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第27回 華夷秩序は復活するか?

  • 2006/07/29(土) 01:23:39

前回、「中国がアメリカやEUの助けを借りなくても、自力で発展できるようになった時、そして中国が政治・軍事・経済で世界一になるようなことがあれば、中国が世界に遠慮する必要はもはやなくなる。 そうなれば中国は自らの国益のためにアメリカやEUさえも力ずくでねじ伏せにかかるだろう」と言った。

 それでは、もし中国が政治・軍事・経済の各分野で世界一になるようなことがあった場合、国際社会はどんな姿になるのであろうか。

その重要な手がかりが、二千年以上に及ぶ東アジアの歴史に残されている。

 現在の国際関係のベースは、17世紀以降の近世ヨーロッパで形作られた。

具体的に言えば、ドイツ三十年戦争(1618~48)の帰結としてのウエストファリア会議の開催以降、経済力や軍事力などを含めた国力の大小はともかく、たてまえとして主権国家同士は対等・平等とされ、条約や国際法が主権国家同士の関係を規定するような国際関係が徐々に形成されていき、二度の世界大戦を経て現在のような姿に発展していった。

帝国主義の時代では、欧米列強による侵略と世界分割が行われ、列強の植民地とされた地域や被保護国には、主権国家としての権利は与えられなかったが、20世紀以降かつての植民地・被保護国のほとんどが独立し、「主権国家同士は平等」という現在のような世界秩序が形成されていった。

ところが、東アジア世界では遠い紀元前の昔から19世紀の終わりまで二千年以上にわたって、現在のような国際関係とは全く違う原理が支配する世界だった。

それが中華思想に基づく華夷秩序である。

 中華思想とは

「中国発祥の儒教文明・礼教文化こそ世界最高のものであり、世界で唯一かつ最高の文明のゆりかごとなった中国こそ、世界の心で、世界で唯一、文明のを咲かせた地である。

よって中国の支配者・皇帝は天下に君臨し、中国の周囲にいる文明さえ知らない野蛮な異民族に、世界最高の中華文明を与えてやる存在であり、文明を与えられる野蛮な異民族は中国皇帝に感謝し、遠くからでも中国皇帝に貢物を持ってやってくるのである」

といった、非常に差別的な思想である。

(歴史上、こういった差別的な思想は、中国以外にも存在していたが)

 この中華思想に基づいて、東アジア特有の国際関係である華夷秩序が形成された。

まず世界の中心には皇帝の居城があり、その周囲に中国の領土・正州がある。

そのまわりを都督府のような統治機関の統括下に異民族が自治を許された羈縻州(きびしゅう)が取り囲む。 代表例は唐時代のベトナム北部や内モンゴルである。

さらにその周囲には、官爵をさずけられ中国皇帝と君臣関係を結んで中国に貢物を奉げる異民族の王が支配する冊封国がある。 

冊封国の支配者は、中国のように皇帝という称号を使用することは許されず”王”を名乗り、臣従の証として中国皇帝から印章と暦を受け取り、自らの国の戸籍を提出した。 朝鮮半島はほとんどの時代、中華王朝の冊封国だった。

華夷秩序のもとでは、一応ここまでが文明が及ぶ世界である。

さらにその周囲には、中国皇帝を慕って貢物を奉げる使者を送ってくる野蛮な異民族の国・朝貢国がある。 日本やカンボジアなどがここに含まれる。

そしてその外側には、中華文明が全く及ばず、中国に敵対する極めて野蛮な異民族が住む対敵国がある。 モンゴル、チベット、大食(イスラム帝国)、ローマ帝国など欧州諸国などがそれである。

これが華夷秩序の支配する世界である。

 華夷秩序というのは、もちろん中国人自身が考え出した世界観であって、必ずしも現実とは一致していなかったし、周囲の異民族もそうした世界観を受け入れるとは限らなかった。

その時代における中国自身の国力の大小によって、同じ国が羈縻州であったり冊封国であったり朝貢国となったりと変化し、冊封国といっても中国皇帝と王の君臣関係は象徴的なもので、中国皇帝の支配力が臣下である王に全く及ばないこともあった。

たとえば朝鮮半島の場合、中国が強大だった紀元前1Cの漢の時代、武帝に征服されて楽浪郡など四郡を置かれたころは羈縻州のようなものであったが、中国が分裂し弱体化した4C後半の広開土王の時代の高句麗は、中国の支配を離れて対敵国となり、13世紀にモンゴル(元)に征服された高麗は冊封国となった。

また、中国自身が衰えれば周辺国に攻め込まれて冊封国や羈縻州を失い、中国本土さえもが異民族に征服されることもあった。

この世界では国家や指導者同士の対等・平等は全く保証されておらず、唯一の文明国である中国とその支配者・皇帝が絶対上位で、その他の国とその支配者・王は絶対下位という極めて不公平な関係が固定化された世界であり、中国以外の国同士の関係では、民族固有の文化を捨てて中国文化を忠実にコピー(徳化)した国ほど上位に来るという世界である。

 それでは華夷秩序という思想の典型的な例をあげてみよう。

以下は、清帝国第六代・乾隆帝からイギリス国王ジョージ三世への国書の一部である。

「汝(ジョージ三世のこと)の大使が自分の目で確かめたように、
朕(乾隆帝)は(この世の)全てを所有して余すところがない。」

「王よ(ジョージ三世のこと)、お前は心から文明を求めているようだ。
お前は使節を送って深く頭を垂れ、朕の誕生日に際して国書を差し出し祝辞を述べた。また、お前の国の産物を献上することで、よく誠意を示してくれた」

 次は中国文明を熱心に模倣し、大中華(中国)に対して小中華を自称した、朝鮮王国における例である。

52ページ 「ヨーロッパは文明の中心地つまり中華帝国からあまりにも遠い。したがってロシア人、イギリス人、フランス人、ドイツ人とベルギー人は人間というよりもずっと鳥や獣のように見える。彼らの言語は鳥がちゅんちゅん鳴くように聞こえる。」
「キリスト教なるものは卑俗、浅薄で間違っている。下劣な野蛮人の慣習の一例である。」
42ページ 「キリスト教はその野蛮な教えで世界を汚染しようと努めてきた。その天国と地獄物語で大衆をだましている。」
50ページ 「中華帝国は、なんと壮大で光栄なことか!中華帝国は世界最大で一番豊かである。世界の最も偉大な人物は全て中華帝国の出身であった。」

(朝鮮王国学部大臣 申箕善編集 「儒教徒の緯度と経度便覧」
1896年 )

 中華思想と華夷秩序のもとで中国は、中華文明とは異質の文化を持つ外国を徹底的に蔑視してきたが、逆に外国の支配者が、中華文明の優越性や自国より中国の方が上位であり中国皇帝に臣下の礼をとることを認めた場合には、非常に寛大な姿勢を示した。

中国の優越性を認めた外国と中国の間の交易では、「世界で唯一かつ最高の文明国の支配者である中国皇帝は、周辺の野蛮な異民族の支配者に寛大なところを見せなければならない」ということになっていたため、中国との交易を望む者は、献上した物より何倍もの価値がある中国皇帝からの返礼品を期待できた。

 このように超大国・中国が絶対上位でその他の国が絶対下位という関係が固定された秩序である、華夷秩序が、二千年以上の長きにわたって東アジアの国際関係を規定してきた。

その華夷秩序に思わぬ挑戦者が現れた。欧米の帝国主義列強である。 彼らのアジア進出によって華夷秩序は大きく揺らいだ。

1876年にコーカンド・ハン国が併合されたのを最後に、清に朝貢していた西トルキスタン諸国をロシアに制圧され、1885年に清仏戦争に敗れて清はベトナムの宗主権を失い、1886年までの3度に及ぶ戦争でイギリスが清の朝貢国ビルマ(ミャンマー)を手中にした。

冊封国・朝鮮は華夷秩序の最後の砦であったが、それにトドメを刺したのは日本だった。

日本はほとんどの時代、中国皇帝の支配下に入ることを潔しとせず、日本の支配者は、中国皇帝の臣下を意味する王ではなく天皇を名乗るなど、日本人は中国からすれば常にナマイキな蛮族だった。

19世紀に産業革命を達成して、日本はアジアで初の近代的な立憲国家となった。

その日本と戦った1894年の日清戦争で清はあっけなく敗北し、華夷秩序の最後の砦・朝鮮の宗主権を失った。

その後の中国は、辛亥革命と国民党政権を含む軍閥割拠の時代、日中戦争、国共内戦、中国共産党独裁体制の成立という流れになるが、清帝国の没落や戦乱・共産主義の誤った政策によって、すっかり国力が衰えてしまった。

 しかし90年代の改革開放政策によって中国は飛躍的に経済力・軍事力を高め、21世紀になり日本と並ぶアジアの大国として蘇りつつある。

これによって中国が100年ぶりに華夷秩序を復活させられる条件がそろったわけだ。

 現在の中国は一見近代国家のようではあるが、北京にいる皇帝(国家主席)が宦官(共産党官僚)の助けを得て、藩鎮(地方勢力)を牽制しながら広大な中国を統治するという具合に、統治システムにおいて、かつての専制王朝と大差ないのが非常に懸念される。

また、ウイグルやチベット・内モンゴル自治区や朝鮮族自治県のような植民地・羈縻州を統治し、北朝鮮やミャンマーといった”属国”を周辺において寛大な条件で援助を与えているし、”中国の偉大さ”に敬意を払う東南アジア諸国や中央アジア諸国にも心の広いところをみせる。

中国は”平等互恵”という言葉を好んで使用するが、この言葉が適用されるのはこうした国々だけで、かつての華夷秩序を彷彿とさせるものだ。 

 そして”中国の偉大さ”に敬意を払わず、従おうともしない日本に対してだけは牙をむき、中国は力ずくで日本をねじ伏せて、華夷秩序に従わせようとしているようにみえる。

日本は100年前に”栄光の華夷秩序”にトドメを刺した張本人であり、19世紀末からの日中間の歴史を思い出しては、中国は日本に深い恨みの眼差しを向ける。

92年の今上陛下の訪中時、中国側は陛下に印鑑を贈ろうとしたことがあったという。 これは外務省関係者のとっさの機転で断ったと聞いたが、受け取っていたら大変なことになっていた。

前述のように華夷秩序においては、中国の都へ行き、中国の支配者から印鑑を下賜されるということは、中国の支配者の臣下になるという意味を持っているからである。

長いこと日本は中国に対する大援助国だったが、中国側は日本からの援助をたいてい合作と呼ぶ。 ”援助”なら文字通り助けてもらうことだが、”合作”だと日本と中国が共同で何かを成し遂げるというニュアンスが強い。

”下位の日本”が”上位の中国”を助けるといった事実を受け入れることは、中国人として絶対に認められないということだろう。

また、近年日中関係の焦点のひとつとなっている靖国問題に代表されるように、中国の指導者はあたかも自らの征服地の住民に接するような態度で、日本に内政干渉を繰り返す。 歴史問題でも「文明国である中国が野蛮で憐れな日本に正しい歴史を教えてやる」といった態度だ。

もしこうしたことがなくなるとすれば、それは日本が”中国の偉大さ”に敬意を払い、中国が絶対上位で日本が下位という国際秩序を受け入れた時か、再び中国の国力が大きく減衰したときだけかもしれない。

 今現在は、日本と中国の力関係は拮抗した状態にあり、それだけに日中間の摩擦は激しいものになっている。

中国が共産党独裁体制つまり北京の”皇帝”や”宦官”たちによる専制政治を維持したまま国力を増大させて、日本や独・仏・英といったEU諸国をはるかに上回るパワーを手に入れ、ついにアメリカと匹敵する大国となるような事態が現実のものになると、将来、深刻な危機が発生する可能性がある。

日本が中国にひれ伏すようなことがあれば、東アジアにおける華夷秩序は100年ぶりに”完全復活”し、中国に逆らえる国はなくなるだろう。

それによって中国は、地域内において外交的フリーハンドを持つアジア一の大国になるという悲願を達成する。 台湾を併呑したり、東・南シナ海を中国の内海とするのも容易になるだろう。

そして中国が世界一の大国となり、華夷秩序をアジアだけでなく欧州やアメリカ大陸といったアジア世界以外に広げることに成功すれば、「主権国家同士は対等・平等の権利を持つ」という現在の国際秩序は破壊されることになる。

日本や欧米の研究者は、二千年以上の歴史を持つ中華思想や華夷秩序について、もっと注目すべきではないだろうか。

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韓国人学者のあきれた主張

  • 2006/07/28(金) 00:25:16

 島根県で竹島問題研究会が25日開かれたが、同研究会が初めて韓国人研究者を招待した。

招待されたのは、崔長根(チェジャングン)大邱大専任講師。

崔講師は、晴れた日に鬱陵島から竹島が”見える”ことを根拠として「東海(日本海)には鬱陵島と独島(竹島)があることを、朝鮮は6世紀ごろから認識していた」と主張したという。

朝鮮の古地図に登場する于山島が、実際の竹島の位置と大きく異なっている点については、空島政策で鬱陵島が無人島となったため混乱が起きたと説明し、「于山島は独島であり、朝鮮が認識していたことは明らか」と述べたらしい。

日本側の下條正男拓殖大教授らが「”見える”ことと領有権は別問題」「本当に6世紀から”見ていた”のか、竹島をいつ領土編入したのか、きちんと文献で示すべき」と質問したが、崔講師は何ら証拠を示さなかったという。

引用記事 

 以前、雑誌・月刊WiLLに、竹島の領有権問題について韓国側の学者と討論した経験を持つ日本人の学者さんと、桜井よし子女史との対談が載っていたが、対談の中に出てきた、韓国側の竹島問題専門家のレベルの低さにあきれ果てたことがある。

日本側が竹島の領有権が日本にあることを主張すると、韓国側が一斉にエキサイトして抗議し出し、日本側が「それではこちらの主張の根拠として、事前にお配りした資料をご覧ください」と言って日本側の主張の根拠を説明しようとすると、

しばらく口をモゴモゴさせた後、韓国側が一斉にイスから飛び上がって「お前たち、学者としての良心が無いのかー!!」と絶叫し、

困惑した日本側が「ですから、お手元の資料をまずご覧になって...」と言うと、

再び韓国側がイスから飛び上がって「お前たち、韓国に対する愛情が無いのかー!!」と絶叫して、まったく議論にならなかったという。

(”韓国への愛情”など竹島領有権となんの関係も無いし、そもそも日本人の知ったことではない)

日本や欧米の学者からすれば、科学的・論理的思考からまったくかけ離れた韓国人”学者”たちの存在は、「信じられない」の一言だろう。

こういう人達と歴史認識の共有もへったくれも無いと思うのだが、今回、竹島問題研究会に招待された韓国人学者も、歴史文献のような証拠を一切示せず、「お前たち、学者としての良心が無いのかー!!」と絶叫するような人達と大した違いは無かったようだ。

 この韓国人学者の「鬱陵島と独島(竹島)があることを、朝鮮は6世紀ごろから認識していた」という主張の根拠は、おそらく”三国史記”という書物だろう。

”三国史記”は高麗時代の重臣、金富軾(1075~1151)が仁宗に命じられ編纂した歴史書で、12世紀に完成した。

その”三国史記”の新羅本記第四・智證麻立干・十三年条にこういう記述がある。

十三年 夏六月 于山國歸服 歳以土宜爲貢 于山國在溟州正東海島 或名鬱陵島 地方一百里 恃嶮不服 伊異斯夫爲何瑟羅州軍主 謂 于山人愚悍 難以威來 可以計服 乃多造木偶師子 分載戰船 抵其國海岸 誑告曰 汝若不服 則放此猛獸踏殺之 國人恐懼 則降

智證・麻立干(王)の十三年(西暦512年)六月、于山国が服属してきて、年ごとに土地の産物を貢ぎ物として献上した。 于山国は溟州(現在の江原道)の真東の海上にある島で、またの名を鬱陵島という。 (以下略)



韓国側は、ここに出てくる于山国こそ竹島だと主張し、「だから6世紀に竹島は新羅のものとなった。」と言い張っているわけだ。

そして漢字が読めない韓国民に”独島我らの土地”という歌を歌わせ、子供のときの柔らかい脳にウソを刷り込む。

”独島我らの土地”には「三国史記に独島は新羅のものと書いてある」といった内容の歌詞があって、この歌を根拠に多くの韓国人は、竹島は韓国のものと信じて疑わないのである。

 しかし、漢字が読める我々日本人にはすぐウソが見破れる。

「于山國在溟州正東海島 或名鬱陵島」 「于山国は溟州(現在の江原道)の真東の海上にある島で、またの名を鬱陵島という。

つまり于山国は鬱陵島の別名だということ。決して竹島ではない。 しかも当時の半島人たちは、鬱陵島の正確な位置さえ良くわかっていなかった。

その証拠に昔の地図には、混乱して于山国は鬱陵島と別の島だと勘違いして、二つの鬱陵島が描かれたものさえある。

于山国が竹島ではないもう一つの根拠は、三国史記にしろ三国遺事にしろ太宗実録にしろ、古文献に出てくる于山国が集落と耕地を持つ大きな島として記録されていることである。

竹島は集落や耕地をつくれるような島ではない。

 三国史記が出たついでに、対馬についての面白い記述を紹介しよう。

新羅本紀第三 実聖・尼師今(王)の七年(西暦408年)条にこういう記述がある。

七年 春二月 王聞 倭人於対馬島置営 貯以兵革資粮 以謀襲我 我欲先其未發 揀精兵撃破兵儲 舒弗邯未斯品曰 臣聞 兵凶器 戰危事 況渉巨浸以伐人 萬一失利 則悔不可追 不若依險設関 来則禦之 使不得侵猾 便則出而禽之 此所謂致人而不致於人 策之上也 王從之



これをおおざっぱに訳せば、こうなる。

七年 春二月、実聖王は倭人(日本人)が対馬に基地を設置して、武器と資材・食糧を貯えて、新羅を襲おうと準備しているという情報を手に入れた。

王は、倭(日本)が動き出す前に精鋭の兵を選び、敵の兵站基地を撃破しようと思ったが、部下の未斯品が諌めて言った。

「兵は凶器であり戦は危険な事です。ましてや大海を渡って他国を討伐し、万が一に勝つことができなければ、後で悔やんでも仕方ありません。」 

これに従って王は思いとどまった。



 「対馬は古来から韓国のもの」というデマを信じる韓国人がいるらしいが、この文献からもわかるように、古代から対馬も倭国(日本)の勢力圏内にあったことは明白。

そもそもこの時代、倭国の国力は新羅より大きく、対馬を拠点にしばしば新羅など半島に攻め込み、ここに出てくる実聖王(第十八代新羅王)は、奈勿王(第十七代新羅王)の王子・未斯欣を人質として倭国に差出し、和平を請うている。

(未斯欣(ミシキン)は日本書紀には微叱許智(ミシコチ)として神功皇后前紀十月条などに記述されている。 いずれチャンスがあったら、地政学的観点からみた日本・半島の古代史を取り上げてみたい。)

 というわけで、話がちょっと脱線してしまったが、古文献からみても、竹島や対馬が古代から韓国領だったというのは大ウソである。

ましてや、「鬱陵島から竹島が見えていたから韓国領」などという主張は、馬鹿も休み休み言えと言いたい。

対馬から晴れた日には韓国が見えるそうだが、韓国の主張が正しければ「対馬から見えたから韓国は日本領」ということになる。

「竹島は韓国のもの。いや絶対そうでなければならない」という妄想が先にあって、あとから適当にヘリクツをつぎはぎしただけの、低レベルな韓国の学者の主張には、ただただあきれるほかない。

素人の私でさえ論破できる、こんな低レベルの”学者”たちを競争相手に、日本に竹島領有権があることを世界に納得させるのは造作もないことだと思うのだが。


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参考記事・于山島は竹島ではない

ノ・ムヒョンが火だるま ほかグローバルインテリジェンス(7/27)

  • 2006/07/27(木) 00:40:26

◆イ統一相をかばったノ・ムヒョンが火だるまに 

韓国のイ・ジョンソク統一相が「(北朝鮮のミサイル発射問題で)米国にもっとも多くの失敗があった」と発言、与野党から非難ごうごうの状態となっていたが、今度はノ・ムヒョンがイ統一相をかばったため、非難の矛先がノ・ムヒョンに集中、火だるまの状態になっている。

もうノ・ムヒョンがどんな馬鹿げたことを言い出しても私は驚かなくなったが、「北朝鮮がニセドル札づくりをやっているという証拠はない」などと、金融制裁を続けるアメリカを批判したばかりのノ・ムヒョンが、

今度は「北朝鮮のミサイル発射問題でもっとも多くの失敗をした」とアメリカを批判したイ・ジョンソク統一相をかばって、苦し紛れの言い訳を繰り返している。

自らの支持率アップのために日本敵視政策をとり、北朝鮮政策の食い違いで今度はアメリカ敵視。 肝心の北朝鮮からは、南北会談でヒジ鉄を食らい、中国の胡錦涛主席と電話会談するぐらいしか手がなくなったノ・ムヒョン。

世界から完全に孤立したノ・ムヒョン政権は、納得した上で中国の覇権のもとに飲み込まれようとしているのだろうか。

 クレージーとしか言いようがないノ・ムヒョン政権の外相であるバン・キムン氏が国連事務総長になるなど、とんでもないことだし、アメリカも どこへ行くか極めて不透明な韓国に先端兵器を売却するべきではないと思う。

関連記事・韓国人が国連事務総長予備選挙で一位



◆やはり金大中事件の犯人は韓国政府情報機関KCIAだった 

1973年当時、韓国の野党大物だった金大中(キム・デジュン)氏が東京のホテルから何者かによって拉致された事件で、韓国政府の”過去事件の真相究明委員会”が、韓国情報機関・中央情報部(KCIA)による組織的犯行とする中間調査結果をまとめたことが明らかになった。

当時、キム・デジュン氏を誰が拉致したのか最大の謎とされてきたが、現場に残された証拠品から韓国政府の関与は間違いないと言われてきた。

その正しさが今回裏付けられたかたちとなった。

70年代当時の日本はさながら”スパイ天国”で、韓国のパク・チョンヒ軍事独裁政権のスパイ組織が日本の主権を侵して、日本国内から堂々と人間を拉致・連行していったことに、あらためて激しい怒りを感じざるを得ない。

70年代はちょうど北朝鮮特殊工作員による日本人拉致が多発していた時で、北も南も血はあらそえないものである。

以前この話題を取り上げ、「日本の主権を侵しキム・デジュンを拉致した韓国政府は恥知らずだ」と言ったら、半島系と思われる人がコメント欄で必死に「KCIAがやったという明確な証拠はない。私は韓国政府が恥知らずだとは思わない」と弁解していたが、いまごろどんな顔をしていることやら。

関連記事・韓国を甘やかす懲りない人たち


◆イラク派遣自衛隊員、全員無事帰国 

第10次イラク復興支援群の陸上自衛隊員約280人が25日午前、日本航空チャーター便で帰国した。 これでイラクで活動していた約600人の隊員全員が無事に帰国したことになる。

イラク南部の道路にあいていた大穴が原因で、陸自車両の横転事故があり、ケガ人が出たのは残念だったが、一人の犠牲者も出さず、自衛隊員の方が全員無事に帰国されたのは本当に良かった。

国民の一人として、あらためてお礼を述べたい。

自衛隊員の方々が体を張った援助活動をなさってくれたことで、戦場となり荒廃したイラクの人々はもちろん、日本の国際的な評価の向上によって、我々日本国民に対しても多大な貢献をしてくれたと思う。

夏場の40度を軽く超える暑さや砂ぼこりと格闘しながらの援助活動は、苦労の絶えないことだったろう。

自衛隊の皆さん、本当にありがとうございます。

 しかし自衛隊のイラク派遣前に巻き起こった、イラク派遣は憲法違反かどうかとか機関銃は何丁までが良いかといった議論は、本当に不毛だった。

私は「自衛隊の存在は違憲であり、だから憲法を改正するべきだ」という立場だが、ひとまずそれは脇へ置いておくとしても、

日本とイラクの間に領土争いなどがあって、そういった国際紛争を解決するために自衛隊を出して武力行使をさせようというのではなく、ただ、自衛隊がイラク復興のために援助活動に行っただけなのだから、そもそも憲法違反も何もなかったと思う。

自衛隊が日本の外に出れば即侵略・即憲法違反みたいな不毛な議論は、いいかげん止めるべきだ。

関連記事・◆イラク派遣自衛隊の撤収が決まる


◆レバノンでイスラエル軍の空爆により中国人に犠牲者 

平和維持活動の目的でレバノン南部に展開している”国連レバノン暫定軍”(UNIFIL)の施設が25日、イスラエル空軍機によって空爆を受け、中国国籍の人を含む4人が犠牲となった。

中国政府はすぐさまイスラエルに対し抗議した。

引用記事 

この記事を読んだとき、99年のコソボ紛争時、ベオグラード中国大使館が米軍機によって”誤爆”された事件を思い出した。

中国は、イランを経由してレバノンのイスラム原理主義組織”ヒズボラ”にミサイルを供給していて、その中国製ミサイルをヒズボラが使用したことによってイスラエル人に犠牲者が出ている。

イスラエル軍は、多数の高性能無人偵察機を運用しているから、記事にあるように国連軍施設を14回も誤爆するとはちょっと信じられないのだが。

これをイスラエルの中国に対する”警告”と見るのは考えすぎか。

関連記事・中国製兵器がイスラエルを攻撃


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韓国人が国連事務総長予備選挙で一位

  • 2006/07/26(水) 01:09:55

 今年いっぱいで任期が切れるアナン国連事務総長の後任選びが動き出した。

24日に国連安全保障理事会は、国連事務総長選挙の予備投票を行った。

これは国連として初の試みで、安保理のメンバー15カ国が立候補を届け出た4人の候補に投票したが、安保理メンバー一カ国が4人の候補いずれにも支持票を入れることができ、事務総長選挙本番の結果とは直接関係がない。

国連筋によると、4人の得票結果は、

韓国の潘基文・外交通商相が支持12票 不支持1票 留保2票でトップ。
インドのタルール国連事務次長が支持10票、不支持2票、留保3票で次点。

タイのスラキアット副首相は支持7票、不支持3票、留保5票で3位。
スリランカのダナパラ前国連事務次長が支持5票、不支持6票、留保4票で4位だった。

日本は「現時点で誰を支持するか明らかにする必要はない」として、全員に支持票を入れた。

引用記事 

選挙戦は夏以降に本格化し、新たな立候補者があらわれる可能性もある。

秋に予定される本番の選挙では、安保理15ヶ国のうち9ヶ国以上の支持を受けた者で、なおかつ常任理事国が拒否権を行使しない場合に限り、最終的な国連事務総長候補者となり、その人物が国連総会で追認をうけて新事務総長が誕生する。 任期は2007年から五年間である。

 韓国の潘基文・外交通商相が予備投票において僅差でトップとなった。

前述のように今回の予備投票の結果で一喜一憂する必要もないのだが、韓国の潘基文氏が次期国連事務総長になると、日本にとっても国連にとっても世界にとっても、忌々(ゆゆ)しき事態だと思う。

 従来、国連事務総長は、世界に大きな影響力を持たない”小国”や、オーストリアやスウェーデンといった中立政策をとっている国から選ばれてきた。

初代 トリグブ・リー        ノルウェー
二代 ダグ・ハマーショルド     スウェーデン
三代 ウ・タント          ミャンマー
四代 クルト・ワルトハイム     オーストリア
五代 ハビエル・ペレス・デクエヤル ペルー
六代 ブトロス・ブトロス・ガリ   エジプト
七代 コフィー・アナン       ガーナ




しかし、盧武鉉政権における潘基文・外交通商相の言動をみるかぎり、彼が国連事務総長として中立の立場から公平に国際問題に対処できるとは、逆立ちしても思えない。

靖国問題や教科書問題の例をあげるまでもなく、潘基文・外相は日本に対する内政干渉を何度も繰り返すなど、外交担当者として国際常識に欠け、主権国家としての日本の権利を何度も踏みにじってきた前科を持つ。

彼の主張は、妄想の上に構築された韓民族優越主義がバックボーンとなっており、犯罪国家・北朝鮮をかばい続ける現在の韓国外交を主導してきたことも含めて、中立・公平さ要求される国連事務総長に潘基文・外相がふさわしいとは言えない。

潘基文氏が国連事務総長になった場合、その地位を世界全体と国連のためではなく、韓国一国のナショナリズムのために利用しようとするのは目に見えている。

世界の意見を無視して日本の常任理事国入りを妨害したり、日本海を東海と名称変更する運動を展開しつつ、「竹島は古来から韓国領」というウソを言いふらすかもしれない。

潘基文氏が事務総長になれば、北朝鮮や北に同情的な中国ばかりに肩入れし、国連軍として在韓米軍を展開するアメリカを困難に陥れることも予想される。

現在の韓国政府が「北朝鮮ミサイル発射問題で失敗したのはアメリカ」と主張するように。

 読者の皆さんの中には、「韓国なんて国際社会で影響力がないから、国連事務総長になんかなれっこないよ」と思う人もいるかもしれない。 

しかし、私は油断できないと思う。

韓国が”腐敗共和国”としばしば揶揄されるように、ワイロと異性で人を誑(たら)しこむ技術にかけては、世界トップレベルだからである。

IOC(国際オリンピック委員会)の金雲竜・副会長やFIFA(国際サッカー連盟)の鄭夢準・副会長のように、韓国は国際機関の選挙で、それなりの実績を残している。

しかも、その韓国人が国際機関でトップに向かって階段を上るごとに、どういうわけかその国際機関に汚職と不正・組織の私物化という害毒が蔓延していくのである。

参考記事

単純なワイロや異性による攻勢が安保理で成功するとも思えないが、かといって”腐敗共和国”の力量を甘くみるわけにはいかない。 

 日本は、インドのタルール氏、タイのスラキアット氏、スリランカのダナパラ氏、その他の候補者をよく調査し、清潔さ・公平性において誰が国連事務総長にふさわしいのか、見極めなければならない。

(タイ・スリランカは中国と友好関係にあるので、そちらも要注意である)

場合によっては、日本が第三国から候補者を立てても良いだろう。

そして、米・英・仏などの常任理事国や日本以外の非常任理事国に積極的に働きかけて、潘基文氏に問題があることをよく説明し、日本の意中の候補が当選するよう全力を尽くして、最悪でも潘基文氏が国連事務総長になるような事態だけは避けなければならない。

ネガティブ・キャンペーンは気が進まないなどとは言っていられない。

国連が決して中立でも公平でもないのは、中国が世界規模で日本の常任理事国入りを妨害するネガティブ・キャンペーンを展開したことで、日本自身が他の誰よりも身にしみて理解したはずである。

対北朝鮮決議採択の時のような、積極的かつ大胆な国連外交を日本政府・外務省にお願いしたい。 


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昭和天皇メモを中国人民日報が”利用”

  • 2006/07/24(月) 23:54:39

【共同通信社 7月23日 19時22分】

【北京・共同】中国共産党機関紙、人民日報は23日付紙面で、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に不快感を示していたとされるメモが見つかったことに関し、靖国神社は日本の「軍国主義者」が大衆を洗脳するために使う「アヘンだ」と批判する署名論文を掲載した。
人民日報は、「メモが明らかになったこの機会に日本は天皇の真意を真剣に受け止め、軍国主義の芽を摘み取るべき」と警告。



引用記事 

 これまで中国官営マスコミは、昭和天皇のご発言とされるメモが”発見”された事について、抑制された態度を見せていたように思う。
それについては、このニュースをどう取り扱ったらよいか、慎重に検討していた結果という分析が出ている。

引用記事 

しかし、23日付の中国共産党の機関紙”人民日報”に「靖国神社はアヘンである」と口汚く罵る論評が掲載された。

 あれほど毛嫌いしていた麻生外相との日中外相会談を再開させるなど、中国の胡錦涛政権は、靖国問題をひとまず脇へ置いておいて日中関係改善を優先させる動きを見せていたが、ここにきて再び風向きがおかしくなってきた。

中国は、靖国問題を前面に押し立てて、日本に”宗教戦争”を挑んできたのだが、その結果、日米など世界に存在する”中国脅威論”の正しさを自分で証明したかたちとなった。

焦る中国が靖国問題でもがけばもがくほど、対日外交の泥沼にはまっていき、ジタバタしているうちに対日外交どころか対米外交までおかしくなってしまった。

胡主席率いる中央政権は、そうした”宗教戦争”の不毛さを悟り、現実的な対日外交政策へと軌道修正をおこなったと私は見ていた。

今回の人民日報の論評掲載が、胡主席率いる中央政権の意向かどうかはわからないが、再び対日外交の泥沼にはまろうというのだろうか? だとしたら全く愚かだと言うよりほかない。

中国が主張する”南京事件”を題材にした映画が3本同時に制作される計画さえあるという。

引用記事 

(それとも反日原理主義者だった江沢民が影響力を持つ上海閥や軍部の胡主席に対する反撃なのだろうか。 24日付け産経の朝刊に、上海閥の有力者・黄菊副首相の家族が不正融資疑惑で党中央規律検査委員会から調査されているらしいというニュースがのっていた)

「靖国神社はアヘンである」とまで言い切った人民日報は本当に許せないが、「日本は天皇の真意を真剣に受け止め、軍国主義の芽を摘み取るべき」という主張も笑わせる。

中国共産党の主張は、「昭和天皇は陸海軍を統帥して中国を侵略した、日本の軍国主義の張本人であり、その責任から逃れられない」というもののはずだが、いつから中国共産党は昭和天皇を崇拝するようになったのか? 

それに「軍国主義の張本人の真意を真剣に受け止め、軍国主義の芽を摘み取るべき」という人民日報の論理は全く矛盾している。

誤解の無いようにあらかじめ言っておくが、私は戦前の日本が中国を征服すべきだったとは全く考えていないし、昭和天皇も日本軍が中国大陸で軍事作戦を拡大させていくのを、ご心配なさっていた。

だが、中国共産党みずから昭和天皇を熱烈に崇拝するなら、日中戦争のとき中国共産党は日本軍と戦わず、素直に降参すればよかったではないか。

人民日報と中国共産党のご都合主義には、あきれるばかりだ。

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関連記事・昭和天皇のメモに思う

関連記事・中国の権力闘争と対日外交の変化

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焦る韓国と普通の国になりつつある日本

  • 2006/07/22(土) 00:46:27

【社説】安保理決議案を主導した日本、北朝鮮に背を向けた中国

 ホワイトハウスのハドリー補佐官は15日、国連安保理の対北朝鮮決議案が採択される直前、日本の安倍官房長官に電話をかけ、「日本外交の偉大な成果であり勝利」と伝えた。

 日本は今回の決議案で、提案から採択までの全過程において主導的な役割を担った。日本は1956年に国連に加盟して以来50年目にして初めて主役を演じたことになる。勢いに乗る日本が、昨年失敗に終わった国連安保理の常任理事国進出に再度挑戦するのではないかとの話も出ている。

 北朝鮮のミサイル発射は日本に再武装の名分を与えただけでなく、国際社会のひのき舞台にのぼる踏み台を提供したも同然だ。

(中略)

戦争責任のためやむなく受け入れた「平和憲法」という足かせにより、軍事力を押さえ込まれていた日本は、国力に見合った軍事力を持つという積年の悲願を達成できる機会を得た。

 また中国は、より大局的で長期的な国益を計算した上で、北朝鮮との「特別な関係」を「普通の関係」に再調整しようという動きを見せている。

 こうした流れを陰から総合的に演出しているのは、もちろん米国だ。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は日本が主導する決議案を不適切なものと見なし、この動きに逆らうためのさまざまな試みを行った。そして、これが韓国の手に余る問題であるとしても、後ろから中国が手助けしてくれるのではないかと期待していたように見受けられる。韓国政府は中国が北朝鮮と距離を置こうとしているという事実にすら全く気付かなかったのだ。

 こうして決議案は結局日本の思惑通りに推移し、韓国政府は「日本外交の偉大な成果であり勝利」を観覧席から眺める立場になってしまった。

 「日本と中国の間でバランサーの役割を担う。われわれの選択により北東アジアの勢力地図が変わるだろう」と語っていた現政権の人々は、今いったいどこで何をしているのだろうか。

2006/07/19 朝鮮日報社説

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/
2006/07/19/20060719000003.html




 このブログで人はたいてい「自分がこう考えるから相手もそうだろう」と思い込むがそれは間違いの元で、外交問題を考えるとき、そうした先入観から自分を解放することが大切であるということを何度か言ってきた。

日本が国連安保理における議論を積極的にリードして、対北朝鮮決議の採択にあたって大きな役割を果たしたことに関し、それを遠巻きに眺めていた韓国が、変化のきざしがみられる日本の外交・安保政策を盛んに分析しようとしている。

韓国側の分析にも、「自分たちはこう考えるのだから日本もそうだろう」という韓国のホンネが強く反映されていて非常に興味深い。

たとえば、

「北朝鮮のミサイル発射は日本に再武装の名分を与えただけでなく、国際社会のひのき舞台にのぼる踏み台を提供したも同然だ。 」

「戦争責任のためやむなく受け入れた”平和憲法”という足かせにより、軍事力を押さえ込まれていた日本は、国力に見合った軍事力を持つという積年の悲願を達成できる機会を得た。 」

といった部分だ。

朝鮮日報は韓国では右派にあたる新聞だが、このような分析は中央日報や東亜日報といった他の新聞でも見られた。

こうした分析に、多くの韓国人が持つ価値観が如実にあらわれていると思う。

 今回の北朝鮮によるテポドン発射騒ぎが起こる前に、日本国民全体に「国際社会のひのき舞台にのぼろう」としたり、「国力に見合った軍事力を持つという積年の悲願を達成」したいといったコンセンサスなど無かった。

日本国民の中には、対北朝鮮安保理決議が出たあとでも日本の常任理事国入りの必要性に全く無関心な人も少なくないし、あのテポドン発射騒ぎの後でさえ、敵地攻撃能力が憲法に違反しているのいないのと不毛な議論を繰り返す人がどれほどいたことか。

今回のテポドン騒ぎで、そうしたことに関心を持った人は増えたかもしれないが、「国際社会のひのき舞台にのぼり国力に見合った軍事力を持つ」ということは依然として日本国民全体の悲願でもなんでもない。

にもかかわらず韓国のマスコミの多くが、そのような分析を行ったということは、「韓国自身が国力を高めて国際社会のひのき舞台にのぼり、その国力に見合った軍事力を持つということを悲願と考えているから、日本人だって同じに違いない」と考えた結果であろう。

 かつて日本にもそういう時代があった。 
富国強兵が叫ばれ、国力と軍事力を高めて”世界の一等国”になるために邁進していた、世界で帝国主義が全盛だった明治時代だ。

しかし現代日本ではそういった価値観はほぼ失われた。

私も、安保理やサミットのような外交の舞台で現在の日本にふさわしいポジションや発言権が与えられるべきだとは思うが、できることなら軍事力は必要最低限にとどめたいという立場だ。

(もっとも、中国や韓国・北朝鮮が大軍拡競争を展開しているので、周囲との軍事バランスをとるために日本も不本意ながらそれについていかなければならないという考えだが。)

 以前「韓国は100年遅れでやってきた帝国主義国家だ」と言ったが、帝国主義時代の日本のように、いまだに韓国では”富国強兵策”を多くの国民が支持している。

その証拠に、韓国が”軽空母”や巡航ミサイル搭載イージス艦・潜水艦などで機動部隊を結成することを計画するなど、大軍拡に走っている。

前記の記事における「韓国政府は『日本外交の偉大な成果であり勝利』を観覧席から眺める立場になってしまった。」という指摘や、「なぜサミットに韓国が招待されないのか」 といった記事が韓国マスコミから出てくるあたりに、”富国強兵”を強く望みながらもそれが思うように実らない韓国側のいらだちのようなものを感じる。

 だが、戦後の日本社会では「韓国は日本に侵略された歴史を持っているのだから、戦争の悲惨さや軍拡をすることの愚かさを誰よりも身に染みて感じているはずだ」という考えが、いわば”常識”であった。

それは戦後日本人の多くが「戦争は悲惨で軍拡は愚かだ」と感じていたから「韓国や中国の人だってそう思っているだろう」と勘違いしただけで事実ではなかったのだ。

それでも多くの日本人はそうした勘違いを現在まで続け、「『戦争は悲惨で軍拡は愚かだ』と考えている韓国や中国の人たちのために、日本は非武装中立で平和憲法をずっと守っていかなければならない。敵地を攻撃するなんてとんでもないことだ」と信じつづけてきたのである。

左翼に影響された戦後の多くの日本人は「平和を愛し軍隊を憎む韓国や中国の人たちと仲間になりたい」と強く願ったのだが、実際のところ、”富国強兵策”を支持する韓国や中国の人たちと正反対の価値観を持つ人間になってしまったといえる。

むしろ左翼系日本人から「韓国や中国の敵」と信じられてきた、軍事アレルギーのない右派(保守派)日本人のほうが、韓国や中国の人たちの持つ価値観に近いという皮肉な現実が存在していた。 左翼系日本人は全く気づかなかっただろうが。

 このような多くの日本人の勘違いが原因となって、これまで外国に嫌われないよう相手の顔色を気にしながら極力対立を避ける”主張しない外交”や、”非武装中立政策”が理想とされてきた。

韓国も、日本の”主張しない外交”や”非武装中立政策”を強く支持してきたが、それは韓国が”主張しない外交”や”非武装中立政策”を採用していて日本も同じ仲間だから支持するという意味ではなく、

国力を増大させそれによって軍事力や外交力を高めるという”富国強兵策”をとる韓国にとって、世界第二位の経済力がありながら軍事力も外交力も弱い日本は都合のよい存在だったからである。

簡単に言えば、いざというとき日本が韓国の言うことを聞かないのなら、韓国が日本をぶん殴ってでも言うことを聞かすことができる可能性があるから、日本の”主張しない外交”や”非武装中立政策”を強く支持してきたのだ。

 しかし今回のテポドン騒ぎで、弾道ミサイルで日本を威嚇する北朝鮮と、それを「人工衛星打ち上げかもしれない」と言って最後までかばった韓国に対して、”主張しない外交”や”非武装中立政策”では日本は何も守れないことがはっきりした。

富国強兵の道を突き進む韓国と中国、食べ物や着るものがなくても先軍政治をかかげる北朝鮮に対して、安保理やサミットといった”国際社会のひのき舞台”の中央で堂々と自らの立場を主張する外交と、自衛隊と米軍の協力関係という”武装政策”が日本を守ったのである。

結局パワーポリティックスの熱烈な崇拝者である韓国・中国・北朝鮮から日本を守るにはパワーを持つしかなかったという当然の帰結である。

 これに対して韓国側は「こうして決議案は結局日本の思惑通りに推移し、韓国政府は『日本外交の偉大な成果であり勝利』を観覧席から眺める立場になってしまった。」 「『日本と中国の間でバランサーの役割を担う。われわれの選択により北東アジアの勢力地図が変わるだろう』と語っていた現政権の人々は、今いったいどこで何をしているのだろうか。」 といった具合に深い敗北感を味わっているようだ。

そして敵地攻撃論が湧き上がった日本を「侵略主義の復活だ」と非難している。

 だが、これは世界第二位の経済力がありながら軍事力も外交力も弱い、韓国にとって都合のよい日本から、国力に応じた外交力や軍事力を持つ日本、韓国が言うことを聞かすために、ぶん殴ることができない日本へ変化しつつあることへの韓国の焦りが出ただけのことである。

真実を見抜く目をもった人間には、それが決して悪いことではないことがわかるはずだ。

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関連記事・韓国は帝国主義国家である

関連記事・日韓の綱引き

昭和天皇のメモに思う

  • 2006/07/21(金) 00:38:47

 昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に関し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」などと語ったとするメモを、当時の富田朝彦宮内庁長官(故人)が残していたことが20日、明らかになった。

 昭和天皇はA級戦犯の合祀に不快感を示し、自身の参拝中止の理由を述べたものとみられる。参拝中止に関する昭和天皇の発言を書き留めた文書が見つかったのは初めて。

 遺族によると、富田氏は昭和天皇との会話を日記や手帳に詳細に記していた。このうち88年4月28日付の手帳に「A級が合祀され その上 松岡、白取までもが」「松平の子の今の宮司がどう考えたのか 易々(やすやす)と 松平は平和に強い考(え)があったと思うのに 親の心子知らずと思っている だから私(は)あれ以来参拝していない それが私の心だ」などの記述がある。

(読売新聞) - 7月20日13時4分更新



引用記事 

 いわゆるA級戦犯の靖国神社合祀について、昭和天皇がお言葉を述べられたのを、当時宮内庁長官だった富田朝彦氏がメモに書きとどめたものが、このほど見つかったという。

これについては、陛下も薨去されて久しく、富田宮内庁長官も故人となっているので、メモの内容が真実であるかどうかは確認のしようがない。

そこで一応メモの内容が真実だとして、私の思ったことを少し綴ってみたい。

 昭和帝はご在位中に、激しく後悔なさったことが少なくとも一度あった。

それは、1927年に発足した田中義一内閣時代のことで、当時、中国大陸の日本軍と蒋介石の北伐軍が対立を深めていたのを陛下は大変心配なさっていた。  
陛下は、大陸にいる日本軍に自重するよう指示するようにと田中首相にお言葉をかけたが、その後、満州の軍閥の首領だった張作霖が暗殺されるという大事件が発生した。

これは関東軍のしわざとされたが、このことが原因で田中首相は陛下から厳しく叱責され、田中首相は責任を感じて内閣総辞職をした。

しかし、「君臨すれども統治せず」を理想的君主の姿とお考えになっていた陛下は、結果的に田中首相を解任するかたちになってしまったことを激しく後悔されたという。

「君臨すれども統治せず」というのは、君主が国家元首として存在しながらも、主権は行使しないという状態のことである。 陛下が皇太子時代に立憲君主国・イギリスへ留学をなさったことと、関係があるのだろう。

戦後になり、天皇が統治権を掌握することが定められた大日本帝国憲法が廃され、新たに日本国憲法が定められたことによって、昭和天皇は名実ともにご自身の理想である「君臨すれども統治せず」の立憲君主になられた。

 今回のメモによれば、陛下はA級戦犯の合祀に反対なさっていたとされる。だが、陛下は一言もそのことを公になさらなかった。

その理由は明白だ。 

陛下が「A級戦犯の合祀に反対だ」とご発言なされば世間に大きな影響を及ぼし、「君臨すれども統治せず」の立憲君主ではなくなってしまうからである。

だからご自身のお気持ちを決して公表なさらなかったのだろう。

今回のメモはありのままに受け止めるにしても、だから首相は靖国参拝を止めるべきだとか、A級戦犯をすみやかに分祀すべきという議論は、「君臨すれども統治せず」という陛下のご遺志とは違うように思われる。

靖国に参拝すべきかどうかは、主権を持つ国民の代表者たる首相が考え行動すべきだし、A級戦犯を分祀すべきかどうか、それが可能なのか不可能なのかは、宗教法人の靖国神社側が判断するべきことだ。

 もし、左翼マスコミに代表される、戦前の”天皇制”や国家神道を激しく批判し、今でも天皇を国家元首とする立憲君主制に懐疑的で、政教分離を声高に主張する人たちが、このメモを根拠にして「昭和天皇が反対していたのだから、小泉首相も靖国に参拝するべきではない」という論法を使うのならば、こっけいとしか言いようがない。


-----------------------------------
追記

 危惧したとおり、さっそく朝日新聞・民主党・共産党などの左翼勢力が騒ぎ出したようだ。

それでは、もし昭和帝が「いわゆるA級戦犯を合祀しても問題はないだろう」とするお言葉を発せられて、後にそれを書きとどめたメモが発見されたら、

それをもって朝日新聞・民主党・共産党などの左翼勢力が「昭和天皇が賛成なさっていたのだから首相は堂々とA級戦犯が合祀された靖国神社に参拝をするべきだ」という主張をしただろうか?

いや、絶対に有り得ない。

「天皇は過去を反省していない。天皇の意見に左右されてはならない」とキーキーわめいてヒステリーを起こしていたに違いない。

彼らのダブルスタンダードぶりには本当に嗤うしかない。


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サミット閉幕と日本の収穫

  • 2006/07/19(水) 23:59:35

 本当ならこの記事は昨日アップしたかったのだが、イスラエルとヒズボラの紛争が激化し、そちらの方が緊急事態だと考えて記事をさしかえた。

というわけで、今日はロシア・サンクトペテルブルクで開催されたサミット・主要8カ国首脳会議について取り上げたい。

[サンクトペテルブルク 17日 ロイター]G8サミットでは、国連安全保障理事会が15日、北朝鮮のミサイル発射を非難する決議を全会一致で採択したことを踏まえ「国連安全保障理事会決議に対する支持」(議長総括)を表明した。議長総括ではさらに、北朝鮮に対し1)ミサイル発射のモラトリアムに関する既存の約束の再確認、2)すべての核兵器および既存の核計画の放棄、3)6カ国協議への速やかな復帰--を要求。「北朝鮮に対し、拉致問題の早急な解決を含め、国際社会の他の安全保障および人道上の懸念に対応するよう求める」と拉致問題にも言及されたが、日本が当初求めていた「制裁」は実現せず、「全会一致」を果実とした。

 会議後に記者会見に臨んだ小泉首相は「安保理決議の全会一致は極めて重要」と強調するとともに「(北朝鮮問題について)G8でも協議し、核、ミサイル、拉致の問題の解決のために国際的な連携が必要との認識で一致した。明確なメッセージを北朝鮮側に発出することができた」と述べ、最後となるサミットでの成果をアピールした。同時に「(安保理やG8のメッセージを)重く受けとめるべきだ」として、北朝鮮に対して6カ国協議への早期復帰を訴えた。<



引用記事 

 今回のサミットはプーチン・ロシア大統領の地元、サンクトペテルブルクで開催された。

当初ロシアはこのサミットにおいて、エネルギー安保問題を主要テーマに据え、非OPECの大産油国として国際社会でかつての影響力を取り戻しつつあることをアピールしようともくろんでいた。

エネルギー安保問題のほかに、鳥インフルエンザを含む感染症対策や教育問題も話し合いのテーマとして用意していたが、直前に発生した、北朝鮮によるテポドン発射、イスラエルとハマス・ヒズボラとの紛争激化、それに加えて、欧米が提案したウラン濃縮停止に対する見返り案へのイラン回答拒否で、地政学的リスクへの対処がサミットの主要テーマとなってしまい、ロシアとしては思わぬ展開だったことだろう。

 地政学的リスクへの対処では、不拡散声明として、大量破壊兵器の拡散は世界の脅威としたうえで、テポドンを発射した北朝鮮を非難する全会一致の安保理決議を歓迎し、ミサイル発射が平和と安定を脅かすとして深刻な懸念を表明。 ミサイル発射凍結と六カ国協議への復帰をもとめた。

イランに対しても核拡散への懸念を表明した。

議長総括でも、北朝鮮を非難する全会一致の安保理決議を支持し、核兵器の放棄・ミサイル発射凍結・拉致問題の解決を求め、すみやかに六カ国協議へ復帰するよう呼びかけた。

イラン核開発問題は、不拡散声明と同様の内容がもりこまれたが、イスラエルのレバノン空爆に関しては、イスラエルとアラブの双方に自制を求める内容となった。

その他のテーマに関する議長総括としては、主要テーマとなるはずだったエネルギー安保は、油田開発への投資と省エネの推進、化石燃料以外のエネルギー利用をすすめるといった、新鮮味のないものとなった。

鳥インフルエンザを含む感染症対策や教育問題でも、当り障りのない内容の議長総括だったように思う。

 日本としての大きな関心は、北朝鮮と密接な関係にあるロシアが議長国となったサミットで、テポドン発射を強行した北朝鮮に対する強い非難と、拉致問題の解決を求める日本の立場を、サミットから世界に発信するメッセージにどう盛り込むかにあった。

テポドン発射に対する強い非難は、先に採択された安保理決議に触れながら不拡散声明と議長総括で、拉致問題も議長総括に盛り込むことに成功し、日本にとってまずまずの成果があったといえるだろう。

ロシアとしても北朝鮮を無理にかばうより、自国開催のサミット成功の方が重要だったとみえる。

サミットと平行してイギリスのマッカートニー外務担当閣外相が来日し、拉致被害者家族の横田さん夫妻と面会して、イギリスとしても拉致事件の解決に努力することを申し出てくれた。

国際社会における北朝鮮包囲網はゆっくりだが確実に構築されている。数年前とは比べ物にならない状況だ。

 サミットの形骸化が指摘されて久しいが、以前言ったように日本はサミットを拡充してもっと活用すべきだと思う。

現在日本は安保理の非常任理事国だが、非常任理事国として安保理に実際に参加し米・英・仏などと常に連絡をとれる態勢にあったからこそ、北朝鮮に対する安保理決議採択に影響力を行使することができた。

だがまもなく非常任理事国としての任期が切れるし、日・米と中・露の分裂によって安保理がほとんど機能停止している現状も目の当たりにした。

残念なことだが、北朝鮮やイランによる大量破壊兵器の開発・拡散の問題で、日・米・英・仏の民主主義陣営と中・露の独裁国家との間に深いミゾが存在しているのが、安保理の機能停止の原因だ。

核兵器や弾道ミサイルの拡散など世界に山積する難題を解決するためには、再び民主主義陣営が固く結束することが大切だと思うし、そうすることで、安保理などの国際社会の場で北朝鮮やイランの肩を持つ中国やロシアに対処しやすくなる。

 そこで、民主主義陣営が今以上に結束するために、サミット参加国である日・米・英・独・仏・伊・加・露のG8の枠組みを、もっともっと利用するのである。
(本来なら大きく民主国家から後退してしまったロシアは外したいのだけれども)

できれば常設のG8理事会をおいて各国が大使を派遣して、政治・安保・経済など各種の国際問題について常に意見交換ができ、合意内容を世界に向かって発信して参加国がそれにしたがって協調行動がとれればベストである。

安保理が米・英などと中・露で分裂して拒否権行使をちらつかせたり実際に行使して機能停止状態に陥ったのなら、ロシアを除いたG7が有志連合を組んで国際問題の解決にあたったり、安保理が正常に機能するよう中・露を牽制する。

日・米・英・独・仏・伊・加が協調行動をとれれば、世界に対する影響力はばかにならないはずである。

G8(サミット)を第一回ランブイエ・サミットで宣言された基本精神に戻し、そこから発展させるのである。

ランブイエ・サミット宣言(抜粋)

我々がここに集うこととなったのは、共通の信念と責任とを分ち合っているからである。我々は、各々個人の自由と社会の進歩に奉仕する開放的かつ民主的な社会の政府に責任を有する。そして、我々がこれに成功することは、あらゆる地域の民主主義社会を強化し、かつ、これらの社会にとり真に緊要である。



将来的に民主主義の価値観を共有する大国が出現すれば、新メンバーに加えてもよいし、独裁国家に逆戻りしたような国にはご退会を願わなくてはならない。

こうしたことを、日本が率先して訴えて実現にこぎつけられれば、日本の国益にとって大きなプラスになると思う。

 ところで今回のサミットにおいて、中国などをサミットに加えてG9やG13にしようという声が一部で上がっていたが、次回開催国ドイツのメルケル首相が「加盟国拡大は必要ない」とピシャリと言ってくれたのはありがたかった。

メルケル首相は本当に頼りになる。

引用記事   

これに対抗するようにロシアのプーチン大統領と中国の胡主席・インドのシン首相は”裏サミット”を開催した。
インドの対米接近を焦った中国の提案だったようで、「国際・経済システムの多極化が目的」と説明して、日・米・欧に対抗する新たな枢軸の形成を意図していることを隠さなかった。

引用記事 

地政学ファン?の方は目を輝かせるニュースなのではないかと思うが、やはりG8の常設化・結束強化は必要だと痛感する。


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中国製兵器がイスラエルを攻撃

  • 2006/07/18(火) 23:52:41

 中東情勢が、大規模な紛争に発展しかねない危険な状況となっている。

イスラエル空軍によるレバノンへの空爆が全土へと広がり、陸軍部隊によるレバノン侵攻の可能性もささやかれている。

これに対してイランが激しくイスラエルを非難、シリアもイスラエルに対する警戒を強め、紛争が大規模に拡大する懸念が出てきた。

 今回の紛争のきっかけは、先月はじめにイスラエルが「テロ組織によるロケット弾攻撃への反撃」と主張して行った、パレスチナ自治区ガザに対する攻撃と、それに対する報復として、パレスチナのスンニ派イスラム原理主義組織ハマスがイスラエル兵一人を拉致して連れ去ったことだった。

ハマスはイスラエル政府に逮捕されたパレスチナ人と拉致したイスラエル兵との人質交換を要求したが、イスラエルがこれを拒否、イスラエル軍は先月28日からガザ地区に大規模な侵攻作戦を開始して、人質奪還をはかった。

 イスラエルによるガザ侵攻作戦が開始されて二週間ほどたった今月12日、今度は、隣国レバノンを本拠とするシーア派イスラム原理主義組織ヒズボラがイスラエル兵二人を拉致し、レバノンへ連れ去った。

イスラエル軍はすぐさまレバノン空爆を開始し、首都ベイルートの空港や近隣諸国へとつながる幹線道路を破壊、イスラエル海軍の艦艇もレバノン沖に派遣して海上封鎖も行った。

これは、拉致されたイスラエル兵がイランなどへ移送されないようにするためのものという見方がある。

ヒズボラは同じシーア派の原理主義国家・イランの援助を受けているからだ。
(ヒズボラはシリアからも援助を受けているとされるが、シリアはシーア派ではない)

イスラエルのレバノン空爆を受けてヒズボラも反撃、イスラエル北部の各都市に100発以上のロケット弾などを撃ち込み、14日にはレバノン海上封鎖作戦に従事していたイスラエル海軍艦艇が、ヒズボラの発射した対艦ミサイルによって大破させられた。

イスラエルも空爆をレバノン全土に拡大させ、テレビ局や燃料タンク・幹線道路などインフラを破壊、対レバノン軍事行動としては1996年の”怒りのぶどう作戦”以来の大規模なものとなった。

今後イスラエル地上軍がレバノンに大規模に侵攻したり、ハマスやヒズボラを支援する隣国のシリアやイランが戦闘に直接参加すれば、紛争がさらにエスカレートする可能性があり大変心配だ。

 今回の紛争で驚かされたのは、レバノンのシーア派原理主義組織ヒズボラ(=神の党 ”ヒズバッラー”と発音したほうが正確だろう )の戦闘力の高さだ。

ヒズボラの十八番(おはこ)は、旧ソ連製の地対地ロケット”カチューシャ”を使った攻撃だが、今回ヒズボラは、”カチューシャ”が届かないイスラエル北部の都市・ハイファを狙って”ラード”・ミサイルを発射した。

引用記事 

”ラード”は、中国製の対艦ミサイルHY-2をもとにイランが開発した対艦ミサイルだから、イスラエルの都市に撃ち込むというのは、本来の使用方法とは違う。

イランが”ラード”の地対地ミサイルバージョンの開発に成功したか、対艦ミサイルの”ラード”を無誘導でハイファに撃ち込んだかのどちらかだろう。

”ラード”ミサイルの詳しいデータは持っていないので、”ラード”の元になった、中国製の対艦ミサイルHY-2のデータをあげておこう。

HY-2は、重量約3000Kg、推進装置は固体ロケットで速度はマッハ0.9、誘導方式はアクティブレーダー・ホーミングと赤外線ホーミングの二種類、最大射程は95Kmである。

HY-2は旧ソ連製の対艦ミサイルP-15(SS-N-2”スティックス”)を中国がコピーして改良したものだ。イランは手に入れたHY-2をさらに改良して、射程を伸ばした可能性がある。

イラン・イラク戦争のとき、イランは中国製ミサイルHY-1を使ってペルシャ湾を航行するタンカーを攻撃したが、”ラード”のもとになったHY-2はHY-1の改良型だ。

 さらに驚いたのは記事の後半にあるように、ヒズボラが対艦ミサイルを発射してイスラエル海軍の艦艇を大破させたことだ。

イスラエルの情報機関”モサド”や軍諜報機関”アマン”も驚いたのではないだろうか。

これにはC-802対艦ミサイルが使われたが、これも中国からイランに輸出されイランからヒズボラの手に渡ったものだ。

中国製の対艦ミサイルC-802のデータは、重量715kg、推進装置はターボジェットで速度はマッハ0.9、誘導方式はアクティブレーダー・ホーミング、最大射程は120kmである。

C-802は中国海軍で今も使用され、旅海級駆逐艦や江衛Ⅱ級フリゲートに装備されている。

C-802はC-801の改良型で、C-801の開発にあたって中国はフランス製の対艦ミサイル”エグゾセ”の技術を買って導入したとの噂がある。

 ヒズボラによるミサイル攻撃で大破させられたイスラエル海軍の艦艇はコルベット(排水量1000t前後の軍艦)のようだが、それでも大事件である。

”ラード”やC-802といったミサイルを装備するヒズボラは、もはやテロ組織というよりミニ軍隊と言ったほうがふさわしいほどの戦闘力を備えていることが明らかになった。

 ヒズボラがここまで高い戦闘力を獲得したのも、もとをたどれば中国の存在が大きい。

工業力の低いイランは、高度な技術が必要とされるミサイルを独自で開発できるだけの基盤を持たなかった。

それに救いの手をさしのべたのは中国で、HY-2やC-802といったミサイルをイランに輸出して、それらのミサイルはイランを経由してイスラム原理主義テロ組織ヒズボラの手に渡った。

そして今回のイスラエル-レバノン紛争では、中国製兵器がイスラエルを苦しめているのである。

 以前イスラエルの生存を脅かす中国という記事をアップしたが、クロフネの予測よりもかなり早く、懸念が現実のものとなってしまった。

イスラエルは自らの軍事技術を供与して中国の軍備拡張を助けていたのはその記事でも指摘したし、ユダヤ系アメリカ人も中国の発展に協力してきた人が多かったように見受けられる。

しかし中国製兵器がイスラエルの人々の命を奪うといった事態が現実のものとなった今、やはりイスラエルの対中外交は完全に失敗だったと思う。

 今後、中国製兵器が実戦で使えることが証明(コンバット・プルーブン)されたので、イスラエルやアメリカを快く思わない国の正規軍やテロ組織で中国製兵器が人気になるかもしれない。


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関連記事・無責任な中国とロシア

対北朝鮮決議がやっと採択

  • 2006/07/16(日) 22:20:20

【ニューヨーク坂東賢治】今月5日の北朝鮮のミサイル発射問題で国連安全保障理事会は15日午後4時(日本時間16日午前5時)前、日米などが提案した決議案を全会一致で採択した。決議はミサイル発射を非難し、北朝鮮のミサイルおよび大量破壊兵器開発に関する物資・技術・資金の移転阻止のため、必要な措置を取るよう加盟国に求めた。

 日米案には安保理常任理事国の中国、ロシアが反対。日米は最終的に英国、フランスの妥協案を受け入れ、制裁の根拠となる国連憲章第7章への言及を削除し、「国際的な平和と安全を維持する安保理の特別な責任の下で行動する」と条文に加えた。

(毎日新聞) - 7月16日9時27分更新



引用記事 

 テポドンを発射した北朝鮮を非難する、国連安全保障理事会決議1695が全会一致で採択された。

安保理決議1695の採択にあたっては、国連憲章第七章への言及を決議に含ませたい日本・アメリカとそれに反対する中国・ロシアが激しい綱引きを行っていたのは、以前述べたとおりだ。

国連の平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動を定めた第七章が含まれれば、北朝鮮への制裁・あるいは軍事的懲罰につながりかねないとする中・露に対し、

日・米は、制裁や軍事行動を定めた第七章の第四十一条と四十二条を除外し、その前段階の暫定措置を定めた第四十条を決議1695に含ませる譲歩案を中・露に示した。

第40条〔暫定措置〕

事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。安全保障理事会は、関係当事者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払をなければならない。



しかし、それでも中・露は日・米に反対し、結局イギリスとフランスが出した妥協案を日・米と中・露の双方が受け入れる形で決着、安保理決議1695が採択された。

日・米による制裁決議と中・露の非難決議の間をとった形だが、大変微妙な内容だ。

 クロフネ自身は、安保理決議1695に第七章への言及(つまり制裁と軍事行動への言及)があってもなくても良いと思っていた。 そのどちらであっても、長所と短所があるからだ。

日本政府の真意は、是が非でも決議に第七章への言及を含ませたかったのか、そうでなくとも良かったのか、そのどちらであったのかはわからない。

第七章への言及が削除されたかわりに「国際的な平和と安全を維持する安保理の特別な責任の下で行動する」という表現が決議1695に含まれているから、第七章が含まれる場合と同様に実質的な拘束力があるというのが日本政府の言い分だが、それが本当かどうかはこれから試されることになるだろう。

 だが、日本政府が第七章を含む制裁決議を本気で通すつもりで、中・露に押し切られたのだとしたら、それは問題だと言わざるを得ない。

決議1695が採択される過程で、何としても国連による北朝鮮への制裁と軍事行動を避けたい中・露が日・米などに激しく抵抗し、安保理の分裂は北朝鮮やイランに丸見えであった。

安保理の次の課題として、ウラン濃縮をやめず米・英・独などが提案した見返り案への回答も拒否したイランに対して、対イラン制裁も選択肢に含めて、どういったメッセージを出すのかという問題がある。

だったら日本が、「中・露に譲歩して、北朝鮮に対する決議1695を第七章への言及を含む制裁決議にできないという悪い前例をつくると、核開発を強行するイランに対して安保理で決議を出す場合でも、『北朝鮮は非難決議でどうしてイランだけ制裁決議なのか』という反論がイランや中・露から出て、制裁決議が出しにくくなる。 だから、絶対に中・露に譲歩せず、あくまでも決議1695は第七章への言及を含む制裁決議にすべきだ」と米・英・仏を説得すべきだったと思う。

こうすれば、北朝鮮よりもイラン核開発問題を重視する米・英・仏をがっちりと日本側に引き付けられたのではないだろうか。

 また決議1695が採択される二日前に、カタールから提出されたイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ侵攻の停止を求める決議案が採決にかけられ、日・仏・中・露などがこれに賛成したが、アメリカが拒否権を行使して廃案となった。

ここで日本が賛成票を投じたのは失敗だったと思う。 

引用記事

イスラエルがガザに侵攻したのは、パレスチナのイスラム原理主義過激派・ハマスがイスラエル人兵士を拉致したからで、若干イスラエルの過剰防衛かなとも思われるが、拉致された自国の人間を取り返すためにイスラエルが軍事行動に打って出たのはある程度理解できる。

それに対してパレスチナと同じアラブのカタールが、イスラエルのガザ侵攻停止をもとめる決議を望むのは当然だし、アラブと関係の深い仏・中・露が賛成票を投じるのも自然だ。

これに対してイスラエルを擁護するアメリカが反発し拒否権を使うのも、予想の範囲内。 アメリカが拒否権を欲する理由の半分以上はイスラエルのためといっても過言ではないだろう。

そこで日本はどうするかだが、「平和国家日本としてはイスラエルの軍事行動の中止を求めなきゃならん」と考えて、仏・中・露に同調して賛成票を投じたのかもしれないが、アメリカとは対北朝鮮制裁決議で共闘する仲だということをすっかり忘れている。

国際社会で誰が味方で、誰が敵か全くわかっていない。

たとえアメリカが賛成票を投じてもかまわないと言ってくれたとしても、アメリカの同盟国として、イギリスがやったように日本も投票を棄権するような、
 ”大人のしたたかさ”を見せなきゃいけない。

「日本は平和主義だからイスラエルの軍事行動に反対する決議に賛成票を投じる」のでは、ナイーブすぎる。

中東の紛争はしょせん対岸の火事と思ってきた日本外交のツケだろう。
もしそうでないなら、こんな初歩的な失敗はしない。

日本の一部で「今回日本はアメリカからはしごを外された」という指摘があるが、その前に日本のアメリカに対する”誠意の見せかた”に大きな問題があったのではないだろうか。

安保理決議1695採択をめぐる激しい”外交戦争”を日本は経験し、若葉マークをつけた日本はそれなりにがんばったが、こういう失敗を今後にいかして、「日本は外交で本当にしたたかだ」と早く言われるようになってもらいたいものである。

 今後の展望だが、中・露の無責任な行動によって「国際社会は分裂しています、安保理は無能です」ということを北朝鮮やイランに対して示してしまった。

北朝鮮やイランは中・露のアシストでますます勇気付けられ、強硬路線を突っ走ることになる可能性が高い。

核兵器や弾道ミサイルの拡散防止はどんどん困難になってきている。
日本もあらゆる先入観や偏見を排除して、それに独力で対処できる能力を身につけるべきだと思う。


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関連記事・無責任な中国とロシア

関連記事・再度、独立独歩の精神を要求する!

無責任な中国とロシア

  • 2006/07/13(木) 23:48:36

 核開発を続けるイランに対して米・英・仏・独などが提案した、ウラン濃縮停止に対して見返りをあたえる”包括案”への回答をイランが拒否している問題で、5常任理事国プラス独は、安保理での協議を再開させ、ウラン濃縮・再処理関連活動の全面停止を義務づける決議を採択することで合意した。

引用記事 

 日・米・英・仏などが共同で提出した、テポドンを発射した北朝鮮に対する制裁決議案に対し、中国とロシアが「安保理の団結を破壊する」などと非難しながら強硬に反対し、「安保理の団結を守るためには、より穏やかな決議案を採択すべきだ」と主張している。

しかし、そのような中・露の宥和政策が安保理の脆弱性を白日の元にさらし、イランに完全に足元を見られてしまう結果を導いてしまった。

つまり、国際社会の警告を振り切ってこのまま核開発を続けても、安保理に中・露がいるかぎり国連は何もできないだろうと、イランのアハマディネジャド政権が読んだ結果、米・英・独などが提案した包括案への回答拒否という行動につながったのであろう。

これでイラン核開発問題も次の局面へ移ることになった。しかも悪い方向へだ。

核兵器や弾道ミサイルの拡散という問題に対して、中国とロシアが常任理事国としての責任を放棄し、イランや北朝鮮に対して間違ったメッセージを発信したツケである。

 中国とロシアがこのような間違いを犯したのは一度や二度ではない。

91年の湾岸戦争でも、クウェートからのイラク軍撤退を求めるアメリカやイギリスなどに対して、常任理事国のロシア(当時はソビエト)と中国は極めて消極的な姿勢をとった。

そのことがフセイン大統領に「クウェート占領を続けても、安保理も国際社会も何もできないし、アメリカによる軍事介入もない」という間違った判断につながったのではないか。

そして2003年のイラク戦争でも、まったく同じことが起こっている。

イラクが国連の大量破壊兵器に関する査察を受けなければ武力行使もあり得るとするアメリカに対して、中国・ロシア・フランスが武力行使に反対し、フセインが「たとえ国連査察を拒否しても二度目の戦争はない」と考える大きな原因となってしまったのではないだろうか。

 中・露の無責任な行動によって、安保理の分裂と脆弱さは北朝鮮とイランに既に完全に読まれてしまっているのだから、中・露が安保理に提出した北朝鮮に対して宥和的な決議案に、今さら日・米・英・仏が歩み寄りを見せて安保理の”団結”を示したところで無意味だし、骨抜きにされた中・露の決議案では、大量破壊兵器の開発に突っ走る北朝鮮やイランに対して何の効果も期待できないだろう。

日・米・英・仏などが共同提案した制裁決議案には、国連加盟国による軍事行動について定めた国連憲章第七章の問題がからんでいるので、それを理由として中・露が反対しているようだが、決議案が採択されたからといって絶対に軍事行動に移行しなければならないということにはならない。

第七章の第四十一条にあるように、兵力の行使をともなわない措置で済む場合もあるし、交渉の扉が完全に閉じられたわけでもない。 北朝鮮の出方次第である。

第四十一条

 安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。



 にもかかわらず、中国とロシアが拒否権を使ってでも、日・米・英・仏などが提案した制裁決議案を廃案に追い込むというのなら、拒否権を使わせたら良い。

そうなれば、北朝鮮やイランによる大量破壊兵器の拡散問題の全責任は中国とロシアにあることが、誰の目にも明らかになる。

中国とロシアは、これから国際社会で重い重い罪を背負って生きていくことになろう。


 日本も中国の拒否権発動を外交カードとしてどんどん使ったら良い。

たとえば、巡航ミサイルや空対地のスタンドオフミサイルを自衛隊が保有して中国から非難されたら、「それはあの時中国が拒否権を使ったからだ」といった具合に。

ロシアもサミット参加国としての資格に重大な疑問符がつくことになる。
今後、サミットのオブザーバー資格への降格も考えなければならない。

 中国とロシアは、核兵器やミサイルの技術を北朝鮮やイランに流出させただけでなく、安保理の団結を破壊し、ピョンヤンやテヘランを大いに勇気付けている。

無責任な中国とロシアのおかげで、日本や欧米・イスラエルなどの安全が脅かされている。



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関連記事・中国の拒否権発動とサンフランシスコ体制の危機

関連記事・イスラエルの生存を脅かす中国

再度、独立独歩の精神を要求する!

  • 2006/07/12(水) 23:52:19

 

民主党の小沢一郎代表は11日、北朝鮮の弾道ミサイル発射をめぐる政府内の敵地攻撃能力保有論について「日本に対して撃てば自衛権の発動だが、攻撃もしていないのにできない」と述べ、発射前の敵地攻撃に否定的な見解を示した。また保有論を展開した安倍晋三官房長官や額賀福志郎防衛庁長官らを批判した。

(毎日新聞) - 7月11日21時46分更新



引用記事 

 敵ミサイル基地を攻撃する能力を持つべきだと発言した額賀防衛庁長官を、民主党の小沢代表が批判した。

また左翼系マスコミも、「敵ミサイル基地を攻撃する能力を持つのは近隣諸国の反発を買い、ハードルは極めて高い。 このような議論が尻すぼみになる可能性がでてきた」と、自らの希望を随所にちりばめたような報道をしている。

 今回の議論が「日本が先制攻撃をするのは是か非か」だけに注目が集まりすぎて、本筋からそれてしまっているので、国家がなぜ軍事力を保有するのかという問題の原点を確認しつつ、もう一度この話題を取り上げたい。

 国家が軍事力を保有するのは、軍事力が持つ抑止対処という二つの効果を期待してのことである。

抑止とは、日本が軍事力を持つことで、外国が日本にミサイルを撃ち込んで攻撃したり日本の領土を侵略したりするのを、思いとどまらせる効果のことである。

もっと簡単に言えば、「日本が軍事力を使って仕返しするだろうから、日本にミサイルを撃ち込んだり侵略したりするのはやめておこう」と外国に思わせて戦争になるのを防ぎ、日本を守る効果のことを抑止という。

対処とは、実際に日本が外国からミサイルを撃ち込まれたり、侵略を受けたりした場合、軍事力を使って外国の弾道ミサイルを破壊したり、日本の領土に上陸してきた外国の軍隊を攻撃して撃退したりすることである。

つまり実際に戦闘を行って、日本の国民や領土を外国の軍隊から守るのが対処である。

現在の議論では、「日本が敵国を先制攻撃をするのは是か非か」という対処の話ばかりになってしまって、抑止の話がぜんぜん出てこないところに、政治家・マスコミも含めて日本の安全保障オンチ・軍事オンチぶりがうかがえる。

北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するために、日本が巡航ミサイルや長距離空対地ミサイルを保有すべき理由は、何も先制攻撃をするためだけにあるのではない。

先制攻撃のような対処の議論の前に、まず考えなければならない抑止の話がスッポリ抜け落ちている。

日本が巡航ミサイルや長距離空対地ミサイルを保有して、北朝鮮の弾道ミサイル基地やピョンヤンの軍司令部・金正日邸などを直接攻撃する能力を持っていれば、北朝鮮が日本に対して簡単には弾道ミサイルを撃ち込むことができなくなる。

これが軍事力の持つ”抑止の力”であり、抑止力という名の”命綱”があるのと無いのでは大きな違いがある。 それは今回のテポドン騒ぎで日本人全体が身にしみて実感したはずだ。

しかも抑止力は、対処のひとつである先制攻撃とは直接関係の無い話だから、憲法に違反しているのかどうかという話とも関係が無い。

だから今すぐにでも日本は巡航ミサイルや長距離空対地ミサイルを保有すべきなのである。

 次に対処の面から考えてみるが、日本の巡航ミサイルや長距離空対地ミサイル保有に反対している人達の一部は、先制攻撃の是非とからめてこの問題を論じているようだが、

仮に敵国への弾道ミサイル基地に対してあくまでも先制攻撃を避けるにしても、一発目の弾道ミサイルが日本の都市に命中し何十万もの犠牲者が出ている状況で、二発目以降の弾道ミサイル発射・着弾による被害の拡大を防ぐためには、敵国の弾道ミサイル基地をすみやかに叩き潰さなければならない。

そのためにも、やっぱり日本は巡航ミサイルや長距離空対地ミサイルを保有しなければならないのである。

 カビのはえたような専守防衛論についてはもうたくさんだろう。

専守防衛論では、日本が”盾”(防御)でアメリカが”矛”(攻撃)ということになっているが、アメリカとて国益があるのだから”矛”としての役割を果たせないケースも出てくるだろう。

「アメリカはいつでもどこでも日本を助けてくれる」ということが大前提となっている専守防衛政策など、もはや論外である。

しかも北のテポドン発射以後、国際社会での中国・ロシア・韓国の非協力ぶりをみてもわかるように、専守防衛をかかげる”ご立派な日本”を近隣国は誰も助けてくれない。

日本を守れるのは、日本自身の力以外にない。 専守防衛論など日本を滅ぼそうとする外国を喜ばせるだけである。

そもそも北朝鮮も中国・韓国・ロシアの誰も専守防衛政策など採用していない。 もちろんこれらの国は日本と同じように他国を侵略した歴史を持っている。

現在日本で大騒ぎしている対地ミサイル保有を含めた”敵地攻撃能力”だって、北朝鮮・中国・韓国・ロシアの全てが普通に持っている能力であって、公明・民主両党や朝日・毎日など左翼マスコミが大騒ぎするほどの特別な軍事力ではない。

 日本国憲法もできて60年たった今、現実とは全くあわなくなっている。

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と前文でうたう日本国憲法であるが、北朝鮮が日本人を拉致・殺害して、弾道ミサイルをぶっ放し、それを韓国政府がかばい日本を「侵略主義」と非難するに至っては、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼した日本国憲法敗れたり、と言わざるを得ない。

この場合変えるべきなのは、現実ではなくて憲法の方である。

現実にそぐわない憲法を変え、日本が自分自身の力で国を守れるようになってはじめて、「北朝鮮の弾道ミサイルに脅えて暮らす日本人」という現実が変わるのである。

再度、独立独歩の精神の保持を、すべての日本人に訴えたい。

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関連記事・独立独歩の精神

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韓国が日本を侵略主義と非難

  • 2006/07/11(火) 23:56:47

 最近、額賀防衛庁長官らが、自衛隊による北朝鮮弾道ミサイル基地に対する攻撃能力の保持の可能性について発言しているが、それに対して韓国大統領官邸スポークスマンが「日本は侵略主義的」と激しく非難した。

【ソウル中島哲夫】韓国青瓦台(大統領官邸)は11日、北朝鮮のミサイル発射を契機に日本の閣僚などが「自衛のための敵地攻撃」を論じていることを「挑発的な妄言」と非難し、「朝鮮半島の危機をさらに増幅させ、軍事大国化の大義名分にしようという日本の政治指導者たちの傲慢(ごうまん)と暴言には強力に対応していく」と宣言した。
 (中略)
 発表文は、日本の閣僚らが「朝鮮半島に対する先制攻撃の可能性と武力行使の正当性」を論じるのは「深刻な事態」だと指摘。「かつて日本が朝鮮半島に居留する自国民の保護を侵略の口実にした歴史的事実」に照らせば、これは「朝鮮半島と北東アジアの平和を阻害する重大な威嚇的発言」であり「日本の侵略主義的性向をさらけ出したもの」としている。

 韓国メディアによると、盧武鉉(ノムヒョン)大統領もこの会議の終了前に顔を出し、論議内容について報告を受けた。特に発言はしなかったというが、ニュース専門テレビYTNは、発表には「盧大統領の意志が込められている」と報じた。

(毎日新聞) - 7月11日12時9分更新



引用記事 

 日本が窮地に立たされて困っているときに、世界の国々が日本に対してどういった態度をとるかで、日本にとって本当の友人とは誰であるか、はっきりとわかる良い例だ。

 額賀防衛庁長官の発言は、日本国民の安全を守る責任者として当然のものだった。

外国が日本に対して核弾道ミサイルを発射しようとしているのが事前にわかっていながら、実際にそれが発射されて日本の都市に命中し、数十万から百万人以上の日本人が犠牲になってから、反撃するのでは遅すぎる。

あるいは、上記のような大量の犠牲者を甘んじて受け入れ、あくまでも日本からの先制攻撃を避けるという道を選んだにしても、二発目の核ミサイルが準備されているのがわかったら、これ以上犠牲者を出さないためにも日本は即座に反撃して敵の弾道ミサイル基地を叩き潰さなければならない。

そのどちらの道を選ぶにしろ、巡航ミサイルや空対地の長射程スタンドオフミサイルなどの兵器は、敵国の弾道ミサイル基地を叩き潰すため、日本にとって是非とも必要なのである。

それは、2発目のテポドンを北朝鮮が準備か の記事で述べたとおりだ。

 額賀長官らの発言を受けて、日本国内の左翼系マスコミは「アジアからの強い反発が予想される」(ホンネは「早くアジア各国が強く反発してくれ」)といった記事を書いていたが、

さっそくこれに呼応するように韓国のノ・ムヒョン政権が、日本が侵略主義的な本性をあらわしたぞと大騒ぎをはじめ、たとえ北朝鮮に核ミサイルを撃たれて百万人以上の日本人が犠牲になっても、それを日本が黙って受け入れろというのである。

(一番下の関連記事リンクにあげた、”韓国は本当に信頼できる、日本の同盟国か?”のシリーズで私が懸念した状況に酷似している)

今回、北朝鮮から弾道ミサイル発射という恫喝を受けた被害者は、まぎれもなく日本であり、こともあろうにその日本を「侵略主義」と非難したノムヒョン政権は、これまでに何度も言ってきたが本当にクレージーすぎる。

しかも、巡航ミサイルや空対地の長射程スタンドオフミサイルなどを保有すべきという声が上がり始めた日本を、「侵略主義」と罵った韓国自身が、アメリカから”スラム”空対地スタンドオフミサイルを購入し、巡航ミサイルを開発して近い将来就役するイージス艦に搭載しようとしている。

それを韓国のマスコミや国民が「”スラム”や巡航ミサイルで韓国は日本より軍事的に優位に立てる」と盛んに言っているのだから、あきれて物が言えない。

将来的に、日本を韓国より軍事的に弱い立場に追い込み、軍事力をちらつかせながら竹島問題や歴史教科書問題など日韓間の懸案を韓国の有利なかたちで解決しようという、ノ・ムヒョン政権の思惑が透けて見える。

 これまで繰り返し言ってきたことだが、北朝鮮をかばい続け日本をはっきりと韓国の敵国と認識するノ・ムヒョン政権とは、どう逆立ちしても日本の同盟国としてふさわしくないし、そんな韓国とは協力してやっていけない。

日米同盟にわざわざ北朝鮮のスパイを潜入させるようなものであるから、韓国とはもう安保面での協力関係を切って、北朝鮮に韓国もくっつけて、まとめて日米同盟で対処すべきである。

アメリカも韓国に対する武器売却を即刻中止すべきだ。

北朝鮮に対してアメリカの軍事技術や機密情報が漏洩するおそれがあるし、そうならなくともアメリカの協力で韓国の軍事技術が向上してそれが北朝鮮に漏洩すれば結局同じことだ。

ノ・ムヒョン退陣後の中長期的なスパンでみても、歴史的・地政学的・経済的つながりの強さから、韓国は将来的に日米同盟から離脱して中国との同盟を選択する可能性がある。

もしそうなった場合、韓国経由でアメリカの先端軍事技術が中国に流れかねない。

(ソ連製の長距離空対空ミサイル”R-33”が開発されたいきさつは、アメリカがパーレビ王政時代のイランにF-14トムキャット戦闘機とセットで売却した”AIM-54フェニックス”ミサイルが、ホメイニ革命でイランがアメリカの同盟国から敵対国になったことでイランからソ連に売却され、イランから手に入れたフェニックスミサイルをソ連がコピーして出来上がったのが”R-33”だという説がある)

 こういうこと言うと、日米の識者から「ノ・ムヒョンはクレージーかもしれないが、国民の支持を失っているし、ハンナラ党だっているじゃないか」とか「韓国情報機関が握る北朝鮮の内部情報は捨てがたい」という声が上がるだろう。

だからといってノ・ムヒョンのクレージーな行動を許して良いことにはならないし、今は日米が韓国と協力して得られるものよりも失うものの方が大きいのではないか。

むしろ日米がノ・ムヒョン政権とぶつかって日韓関係や米韓関係を破壊して韓国を孤立化させることにより、「馬鹿な指導者を韓国民が選んで、その指導者が国際社会で馬鹿なことをすると困ることになるのは韓国自身だよ」という警告を、韓国民とハンナラ党の指導者に与えたほうが良い。

幸いノムヒョンはいくらでもこちらの仕掛けに乗ってくれるだろう。

「鶏(ノ・ムヒョン政権)を殺して猿(韓国民やハンナラ党)に警告する」というやつである。

ノ・ムヒョン退陣後に新しい大統領が選ばれたら、韓国の新大統領に破壊された日韓関係や米韓関係の高い高い”修理費用”を払わせればよい。

そうでもしない限り、危なくなるとすぐに逃げて裏切りグセがぬけない韓国を”操縦”することはできないだろう。


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関連記事・韓国は本当に信頼できる、日本の同盟国か?(その1)

関連記事・韓国は本当に信頼できる、日本の同盟国か?(その2)

関連記事・韓国は本当に信頼できる、日本の同盟国か?(その3)

中国の拒否権発動とサンフランシスコ体制の危機

  • 2006/07/10(月) 22:35:29

 日本やアメリカなどが共同で提出した対北朝鮮制裁決議案の採決が、日本時間11日未明にも行われる可能性が出てきた。

【ニューヨーク10日時事】国連安全保障理事会は10日午後(日本時間11日早朝)にも、北朝鮮のミサイル発射問題を討議する公式会合を開催する。日本などは、北朝鮮の大量破壊兵器・ミサイル開発への協力停止を加盟国に義務付ける制裁決議案を採決に付したい考えだ。

 決議案は、安保理15カ国のうち9カ国が賛成し、米英仏ロ中の常任理事国5カ国が反対しなければ採択される。中国、ロシアを除く13カ国が賛成の立場とみられ、中ロが棄権か欠席を選択すれば採択、どちらかが拒否権を行使すれば廃案となる見通しだ。 (時事通信) - 7月10日15時0分更新



引用記事 

日本などが提出した北朝鮮制裁決議案に対して、常任理事国の中国が強硬に反対し、日米などへの対抗策として拘束力のない議長声明を提案して制裁決議案つぶしを謀った。

これに対して一時は中国に妥協するような動きが日本にもあったが、結局アメリカやイギリス・フランスなどと協調しながら、議長声明ではなく、あくまでも制裁決議案を安保理で採決にかける方針を貫くことが決まった。

7日の安保理非公式協議で日・米・英・仏が制裁決議案を共同提出することを表明し、あとからデンマーク・スロバキア・ギリシャも共同提案国に加わった。(9日にはペルーも参加)

これに対して中国の王光亜・国連大使は「安保理の団結の基盤が破壊された」と日・米・英らを強く非難した。

しかしロシアのチュルキン国連大使は沈黙、中国の安保理での孤立が決定的となり、制裁決議の採決を先週末の8日から今週へと持ち越すので精一杯だった。

(世界で日本は嫌われていて孤立していると叫びつづける左翼系日本人や中・韓・朝に、ぜひともを感想をうかがいたいところだ)

引用記事 

現在の国連安保理は、米・英・仏・露・中の常任理事国5ヶ国に、日本・カタール・デンマーク・ギリシャ・スロバキア・タンザニア・ガーナ・コンゴ・ペルー・アルゼンチンの、10の非常任理事国からなっている。

日本などが提出した制裁決議案は、安保理15ヶ国のうち9ヶ国が賛成し、常任理事国5ヶ国が拒否権を行使しなければ採択される。 現在のところ、中・露を除く13ヶ国は制裁決議案に賛成とみられる。

今後の焦点は、いつ制裁決議案の採決が行われるか、そして孤立しながらも強硬に制裁決議案に反対している中国が拒否権を行使するのかに絞られてきた。

ただ、中国としても拒否権発動は国際社会からさらなる反発を呼ぶことになるため、ピョンヤンへ外務次官を派遣して北朝鮮がミサイル問題で譲歩するよう説得に全力を注いでいる。

 国連安保理というのは、戦前の国際連盟が第二次世界大戦の勃発を防げなかった反省の上にたって創設された。

アメリカ・イギリス・フランス・ソビエト(現ロシア)・中国(当時は国民党政権)の連合国側の五つの”大国”が、安全保障面において一致団結して脅威に立ち向かい、世界の平和と安全を守るシステムの要として、国連に安全保障理事会というものが設置された。

だが、米ソ冷戦下での拒否権発動合戦で安保理はたびたび機能停止し、世界の平和と安全を守るシステムの要として充分に機能してきたとは言い難い。

 大陸の中華人民共和国がアフリカなどへの援助攻勢で、台湾の中華民国を国連から追放し、常任理事国のイスを手に入れたのだが、中国(中華人民共和国のほう)も常任理事国としてふさわしくない無責任な行動をとることが多かった。

今回発射されたテポドン2号に中国製の部品が使用されていたという報道もあったが、中国は核兵器や弾道ミサイルの技術を第三世界に拡散させて”火種”をつくり、実際に北朝鮮やイランなどで大量破壊兵器問題が”発火”すると、安保理から北朝鮮やイランを援護射撃するような動きばかりしてきた。

中国は「安保理の団結の基盤が破壊された」と日・米・英・仏などを強く非難しているが、安保理の団結を乱して世界の安全を脅かす北朝鮮を擁護し続ける中国の無責任な行動こそ問題だ。

そうやってアメリカなどを苦しめる国家戦略なのだろうが、世界の平和と安全を守るシステムの要としての安保理常任理事国という中国の立場からすると、これまでの中国の行動は与えられた地位と権限に全くふさわしくないものだった。

北朝鮮によるテポドン発射問題に関する制裁決議の採決で、安保理でたった一ヶ国強硬に反対する中国が拒否権を行使すれば、常任理事国である中国自身が世界の安全への脅威であることが白日の元にさらされることになる。

旧連合国の米・英・仏・ソ・中5大国が主導する国連安保理を中心とした現在の国際協調体制を、国連憲章が採択された1945年のサンフランシスコ会議にちなんで、仮に”サンフランシスコ体制”と呼んでおくが、(大西洋体制でもダンバートン・オークス体制でも良いのだが)

中国が北朝鮮のために拒否権を行使すれば、確立されて60年たった”サンフランシスコ体制”の崩壊は決定的となろう。

もはや瀕死の状態にある”サンフランシスコ体制”に変わって、今の時代にふさわしい、新しい国際協調システムを構築する時期に来ているのではないだろうか。

以前の記事でも述べたが、独裁国家中国などの妨害で機能停止に陥っている安保理に期待するのはもうやめて、日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダの、民主主義の価値観を共有するサミット参加国で構成する常設の協議機関をニューヨークでもどこにでも置いて、

サミット首脳会議や財務相・中央銀行総裁会議などとリンクさせながら、政治・経済・安保・エネルギーなど各分野で協力して問題解決にあたるのはどうだろうか。

 国連の外では、韓国が「テポドン問題で日本は騒ぎすぎだ。日本などが提出した制裁決議も効果は疑問だ」などと同民族からなる国家・北朝鮮を擁護する恥知らずな対日非難を始めている。

韓国政府は、北朝鮮がミサイルを発射する直前になっても「人工衛星の打ち上げかもしれない」と寝ぼけたことを言って、北朝鮮をかばいつづけてきた。

韓国からは、次期国連事務総長候補として潘基文外相が立候補しているが、北朝鮮の代理人のような人物が次期国連事務総長になるなど、絶対に許されないことだ。

 日本時間で明日未明にもあるかもしれない、安保理における北朝鮮制裁決議案の採決。

中国が拒否権を発動して世界の安全を脅かしている北朝鮮に加担することを高らかに宣言するのか、そして安保理が機能不全の醜態をさらすのか注目である。


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独立独歩の精神

  • 2006/07/08(土) 01:28:32

 日本などが国連安保理に提出した、テポドン発射を強行した北朝鮮に対する制裁決議案の採択が難航している。

中国とロシアが制裁決議案の採択を拒否し、拘束力のない議長声明にすべきだと主張しているからだ。

 中・露のホンネは、はっきりしている。

「自分達はすでに核弾道ミサイルという抑止力を保有しているし、北の核ミサイルにさほどの脅威は感じていない。 むしろ制裁なんかして北朝鮮が倒れてもらっては困る。 北朝鮮が崩壊するぐらいなら核弾道ミサイル保有を認めてやってもよい」ということだ。

引用記事 

 また、各国の首脳が北朝鮮への非難を表明するなかで、韓国のノ・ムヒョンは奇妙な沈黙を続けている。

一応、韓国政府としては、北朝鮮への非難や南北交流の一部中止を発表しているが、同盟国アメリカなど国際社会への体裁上イヤイヤつきあっているといった感じで、釜山で7月11日から14日まで開催される南北閣僚級会談は、予定通り開催すると発表した。

もし韓国が安保理の非常任理事国だったら、日米英などが採択をもとめている北朝鮮制裁決議案に賛成していたかどうか、きわめて怪しい。

ノ・ムヒョン政権としても、北朝鮮の現状維持が最優先で、「北朝鮮が崩壊するぐらいなら北の核弾道ミサイル保有を認めてやってもよい」というのが偽らざる気持ちだろう。

もしかしたら「将来、南北統一したら核ミサイルは統一朝鮮のものとなり、仮想敵・日本への大切な武器になる」というところまで考えているかもしれない。

 こういった現実をみるにつけ、「外交の世界は義理人情も、血も涙もないな」と思う。 

確実に頼れるのは自分達の国の実力だけ、それが国際社会である。

 こうした厳しい現実がまったく見えていない元首相が小泉首相の北朝鮮への対応を批判している。

 

自民党の森前首相は7日、衆院議員のパーティーであいさつし、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する小泉首相の対応について「プレスリーのところに行くのもいいけど、胡錦濤中国国家主席や盧武鉉韓国大統領にすぐに電話をかけて『こうだよ』と言えないと、日本はアジアの大国とは言えない」と皮肉交じりに批判した。

(毎日新聞) - 7月7日23時22分更新



引用記事 

 私は以前「日本外交のレパートリーは要請しかない」といった。 要請とはひらたく言えば「お願いする」ということだ。 日本の政治家にしろ外交官にしろ本当に気安く外国に要請する。

外交というのは「相手国にいかに自分達への借りをつくらせるかのゲーム」といった側面があるのはまぎれもない事実であって、外国にお願いするということ、つまり相手に貸しをつくることはタダではない。

後でそれなりの”対価”を支払わなければならないケースだって多々ある。

官僚が民間企業に要請し、許認可権を握っている官僚をおそれる民間企業がそれにホイホイ無償で応じる日本国内とは全く違う原理が支配しているのである。

しかも要請された相手国にも国益というものがあって、必ずしも日本からの要請が100%受け入れられるわけではない。

今回の日本の北朝鮮制裁決議案に、中国などが反対している例からもわかるように、たとえ日本が反論の余地がないような正論をふりかざしても、自国の国益に反するがゆえに強硬に反対する国がいくらでも出てくるのが外交の世界である。

だからこそ自国の実力、外交力・経済力・軍事力・資源調達力などを含めた国力が大切なのである。

森・元首相の言うように、日本の首相が北京やソウルに電話をすれば、物事が解決するほど外交の世界は甘くない。 電話をしただけで国力のある大国になれて、ミサイル問題や拉致問題が解決するなら何の苦労もいらない。

森氏は素でトンチンカンなことを言っているのか、それとも小泉首相を引き立てるために道化師役を買って出ているのだろうか?

 それはともかく、日本政府・外務省の外交への考え方は非常に甘い。

相手がアメリカだろうが中国だろうが韓国だろうがロシアだろうがすぐに気安く要請するし、そうした国から助けてもらえるのが前提で外交をしているとしか思えない。

だが前述したように、北朝鮮の核武装問題・ミサイル開発問題・日本人拉致問題に対する、日本の国益と中国・韓国・ロシアの国益は決定的に食い違っている。

いい加減日本政府・外務省は「ミサイル問題や拉致問題で要請を続けていれば、いつかは中国や韓国が日本を助けてくれるだろう」といった甘い幻想をいだくのはやめたらどうだろうか。

日本に協力的なアメリカのような同盟国もあるし国際協調も大切だが、「日本がかかえる外交問題はできる限り日本自身の力によって解決する」という独立独歩の精神をもっていなければ、国際社会で一人前の独立国家とは言えないだろう。


日本が貧しくて国力の無い小さな国だというなら話は別だが、まがりなりにも経済規模で世界第二位の国が、いつまでも要請外交・お願い外交から抜け出せないのは情けなさ過ぎる。

日本が国際社会で自立していくために必要な国力を整備しなくてはならないし、それは決して出来ないことではない。

日本に弾道ミサイルを向けたり、日本の領土を狙ったり奪い取ったりした国に対処するために必要な国力、つまり軍事力を整備すればいい。

日本の安全を脅かす内外の勢力の情報を集めるのに必要な国力、つまり情報機関や早期警戒衛星を整備すればいい。

首相など日本のリーダーが国民に向かって、日本が平和な独立国家としてやっていくために必要なもの、巡航ミサイルでも情報機関でも軍事衛星でも「買ってください」と説得すればいい。 私もそれを応援する記事を書こう。

 いい加減あれは出来ないこれは出来ないと決め付けて、ひきょうな逃げをうつのは止めて、日本は自分自身の足で立ち上がって、国際社会の荒波をかきわけ突き進んでいかなければならない。


-----------------------------------

2006年12月22日追記

世界のどの国も外国から完全に独立しているということは無いと思う。

あのアメリカでさえ今のところ、北朝鮮問題の解決のために中国に協力を要請せざるを得ないし、中国とてエネルギーがぶ飲み体質を改善するために日本の省エネ技術が欲しいのである。

世界各国は多かれ少なかれ外国に依存しているのだが、それでもその国がどれだけ独立独歩の精神をもって戦略的に国力の増強をはかっているかによって、大きな違いが出てくると思う。

独立独歩の精神で強力なカードを持てるよう努力した国は、外国と同盟を組む場合でも強みを発揮する。

よって「外国に頼れるから日本は努力しなくてもいいや」ではなく、外国と同盟を組むからこそ、日本が独立独歩の精神で魅力ある国にならなければならないのである。

残念ながら「日本はいずれアメリカから見捨てられる」と大騒ぎしている連中にかぎって、どうしたら日本の自主独立が保障できるかの戦略的具体策を提示できていない。


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2発目のテポドンを北朝鮮が準備か

  • 2006/07/07(金) 01:09:13

 

北朝鮮が、2発目の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」(射程3500~6000キロ)の発射準備とも受け取れる動き見せていることが6日、明らかになった。

 複数の政府筋が明らかにした。

 関係者によると、北朝鮮北東部の舞水端里(ムスダンリ)にある発射基地周辺に、「テポドン2号」と見られる弾道ミサイルがあることが日米の偵察衛星で数回確認された。すでに、1段目の新型ブースターと2段目の中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)が組み上げられた状態だという。

 ただ、現段階では発射台に搭載されたとの情報はなく、「直ちに発射するという状況ではない」(政府関係者)と分析している。

(読売新聞) - 7月6日23時4分更新



引用記事 

 北朝鮮が再びテポドン2号を発射する構えをみせている。

前回発射されたテポドン2号は、ロシア沿海州近海に着弾したが、北朝鮮が再びテポドン2号を発射すれば、最初の一発が打ち上げ失敗だったのか、それとも意図的にロシア近海に落としたのかを考える重要なヒントになる。

もし最初の一発が打ち上げ失敗だったとしたら、それでは外交カードとして充分ではないと北朝鮮が考え、北太平洋へ向かって二発目を撃とうとしているのかもしれない。

だが二発目が発射されても、ミサイルが日本やアメリカを直撃でもしないかぎり、インパクトは一発目とさほど変わらないと思う。

何しろ燃料注入や組み立てなど発射準備に時間がかかりすぎて、いったん据え付けると移動も困難、兵器としての実用性に欠ける。 それでも北朝鮮にとっては数少ない手持ちカードではあるが。

現在までにテポドン2号が何発製造されているのかわからないが、その貴重な手持ちカードをあっさり何枚も切る経済的余裕が北朝鮮にはあるのだろうか?

 今回の北朝鮮によるテポドン発射騒ぎからもわかるように、日本が位置する北東アジアは世界一軍拡競争が激しい地域であるということが言える。  

それも、日本では”攻撃的兵器”と呼ばれていて保有が禁じられているような兵器がどんどん開発され、あるいは外国から購入されて極東アジア各国が軍備拡張を競っている。

そうした軍拡競争は、過激な自民族優越主義や領土領海拡張主義にあおられて、いっそう激しくなっている。

 今話題になっている北朝鮮はテポドン1号・2号やノドンなど各種弾道ミサイルと核兵器を保有し、中国もすでに数百発の核弾道ミサイルや巡航ミサイルを開発・保有、日本の2倍以上の軍事予算をかけて新型の核ミサイル搭載原子力潜水艦や空母の建造をすすめている。

韓国も、日本を敵と名指ししてこれまでの北朝鮮を仮想敵とした陸軍重視から空海軍重視にシフトした。 長距離の空対地ミサイルをアメリカから購入したし、自主開発とみられる射程500kmの巡航ミサイルをもうじき完成するイージス艦に搭載する予定だ。

スペック通りの性能を発揮すれば日本海にいる韓国のイージス艦の巡航ミサイルで福岡や広島、大阪など西日本の各都市を狙えることになる。

台湾も中国に対抗するために巡航ミサイルを開発中との情報がある。

 このように北東アジア各国が大軍拡といった状況の中、ひとり日本だけは軍備を縮小しようとしている。

自民族優越主義にあおられたナチス・ドイツが急速に軍事大国化しているのに、軍事バランスの維持を怠り、第二次大戦緒戦のドイツの侵略になすすべがなかったフランスやイギリスの悪夢が思い起こされる。

 日本は戦後一貫して、周辺国を刺激しないように、そして周辺国から尊敬してもらえるように”攻撃的兵器”とよばれるようなものは決して保有しなかった。

しかし中国・北朝鮮・韓国など日本の周辺国は、日本が刺激しようがしまいが自国の戦略に基づいて”攻撃的兵器”を開発したり保有してしまっている。

日本からの抗議を振り切って弾道ミサイルを発射し、日本への恫喝を続ける北朝鮮にたいして、我々は独自の対抗手段を持たないのである。そのことを北朝鮮はあざ笑っているのだ。

”周辺国を刺激しない日本”は尊敬されるどころか、”弱い国日本”としてバカにされ日本国民の安全が脅かされる大きな原因となってしまった。

日本を除く、過激な自民族優越主義や領土領海拡張主義が吹き荒れる北東アジア各国では、強大な軍事力こそ正義という価値観が支配している。

日本がこれまで堅持してきた”周辺国を刺激しない外交・安保政策”が既に破綻しているのは明らかだ。

残念ながら北東アジア全体の軍事情勢など現実をふまえると、日本も水上艦艇・潜水艦などから発射できる巡航ミサイルや、戦闘機から発射できる長距離の空対地スタンドオフミサイルを保有するべき時に来ている。


そうした兵器があれば、日本に向けて弾道ミサイルが撃たれる前に敵のミサイル基地や司令部を破壊することもできる。

アメリカやEUから巡航ミサイルや空対地ミサイルを買うのもよいし、売ってくれないのなら自主開発する手もあろう。

幸い日本はASM-2などでミサイル用の実用ターボジェットエンジンのノウハウはあるだろうから、 GPS誘導やTERCOM(地形等高線照合)、データリンクによる目標修正、赤外線画像処理などの技術さえものになれば、国産巡航ミサイルや長距離スタンドオフ空対地ミサイルを開発するのは決して不可能ではないと思う。


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北朝鮮がテポドンを発射!

  • 2006/07/06(木) 00:29:18

 北朝鮮がテポドン2号を含む7発の弾道ミサイルを発射した。(10発という情報もある)

そのうちの3発目がテポドン2号だったもようだ。

発射されたミサイルは、ロシア沿海州近海にすべて着弾したと思われる。

テポドン2号はアメリカ・アラスカまで届くとされるが、だいぶ手前に着弾した。 これに関連してテポドン2号は第一段ロケットの切り離しに失敗して、ロシア近海に落下したとの分析もなされている。

この事態を受けて日本政府は、万景峰号の半年間日本入港禁止、北朝鮮当局者の日本入国禁止、日朝間の航空チャーター便乗り入れ禁止などの経済制裁措置を発動した。

国際社会も北朝鮮のミサイル発射に強硬に反発している。

アメリカ・ロシア・オーストラリアなどが北朝鮮を強く非難し、北のミサイル発射問題を話し合う緊急の国連安保理・非公式協議が開催される予定で、国際社会からも北朝鮮に対する制裁措置が発動される可能性がある。

 正直、クロフネにとって北朝鮮がテポドンを発射したのは意外だった。
可能性は0%とは言えないとしても、発射の確率はかなり少ないだろうと思っていた。

「テポドンを発射するぞ」というカードがアメリカに全く通じていなかったし発射してもしなくてもそれは変わらない。 それに、実際にテポドンを発射してしまえば、北朝鮮の数少ない手持ちカードが失われてしまうからだ。

中国やロシアといった北のパトロンの制止を振り切って弾道ミサイルを発射すれば、パトロンたちのメンツも丸つぶれになる。

しかし北朝鮮はテポドンを発射した。

アメリカのスペースシャトル打ち上げにあわせてテポドンを撃ったのだからかなり挑発的だし、韓国の調査船が竹島に接近し日韓関係が極度に悪化しているタイミングを狙って撃ったのも北朝鮮の計算のうちだろう。

 テポドン2号のほかに6発のスカッドやノドン弾道ミサイルも発射されたが、これはアメリカ軍の迎撃ミサイルにテポドンが撃墜されないようにするデコイ(おとり)の意味があったのかもしれない。

ただ今回のテポドン2号は、1998年のテポドン1号発射の時のように日本列島上空を通過するようなことはなかった。

搭載燃料をあらかじめ少なくするなどしてテポドン2号を意図的にロシア近海に落としたのか、それとも純粋に打ち上げに失敗したのかはわからない。

テポドン2号がそのまま飛翔を続ければ、北海道とサハリンの間を通過して、アリューシャン列島の南の北部太平洋に着弾していたと推測される。

おそらくミサイル発射を日米に対する先制攻撃とみなされ米軍による北朝鮮侵攻を招かないようにするためで、北朝鮮はアメリカ軍に相当”びびり”ながらテポドン発射を強行した様子がうかがえる。

その結果ミサイルは全弾、ロシア沿海州近海の方角に向かって発射された。

もし純粋に打ち上げに失敗したのであれば、ミサイルがロシア近海に落下して北海道などの陸地に着弾しなかったのは、北朝鮮にとって幸運であった。

 今回のミサイル発射を決断したのが金正日なのか軍部なのかは知らないが、世界情勢が正確に読めていないのではないかと思われる。

アメリカによる金融制裁がよほどこたえ、金王朝崩壊を防ぐにはすぐにでも何か手を打たないといけないが、打てる手もテポドン発射ぐらいしかないということなのだろうが、ミサイル発射で脅されたからといってアメリカは金融制裁の解除といった譲歩はしまい。

前回のテポドン1号発射のときは、北朝鮮に甘かったクリントン政権であったから、テポドン発射がアメリカから譲歩を引き出すカードとなったが、現在のブッシュ政権の対北朝鮮外交はクリントン政権のものとは全く違う。

むしろ北朝鮮は日本からの経済制裁の引き金を自分で引いてしまい、北朝鮮自身の首をしめる結果となった。 日本政府は制裁発動をさんざん渋っていたにもかかわらず。

テポドン発射が平壌宣言に対する違反ということも誰の目にも明らかとなり、日本と北朝鮮が国交を回復した後、日本から北へ経済援助を行うというシナリオもパーになった。

これで北朝鮮の”突然死シナリオ”(金正日独裁体制の崩壊)が現実のものとなる可能性が高まったことは否定できない。 ソウルや北京は苦虫をかみつぶしていることだろう。

テポドン発射がミサイル問題だけではなく北の核武装問題や日本人拉致問題にも影響を与えることになろう。

 また、中国やロシアなど北朝鮮のパトロンたちの影響力の低下も白日の元にさらされた。

金正日独裁体制の維持のためなら、たとえ中国の要請でも北朝鮮は一切聞き入れないということが、明らかになったと思う。

今後、中国の北朝鮮への影響力にあまり期待はできないのだということは、日本もアメリカも肝に銘じておかなければならない。

さらにロシアの北朝鮮への影響力の低下は決定的だと思う。

ロシアは北朝鮮からミサイル発射の事前通報は一切なかったと言っているが、もしそれが本当なら北朝鮮はロシアのことを既に”へ”とも思っていないということだ。

北朝鮮は弾道ミサイルをロシアの排他的水域内に撃ち込んだ。

最悪、7発のミサイルのうちどれかが、付近を航行するロシアの船舶や航空機を直撃していたかもしれない。

ロシアも早期警戒衛星で北朝鮮のミサイル基地を監視していただろうから、一歩間違えばテポドン発射をロシアが北朝鮮からの攻撃と誤認し、北朝鮮はロシアから反撃を受ける可能性もあった。

にもかかわらずロシアに事前の通報もせずロシア水域にミサイルを撃ち込んだのである。

(だから事前の通報はなかったとするロシアの主張はちょっと信じられないのであるが)

 アメリカに続いて日本も経済制裁に入ったことで、北朝鮮問題に今後動きが出てきそうな感じである。

平壌宣言の前提条件が崩壊したのは、誰の目にも明らかなのだから、日本政府は毅然とした対応を国際社会と協力しながら取ってほしい。

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関連記事・テポドン発射カードと北朝鮮の瀬戸際外交

関連記事・北朝鮮の保有する弾道ミサイル

韓国調査船が竹島近海に今日にも接近か

  • 2006/07/05(水) 01:52:07

 韓国が日本の抗議を振り切って3日、海洋調査船の出航を強行した。

4月に日本が調査船を出航させようとして韓国が抗議し、韓国が竹島近海の海底地形に韓国名をつけるよう求める書類を提出しないことを条件に、出航を取りやめたのとは大違いである。

韓国の調査船が竹島近海に到達するのが当初今月の11日前後とみられていたが、調査船が動きを転じ今日にも竹島近海に侵入するという報道がなされている。

引用記事 

おそらく、日本の巡視船などが現場に到着しないうちに”奇襲攻撃”をかけようという魂胆なのであろう。

 ところで、韓国がこの時期に竹島近海で海洋調査を強行する意図がわからない。

4月に日本の海上保安庁が竹島近海で海洋調査をしようとしたが、それは韓国が竹島を武力占拠しているという前提条件があって、日本が海洋調査をすることによって竹島問題を国際紛争化して国際社会の注目を集めさせ、ゆくゆくは韓国を交渉のテーブルに引きずり出すという意味合いがあった。

しかし今回、竹島を武力占拠していている韓国側からわざわざ海洋調査船を出して、竹島問題を国際紛争化しようというのである。 はっきりいって韓国の国益上、何ら実利を得るところはない。

だが韓国に、日韓の巡視艇が衝突して実利を得るやつが一人いる。そうノ・ムヒョンだ。

最近の韓国の世論調査では、ノ・ムヒョンの支持率がとうとう15%を切ったそうで、地方選でもウリ党は惨敗したばかり。 任期をまだ2年残しながらどうしようもない状態となっている。

そうした状況にあって、ノ・ムヒョンは日本を軍事的な敵国と公言してはばからない。

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ノ・ムヒョンは、中国で反日大暴動が起こる直前にも、日本に対して”外交戦争”を宣言、日本の教科書問題に介入したりして韓国民の反日感情をあおり、自らの支持率をいっきに50%越えにしてみせた。

北朝鮮は自ら危機を作り出して目的を達成しようとする”瀬戸際外交”がお得意だが、北朝鮮シンパのノ・ムヒョンもまた、日本に対して意図的に危機を作り出す”瀬戸際外交”で、支持率を上昇させ自らの政治生命の延命を図ってきたのだ。

クロフネは昨年4月の記事で、そうした瀬戸際外交で自らの支持率をあげるノ・ムヒョンの日本叩き逃げを許すな!と再三訴えてきた。

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しかし日本政府は「日韓関係の基本は友好ですから」などと言って問題を先送りし、ノ・ムヒョンの日本叩き逃げを何度も許してしまった。

その結果、韓国よりはるかに国力の大きい国・日本に対して”戦争”を宣言したにもかかわらず、ノ・ムヒョンは日本から何の報復を受けることなく、日本を叩けば叩くほど支持率が上がるという甘い蜜だけ吸ってきたのである。

こうした日本の間違った外交姿勢の悪影響は対韓外交にとどまらず、中国における未曾有の反日大暴動の発生など、東アジア外交全般にまで広がっている。

 4月に日本が海洋調査を竹島近海で実施しようとして韓国側が猛抗議、結局、谷内次官が韓国に出向いて交渉を行ったときも、交渉がいったん決裂して席を立った韓国側を日本側がわざわざ連れ戻してまでして”妥結”させた。

だが現在の状況を見る限り、それも問題をただ先送りしただけで、谷内次官はじめ政府・外務省がつらい決断から逃げていただけではなかっただろうか。

韓国が日本の顔を何発も殴り、日本の顔に青なじみができて鼻血も出ているのに、「それでも韓国は日本の親友です」と言いつづける日本政府がこっけいで仕方がない。

いい加減、幻想を捨て現実を直視すべきではないだろうか。

「私は戦争に反対です」という日本人を見るといつも思うのだが、外国との友好関係というのは、自分の国だけの努力でどうなるものではない。

自分が望んでいなくとも相手が望めば戦争になる。当たり前だ。

だから相手国も日本と友人になりたいと考え、それにふさわしい努力をしてはじめて友好関係が成立するのである。

にもかかわらず、日本に敵対行為を堂々と働く国を友好国と呼んで、敵対行為を見逃しつづけて何の意味があるのだろうか。

日本を嫌い、日本に敵対行為を働く国に対しては現実を直視し、それにふさわしい対処をするべきである。

また、尖閣諸島をはじめ東シナ海全域を我が物にしようとする中国も、日韓関係がどうなるかじっくりと見ている。

中国のことわざで言えば、鶏(韓国)を殺して猿(中国)に警告しなければならない。

韓国が日本の抗議を押し切り、竹島近海で海洋調査を行うのであれば、巡視船で韓国の調査船にしっかりと警告をしなければならない。

また、対抗して必ず日本も竹島近海で海洋調査をしなければならない。

円とウオンの通貨スワップ協定を破棄し、朝鮮半島有事の際に日本は一切韓国を助けないことも韓国側に通告すべきだ。

今度こそ、ノ・ムヒョンに甘い蜜を吸わせてはならず、それにふさわしい報いを与えなければならない。


 ところで、4月に谷内次官が訪韓して強引に交渉を妥結させた理由として、アメリカ政府から外務省幹部に「米国は東アジアの同盟国である日本と韓国が争う姿はみたくない」と、話し合い決着をもとめる電話が入ったことを指摘する”外交筋”がいる。

そしてその”外交筋”によれば当時、中国の胡錦濤国家主席とブッシュ米大統領との首脳会談を控えており、日米間で「会談で竹島問題が話題に出たら、米国は日韓どちらの肩を持つこともできず、沈黙する。中国の主張ばかりアピールされる」との危機感が広がったため、問題の先送りがなされたという。

引用記事 

 この話が本当であるならば、政府・外務省やワシントンの日本公館は一体何をやっているのだろうか?という強い疑問が沸き起こってくる。

フォークランド紛争の例をひくまでもなく、対中国・対北朝鮮外交を見据えるアメリカとしては日本と韓国という同盟国同士の争いは見たくないだろう。
竹島はアメリカ領土ではないし、日韓でもめるぐらいなら現状維持が望ましいと考えるかもしれない。

だからこそ日本がアメリカに対して、竹島が歴史的に見て日本のまぎれもない領土であること、戦後まもなくアメリカ政府のダレス国務長官顧問やシーボルト駐日政治顧問が「竹島は古くから日本のものである」と認識していたことを主張して、韓国より日本の主張の方に、明らかに正当性があることを説得しなければならない。

そして、万が一日本側への明確な支持が取り付けられないにしても、アメリカに中立状態の維持と竹島問題への不干渉の約束を取り付けるというのは、日本政府・外務省が果たすべき最低限の仕事である。


にもかかわらず、日本政府はアメリカに対して何か働きかけをした形跡がない。 そもそもアメリカや国際社会に根回しをして竹島問題で支持を取り付けようという思想すらないのかもしれない。

まったく怠慢も良いところで、本当に竹島問題を解決する気があるのか疑問だ。

だから「会談で竹島問題が話題に出たら、米国は日韓どちらの肩を持つこともできず沈黙する。よって中国の主張ばかりアピールされる」なんて心配をしなければならなくなるのだ。

アメリカへの根回しを日本がちゃんとしておけば、たとえ中国が米中首脳会談で竹島問題を提起しても、「それは日韓二国間で解決されるべき問題で、米中が介入すべき問題ではない」とアメリカが言って終わる話のはずである。

それに竹島を取り返すための策を実行するのと、中国が米中首脳会談で自らの主張をえんえんアピールすることを許すのと、どちらがより日本の国益上重要なのかという視点がそもそもぬけている。

当然、前者が重要である。 つまり日韓交渉の決裂を受け入れ日本はただちに海洋調査を実行すべきだったのだ。

それが原因で、中国の軍拡や貿易摩擦・人権問題でギクシャクしていた米中関係が好転し、中国の主張をアメリカが受け入れるとも全く思えないのだが。

ワシントンの日本大使館は、米中関係が現在どうなっているのか、それくらいの情報を持っていなかったのだろうか。

(どうも、「竹島問題が話題に出たら、米国は日韓どちらの肩を持つこともできず沈黙する。中国のアピールばかりになる」うんぬんといった話はウソくさい。 アメリカが本当にそんな外交オンチ丸出しのことを言うだろうか?)

拉致問題でもそうだが、政府・外務省は国民から一々言われる前に、国際社会での根回しや情報収集ぐらいやってほしいものだ。


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関連記事・竹島海洋調査は一応決着か?

関連記事・日韓の綱引き

関連記事・指導者としての覚悟

中国船が尖閣水域を侵犯

  • 2006/07/03(月) 23:52:51

 

7月2日午前5時50分ごろ、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島から南西約24キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3235トン、全長96メートル)が航行しているのを、第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船「もとぶ」が確認した。

 調査の事前通告はなく、同日午後8時現在もEEZ内を航行している。もとぶは無線で調査中止を要求しているが、東方紅2号の応答はない。

 同保安本部によると、東方紅2号は午前10時前から4回、航行を停止し海底の泥を機械で採取するなどの調査活動を行った。海保は外務省に通報し、同省は外交ルートで中止を申し入れた。

(読売新聞) - 7月2日22時16分更新



引用記事 

続報では、3日午前0時半ごろ東方紅2号は日本のEEZ外に出て中国本国へ向かったようだ。

 最近になって、日中関係の改善をはかるため中国側から盛んにシグナルを日本へ送ってきていた矢先に発生した、中国船による日本のEEZ侵犯事件。

だが、今回の中国船による尖閣諸島近海での海洋調査活動は、胡錦涛政権指導部の考える対日外交の方向性とは食い違っているように思われる。

中国政府は対日外交を現実的な実利外交に転換させ、靖国問題を日中外交摩擦の正面におくのは止め、尖閣諸島がらみで中国国内での反日運動を盛り上げようとしていた団体の活動も封じ込めた。

そうした努力によって対中円借款と日中外相会談の再開が決まり、日中関係が好転の兆しを見せ始めているのに、中国政府自らが尖閣諸島近海で海洋調査をはじめたのでは、それまでの努力がご破算になってしまう。

だから今回の事件は胡主席が意図したものとは思えず、反日強硬派の軍部それも海軍あたりが、胡指導部に反旗をひるがえして暴走した結果ではないだろうか?

 ちょうど数日前に、中国海軍の王守業・中将が収賄などを犯したとして解任され、全国人民代表大会代表の資格も剥奪されていたことが明らかになった。

中国軍部の高官が汚職で解任され、それが新華社のような官営マスコミなどによって公表されるのは非常に珍しいとのことだ。

引用記事 

最近、中央軍事委員会主席でもある胡錦涛国家主席が命令状を手渡し、劉永治・孫忠同の両人民解放軍総政治部副主任(中将)ら10人を上将(大将に相当)に昇格させるなど、胡主席による軍部の掌握がすすんでいるという分析がなされているが、

中国海軍の高官が汚職で解任され新華社が報道するというのも、胡主席と海軍の権力闘争の第一ラウンドが胡主席の勝利に終わったということではないだろうか。

これに今回の中国海洋調査船による尖閣諸島接近がどう絡んでくるのかといえば、中国海軍が手を回し海洋調査船を尖閣諸島に接近させて日本を挑発し、わざと日本の海上保安庁と”衝突”させるのが目的だったのではないか。

もし日中が海上で激突という事態となれば、中国国民がいきりたって反日感情が再び高まり、尖閣諸島を”取り戻そう”とした中国海軍は”愛国的英雄”と評価されるだろう。

そうなれば、愛国的英雄という”錦の御旗”を得た中国海軍は、例え胡主席といえども介入するのが難しい聖域となる。

当然、中国海軍の王守業・中将のように汚職で胡指導部に摘発されるようなこともなくなるし、胡主席との権力闘争においても互角の戦いを演じられる。

こう考えるとつじつまが合うと思うのだがどうだろうか?

ただ単に、尖閣諸島の強奪は胡政権の規定路線で、その第一歩が今回のEEZ侵犯だったという可能性もなくはないが。

 それでは日本はどうすれば良いか?

「胡主席を助け中国の軍部を利することのないように、日本は問題を穏便に(それを普通、泣き寝入りという)済ますべきだし、それが真の外交巧者だ」という勘違いをする日本人が必ずいると思うが、それは間違っている。

「中国の軍部から胡主席を助けるために尖閣諸島をくれてやれ」というのは、本末転倒も良いところだ。

例え胡主席の知らないところで決定されたことであっても、今回の中国海洋調査船による日本のEEZ侵犯は、中国の日本に対する明確な敵対行為である。
どんな理由があってもそれを許してはならないし、それを笑って見過ごせば、尖閣諸島は本当に中国のものになってしまうだろう。

最近、再開が決定された円借款供与の中止、もしくは遺棄化学兵器処理の中断といった対中報復措置を実行して日本として「尖閣侵略は許さない」という明確なシグナルを中国に送るべきである。

今後は、尖閣諸島に常駐の守備隊を置く必要もある。


その結果、中国でクーデタが起こって胡主席が失脚し、軍部が中国全土を支配し軍事独裁政権を確立するのであれば、それもやむを得まい。 だからといって日本の領土・領海とは引き換えにできない。

だが、もしそうなれば、全世界が中国の実態とその脅威を明確に認識することになるだろう。

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関連記事・中国の権力闘争と対日外交の変化

小泉首相訪米で日米関係総仕上げ

  • 2006/07/01(土) 02:05:41

 現在、小泉首相がアメリカを公式訪問している。

日本の首相としては1999年の小渕恵三元首相以来7年ぶりの公式訪問となり、29日夜にはホワイトハウスでの晩餐会に出席するなど国賓級の待遇を受けた。

翌日には、アメリカ大統領専用機”エアフォース・ワン”に乗って、ブッシュ大統領とともに、エルビス・プレスリーの旧自宅があるメンフィスへ向かった。

5月に訪米した胡錦涛・中国国家主席が、最後まで国賓待遇をアメリカ側に要求したものの、それを拒否されたことと比較するまでもなく、外国首脳としては破格の待遇だと言える。

日米両国は、小泉首相とブッシュ大統領による5年間の日米協力を共同文書にまとめ、”新世紀の新しい日米同盟”として宣言した。

詳細(外務省発表)

共同宣言では、自由・人間の尊厳及び人権・民主主義・市場経済・法の支配といった普遍的価値観を日米両国が協力して世界で推進していくことや、北朝鮮による拉致問題・北朝鮮やイランによる核弾道ミサイル開発問題・軍事大国として台頭する中国への対応・鳥インフルエンザ予防・エネルギー安全保障といった課題についても、日米が連携して解決にあたることがうたわれた。

最後に、両首脳が”世界の中の日米同盟”が一貫して建設的な役割を果たし続けるとの認識を共有し、日米間の友好関係や地球的規模での協力関係が今後とも益々発展していくことを共に希望するとして、共同宣言をしめくくった。

 今回の小泉首相の訪米は、まもなく退陣する首相の”花道”と言われている。

戦後最高とも言われる現在の日・米の蜜月関係は、小泉首相とブッシュ大統領の個人的な友情と信頼関係に大きく依存してきた。

しかし小泉首相は秋に、ブッシュ大統領も2008年には退任の予定だ。

 日・米の指導者が誰になっても自由・人権・民主主義・法の支配といった普遍的価値観を共有基盤とした日米同盟を絶えず維持し、建設していかなければならない。

日・米両国には、自分たちの経済的な利益を最優先させるあまり、独裁国家中国という猛獣を太らせるために、日本や台湾・タイ・フィリピン・マレーシアといった、アジアの民主国家が中国に食われても一向に構わないと考える人達が存在する。

第二次大戦を勝利に導いたトルーマン大統領は、現在でもアメリカ人にとってはヒーローだと思うが、私が残念だと感じる点がひとつある。

それは、チャーチルの警告にもかかわらずトルーマンが共産主義の独裁国家ソビエトの脅威を過小評価したことで、ポーランドやチェコスロバキア・ハンガリー・ドイツ東部などがソビエトに次々と飲み込まれるのを、易々と許してしまったことだ。

ソビエトに飲み込まれた東欧各国では、独裁者による暴力と監視・密告への恐怖が人々を支配し、そこでは明らかに文明が退歩していった。

独裁国家・中国が強大な軍事力・経済力を利用して日本を含むアジア各国を飲み込み、世界の超大国として覇権主義をあらわに台頭するようなことがあれば、それは人類の不幸であり文明の退歩であり、スターリンの東欧支配という悪夢の再現である。

中国はイランに対しても武器を供給し続けており、中東地域の安定にとって重大な脅威となっている。

 軍事的にハンデキャップを持つ日本には、世界一の軍事力を持つアメリカの助けが必要だし、経常収支赤字を穴埋めし、ドルを支えるためにも多額のファイナンスを必要とするアメリカに、日本として力を貸すことはできる。

アメリカと日本という、国力第1位・第2位の民主国家が密接な協力関係を維持し続け、普遍的な価値観を共有するEU諸国やインド・オーストラリア・カナダ・ASEAN各国などとも連携すれば、独裁国家による世界覇権確立という悲劇と人間文明の退歩は防げるはずである。

強固な日米関係の維持のため、共和党・民主党など党派を超えたアメリカから日本に対する支持をお願いするとともに、日本としても、共和党・民主党をはじめとする各政治家・官僚・民間人など広くアメリカ社会に、日米関係の意味と重要性、そして日本に対する正確な理解を”小泉以後”も全力で訴えていかなければならない。


 堅いお話はここまでにして、最後に余談を。

クロフネはジョークのセンスがまったく無いので人の事をあれこれ言えないのだけれども、訪米した小泉首相が記者会見などで、くさ~いアメリカン?ジョークを連発しているが、これって結構重要だと思う。

世界的にみて、日本の政治家はやはりジョークが下手だと思うし、そもそも滅多にジョークを言わないので、場数を踏んでいないというのもある。

その点、奇人変人首相といわれる小泉さんは、ジョークの内容への評価はわかれるだろうが、少なくともアメリカの記者を笑わせているので、その努力は大いに買いたい。

国際舞台で、ウイットにとんだジョークを日本の首相や外相が飛ばせるようになると、だいぶ世界での印象も違ってくると思う。

クロフネが知っている限り、もっとも好感度が高いジョークは、実はレーガン大統領だったか、現ブッシュ大統領の父上ブッシュ・シニアだったか、どちらに”著作権”があるのかうろ覚えになってしまっているのだが、

ある記者会見で、大統領夫人が卒倒して担ぎ出されてしまったことがあった。

会場にいる人達みんなが「大変なことになった」と青ざめた表情で動揺していたのだが、夫人が会場から担ぎ出された後、大統領がマイクを持って落ち着き払ってこう言った。

「だからやめとけって、さっきカミさんに言ったんだ。 みんなの前でいきなり卒倒するっていうギャグは絶対にウケないってね」

皆がこれで大爆笑となり、笑いがおさまったあと、会場は落ち着きを取り戻していた。

とっさの緊急事態で心の余裕が無いときに、アドリブでこれぐらいのジョークを飛ばせるようでないと、国家の指導者は務まらないのかもしれない。

ところで、このジョーク誰が言ったか憶えている人いますか?


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