも低コストを武器に中国企業は戦えるというものである。
しかも、中国は知的所有権侵害で世界から非難されている。
ロシアも、合法・非合法に軍事技術を中国にコピーされ、トカレフ拳銃やカラシニコフ自動小銃からT-54戦車・ミグ戦闘機まで、世界の兵器市場でありとあらゆるロシア製兵器の中国製コピーに、シェアを食い荒らされている。
それでようやく学習したロシアは、スホーイ27戦闘機のライセンス生産は認めたが、中国がライセンス生産したその戦闘機を海外に販売するのは禁じた。
日本も中国に新幹線を売るなら、日本で組み立てた完成品を中国に輸出するか、核心技術をブラックボックス化して、中国が新幹線を生産するたびにライセンス料を支払わせるようにし、なおかつ中国が日本の技術で製造した新幹線を海外で販売するのを禁じるといった策を講じる必要がある。
でないと世界の新幹線のデファクトスタンダードは日本の新幹線ではなくて、ゆくゆくは日本の新幹線をコピーした安価な中国製のバッタものになりはしないだろうか?
中国側が「中国版新幹線は国産で、知的財産権を所有している」と言っているのは、国内の反日勢力の目をごまかすためでは無い。
韓国の現代自動車の前例が示すように、儒教文明に属し中華思想を持つ中国人・韓国人は「本来、自分たちより劣等な日本人から教えてもらったなんて認めたくないし、口が裂けても『ありがとう』なんて言えない」と考えがちだ。
中国側が日本から新幹線技術を導入したことを隠し「国産だ」と言っている理由は、むしろこっちだろう。
そういう心理が、いつのまにか日本の技術を違法にコピーすることを正当化していく。
日本は、価格では競争力が無いので技術力で勝負していくしかない。
その技術を戦略的に守るという意識がまったく薄いのはどういうわけだろうか。
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関連記事・中国の国家戦略
関連記事・21世紀日本の国家戦略
関連記事・中国対EUの貿易戦争から見る民主主義の重要性
民主党と北朝鮮にはカネのつながりがあるのか?
- 2007/01/26(金) 22:06:01
民主党の角田義一・参議院副議長は今日26日、2500万円以上の政治献金を政治資金収支報告書に記載していなかった問題の責任をとって、副議長を辞任することを表明した。
参考記事
しどろもどろの返答を繰り返しながらも辞任をしぶっていた角田参議院副議長が「辞める」と言ったのだから、政治献金を政治資金収支報告書に記載していなかったのは不正行為であり、やましい事に自分も間接的ながら関与していたということを認めたということだろう。
でなければ、そもそも副議長職を辞任する必要が無い。
日本には、「世間をお騒がせしたから」などとわけのわからないことを言って辞職する人もいるが、そのような言い訳は通用しない。
そして、副議長を辞めれば問題は全て解決ということにもならない。
毎日新聞は、角田議員の当時の会計担当者への取材に加え、寄付金を記した裏帳簿を入手したと言っているが、その内容に基づく疑惑について、角田議員側に説明責任がある。
これまで、「資料を保存していない」「記憶に無い」で通してきたが、それで許されるものではない。角田議員側の関係者も何一つ明確な返答をしていないのである。
毎日新聞が入手したという裏帳簿をくつがえすだけの証拠を提示できないのであれば、もっと深刻なスキャンダルに発展しよう。
参考記事
この事件のもっとも重要なポイントは、「政治献金を政治資金収支報告書に記載していなかった」なんてことではない。
朝鮮総連系の”在日本朝鮮群馬県商工会”から50万円の献金を受けた記録が裏帳簿にあったことであり、これは政治資金規正法に違反する重大な犯罪である。
参考記事
角田議員はもともと旧社会党(現・社民党)出身であり、社会党は北朝鮮の独裁政党・朝鮮労働党と友党関係にあった。
横田めぐみさんら日本人拉致被害者の皆さんが、北朝鮮で生爪をはがされるような痛み・苦しみを負っていた、まさに同じ時・同じ場所で、
社会党の連中はピョンヤンの金日成スタジアムでマスゲームを見ながら、金日成・金正日ら北朝鮮の独裁者たちと歓談し、美味いメシをたらふく食ってきたという、日本国民に対し手ひどい裏切り行為を働いてきた前科を持つ。
社会党から民主党へとカンバンを付け替えてもなお、角田議員が北朝鮮から献金を受けていたとすれば、国民に対する恥知らずな二重三重の裏切り行為である。
「カネをもらえば当然、カネを出した方の利害を代弁しているのだろう」と疑われるのは自然なことだ。
北朝鮮は、これまで日本にさんざん損害を与え、今では核武装して世界に脅威を与えている。
角田議員は日本国民でありながら、カネをもらって日本の政界で北朝鮮の利害を代弁していたのだとすれば、万死に値する反逆行為である。
これは角田議員個人にとどまる問題ではない。 民主党も知らなかったで済む問題ではないのである。
民主党は、在日朝鮮人を含む外国人への参政権授与に積極的に賛成している。
日本の国家主権を中国など外国へ渡すべきだという馬鹿げた政策もかかげていた。 外国との主権の共有などといった言葉で”美化”したとしても、実体はそういうことだ。
角田議員の疑惑をふまえれば、民主党が外国人への参政権授与に積極的に賛成しているのは、結局のところ北朝鮮からカネをもらい、その見返りとして、北朝鮮国籍の人たちが自分たちの利害を外国である日本において主張し、その政策に反映できるようにするという、本来なら許されるはずのないことを可能にしようとするような、ドス黒い動機があるからではないのかと疑われても当然である。
もしそうなら日本を揺るがす大スキャンダルだ。
民主党は、身の潔白を証明したいのであれば国会などの場で、国民に対して説明責任を果たさなければならない。
いつものような逃げは許されない。
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関連記事・外敵を引き入れることで内政に勝とうとする者は愚の骨頂である
関連記事・民主党に日本の将来を任せることは出来ない
イラン、核実験を準備か
- 2007/01/25(木) 18:58:45
イギリス紙のデーリー・テレグラフは、「イランが北朝鮮から協力を受けて地下核実験を準備している」と欧州国防筋の話を引用して報じた。
同筋によれば、北朝鮮は昨年10月に行われた核実験のデータをイラン側に提供、年内にもイランが核実験を強行する可能性があるという。
参考記事
以前から、北朝鮮が弾道ミサイル拡散の大元のひとつであったことは知られていた。
北朝鮮のノドン弾道ミサイルの技術がパキスタンに売却され、”ガウリ”弾道ミサイルとなり、イランに売却されて”シャハブ”弾道ミサイルとなったのは公然の秘密だ。
それと同じ大量破壊兵器拡散ルートを通じて、今度は原子爆弾の技術が北朝鮮からイランへ流れたということになる。
イランは、ヒズボラやハマスなどイスラム原理主義過激派と関係が深く、そのすべてがイスラエルと敵対している。
デーリー・テレグラフの報道が事実であるならば、戦略上の重大な過ちを犯し、北朝鮮は絶対に超えてはいけない一線を超えてしまったと言える。
北朝鮮の愚かな行為によって、アメリカもしくはイスラエルが、”外科手術”に出る可能性が高まってしまった。
もっとも、外科手術の対象となる”患者”は、さしあたって北朝鮮ではないだろう。 イスラエルと中東産油国そして欧州に近いほうの国の方がより緊迫した問題だからだ。
アメリカは、マカオのBDAの北朝鮮口座のうち、合法なものに限って凍結解除を検討していると伝えられており、米朝間は一時休戦の構えのようにも見える。
確証は無いし、そのオペを執刀する”医師”が誰かもわからないが、どうも最近”外科手術”を行おうとする何か見えないパワーのようなものを感じる。 思い過ごしであれば良いのだが。
23日のブッシュ大統領による一般教書演説で、「中東支配の意図を固めるシーア派過激派」の脅威を強調し、「その多くがイラン政権に指図されていることがわかっている」と指摘した。
参考記事
アメリカは以前から、イランによる地下核実験の兆候をつかんでいたのだろうか。
一般教書演説では、「石油依存によって、敵対体制やテロリストに対しアメリカはもろくなっている」として、バイオエタノール等の利用を増やして脱石油化をすすめるとともに、原油の戦略備蓄を増やすよう訴えている。
米エネルギー省がSPR(戦略石油備蓄)を積み増すと発表したことを受け、23日のニューヨーク原油先物市場は、1バレル=55ドル台まで急騰した。
これに関連して言えば、最近の原油相場は2005年当初の水準である1バレル=50ドル前後で推移していた。
昨年1バレル=80ドルに達する勢いだった原油相場がここまで下落したのは大消費地のアメリカ東部がこれまで暖冬傾向にあったこともあるが、世界最大の産油国のひとつであるサウジアラビアが減産に消極的だったことも、原因にあげられると思う。
参考記事
原油が安ければ備蓄をやりやすいのはもちろん、産油国への外科手術に対するショックもいくぶんかやわらぐ。
国内に少数派のシーア派住民をかかえるサウジはスンニ派の雄として、シーア派の総本山ともいうべきイランとはライバル関係にある。
アメリカ中間選挙で米軍撤退を求める民主党が勝利した後、サウジ政府は「アメリカがイラクから撤退するなら、サウジはイラクのスンニ派を支援する」とまで言った。
イラクでスンニ派のフセイン政権が消滅し、強硬なシーア派のサドル・グループをかかえるマリキ政権が誕生したことで、シーア派との最前線が、イラク・イラン国境からサウジ・イラク国境まで近づいてしまったという切実な悩みがサウジにはある。
サウジは、イランを牽制するためにアメリカと協力することが国益にかなう。
イランやロシア・中国などが、米ドルの基軸通貨としての地位に動揺を与えるため、原油売買の決済や外貨準備にドルを使うのやめ、ユーロなどに変更する動きを見せている。
そんななか湾岸産油国のUAE政府が、自国通貨・ディルハムのドルペッグを見直すと発表したが、サウジはサウジ・リヤルのドルペッグを変更する計画は無いと、米ドルの信用維持のため援護射撃を行っている。
参考記事
イスラエルも新参謀総長にアシュケナージ氏を据え、体勢のたてなおしを図っている。
このように世界のニュースをざっと拾っただけでも、見えざる手によるオペへの圧力を感じてしまう。ほんとうに単なる思い過ごしなら良いのだが。
万が一オペが実施された場合、核兵器関連施設の破壊だけでとどまるのか、それとも体制そのものをひっくり返すのか、そのどちらにしても大変なことになりそうだ。
前者ならテロが激化するだろうし、後者なら対処の仕方が悪いとイラクのようになってしまう。 イランも、ペルシャ人・アゼリ人・クルド人・アルメニア人・アラブ人・バルチ人・トルクメン人等からなる多民族国家だからだ。
イランも核実験強行のような愚かなことは止めてほしい。
「イランには原子力の平和利用の権利がある」と言っていたはずだが、世界をだましていたのか。
もし第一のオペがあれば、絶対に超えてはならない一線を超えてしまった北朝鮮も、中東への核兵器拡散の元凶であるだけにタダでは済むまい。
「核兵器さえ保有すればアメリカは自分たちに何も出来ない。だから何をしたってかまわない」というのは、北朝鮮の単なる自己満足による勝手な思い込みだと思うが。
その北朝鮮をこれまでさんざん甘やかしてきたのは独裁国家・中国である、ということも付け加えておく。
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2007.9.30追記
”外科手術”は、このニュースから半年以上たって、実際に行われた。
執刀医は、アメリカでなくイスラエル、患者はイランではなくシリアだったが。
しかし、イランとシリアの大量破壊兵器開発の背後には、明らかに北朝鮮がひかえている。
さて、ブッシュ政権はどうするのか?
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関連記事・”誤爆”とその後始末(その1)
関連記事・”誤爆”とその後始末(その2)
関連記事・イスラエルの生存を脅かす中国
中国対EUの貿易戦争から見る民主主義の重要性
- 2007/01/24(水) 00:09:35
中国で欧州ブランド品叩きが激化している。
浙江省当局によって、ルイ・ヴィトンなどの革靴製品が品質不合格として焼却処分されたのに続いて、今度は上海市当局がシャネルやバーバリーなどの製品が基準を満たしていないとして店頭からの撤去を求めている。
中国は国産品保護をにらんで、欧州ブランド品の品質チェックを厳格にしているという。
参考記事
これは、昨年決定されたEUによる対中国製皮革製品へのアンチ・ダンピング課税に対する報復であろう。
中国は自分たちの失敗や不正を外国に指摘されると「面子をつぶされた」ことに腹を立て、逆ギレして仕返しをするという、非常に子供じみたことをしばしばやってのける。
中国の外交テクニックの一つに”道義の優位性”というのがある。
それは、「中国はいつも正しいのであって、悪い外国は正義の中国に対して反省し譲歩しなければならない」という心情を相手に植え付けて、外交を有利に進めるというやり方である。
しかし中国側に落ち度があれば、道義の優位性が失われるので、それを防ぐために相手のあら探しをして、見つけた”あら”を派手に宣伝して相手をやっつけるのである。
そうすれば”道義の優位性”を取り戻せるという、中国なりのロジックである。
数年前、中国産キムチから寄生虫を発見したと韓国当局が発表したら、すぐさま中国も韓国産キムチからも寄生虫が発見されたと発表して”報復”したことがあったし、
昨年、日本で中国産の野菜や魚介類から基準値を越える有害物質が発見されて輸入が減少したとたん、日本で製造された化粧品”SKⅡ”から
”有害物質”が発見されたと中国各地で大騒ぎになって販売を中止させられたという事件があった。
もっともSKⅡの”有害物質”というのは、中国以外の国の検査では発見されなかったし、中国国内で販売されている他の化粧品に普通に含まれている成分だったから、中国の露骨な仕返しであるのは明白だ。
SKⅡのメーカーであるマックスファクターは日本企業ではないが、本来は日本を狙ったであろう中国側の”誤爆”をくらって、とんだとばっちりを受けたと言える。
さらに時代をさかのぼれば、文化大革命期の1967年、中国の市民と紅衛兵が北京のイギリス大使館を襲撃し、イギリスの外交官が外に引きづり出されて、殴るけるの暴行を受けるという非文明的野蛮行為があった。 (このころフランス・オランダ大使館も襲われた)
それからしばらくして、ロンドンのポートランド街にある中国大使館を謎の東洋人グループが襲撃して、イギリス警官と格闘戦になるという奇怪な事件が起こっている。
もちろんこの”中国大使館襲撃事件”は、国際条約に違反してイギリス大使館を襲撃したことで道義の優位性を失った中国側が、自らの失策をチャラにするための自作自演であったと、イギリス外務省の実質的な対中外交責任者だったパーシー・クラドックは言っている。
このように中国には、企業や投資家がビジネスをする上で、他の先進資本主義国では考えられないようなリスクが存在する。
中国側の気まぐれや”意趣返し”によって、ビジネスのルールが急に変更され、マックスファクターやルイ・ヴィトン、シャネルやバーバリーのように、外資系企業が思わぬ損害をこうむったり資産を失ったりしてしまう。
ロシアにおいても政権の意向が変われば、たとえ権勢を誇る政商(オリガルヒ)と言えども不正を働いたと糾弾され、身ぐるみはがされてシベリアの刑務所送りになったり、国外追放されたりする。
ホドルコフスキー氏やベレゾフスキー氏といったユダヤ系オリガルヒが代表例であるし、有名なアブラモビッチ氏も危険を察知して既に活動拠点をロシア以外に移していると聞く。
以上見てきたように、民主主義や法治主義が無いところでは安心してビジネスをすることが出来ない。
これについて思うのは、
それでも世界の投資家・企業家(とくにウォール街あたりの人達)の中には、
「金が儲かるなら国境は関係無い。 愛国心とか民主主義なんか1セントの得にもならないし、自分のビジネスのためなら独裁国家・中国が、日本のようなアジアの民主国家をいくつか飲み込んだとしても知ったことじゃない」と考える人達がいるのではないかという懸念だ。
しかし、それは資本主義の原点を忘れているのではないかと思う。
中世ヨーロッパにおいて、農民のようにそれまで絶対君主の私物でしかなかった商人や職人が、「絶対君主から自由になろう」と考えたところから資本主義は出発したのではないかと私は考えている。
絶対君主が気まぐれで戦争をはじめ、外国の軍隊が攻めてきて商人が住む町がメチャメチャに破壊され、あげくの果てに「戦争にカネがかかったから商人や職人への税金を倍にする」なんて君主から命じられたら、商人・職人は安心してビジネスができない。
幸い、貨幣経済の浸透で何かと物入りになった絶対君主は、経済力のある商人から多額の借金をしたりして、立場が弱くなっていった。
そこで有力な商人・職人たちはギルド(組合)を結成して、絶対君主の借金をチャラにしてあげたりして、自分たちが住む町の自治権を買い取った。
こうして中世ヨーロッパにおいて、商人・職人のギルドがビジネスの諸権利や貨幣鋳造権を握る、自治都市・自由都市というのが生まれてくる。
"Stadtluft macht frei"「都市の空気は自由にする」という言葉が生まれたように、ここから市民による自由民主主義・資本主義が生まれていったのではないだろうか。
ちなみに資本家という意味の"Bourgeois"(ブルジョワ)という言葉は、Burg(城壁)の中の人= Burgerが語源だそうだ。(Burgerのuはウムラウトつき。中世都市はたいてい城壁で囲まれている)
日本の戦国期においても堺や博多のように、商人による自治都市が誕生している。
そして西欧人と日本人だけが、20世紀のはじめまでに資本主義国家をつくりあげることが出来たのは、こうした理由から歴史の必然だと思う。
本来、資本主義は自由民主主義と相性が良く、独裁主義とは矛盾するところを持っている。
現在の投資家や企業家が一応安心して中国やロシアでビジネスが出来るのも、日本やアメリカといった自由と法治主義が高度に進んだ民主国家が存在しているからであって、
もし独裁国家の中国が日本を飲み込み、手のつけられなくなった中・露がアメリカを打倒して世界覇権を握ったらどうなるか?
独裁者の気まぐれ一つで全財産を没収されるような、世界のどこにも安心して自分の資産を置いておける場所がなくなってしまうのではないだろうか。
そうなったら、「金が儲かるなら国境は関係無い。 愛国心とか民主主義なんか1セントの得にもならない」なんてことは言っていられなくなると思うがどうだろうか。
企業家・投資家など経済界のトップも自分のビジネスばかりでなく、少しは天下国家のことを考えてほしいと思う。
(今日は、ちょっとアカデミックな内容でした)
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関連記事・日本・アジアで稀有な高信頼社会
韓国、大統領がクレージーなら外相も...
- 2007/01/22(月) 23:20:24
先日アップした、”ノムヒョン・ダウン、日本の各個撃破戦略に沈む!”の続報である。
日・中・韓の三カ国首脳会談において、拉致問題を共同声明にもりこむことを何としても阻止したいノムヒョンが、日本側の各個撃破戦略によって見事に”沈められた”のは既報のとおりだ。
だが、ノムヒョンに同行していたソン・ミンスン(宋旻淳)外交通商相が、とんでもなくクレージーな発言を公式の場でしていたことが発覚した。
19日の読売新聞によれば、今月12日に開かれたAPECでの日中韓外相会談の場で、韓国のソン外相が「拉致された日本人は10人余りにすぎない。韓国には数百人がいるが、何も言わない」などと主張、拉致問題を公式声明にもりこもうとする日本に反対の意向を表明した。
このことが19日づけ読売で報道されると、恥の上塗りとでも言うほかないが、韓国政府は驚愕の行動に出た。
昨日韓国政府が外交ルートを通じて、
「ソン外相の発言が歪曲された」
「日本のメディアが非公開会合で話し合われた内容を流した」
「こうしたことが両国の建設的な対話を難しくし関係発展にもマイナス影響を及ぼすことになるから、日本政府が再発防止に向けた措置を取れ」
と日本政府に遺憾の意を表明して抗議してきたのだ。
参考記事 (読売の元記事はネットソースなし)
宋旻淳のクレージー発言、さらに読売が報道した後の”火病抗議”とツッコミどころ満載だが、まず宋旻淳のクレージー発言から。
「発言を歪曲された」もなにも、どこをどうとっても「韓国は自国民を数百人、北朝鮮に拉致されてガマンしているのだから、たかだか10数人拉致されただけの日本は北朝鮮にギャーギャー言うな、黙ってろ!」としか受け取れない。
これを例えるなら「自分(韓国)は兄貴(北朝鮮)に100万円盗まれたがガマンして黙っている。 お前(日本)は兄貴に50万盗まれただけだから、警察に通報せず黙っていろ!」ということだ。
どう考えても、犯罪者をかばっているだけだろうが。
たとえ北朝鮮に拉致された人がたった1人だったとしても、北朝鮮による日本人拉致が極悪非道なテロ行為であって、その罪が消えて無くなるわけではないことは、明々白々だ。
それを公式の場で、韓国の外相が堂々と北朝鮮のテロ行為をかばうとは万死に値する。
この発言で思い出したが、以前放送されていた「ここがヘンだよ日本人」という番組で、アフリカ各国の参加者が「我々アフリカ諸国は韓国よりも長く、数百年間もヨーロッパに植民地とされ、とても悲惨な歴史を味わった。だがヨーロッパを許す。 しかし(36年支配された)韓国が未だに日本を許していないのは少しおかしい」といった趣旨の発言をしていた。
するとある韓国人女性が「植民地だった期間がアフリカより短いからといって韓国が悲惨な歴史を味わったことに変わりはない。アフリカ人にそんなことを言われたくない」といったような内容の反論をしていた。
宋旻淳は自分の発言と、この韓国人女性の発言のつじつまが合わないことをどう考えるのか?
公式の場で北朝鮮のテロ行為を正当化するなど、絶対に許せない。
韓国は、何かあるとすぐに日本の閣僚の辞任を求めるのだから、その慣例にしたがって宋旻淳は辞職すべきだろう。
さらに「日本のメディアが非公開会合で話し合われた内容を流した」という抗議も笑わせる。
これまでの日韓外交で、韓国の政治家・官僚こそ日本をさんざん裏切り、日本側が「オフレコにしてくれ」と断った発言をマスコミにリークして、交渉を自分たちの有利なようにしようとしてきたのではないか。
まさに「お前が言うな」だ。
一例をあげれば、日韓国交回復交渉において、韓国側が「韓国の請求権は認められなければならないが、日本側の請求権は認められない」という全くムチャクチャな、ダブルスタンダードの要求をし、さらに「植民地支配を受けた36年間の賠償もしろ」と主張した。
これにはさすがに我慢の限界にきたのか、日本側の久保田貫一郎主席代表が、今から述べることはオフレコの発言であると断った上で、「日韓併合は負の側面ばかりではなく日本は朝鮮半島の工業・農業基盤を整備し、日本は年間二千万円も朝鮮半島に持ち出した時もあった。それならば日本もそれらの請求権の行使を要求する。」と主張した。
これを韓国側がマスコミに意図的にリークして大騒ぎさせておいて、久保田主席代表を窮地に落とし入れようとするなど、非常に汚い手を使った。
そういう汚い手を使う伝統を持つ韓国政府に、抗議する資格なんかない。
関連記事・日韓国交正常化交渉の裏側(その1)
しかも「日本政府が再発防止に向けた措置を取れ」と言うのに至っては、あきれて開いた口がふさがらない。 民間マスコミの報道をどうやって日本政府が取り締まるというのか?
日本は韓国と違って民主国家だから、政府がマスコミの報道をコントロールすることなど出来ない。
公式の場で北朝鮮のテロ行為を堂々とかばうクレージーな発言をし、それがバレると「日本のメディアが悪い」と人のせい。
挙句の果てに「日本政府がマスコミをコントロールしないと日韓関係が悪くなる」と言い放つ。
日本政府・外務省は、しばしば「日本と韓国は民主主義の価値観を共有し...」と言うが、悪い冗談は止めてほしい。
独裁国家・北朝鮮の日本人拉致というテロ行為を堂々とかばいだてし、挙句の果てに「マスコミ報道をコントロールしろ」と外交ルートを通じて抗議してくる韓国と、我々日本人が価値観の共有などできるはずがない。
国家ぐるみでテロを行う独裁国家をかばう韓国は、もはや共犯者といっても過言ではないだろう。
韓国が北朝鮮の側につくことを恐れる者もいるだろうが、南北がくっつくというのであれば、いっそのことまとめて”叩き潰して”しまうべきだと思う。
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もっともやっかいなのは、有能な敵ではなく、味方の勤勉なバカである。
ウインストン・チャーチル
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中国がミサイルで人工衛星を撃破 ほかチャイナ・インテリジェンス
- 2007/01/19(金) 22:34:38
◆中国が人工衛星を弾道ミサイルで撃破に成功
中国が、とうとう宇宙空間まで覇権を求める姿勢を露骨に見せ始めた。
中国軍は11日、弾道ミサイルを使って自国の人工衛星を撃破する実験に成功し、破壊された衛星の破片が衝突して他国の衛星を破壊する恐れさえ出ており、国際社会から批判の声があがっている。
さっそくアメリカ・オーストラリア・カナダ・日本等が中国を非難した。
以前にも、中国がレーザー?を使用してアメリカの偵察衛星の光学レンズを破壊しようとした、という報道があったが、他国の衛星にたいする中国の反応はエキセントリックとしか言いようがない。
国家の領空というのは大気圏内までであって、宇宙空間を移動している他国の衛星にまで主権は及ばない。
それを弾道ミサイルを使用して撃破しようというのだから、ムチャクチャにも程がある。
これは、公海上を航行する外国の艦船を中国がいきなりミサイルで撃沈するようなもので、「宇宙空間さえ中国のものだ」とでも言うのだろうか。
中国の露骨な覇権主義と挑発で、なんだか米中冷戦が本格的に見えてきたような気がする。
このような軍国主義・中国に、日本が円借款などODAを継続しているのは、日本のODA供与の基本原則に明らかに違反している。
日本国民はもちろん、民主化を願う中国国民をも裏切っている。
何度も口をすっぱくして言っているが、中国への援助は即刻中止すべきである。
関連記事◆米中が宇宙空間で軍事衝突!
◆北京市が市民に「列に並びましょう!」
バスや地下鉄など交通機関を利用する際の割り込みが以前から問題になっている中国だが、北京市が「五輪を迎え、文明を語り、新たな風を起こす」として、市民に割り込みを止め列に並ぶよう呼びかけている。
クロフネも、中国人に堂々と自分のまん前に割り込まれた経験がある。
抗議したが、中国語で何やら言い返してきて、その後知らんぷりして列に割り込みつづけたその中国人をみて腹が立ったというより、人間としてのモラルが根本から破壊されていると思った。
そいつのもっていたバッグに航空会社のタグがついていて、始発地に”DLC”と書いてあったから家に帰ったとき調べたよ。 その野蛮人がどこから来たかと言えば、大連・周水子空港。
中国ニュースを専門に扱う”サーチナ”なんかを見ていると、中国人が買掛け金(借金)を平気で踏み倒すだとか、後から来て行列の一番前に堂々と割り込むといった非文明的野蛮行為を、あたかも社会主義のせいであるかのように言う記事を良くみかけるが、それは違うと思う。
「自分とその一族さえ良ければ他人にどんな損害を与えてもへっちゃら」というのは広くユーラシア大陸に存在する低信頼社会の人間特有の考え方で、社会主義うんぬんは関係がない。
私の記憶が確かなら、非社会主義かつ低信頼社会である韓国で1988年の五輪直前にやっぱり、「バスやタクシーを利用する際、行列への割り込みはやめましょう」と政府がキャンペーンを張っていたはずだ。
よって、このような非文明的野蛮行為は、中国や韓国などにもともと古くから存在する、低信頼社会特有の文化が生み出したものだと思う。
サーチナの記事で、中国における非文明的野蛮行為が、あたかも社会主義が原因であるかのように言うのは、記事の裏側に中国文化のイメージダウンを防ぐ意図があるように思えてしかたがない。
さらに噴飯モノなのは、借金踏み倒しや行列の割り込みといった中国の文化を尊重し、日本人は「借金を踏み倒さない」とか「行列の割り込みはしない」という自分たちの文化を中国人に押し付けないようにしましょう、みたいな記事がサーチナにのることで、アホかと言いたくなる。
中国政府でさえ、自国民の行列割り込みとかタン吐きは「非文明的行為であるから止めろ」と言っているのに。
一例
借りた金を返すとか行列に割り込みをしないというのは人種・民族の関係無く、人間として当たり前のモラルではないのか。
それをいちいち政府が「行列の割り込みをやめよう」と言わなければならないところに、中国の民度の低さがあらわれている。
こういうモラルが根本から壊れちゃっている人達に対しても、「相手の良心に期待しよう」とか「まず日本人が立派な手本をみせれば中国人も感動して野蛮行為をやめるだろう」といった、独り善がりの行動に日本人はしばしば出るわけだが、そんなのはムダ。
(そういう中国人がいたら「宝くじに当たってラッキー」ぐらいに考えた方がよい)
中国政府にしても同じ。
外国の島を勝手に占領する、他国の海底資源をタダで吸い上げてへっちゃら、公海上を飛ぶ他国の偵察機に戦闘機を派遣して体当たりをかまし、弾道ミサイルで宇宙空間の外国衛星を撃墜する、などなど中国政府の非文明的野蛮行為には事欠かない。
こうした野蛮行為に対し、中国政府の良心に期待するだとか中国に援助してやればそのうち野蛮行為も止めるだろう、なんてことはあり得ないし、実際なかった。
儒教国家の人間の良心に期待するのではなくて、アメとムチで”調教”しなきゃだめだというのは、それで成功したシンガポールの例をみれば明らか。
行列に割り込みできないよう鉄柵をつくり、タンを吐けば罰金何万円、ガムの吐き捨て何万円、塀の落書きはムチ打ち何回といった具合に。
中国古典の読み過ぎで「中国人は聖人君子である」と疑わない、ファーストクラスで中国へ行き、現地で黒塗りのセンチュリーやベンツ・アウディの送り迎えがある、日本の親中派政治家・官僚には、これまでそれがまったく理解できなかった。
自分のまん前に割り込んだ中国人と一回罵り合いをやれば、まともな人間ならいっぺんで目が覚めると思うが。
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関連記事・低信頼社会と高信頼社会
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関連記事・犬の調教
安倍首相の訪欧を再チェック
- 2007/01/18(木) 00:50:51
それではアンティパストに引き続き、いよいよメインディッシュである安倍首相の欧州歴訪について見ていくが、
そのテーマは、日本と欧州の自由・民主主義という共通の価値観をきずなとして、核武装した北朝鮮や軍拡にまい進する中国といった軍国主義的独裁国家を念頭に、双方の外交・安保協力を従来より一歩進めたものとするということにあった。
麻生外相も首相と役割分担をして東欧各国をめぐりフォローした。
これにはアメリカの強い後押しもからんでいるようである。
参考記事
安倍首相の最初の訪問国イギリスでは、ブレア首相と会談、北朝鮮による日本人拉致・核武装問題への対処、EUの対中国武器禁輸措置の継続などで、日英協力を訴えた。
尾身財務相もブラウン財務相と会談、中国が資源確保のためにアフリカ諸国への進出を加速させる”新植民地主義”への懸念を表明した。
中国は、アフリカにおけるフランスの”シマ”をなるべく荒らさないようにしているようで、旧イギリスの植民地に触手を伸ばしてきた。
ジンバブエ・ザンビア・タンザニア・スーダンと、中国が影響力を拡大させてきたアフリカの国々は、旧イギリス植民地が多い。
イギリスが面白かろうはずがない。
参考記事
参考記事
ドイツでは、北の拉致・核問題での協力に加え、EUの対中国武器禁輸措置の継続についても、メルケル首相から力強い支持があった。
国連安保理の常任理事国入りでも、日独協力を確認した。
参考記事
フランスにおいては、拉致や常任理事国入り問題でシラク大統領が日本への”支持”を明言、ただ、EUの対中国武器禁輸措置の継続については言葉を濁した。
参考記事
アメリカに対抗しダッソーやタレスといった自国の軍需産業を維持するために、中国にフランス製武器を売りこみたいというのが本音だろう。
これまで、クロタール地対空ミサイルや艦船用レーダー、潜水艦用ソナー、マトラ空対空ミサイルを中国人民解放軍に納入してきた実績もある。(エグゾセ対艦ミサイルの技術も流れたといわれる)
意外だったのは、いつもは日本に対して辛辣なフランス・マスコミが、安倍首相の欧州歴訪を評価したことだ。アメリカへの対抗心を燃やすフランスとしては、アメリカよりも先に日本の首相がフランスを訪問したことがよっぽどうれしかったらしい。
ル・モンドが「欧州の政治力の増大」と「日本の外交戦略が転換期を迎えている」と分析し、これを歓迎しているという。
参考記事
安倍首相訪欧のハイライトがそれに先立つブリュッセルのNATO(北大西洋条約機構)本部訪問かもしれない。
日本・ベルギー首脳会談に続いて、安倍首相はNATO本部を訪問、日本の首相として初めて演説をしたのは画期的だった。
デホープスヘッフェルNATO事務総長との会談では、北朝鮮問題で日本とNATOが協力することで一致した。
参考記事
以上が安倍首相訪欧の”成果”だが、だからすぐに日本と欧州で軍事同盟を結成するとか、そういうことではないと思う。
今までの日本外交は米・中・韓からやってくる刺激に反応して、ひたすら右往左往するだけのものだった。(この三カ国以外、ほぼ眼中に無し。あるとすればせいぜいアラブ産油国)
だからこそ、日本が米・中・韓を刺激しないように、ひたすらガマンをするという消極的かつ情けない外交に終始していたわけだが、そこから大きく転換したことを実感する。
安倍首相の「主張する外交」は、欧州に関してはまだ最初の一歩を踏み出し始めたばかりだけれども、そこには明確な戦略や意図を感じる。
そのことについては大きく評価したい。
地政学的に見れば、日本と欧州はユーラシア大陸の東西外縁部にあたり、自由と民主主義という共通の価値観を持つ日本とNATOが外交・安保面で手を結ぶことは、地球最大の独裁国家であり露骨な覇権主義をみせる中国のようなランドパワーを牽制する上で大きな意味を持つ。
これにインドやタイ(現在民主体制から一時的に後退しているが)・マレーシア・インドネシア等も加わってくれれば心強いし、スターリン主義に煮え湯を飲まされた東欧・バルト諸国へのNATO圏拡大もすすんでいる。
NATOは大西洋を超えてアメリカ・カナダと通じており、さらにオーストラリアやニュージーランドもアメリカの同盟国としてつながっている。
「日・米・欧の民主主義三極で世界の安定をはかるべき」と、このブログを立ち上げた当初の記事で主張したが、その実現へ一歩を踏み出したといえるのかもしれない。
ただ軍事やインテリジェンス面で、欧州や日本はアメリカに大きく遅れをとっており、当面アメリカ頼みの状態が続くだろう。
また、欧州はエネルギー供給源をロシアに頼っており、日本も中東からのシーレーン防衛においてアメリカ軍に多くを依存していて、それぞれ脆弱性をかかえている。
こうした課題の解決も含めて、長期的視野にたった安倍政権の外交戦略に期待したい。
年末にバスク人によるテロがあったせいで今はそれどころじゃなくなっているが、スペインのサパテロ政権も、「アジアの最重要パートナーは日本」と位置付けて、関係強化に乗り出すと聞いた。
中国べったりだったシュレーダー政権の退陣によって、ドイツに毅然とした”鉄の女”メルケル首相が登場したことも大きかった。
日本にとって欧州から良い風が吹いているように思う。
欧州との外交・安保協力をこれまでになく前進させるという安倍政権の方針を強く支持したい。
最後に余談だが、北朝鮮やイランといった独裁国家を甘やかす中国・ロシアのせいで、国連安保理が機能していないのだから、
NATO+日本の主要国、つまり日・米・英・独・仏・伊・カナダにオーストラリアあたりを加え、できればインドやASEANもオブザーバーにして、常設の安全保障理事会をつくっちゃったらどうだろうか。
拒否権つきの常任理事国という特権をもち、国連安保理がかわいくて仕方が無いフランスあたりはブーたれるだろうが、安保理改革がうまくいかなかったときの代案として一考の価値はあると思う。
↑あなたのワン・クリックがこの国を変えます。
関連記事・日本がとるべき世界戦略(その2)
関連記事・日本がとるべき世界戦略(その3)
関連記事・世界はパクス・シニカとどうつきあうべきか?(その2)
ノムヒョン・ダウン、日本の各個撃破戦略に沈む!
- 2007/01/17(水) 00:46:31
安倍首相が欧州歴訪と東アジアサミット参加をこなし、帰国した。
その評価については、おいおい書いていくとして、まずは軽~くアンティパスト(前菜)から。
フィリピンで行われた東アジアサミットにおいて安倍首相は、公式声明などに拉致問題を明記させることを重要な目標の一つとして臨んだようだ。
だが東アジアサミットには、北朝鮮のパトロンである中国と、太陽政策の失敗を絶対に認めたくないノムヒョン韓国というハードルがある。
その結果がどうなったかといえば、議長声明で「食糧不足や医療問題と同様、拉致問題は安全保障と人道上の懸念」と定義され、北朝鮮に対し日本人拉致など国際社会が懸念する人道上の懸念に積極的に取り組むよう求めることが明記された。
「拉致を含む人道上の懸念に北朝鮮は実質的に対処する必要がある」という認識を持つ、議長国のフィリピン・アロヨ大統領も応援してくれたとはいえ、外交力には定評のある中国とその金魚のフン・韓国を振り切ってのことであり、これは異例のことと言える。
また、14日の日中韓三カ国首脳会議後に発表された共同声明でも、はじめて拉致問題が人道上の懸念として明記された。
このように、公式声明に拉致問題が明記されたからといって、すぐさま中国や韓国が真剣に日本に協力してくれるということはまず無いが、国際社会への影響を考えれば明らかに日本のポイントである。
フィリピン外交筋から「特に韓国は、拉致問題の言及を嫌がっている」という情報が流れていたが、一方の韓国は痛打を浴びたというところだろうか。
ソウルでの日韓首脳会談では、核武装や拉致など北朝鮮の脅威を主張する安倍首相に対し、ノムヒョンは「過去の歴史!日本の反省!」一辺倒で、共同声明さえ出なかったのと大違いである。
参考記事
これには安倍首相側に策があったようだ。
14日の三カ国首脳会談では、中国にねらいを定めてまず”撃破”することを目指し、さらに日中の親密さをアピールするため首脳会談をあえて延長させた。
控え室で一人カヤの外のノムヒョンは、思わぬ日中首脳会談の延長で合流を10分も待たされたという。
ノムヒョンに同行したソン外相がこれに激怒したというし、ノムヒョンも精神的プレッシャーを受け、韓国外交チームは相当動揺したようだ。
中国の温首相は、日中関係の再冷却化をおそれてか、日本が拉致問題を公式声明に明記することに特に反対はせず、「必要な協力はしたい」と一応の社交辞令まで発した。
その後ノムヒョンが合流、「拉致問題は別個の問題だ」と安倍首相に激しく抵抗したが、温首相の「”拉致問題”に代えて”人道上の懸念”と言いかえたらどうだ」という提案をひっくり返す力はノムヒョンに無く、拉致問題の解決が事実上、三カ国の共同声明として明記された。
こうして北朝鮮を支持する中・韓は、”各個撃破”されてしまった。
屈辱的な敗北感を味わったせいだろうか、体調不良を理由にノムヒョンはダウン、その晩の公式夕食会を欠席したという。
参考記事
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/01/16
/20070116000013.html
このブログでは以前から、「中・韓などの反日国家をまとめて相手にするな、分断して”各個撃破”せよ!」「儒教国家の場合、相手の良心に期待するな、アメとムチで”調教”しろ!」と言ってきたわけだが、ようやく日本も戦略論の定石が打てるようになったわけだ。
今までなら、日本人を拉致・殺害した北朝鮮をバックアップするような理不尽な韓国に対し、援助や謝罪・賠償をすることでなんとか日本の味方をしてもらおうとするのが、日本政府・外務省のやり方だった。
韓国がどんなに理不尽な仕打ちを日本にしても、日本が韓国へひたすら謝罪しカネを与え問題行動を見逃してやることで、いずれ韓国が冷静になって日本の味方をしてくれるだろうという発想だった。
だが韓国は、日本からの善意を「自分たちの強さの証拠、日本が自分たちより弱い証拠」と見なし、ますます日本への問題行動をエスカレートさせていくのが常だった。
今回の”ノムヒョン・ダウン”で、「日本が無意味な譲歩カードを韓国に切って目的を達成しようとすることの愚かさ」と「各個撃破戦略の正しさ」「調教戦略の正しさ」が今一度確認できたと思うのだが。
私は、各個撃破戦略を取り入れた、安倍首相の主張する外交を支持したいと思う。
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関連記事・ノムヒョンが日本海を平和の海にと”譲歩”
外敵を引き入れることで内政に勝とうとする者は愚の骨頂である
- 2007/01/15(月) 15:03:34
最近アップしたコラム・”谷内次官の解任を要求する”では、官僚が国家の意志決定に介入し、民主主義の大原則を破ることの危険性についてのみ話した。
今回は、「安倍首相の靖国参拝は、日中両国の首脳が頻繁に会うことで回避できる。首脳会談の前には参拝は避けることになり、会談直後もまた控えることになる。首脳交流を頻繁に行えば、首相参拝は物理的に不可能になる」 という、谷内次官の主張そのものについての是非を考えてゆく。
谷内次官がどういうわけで首相の靖国参拝を物理的に不可能にしたいと思っているのかは知らない。
前述の谷内次官の発言によれば、彼は首相の靖国参拝を中国の外圧によって不可能にしようと考えていることがわかる。
つまり、自分の理想とする政策を、外敵勢力を日本の内政に引き込むことで実現しようということだ。
これがどれほど愚かなことであるか歴史から学ぶことにするが、私はある人物を思い出した。
それは新羅第29代国王・武烈王(金春秋)である。(在位654-661)
金春秋の生きた時代の朝鮮半島は、新羅・百済・高句麗がたがいに攻め合う戦乱の時代だった。
百済・高句麗と半島の覇権を争う新羅の王子として生まれた金春秋は、国王に即位する前から積極的に外交活動を展開していた。
642年、大胆にも敵対する高句麗に乗り込み、「新羅と高句麗が手を結んで百済を滅ぼそう」と提案するも、逆に高句麗の宝藏王に捕らえられ、監禁された。(のちに救出された)
647年には、日本の要求に従い、人質として日本へ渡ったことが日本書紀の記録に残っている。
大化2年(646年)9月条 小徳、高向博士黒麻呂を新羅に遣して、質(むはかり=人質)貢らしむ。
大化3年(647年)7月条 新羅、上臣大阿冫食(新羅宮廷17階官位の第5位)金春秋等を遣して、博士小徳高向黒麻呂を送りて春秋を以て質とす。春秋は姿顔美しくて善みて談咲す。
4~5世紀の一時期、日本は新羅・百済等を属国とし、それ以来、両国が裏切らないよう王子を人質として差し出させるという慣例があった。
日本はその慣例にしたがって、新羅に人質を要求したのだが、7世紀のこの時代、日本は既に半島を支配するような力は無かった。(この時期、百済からも王子・余豊璋が日本へ来ていた。彼は百済最後の王となる)
それでも金春秋が屈辱的な人質という立場を受け入れて日本にやってきたのは、日本と同盟を組み百済や高句麗に対抗する密約を結ぶためだったという説がある。
日本との同盟もかなわなかった金春秋は帰国、648年には息子の金法敏(のちの30代文武王)とともに中国へ行き、唐の都・長安で時の皇帝・太宗に謁見を許された。
金春秋は、新羅独自の宮廷官僚の衣冠制度を改め、唐のものを全面的に取り入れたいと申し出た。
唐の太宗は、新羅王子・金春秋の殊勝な申し出にさぞや満足したに違いない。
新羅宮廷のそれまでの衣冠制度をそっくり止めて唐のマネをするということは、「これ以後、新羅が唐の属国となります」ということだからだ。
まもなく新羅独自の年号も”太和”をもって停止された。
これによって、唐を宗主国、新羅を属国とする軍事ブロックが東アジアに形成された。
金春秋は、外敵である中国を半島に引き入れて「自分たちが半島の覇権を握る」という政治目的を果たそうとしたのである。
660年、唐の大軍が百済に押し寄せ新羅軍もこれに呼応、百済はあっけなく滅亡した。
百済軍の残党は日本へ使いをよこし、唐に殺害された義慈王の後継として、日本へ人質として差し出した王子・余豊璋の帰国と、援軍を要請してきた。
百済から”宗主国様”とおだてられた日本は、地理さえ不案内な半島への出兵を決定、663年、白村江で唐・新羅連合軍に敗れることとなる。
今も昔も、日本人は半島外交のこととなると冷静さを失うようだ。
唐の高宗はまもなく高句麗にも出兵してこれを滅ぼし、安東都護府を置いて、属国の新羅を含めて朝鮮半島を支配下においた。
その後、金春秋の子・文武王が半島から唐を追い出し、統一を成し遂げたことで、韓国では、武烈王(金春秋)と文武王は名君とされているのだが、私はそうは思わない。
確かに金春秋は、中華帝国という外敵を半島に引き入れることで、自らの悲願だった半島統一を成し遂げた。 だが、そのことによって中華帝国という名の肉食獣に、忘れかけていた朝鮮半島という肉の味を思い出させてしまったのだ。
紀元前108年に、漢の武帝が征服して以来、朝鮮半島は400年近くに渡って中華帝国の植民地であった。
それを紀元後313年に、中華帝国の朝鮮総督府ともいえる楽浪郡を高句麗が滅ぼしたことによって、中華帝国の実質的な半島支配は終わった。
それ以後、高句麗・百済・新羅の三国が中華帝国に朝貢することはあっても、それはあくまでも外交を有利にするための形式的なものに過ぎなかった。
ところが、それから350年後、新羅が唐を半島に誘い込んだことで中華帝国という猛獣に朝鮮半島という肉の味を思い出させてしまった。
一旦は、唐を追い出した新羅だったが、新羅王が皇帝になることも独自の元号を取り返すことも出来なかった。
新羅以後に興った高麗・李朝朝鮮も、宋・金・元・明・清といった具合に次々と中華帝国の属国となった。
結局、19世紀の日清戦争で中華帝国を明治日本が倒すまで、半島は中華帝国の属国として財宝や美女を貢ぎ続けた。
結局、中国という外敵を引き入れて半島を統一するという金春秋の策略は、朝鮮半島が中華帝国の千年属国となるきっかけを与えてしまったのだった。
確かに、金春秋の策略は成功し、息子が半島統一を成し遂げた。だが百年単位の長期的な視野に立ってみれば、そのことは半島の人々を幸福にしたと言えるだろうか。
詩経に、「兄弟牆に鬩げども、外其の務りを禦ぐ」(けいていかきにせめげども、そとそのあなどりをふせぐ)というのがある。
意味は、兄弟が家の中で争いごとをしていても、外敵から侮辱を受けたならば力を合わせて撃退する、といったところで、けんかをしている兄弟が相手に勝つために、外敵を引き入れるなどもってのほか、という教えを含んでいる。
この教訓に反して、新羅は百済や高句麗と争いごとをしていて彼らを打倒するために、半島を野蛮国と見下す外敵・中華帝国を引き入れたのだった。
谷内次官の発言に話を戻すが、根っからの反日原理主義者・江沢民率いる”中華帝国”は、「歴史問題を永久に言いつづける」ことによって、”蛮族”の国・日本を屈服させ支配しようとした。
その象徴的なものが靖国問題だった。
靖国を叩くことによって、中国の”皇帝”が日本の首相の行動さえコントロールできるようにし、同時に、中国人を絶対的正義の一等人種・日本人を絶対悪の二等人種として永続的に固定しようとした。
アジアで最も先進的な民主国家である現代日本に、醜悪な独裁国家である中国がケチをつけるところが無い。
だから、現代の中国帝国が日本を屈服させ支配することを可能にするには、靖国など歴史問題を永久に言いつづけるしか手段が無かったのである。
中国は、日本の”酋長”が靖国参拝を止めない限り、”皇帝”への謁見は許さないと圧力をかけた。
ところが、小泉前首相はそれを突っぱねつづけた。
それによって日中間の外交摩擦は頂点に達したが、それは日本が独立国家としての矜持を取り返し、その一線を守り抜いたことを意味する。
谷内次官は「日中首脳会談をひんぱんに続ければ、首相は靖国参拝が出来なくなる」と言っている。 これは日中関係を、小泉以前の現代国家間の外交関係としては不正常な状態に戻す、ということを意味する。
谷内次官がなぜ首相の靖国参拝を阻止したがっているのかは知らないが、こうした中華帝国の外交戦略を、靖国参拝阻止のための外圧として利用するために日本国内に引き込むことが、どれほど愚かなことか。
金春秋の教訓や、詩経の「兄弟牆に鬩げども、外其の務りを禦ぐ」は、受験参考書に載っていなかったのかもしれないが、だからといって日本の外務次官という要職にある者が、知らなかったで済む問題ではない。
中国という外敵を内政に引き込んで、己の信念を達成しようとするなど、愚の骨頂である。
谷内次官の免職を安倍政権に今一度要求する。
----------------------------------
外敵を引き入れて内政に勝とうとする者は、左翼思想の影響を強く受けた政治家・マスコミ・学者・”プロ市民”が目立つ。
だが、より深刻なのは、霞ヶ関のカーテンに守られて国民の目が届かないのを良いことに、超然主義をふりかざして国家権力に介入し、選挙の洗礼を受けずに、己の左翼的思想を国家の意志決定に反映させようとする、一部の官僚だと思う。
国家中枢の一番近いところにいるにもかかわらず、目立たないだけに始末が悪い。
----------------------------------------
2007.9.17 追記
中国とのパイプを自慢する日本の政治家もいるが、
それはぜんぜん自慢にならない。

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谷内次官の解任を要求する
- 2007/01/12(金) 00:18:00
11日づけの産経朝刊を読んで仰天した。
櫻井よしこ女史のコラム「安倍首相に申す」によれば、昨年12月13日、東京の飯倉公館で行われた外務省OBの忘年会の席上、谷内正太郎外務次官が以下のような内容の話をしたという。
「安倍首相の靖国参拝は、日中両国の首脳が頻繁に会うことで回避できる。首脳会談の前には参拝は避けることになり、会談直後もまた控えることになる。首脳交流を頻繁に行えば、首相参拝は物理的に不可能になる」
谷内次官は自身の独断で、首相の行動をコントロールしようというのである。
これは単なる一官僚にすぎない者による、日本の民主主義政体の否定であり、無血クーデタ実行宣言である。戦前に横行した超然主義の亡霊の復活である。
だから仰天したのだ。
世間では立派な大学と言われているところを卒業し、官僚としてみっちり教育を受け長年にわたって経験を積んだであろう人間に、今さら箸の上げ下げみたいなことを言わなければならないのかと情けなくなってくるが、それでも言わねばならない。
民主主義国家において政治家が失政を行えば、国民によって選挙時に落選させられ、クビという形ではっきりと責任をとらされる。
しかし官僚は失政に関与しても法を侵さなければ、責任をとらされてクビになるようなことはまずない。
なぜそのような免責特権が与えられているかといえば、国家の政策決定に官僚は介入してはならないという義務を負っているからだ。
官僚が「責任はとるから政策決定を官僚に任せろ」と言ったとしても、そもそも官僚に責任が取れるわけがない。
たとえば、いわゆる従軍慰安婦についての河野談話にGOサインを出したひとりが、当時の官僚のトップだった石原信雄官房副長官だった。
石原氏と韓国側で、「日本が従軍慰安婦を強制連行したことを認めれば、それで手打ちにする」という密約があったようだが、それでこの問題が終わりになることはなかった。
韓国は現在まで「日本人が強制的に韓国人女性を性奴隷にした」と全世界にホラを吹いて周り、日本国民全員が、これ以上に無い恥辱をなめさせられたのだ。
これについて石原元官房副長官が「韓国にだまされちゃいました。国民の皆さん、ごめんさない」と言えば済む問題だろうか?
たとえ石原氏が百回腹を切ったとしても日本国民全員が受けた恥辱の刻印が消えることはない。たかだか官僚に、失政の責任を完全にとることなどできないのである。
もし誰かが失政の責任をとれるとすれば、従軍慰安婦談話を発表することを政策としてかかげる政治家・党を国民の多数が投票によって選択し、その政府によって政策が実施されたときのみである。
これならば、後で従軍慰安婦の強制連行がなかったとわかったとしても、政府を選んだ国民が悪いのであり、その責任は最終的に主権者たる国民がかぶる。
石原氏がやったことは、官僚が決め、その失敗の泥をかぶるのは国民ということだ。だから許されないことなのである。
(当時の政策決定には政治家の加藤紘一氏などもかかわっているから、100%石原氏に責任があるわけではないが)
だが、日本の官僚はよっぽど質が低いのか、しばしば民主国家におけるこの大原則を破って平然としている。
しかもセコイ。
霞ヶ関のカーテンに守られているのを良いことに、国家の意思決定に介入しながら、失政の場合は官僚の免責特権を利用して逃げようとする。
あるいは「あれで正解だったのだ。偏差値の低い国民はバカだからそれがわからんのだ。」とばかりに、官僚の絶対無謬説をふりかざす。
「○×という民主国家でもそうだ」というなら、その国のシステムに問題があるだけのこと。 日本がその顰(ひそみ)に倣(なら)う必要は一切無い。
日本の官僚は、しばしば「自分が国のために正しいと思ったら、体を張ってでも自分の考えを貫徹しなければならない」とか言って、民主主義の大原則を破って国家の政策決定に介入し、それを正当化する。
櫻井女史のおっしゃるように、谷内次官も、安倍首相の靖国参拝を阻止することが国のためになると考えたのだろう。
だが日本という民主国家において、国のために何が正しいかを判断し決定するのは、国民であって谷内次官のような官僚ではない。
言い訳の能力だけは天才的な官僚もいて、「官僚だって国民だ」というやつが必ず出てくるだろうから言っておくが、この場合の国民とは国民の多数派のことであって、官僚一個人のことではない。
もし谷内次官が”過去の歴史の教訓”から首相の靖国参拝を阻止しなければならないと考えているのであれば、過去の歴史の教訓から何も学んでいないのは谷内次官のほうであるといわざるを得ない。
たとえば自衛隊の統幕議長が「自衛隊を使って首相の靖国参拝を阻止する。そうすれば首相の参拝は不可能になる」と自衛隊の幕僚たちが集まる忘年会で述べたとしたらどうだろうか。
それこそ「シビリアンコントロールからの逸脱」であり「戦前の軍国主義の復活」である。
しかし、これと谷内次官の「外務省を使って首相の靖国参拝を不可能にする」とはどこが違うのだろうか?
いや全く違わない。
先ほども言ったように、谷内次官も、安倍首相の靖国参拝を阻止することが国のためになると考えたのだろうが、
戦前の軍人官僚たちも、国のためになると思ったからこそ犬養首相を暗殺し、日本の民主政体を破壊して権力を奪取し、国民の同意を得ることなくヴィルヘルム・シュトラーセ(ナチス政権)と手を組んで、あの戦争へと突き進んでいったのではないか?
太平洋戦争の是非はおいておくとしても、どうしてそうなったかといえば、それは当時の日本の立憲君主政治に、「政治は行政のプロである官僚に任せておけばよいのであって、民選政治家などすっこんでいれば良いのだ」という明治以来の伝統的な、超然主義を良しとする風潮が”蟻の一穴”として存在していたからである。
そこから、曲がりなりにも機能していた日本の民主政治という堤防が決壊したのだ。
「お国のためであっても戦前のように軍人官僚が政治を動かすのはいけないが、谷内次官だけはお国のために政治を動かすのは良い」と言いたいのであれば、噴飯モノとしか言いようが無い。
文官と武官は、どちらも国民の税金から俸給をもらい、選挙という洗礼を受けずに行政に関与する、国家が擁する巨大な官僚機構の一部であって、手に持っているものが行政指導の文書へサインするペンか、サーベルかの違いでしかない。
だからこそ民主主義国家において武官はもちろん、文官も国民(シビリアン)と国民が選出した政治家の完全なコントロール下になければならないのである。
それが本当の意味での「過去の歴史から教訓とする」ということである。 谷内次官はもう一度日本の民主政治を崩壊させるつもりなのであろうか。
谷内次官が個人的に「首相は靖国に参拝すべきでない」と信じる自由はある。
だがシビリアンコントロールを逸脱して、谷内次官の個人的信念を国政に反映させようとするなど言語同断である。
これは政策・意見の相違などではなく、官僚として致命的な過失である。
谷内氏が安倍首相と友人関係にあったとしても許されることではない。
日本という国家は、谷内氏個人の私物ではない。
谷内次官にエリートとしてのプライドがあるならば、すみやかに辞職・退官するべきである。 もしそれでも権力にしがみつくのであれば、国民の一人として安倍政権に谷内次官の免職を要求する。
谷内氏も霞ヶ関のカーテンに隠れてコソコソ卑怯なマネをするのではなく、潔く退官して”靖国反対党”でも結成し、議会で与党となって首相に指名されれば、いくらだって首相の靖国参拝中止ができるだろう。
それだったら私も文句は言わない。
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中国株式市場はバブルと警告
- 2007/01/10(水) 23:59:33
◆シティバンクなどが中国株式市場はバブルと警告
参考記事
最近思うのだが、中国は経済政策を失敗しつつあるのではなかろうか。
これまで中国は、大規模なドル買い元売り介入を行って、ドルに対する元の切りあがりを必死になって防いできた。
また国家発展改革委員会を中心に政府が物価の上昇を極力おさえ、中国の国策エネルギー企業が世界中から相場より割安で油田を囲い込んで、市場を通さずに原油を本国へ直送してきた。
それもこれも全て、中国における生産コストを低いままにおさえて世界から投資を呼び込み、生産された財を欧米・日本などへ輸出することで驚異的な発展スピードを維持するという、中国政府の戦略のためだった。
だから元高・物価高・賃金上昇は即座に中国の競争力下落に直結するとして、中国政府が外国為替や物価を操作してきたわけだ。
中央銀行である人民銀行も、人民元の為替政策に間違いは無いとこれまで胸を張ってきた。
だが、経済発展とともに本来なら自国通貨高、物価・賃金上昇という現象がみられるのが自然なのに、これまで中国ではそれがほとんどみられなかったというのは異常だった。
例えるなら、体が大きくなっていけば足のサイズも大きくなっていくのが当たり前なのに、中国の前近代の習慣である纏足(女児の足を包帯できつく巻き、強制的に大人になっても足が大きくならないようにする習慣)のように、中国経済という体が大きくなっていっても、足(人民元の対ドルレート)が小さいままなのだ。
このままいけば、小さな足が巨大化した体を支えきれなくなって、ぶっ倒れるのは当然の成り行きだろう。
中国の外貨準備がとうとう1兆ドルを超えたにもかかわらず、人民元の切りあがりが亀のように遅いのは、中国がドル買い元売り介入を行っているせいであるのは前述のとおり。
だが、不胎化がうまくいっていないのではないか。
中国はドルを買うために大量の元を売っているので、そのままでは流動性過剰になってしまう。 こういう場合、中央銀行などが債券を発行して市場からマネーを吸い上げるという政策をとるのだが、それを不胎化という。
中国の場合、貿易黒字が巨額すぎてドル買い・元売りの量があまりにも多いために不胎化がまったく追いついていない可能性がある。
2006年の貿易黒字が史上最高の1774億7000万ドルにのぼったという。
参考記事
流動性が過剰になれば、当然インフレが発生する。
人民銀行は、預金準備率を9.5%に引き上げたばかりだが、果たして効果があるのか?
参考記事
昨年の11月から12月にかけて、中国の物価が急上昇して市民の不満がかつてなく高まっているというニュースがあったが、クロフネは、これはいつもとは風向きが違うなと感じていた。
そして今回、シティなど外資系銀行が中国の株式市場でバブル崩壊の危険性があると警告している。
資産インフレがそこまでひどくなったということか。
中国が人民元の切りあげを無理やり抑えているために、将来の人民元高を期待する投資家のさらなるマネーが中国の株式・不動産市場に流れ込む結果となっている、というのもあるだろう。
胡指導部は地方に対してブレーキをかけるために号令は発しているのだが、効果はあがっていない。 固定資産への投資は依然高水準だし、住宅市場もバブルだと指摘されて久しい。
アメリカがどんなに批判をしようが圧力をかけようが、人民元を何が何でも切り上げさせないという中国の戦略は、失敗しつつあるのではないだろうか。
日本も、中国経済というプレートにたまったひずみが元に戻ろうとして大震災が起こるのに備える時期では?
あと、韓国経済も知らず知らずのうちに自分からワナにはまりつつあるような気がする。 あえて理由は言わないが。
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関連記事・中国の国家戦略
ノムヒョンが日本海を平和の海にと”譲歩”
- 2007/01/09(火) 21:53:07
昨年11月にハノイで行われたAPEC首脳会議に出席するために日韓両首脳がベトナムを訪問したのにあわせ、日韓首脳会談があった。
その席上、安倍首相に対して韓国のノムヒョンが「日本海を”平和の海”と改称したらどうか」と持ちかけていたことが、韓国大統領府が公開した発言録から明らかになった。
参考記事
安倍首相は即座にこれを拒否したと、今日(9日)づけで国内の報道各社が伝えている。
「日帝が朝鮮半島に杭を打ち込んだために、韓民族の精気が失われた」といったオカルト信仰の一種に、「日本海はもともと東海と呼ばれていたが、日帝の陰謀で日本海と変えられた」というものがある。
韓国内で根強く支持されているこうしたオカルト信仰を真に受けて外交をするノムヒョンのクレージーさ、馬鹿馬鹿しさには私はもう驚かなくなった。
ノムヒョンの「日本海を平和の海へと変更する提案」を例えるなら、すでに詐欺だとこちらにバレているにもかかわらず、それまで「100万円振り込め」と言ってきたオレオレ詐欺の犯人がずうずうしくも、「振込み額を50万にまけてやるから、仲良くしようぜ」というようなもの。
まったくアホらしい。首相・官房長官が一蹴したのは当然だ。
ノムヒョンのクレージーな言動は今にはじまったことではないから脇においておくとして、 ここでのポイントは、日本への”外交戦争”を宣言し、仮想敵国と名指ししてはばからなかったノムヒョンが、とたんに弱気になり、ノムヒョンなりに「日本への譲歩をしよう」と考えたということだ。
(もっともまったく譲歩になっていないのは前述のとおりだが)
なぜ、狂犬のように吠えまくっていたノムヒョンが「日本への譲歩をしよう」と考えたのだろうか。
それは、日本がノムヒョンの厳命にしたがって、靖国神社を否定して国立追悼施設を新たに建設したからか? いいや違う。
それは、日本がノムヒョンの要求のとおり、竹島を韓国のものと認めたからか? いいや違う。
それは、日本がノムヒョンの言うとおりの内容の歴史教科書をつくって日本の子供に押し付けたからか? いいや違う。
小泉政権の末期以降、日本は韓国の理不尽な要求に対し、毅然とつっぱねる態度を貫いてきたが、にもかかわらずノムヒョンは、日本への譲歩姿勢を見せている。
これは今までの日本外交の”常識”からすれば、考えられないことだった。
宮澤喜一・加藤紘一・河野洋平の各氏に代表される、保守本流を自称した自民党・旧宏池会系の対韓外交の方針は、「たとえどんな理不尽な要求を韓国がしたとしても日本が一方的にひたすらガマンをすることで、いずれ冷静になった韓国がマトモになって、日韓外交がうまくいくようになるだろう」というもので、1980年代ごろからつい最近まで、これが日本外交の”常識”だった。
その”常識”が、あっけなく覆されたのだ。
ノムヒョンが、日本への譲歩姿勢を見せはじめた本当の理由は、
日韓両国民に対し「日本のポルジャンモリ(でたらめ根性)を叩き直してやる」と高らかに宣言し、日本にあえて”戦争”をふっかけて韓国と自分を有利にしようという、ノムヒョンというか韓国政治家の使い古された外交手法が、
日本国民によって既に見破られてしまっているということがまずあげられる。
それに気づくことが出来ないノムヒョンが、焦って日本を叩けば叩くほど日韓摩擦が激しくなり、かえって日本国内に嫌韓感情が広がるだけであった。
そして歴史問題に関する対日同盟国と考えていた中国の胡錦涛政権が、名より実利をとって対日宥和に動いたために、ノムヒョンははしごを外されてしまった。
ノムヒョンが日本ばかりに気を取られているスキにお留守となった韓国の背後で、中国は東北工程・白頭山工程を着々とすすめている。
さらに親北・反米の”バランサー戦略”のツケがたたって、核実験という北朝鮮の裏切りとアメリカの韓国ばなれを導き、「日本はアジアでひとりぼっち」とさんざんプロパガンダを垂れ流していた韓国のほうが北東アジアで孤立してしまった。
しかも韓国内の官僚や軍人の一部から突き上げを食らい、国民からは愛想をつかされている。
つまりノムヒョンは、「いつものように最後には降参するだろう」と踏んだ日本から毅然とした態度をみせつけられて前進も後退もできなくなり、そうこうしているうちに、対中・対北・対米外交で自滅してしまった結果、日本へ譲歩せざるを得なくなったということだ。
私は、日韓の綱引き 、 犬の調教 、ライオンの外交が教えること 、東郭先生と中国人
という四つのエントリーで、韓国(儒教文明国)とのつきあい方に関する鉄則を、口をすっぱくして繰り返してきた。
2005年3月に、ノムヒョンが低迷する自らの支持率をテコ入れする理由もあって、日本に対し竹島・歴史教科書・慰安婦など各種外交問題を総動員して日本叩きを行なったときに、こうした対韓外交の鉄則にしたがって、ノ・ムヒョン大統領の”日本叩き逃げ”を許すな!・日本がとるべき対韓外交を今一度考える。というエントリーをアップしたのだ。
だが、当時はまだ腹がすわっていなかった小泉政権は、ケンカ腰のノムヒョンに対し叩き逃げを許すかたちとなってしまった。
政府・外務省は、日本に非がないにもかかわらず相手に反論をせず、サハリン在住韓国人への援助を手厚くするといったような”罪滅ぼし”までして、ノムヒョンをなだめる姿勢まで見せた。
その結果、ノムヒョンの日本叩きがおさまるどころか、味をしめたノムヒョンがますます日本を叩き、中国へも飛び火して反日大暴動へと発展してしまった。
「ともかく日本がガマンすれば日韓関係は良くなるんだ」という旧宏池会流の対韓外交が敗北した瞬間とも言えよう。
それから2年弱たった今、状況は一変し、小泉前首相の8月15日靖国参拝があり、安倍政権も毅然とした態度を維持しているにもかかわらず、ノムヒョンは日本へ譲歩の姿勢を見せた。
ただ、これを手放しで喜ぶわけにはいかない。
ノムヒョンが日本へ譲歩する姿勢を見せた原因の半分は、自滅によるものだからだ。
私が記事で指摘したように、ノムヒョンが日本へケンカをふっかけた2005年3月の最初の時点で、日本が積極的に動いて、打つべき手を先手先手で打っていかなければならなかった。
打つべき手とは、日本が韓国に対して「外交の綱を全力で引っ張ること」であり、韓国が日本に噛み付いたら、「痛いじゃないか」とはっきりと意思表示をする「ライオンの外交」であり、韓国が悪いことをしたらすかさずムチをくれてやる「犬の調教」である。
また、日本の指導者や外交関係者は、国交のない北朝鮮はともかくとしても、反日の韓国と中国をセットにしてどうにかしようとする癖があるが、それは戦略論の常識から外れることであるのは、再三指摘してきた。
戦略論の常識とは、反日の韓国と中国を分断し”各個撃破”することであり、アメリカ・EU・東南アジア・インドなどに根回しをして国際世論を日本の味方につけておくことも重要だ。
しかも中国と比べて韓国の総合国力の方が断然小さいから、中国を”降参”させてしまえば日本が竹島・慰安婦・靖国といった譲歩カードをまったく切らなくとも、はしごを外された韓国はノコノコ日本へ愛想笑いをしに来ざるをえない。
そして現にそうなっている。
本来はそれを日本自身が戦略的に動いて、自らの外交力で実現させなければならなかったのである。
日本とノムヒョンの”2年戦争”から得られた教訓は、正にそれだ。
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毎年恒例?の話(その2)
- 2007/01/05(金) 19:59:23
前回のつづき
クロフネと”アイスマン”・アンドレイの間にたちこめている重苦し~い空気を打ち破ったものは何か?
それは、遅れてやってきた本来の担当者・山田のたった、たった一言だった。
「よぉ、あんどれい!」
すると、私に対してはただの一度だってニヤリともしなかったアンドレイが、
金メダルを手にしたロシア代表フィギュアスケート選手のような、爽やかな満面の笑みを浮かべて「ヤマダサン!」と答えた。
そう、たったこれだけ。
「『よぉ!』『ヤマダサン!』じゃねえよ、今までの私の苦労はいったい何だったのか?」と、内心ちょっと頭きた。
このとき、ロシア人はイギリス人やドイツ人といった西欧人というより、むしろ中国人のようなアジア人に近いと実感した。
相手が良く知っている友人か知らない人か、血のつながった身内か赤の他人かでコロっと態度を変え、見知らぬ人に心を容易に開かないのが、ユーラシア大陸に広く存在する低信頼社会型の人間によくみられる特徴である。
(低信頼社会の人間でも旅人・客人を手厚くもてなす文化をもつ人たちもいて一見矛盾しているようにも思えるが、これは旅人が外世界の貴重な情報をもたらしてくれるためではないだろうか)
そうした国々では、万人に公平な法律とか信頼できる契約システムが機能していないので、自分と身内以外に決定的な不信感を抱いているのである。
見知らぬ他人同士がルールによってほぼ公平に扱われる、見知らぬ他人同士でもたいていはトラブルなく取引が成立するということは、日本の目に見えない財産だと思う。
それが当たり前だと思っている日本人社長が、そのまま中国に進出したりすると、中国人に売掛金や受取手形を次々と踏み倒されたりするわけだ。
ロシア人があまりオープンマインドではないなと感じる他の例としては、
道で見知らぬ他人同士がすれ違ったようなときに、思わず視線が合ってしまうことがあるだろう。
日本人同士だと、目が合った次の瞬間にパッと目をそらしてしまう場合がほとんどだ。 そのままジーっと見つめていると大変なことになりかねない(笑)
しかし西欧人やアメリカ人だと、相手がたとえ見知らぬ人であったとしても、
目が合った瞬間に「ニコッ」と微笑む人が結構いる。
クロフネは今でこそこれが出来るようになったが、この習慣の存在に気づいた当初は、テレくささもあってなかなか出来なかった。
あるとき、身長185cmぐらいのモデルのようなオランダ人女性とふと目があって、相手が「ニコッ」と微笑んできたのだが、私は日本の習慣のように反射的にパッと目をそらしてしまったことがあった。
すると相手は露骨にイヤな顔をしていた。たぶん「チッ、クソ東洋人め」と思ったに違いない。
調査サンプル数が少なくて申し訳ないが、ロシア人から「ニコッ」とされた経験をしたことが無い。 ロシアにはこういう習慣はほとんど無いのではないだろうか。
中国人や韓国人からも、そうされたことが無い。 あくまでも私の経験上の話だが。
というか、ロシア人は見知らぬ他人に愛想笑いをすることはほとんど無いと思われる。もしあるとすれば、相手に何か頼みごとをするときだけではないだろうか?
こういうところからも、ロシアは西欧ではないなと思ってしまう。
逆にいえば日本人は、外国人を含めた見知らぬ他人に対して、愛想笑いをしすぎるのかもしれない。
私も前述のアンドレイに話し掛ける際に、仏頂面で話すのも何だから愛想笑いをしたが、アンドレイに「このヤポンスキーは、なぜ赤の他人の私に微笑みかけているのだ? 何をたくらんでいるのか?」と警戒されたのかもしれない。
だからといって、私がロシアやロシア人のことを嫌いとかそういうことは無い。
日本には、中国など特定アジアやアメリカに対抗するという理由で実際以上にロシアを理想化して持ち上げたり、あるいは日本人と同じ文化・習慣を期待したが相手がそうじゃなかったからという理由で、必要以上にロシアを敵視する人たちがいる。
私が言いたかったことは、ロシア人というものは日本人と文化や習慣がまったく違うので、相手の実態に即した付き合い方、外交の仕方が必要なのでは?ということである。
<了>
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テーマ:
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ジャンル:
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毎年恒例?の話
- 2007/01/04(木) 15:48:24
あらためまして、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
さて、お正月そうそうから生臭い話もなんなので、毎年恒例?となった、クロフネが体験した肩のこらない話からスタートしてみたいと思う。
昨年暮れにアップした”ロシア人との交渉(その2)”で、
>「ロシア人は同じ白人でもイギリスやドイツのような西欧人とは違う。むしろメンタル的には中国人やアラブ人のようなアジア人だ」ということ。
と書いた。
今回はなぜそう思ったのか、その時のエピソードをご紹介しよう。
以前、仕事の関係でロシア人と接触したことがあったのだが、その時、本来の担当者(仮に山田としておく)が別件で到着が遅れ、現場にそのロシア人(仮にアンドレイとしておく)とクロフネの二人っきりになってしまったことがあった。
アンドレイは金髪に青い瞳、年齢は20代後半の美青年という表現がピッタリだったが、二人っきりとなったその場には、気まず~い空気が漂っていた。
アンドレイは、「人間どうやったらそんなに冷酷な表情ができるのか」と思わずにはいられないような顔で、ニコリともせず冷たい眼差しでこちらを見やっていた。
「見知らぬ他人のお前には、決してだまされないからな」というオーラがアンドレイの全身からメラメラと立ち上っているような感じだった。
そこでクロフネはその場の重苦し~い空気を打破すべく、「日本の印象はどうですか?」「日本の食べ物にはトライしてみましたか?」といった世間話をふって、ご機嫌をうかがってみたのだが、”アイスマン”はピクリとも表情をかえず「ああ」とか「いいや」と、淡々と返事をするだけだった。
サッカーバカであるクロフネはここで奥の手を出すことにした。
「フットボールは好きですか?」と聞くと「ああ」とそっけなく答えたので、
「あなたが好きなのはスパルタク・モスクワ?それともロコモティフ?」と聞いた。
ここで解説しておくと、スパルタク・モスクワは旧ソ連リーグからの名門かつ人気チームで、日本で言えば巨人のような存在である。(もっとも、最近の巨人は激弱だが)
”スパルタク”の名の由来は、古代ギリシャ最強の陸軍を持っていた国家
”スパルタ”からきている。
古代ローマの剣奴スパルタカスからきているという話も聞いたが定かではない。 ロシアはギリシャ文明の影響を強く受けているので、前者だと思うのだが。
ちなみにCSKA・モスクワは陸軍チーム。(CSKA=中央陸軍スポーツクラブ) プロサッカーリーグのなかった共産圏では、軍隊のチームは強豪とほぼ相場が決まっていた。
レギヤ・ワルシャワ、デュクラ・プラハ(チェコはスパルタ・プラハが最強)、ステアウア・ブカレスト、CSKA・ソフィア、パルチザン・ベオグラード(ユーゴはツルベナ・ズベズダ<赤い星>が最強)などなど。
ワールドカップ2006ドイツ大会予選で、日本が北朝鮮と当たることになったとき、北朝鮮代表が国内リーグ最強の軍隊チームであるピョンヤン4.25を中心に編成されると知って、日本のマスコミが「大変だ、日本代表の相手は軍人だぞ!」と大騒ぎしたことがあった。
だがクロフネは上述のような共産圏の常識を知っていたので、「今さら驚くこともないだろうに」と思っていた。
例外は、東ドイツや中国あたりだろうか。
東ドイツの強豪はベルリナー・ディナモだったが、これは秘密警察”シュタージ”のチームだった。 で、シュタージのチームに敗北は許されないということで、試合ではPKやレッドカードが乱れ飛び、八百長のやり放題。
しまいには、相手チームのスタジアムで試合するときに、「ディナモと彼らの審判団の入場です」とアナウンスされたとか。
”ディナモ”は秘密警察のチームに多い名だ。
ディナモ・モスクワは、秘密警察КГБ(カーゲーベー)のチーム。
КГБの初代ボスだったジェルジンスキーが大のサッカー好きで、自分のチームを持ちたいと考えた彼が、当時弱小チームだったディナモを支配下において強化をはかった。
ウクライナの強豪ディナモ・キエフだけは、本来のディナモ(=発電機)の名のとおり、電力関係者のチームだと聞いた。
旧ソ連リーグの伝統の一戦、”阪神・巨人戦”は、ディナモ・キエフ対スパルタク・モスクワである。
ウクライナ人は、東スラブ地域でもっとも古くから開けた国”キエフ・ルーシ”の末裔として誇りを持ち、自分たちを支配していたロシア人とあまり仲がよくない。
だからディナモ・キエフ対スパルタク・モスクワは、単なるサッカーの試合ではなく、合法的にソビエト・ロシアのウクライナ支配に反抗できる場であったのだった。
ある年のソビエト・カップ決勝は例によってディナモ・キエフ対スパルタク・モスクワとなり、スターリン臨席の”御前試合”となった。
結果はディナモ・キエフの勝利となったのだが、スターリンは試合終了の笛を聞くと不機嫌そうに立ち上がり、「この試合は無効だ」と言った。
数日後に再試合となり、お約束どおり今度はスパルタクの勝利となった。
中国にも八・一隊(人民解放軍の旗は、五星紅旗に八一と書かれたものだが”はー”ではない)というのがあったが、強豪チームにはなれなかった。
ロコモティフ(=機関車)・モスクワは、旧ソ連国鉄関係のチーム。
キリル文字のL(Л)のトンネルを機関車が通り抜けている、ここのエンブレムはオシャレで非常にカッコ良いと思う。
こうした共産圏の左翼独裁国家において、国民が逮捕されずに大っぴらに政府に反対できるのは、サッカーの応援をするときだけだった。
例えば、チャウシェスク左翼独裁政権下のルーマニアで政府に反対するものは、市民チームであったラピド・ブカレストを応援し、軍隊チームのステアウアや、市民の日常を監視・密告する秘密警察セキュリターテのチーム・ディナモを倒してくれることを期待するのである。
悲しいかな、政府が権力を使って良い選手をかき集め、時には八百長さえ行う軍隊や秘密警察のチームに、たいていは返り討ちにされてしまうのだが。
おっと、話がとんでもない方へ脱線してしまった。
クロフネがアンドレイに「あなたが好きなのはスパルタク・モスクワ?それともロコモティフ?」と聞くと、”アイスマン”の表情がとたんに変わった。
「スパルタクだ。スパルタクはとても美しいチームだ」と誇らしげに言った。
たぶんアンドレイは「我がスパルタクの名は、こんな極東の果てにまで轟いていたか」と驚いたのだろう。
自分の好きなチームを「強いチーム」とは言わず「美しいチーム」と表現するのは、同じサッカー好きとして良くわかる。
だが、スパルタクの名を私が知っていたのはサッカーバカだからで、日本人としてはちょっと例外である(笑)
「ドミトリー・ラドチェンコがジュビロ磐田でプレーしていたことがある」と私が言うと、「ああ、知っている。彼もスパルタクの出身だ」と答えたがそこで会話がとぎれ、アンドレイは”アイスマン”に戻ってしまった。
その場を重苦しい空気が再び支配して、長~い数分間がすぎたが、それはいとも簡単に打ち破られた。
それは何か? 次回へ続く
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謹賀新年
- 2007/01/01(月) 00:00:00
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