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第9回 21世紀日本の国家戦略

  • 2005/09/29(木) 23:44:23

 近代以降の、日本と東アジアの大陸国家(中国・朝鮮半島)との外交関係を振り返ってみると、日本が近代国家として一番最初にスタートしたという歴史的要因から、

先頭を走る開拓者としての日本と、そのような日本の立場と世界全体の情勢を理解しない、中国や朝鮮半島の大陸国家との摩擦・衝突という、宿命的な構図がある。

欧米から帝国主義の波がアジアに押し寄せた時、日本はいち早く西欧文明をとりいれて明治維新をなしとげ、アジアで初の近代国家となった。

しかし、当時もはや時代遅れとなっており、西欧文明に対抗すべくも無かった中華文明を依然、至高のものと考えていた中国や朝鮮は、遅れたアジア的専制王朝体制をひきずりながら「日本人ときたら、野蛮な白人のモノマネをはじめたぞ」とあざ笑った。

 そして現代の中国や南北朝鮮は、政府による思想統制や独裁主義といった、遅れた政治体制をひきずりながら、かつて欧米や日本がわずらった、自民族優越主義のような偏狭なナショナリズムや領土拡張主義といった”流行性熱病”に100年遅れの今ごろになって冒されて、アジアで最も自由で民主的な国家である日本をあざ笑っているのである。

 明治日本は、そんな大陸アジア国家に対して、「近代化をいち早く達成した日本が、中国や朝鮮を助けてやって近代化させねば」という、ロマンチックな感情に基づく”大アジア主義”の影響を強く受けた、外交政策でのぞんだ。

そのような”大陸ロマン主義外交”が日本に与えた代償はあまりにも大きかった。

そして、対アジア政策において英米と対立を深めるようになると、「英米憎し」のあまり感情的になって、ナチス・ドイツやファシズムのイタリアと手を組んで、世界から不必要な誤解を受けてしまうという決定的な外交ミスを犯してしまった。

 最近にわかに「日本は親米であるべきか、親アジアであるべきか」という問いが提起されている。

以上のような歴史の教訓から学べば、日本の取るべき道を選ぶ基準は明白である。 日本は親米でも親アジアでもなく、親民主主義でなければならない。

そうなると自ずから、日本の取るべき道は定まってくる。

 アメリカやEUが、民主主義を建設し維持し続けるかぎり、彼らと共に歩むべきである。 もちろんオーストラリアやインド、タイなど民主主義の価値観を共有する世界の国々も大切な友人だ。  彼らと協力しながら、できるかぎり世界に民主主義と自由貿易が広まるよう、日本も努力することが自らの国益につながるだろう。

そして日本周辺の、人治主義に基づく遅れた社会体制を原因とした、排他的な自民族優越主義と領土拡張主義をかかげる独裁国家や未熟な民主国家が、法の統治に基づく開かれた社会を持つ成熟した民主主義国家に成長するまで、日本は辛抱強く待たなければならない。

 しかし、「アメリカ憎し」「日本人と同じアジア人との連帯」といった感情や”大陸ロマン主義”に流されて、現在の中国や北朝鮮・韓国のような”愛国無罪”のスローガンや”民族主義の大義”のもと、人々の自由や人権を抑圧し、暴力を奨励するような国々を友人として選ぶようなことをすれば、日本は世界からいらぬ誤解を受け、60年前の過ちを繰り返すことになるかもしれない。

 私は「日本はアジアの国だからアジア人と仲良くしなければならない」といった主張を聞くと、気味が悪くてしょうがない。

例えば、あるヨーロッパ人が「わが国は白人国家だから、白人と仲良くしなければならない」と言うのを聞いたら、皆さんはどう思うであろうか?
あるいは、ドイツ人が「ドイツはゲルマン国家だから、ゲルマン民族と仲良くしなければならない」と主張したら、どうだろう?

私は、例え日本が地理的にアジアに属していても、同じアジア人種だけを優遇するのではなくて、肌や目の色に関係無く、世界の人々すべてと等しく友人になるべく努力すべきだと考える。

 また、中国や韓国から「日本はアジア(といっても中国と韓国だが)を軽視しバカにしている」といった批判を受ける事がある。

しかしそれを言うなら、白人が中国を侵略してもさして問題にしないが(中国人の中には「香港をイギリスに侵略・統治されたおかげで、タダで豊かな近代都市が手に入った」と言う者もいるらしい)「アジア人である日本人が中国を侵略したのは、絶対に許さない」と主張する中国や、

「アジアの日本人が我々から名前を奪ったのは、世界史上まれにみる蛮行だ」と言いながら、サムだのキャロルだのスージーだのといった白人の名前を、自分からすすんで名乗る韓国人こそ、アジアをバカにし、重い白人コンプレックスを引きずっていると言える。

 最後に日本単独の国家戦略についてふれておきたい。

21世紀以降も、周辺の民族主義的独裁国家からの軍事的挑戦をはねかえし、日本が自由で豊かな社会を維持していくためには、ある程度の国力(経済力と軍事力、それに文化力)の維持が不可欠である。

しかし、これから少子高齢化社会に向かう日本は、国力の減退を予想する声が大きい。

また20世紀の末期から、アジアの新興工業国が続々と誕生して、製造コストの安さを武器にして日本製工業製品に挑戦して来ている。

これまで日本経済をひっぱってきた重要な”機関車”のひとつだった、自動車やTV・DVD・洗濯機といった電気製品などを製造する機械工業も、これに対抗して、製造コストの安い国々にどんどん工場を移し、国内産業の空洞化と雇用の消失が進んでいる。

21世紀以降も自由で豊かな日本を維持するための戦略が必要だ。

日本の”お家芸”であった自動車や電気製品を製造する機械工業の競争力の維持・向上も大切だが、次の時代の日本経済をひっぱる新しい”機関車”が是非とも欲しい。

21世紀の機関車役として、日本が世界に先駆けて是非ものにしたいのが、次世代エネルギーとそのエネルギーで動く、新しい推進機関(つまり自動車・航空機・船舶などのエンジン)である。

中国やインドといった巨大な人口をかかえる国々が”産業革命段階”に突入して高度経済成長をはじめ、そのために天然資源、特に石油や天然ガスなどエネルギー資源の需要が急激にのびており、石油価格の高騰は世界経済の成長に暗い影を落としつつある。

また、資源の不足だけでなく、中国やインドにおける化石燃料の大量消費による地球規模での環境破壊も大きな懸念材料だ。

このまま行けば、資源の枯渇と環境破壊で、世界全体の持続的な経済成長が不可能になるだけでなく、残り少ない化石燃料をめぐって各国が争奪戦をはじめ、天然資源の囲い込みと保護貿易主義が復活すれば、日本だけでなく世界全体に与える害は計り知れない。

 しかし、日本が環境への負荷が少ない、次世代エネルギーの開発に成功すれば、このような懸念が無くなるだけでなく、次世代エネルギー生成プラントや、そのエネルギーで動く推進機関(エンジン)の特許と製品の輸出で、日本に新たな雇用を生み出し経済力を高め、21世紀以降も日本は経済大国の地位を維持する事に大きく貢献するだろう。

次世代エネルギーの開発と製品化は、日本の国策事業と位置付けて民間企業と協力しながら、十分な予算と人材を投入して是非ともモノにしたい。

その他にも、IT、生命工学、TV番組・ゲーム・アニメといった各種ソフト産業なども21世紀の機関車候補であるし、地球規模の測位・航法衛星システム(日本版GPS)構築や旅客機と航空機用エンジンの開発といった、航空宇宙産業にもできればチャレンジしたい。

 以上のように見てくると、日本の次世代のために、戦略的投資によって開発した、これら日本の知的所有権をどのように守っていくかという問題も重要になってくる。

これまでの日本政府の知的所有権保護政策は、かなりおざなりで、特に中国や韓国といった、多くの日本企業に損害を与えてきた国々に対して、日本政府は見て見ぬフリをしてきたも同然だった。

国からの援護射撃がないために、孤立無援になった日本企業は、知的所有権を侵害されても泣き寝入りを余儀なくされた事もあった。

だが、これからの日本経済を考えると、特許や各種ノウハウ、映像ソフトからの利益の重要性はどんどん増してくる。

日本の知的所有権の保護のため、産業スパイを取り締まる専門部隊の創設や日本人技術者の海外流出規制、海外で特許侵害訴訟をおこす日系企業を政府が全面バックアップし、相手国が官民一体となって特許侵害企業をかばうようなら、日本政府が報復手段を行使するなど、毅然とした態度と政策の実行が急務である。

 また、経済産業政策だけでは”豊かな日本”を維持することはできない。
日本の政府や社会が、国民に「日本人としての新しい幸せのかたち」を提案したり認めたりすることが今、求められている。

現在の、自殺や家出・ひきこもりや少子化など日本社会における様々な問題をたどると、社会の最小構成単位である家族が、高度経済成長時代から安定成長期への変化に対応できず、新しい家族のあり方や新しい幸せのかたちを見失って、多くの問題を抱えていることに行きつくのではないだろうか。

 であるならば、日本の家族の立てなおしは最優先課題である。

それには、まず大人が家族に時間と手間をかけることから始めなければならない。

社会人は仕事と家族を両立させることが「新しい日本人の幸せのかたち」であるという価値観を国や社会が認め、政府・自治体や大企業から中小企業にいたるまで雇用者側も積極的にバックアップする必要があるだろう。

 さらに、全ての労働者を正社員として雇用する力が日本経済にないのであれば、全ての労働者を正社員として完全雇用するといった非現実的な政策は捨てて、ワークシェアリング的な政策を取り入れるべきではないだろうか。

それにはパートタイマーに給与格差以外は正社員と同様の待遇、つまり企業の各種保険の加入義務付けと、「パートタイマーも日本経済の大切な戦力なんだ」という社会的評価・地位の向上が必要だ。

そして、パートタイマー共働き夫婦が子供をつくりたい場合は、国や自治体が育児費用の援助を行えば、少子高齢化社会の進行がゆるやかになるかもしれない。

 このように、「21世紀の新しい日本人としての幸せのかたち」を国民に提案して、問題をかかえている家族を立てなおし、希望が見出せるようにする事ができれば、日本社会は再び活力をとりもどすのではないだろうか。

 国家が営まれる最終目的は、「国民が幸せになるため」でなければならない。 日本単独の国家戦略も世界戦略も、この最終目的の達成に奉仕するものでなければならない。

これが達成できれば、”幸福な日本社会”という資産を利用して、世界の困っている人達も助けることができるだろう。

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米・中・露の”グレートゲーム”と大量破壊兵器の拡散

  • 2005/09/25(日) 22:22:00

 6カ国協議の先行きが不透明になり、北朝鮮に核兵器開発の放棄をさせることが本当に可能なのか疑問が深まっているが、イランの核開発問題も正念場を迎えつつある。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050925-00000008-san-int


イギリス・フランス・ドイツのEU連合と、イランとの話し合いが不調に終わり、イランの”核開発強行宣言”をうけて、国際原子力機関(IAEA)の場で、この問題の国連安保理への付託が検討された。

 しかし、IAEA理事会では中国・ロシアなどが、イランの核開発に反対するEU連合やアメリカに抵抗し、いったん国連安保理への付託は挫折した。

これによって、IAEAを軸とする世界の核拡散防止システムの機能不全が明らかになり、核軍縮の問題は大きな曲がり角にさしかかっている。

IAEAといい国連安保理といい、国際機関の場において徐々にアメリカやイギリスなど自由世界諸国と、中国・ロシアの独裁国家との対立が浮き彫りになってきており、冷戦期のように、再び各種国際機関が機能不全に陥って、何も決められない状況になりつつある。

 さて、北朝鮮とイランの核開発問題の両方に言える事は、両国の核武装を防ぎたい、アメリカ・日本・EUの自由世界諸国の動きに対して、中国・イランが抵抗し、むしろ核や弾道ミサイルなど大量破壊兵器の拡散に、協力していることである。

 世界最大の産油国のひとつであるイランに、巨費をかけて原子力発電所を建設しようというプロジェクトには、はじめからロシアが一枚かんでいた。

もともと、90年代半ばに成立したロシア原発のイラン売却は、経済的動機が主だったと思われる。

ソ連崩壊直後の経済低迷期に、売るものが何も無かったロシアにとっては、数少ない外貨獲得源のひとつだったからだ。

最近の6カ国協議でも、ロシアは北朝鮮に対して、ロシア製軽水炉原発の輸出を提案している。

 しかし、石油価格高騰でソ連崩壊後、空前の好況にわくロシアにとって、イラン核開発への協力と、IAEAや国連など国際機関での援護射撃の理由は、それだけではなくなってきている気がする。

イランにしろ、北朝鮮にしろ、地域のトラブルメーカーとみられている国である。(少なくともアメリカやEU、日本からは)
こうした国に核技術を供与すれば、より一層、問題は深刻化する。

ロシアはイランに原発を建設し、拒否権という強大なカードを持つ中国と協力して、国際機関でイランの味方をしている。

6カ国協議でも、軽水炉原発による核開発の継続を主張する北朝鮮に対して、中国とロシアは理解を示し、韓国もひきこんで、完全な核開発の放棄を主張するアメリカを孤立に追い込んでいる。

それに、もとはといえば、中国から同盟国パキスタンに流出した核技術が、まわりまわって北朝鮮に流出し、現在の困難な状況をもたらしたのであり、イランがオイルマネーで北朝鮮の弾道ミサイルを購入し、その購入代金が新たな北朝鮮の弾道ミサイルや核兵器開発を可能にしてきた。

 まるで中国とロシアは、アメリカや日本・EUなどを困らせるために、わざと災いのタネをまいているかのようである。

 一方、民主化革命によって誕生したキルギスのバキエフ政権は、アメリカに対して、自国内の基地使用料の増額を要求し始めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050922-00000142-mai-int


同じ民主主義の価値観を持ち、対米重視をかかげたキルギス新政権も、中国・カザフとその背後に控えるロシアという軍事大国にぐるりと囲まれた小国の悲哀とでも言うべきか、中・露からの圧力で、しぶしぶでも”反米姿勢”をみせざるを得なくなっているようだ。

中国のような全体主義国家に隣接する国が、中国より国力が小さいと、どうなってしまうのか痛感させられる。 (ましてや自分から主権を委譲するなどもってのほか)

 これに対してアメリカは、隣国ウズベキスタンの米軍駐留継続を確保すべく手を打ち、コーカサスの産油国・アゼルバイジャンにレーダー基地を建設する予定だという。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050921-00000130-mai-int


http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&
NWID=2005092401001244


ユーラシア大陸を舞台にして、アメリカ対中国・ロシアのグレートゲームは、いっそう熱を帯びてきているようだ。

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日本がアメリカの足をひっぱった?

  • 2005/09/23(金) 23:54:16

 今月19日に”妥結”して共同声明を発表した6カ国協議だが、交渉の裏側のようすが、報道機関によって徐々に明らかになってきた。

 交渉は、軽水炉も含めた北朝鮮の核開発の完全放棄を求めた日本・アメリカと、

 ”平和的利用”のための核開発の継続を求める北朝鮮の主張に、「軽水炉原発ぐらい良いじゃないか」と援護射撃をおくって、米朝の決定的な対立をなんとしても先送りして、金正日独裁体制の延命をはかりたい、中国・ロシア・韓国プラス北朝鮮という、

2対4の構図となったのは、クロフネの予想通りだった。

 特に第5次文書案が提示されたところまでは、軽水炉原発による核開発の権利を要求する北朝鮮と、それに断固反対するアメリカが激しく対立し、交渉は決裂・休会も予想された。

ところが、「アメリカは受け入れないだろう」と言われていた、第6次文書案が中国から示されたあと、アメリカが急に態度を軟化させ、北朝鮮の望む軽水炉原発による核開発を認めるという大幅な譲歩をし、6カ国協議は急転直下の妥結をみた。

 クリントン政権時代の米朝合意で、北朝鮮は核兵器開発を放棄する代わりに、日米韓などの援助を受けて、軽水炉原発の建設を認められた。

しかし、そのかげでこっそりと核兵器開発を継続して、とうとう完成させてしまい、核爆弾保有宣言をしたのは皆さんよく御存知の通りだ。

 このような過去の経緯から日米にとっては、たとえ軽水炉でも北朝鮮の核開発に、譲歩するわけにはいかないのは、自明の理だった。

だから私は、アメリカが何故このように不可解な譲歩を行ったのか、どうにも納得できなかった。

 しかし徐々にだが、霧のむこうにうっすらと、その理由がみえはじめている。

時事コラム・急転直下で6カ国協議の”合意”が成立で、

>今回の共同声明のもととなった、中国が提案した第6次文書案を読んだ佐々江日本代表が「検討に値する」と発表した事がどうもひっかかる。

と書いたのだが、悪い予感が当たりつつあるようだ。

 結論から先に言えば、北朝鮮の日米分断策にまんまと乗せられた日本が、朝・中・露・韓の”4カ国同盟”寄りに立場を変えたために、交渉現場で5対1と孤立したアメリカのヒル国務次官補が勢いに押されて、北の軽水炉核開発に言及した第6次文書案を受け入れるという譲歩をせざるを得ない状況になったのではないだろうか?

 北朝鮮が日本にちらつかせたエサは、おそらく日朝交渉再開である。

6カ国協議の裏側で、北朝鮮もしくは北の”同盟国”である中・韓どちらかが、「”軽水炉”で北朝鮮を支持してくれれば、北は日朝交渉再開に応じてもよい」という呼びかけを日本に対して行ったのではないだろうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050920-00000217-kyodo-int


 しかし、交渉が再開されたからといって、拉致被害者の帰国や賠償支払いなど、問題の完全解決が約束されたわけでもなんでもない。

交渉は約束どおり行われても、北が「拉致問題はもう終わった話だ」と切り返し、再び決裂する可能性だって高いのだ。

こんな安っぽいカードに、「日米の連携で、北朝鮮に一切の核開発をやめさせる」という高価なカードを切るわけにはいかない。

 ところが日本側代表は「あの北朝鮮サマが話し合いに応じてくれる!」とばかりに舞い上がってしまい、中国が示した第6次文書案にパクッと食いついて、「合意のチャンスだ。日本は第6次案を受けいれる」と早々と宣言してしまい、5対1になって孤立したヒル・アメリカ代表は、しぶしぶ「良い取引だ」と言ってホワイトハウスに譲歩の許可を求めたというのが真相ではないだろうか?

ヒル国務次官補が「良い取引だ」といって、受け入れるかどうかは明言せず、時間を稼いだのに対して、日本の佐々江代表?の”受け入れ宣言”は、どうみても慌てて突っ走りすぎた感が否めない。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050919-00000102-yom-int


 そして孤立したアメリカを中国がかさにかかって攻めて、「アメリカが第6次文書案を受け入れなければ、6カ国協議失敗の責任はすべてアメリカにある。」と圧力をかけた。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050921-00000032-san-int


こうしてアメリカ本国に判断が委ねられ、ホワイトハウスで譲歩すべきかどうか激論となり、その結果アメリカが中国の圧力に屈する形で、第6次案を受け入れ、6カ国協議は妥結したのではないだろうか。

 このあたりの経緯については、韓国のマスコミにも同じような分析があるようだ。 リンク

 もし、以上の事が事実であるならば、日本代表の何と愚かなことだろうか?

 たかだか、北朝鮮がわに「話し合いに応じてやろうか?」と言われただけでホイホイと彼らについて行き、アメリカを孤立させて、彼らの足を引っ張るとは... 

○| ̄|_

北朝鮮の核開発を完全に根絶やしにできなければ、拉致問題交渉でも日本はいっそう不利になるというのに。

 日本の外交交渉担当者というのは、「日本の国益上、もうこれ以上譲歩できない」という基準があいまいで、ずるずると際限無く相手に譲歩してでも、トータルでみて合意内容が日本の国益を害していても、交渉の妥結を目指すという、”譲歩原理主義者”・”交渉妥結原理主義者”ばかりのような気がする。

 しかも誰が日本の国益を守ってくれる”味方”で、誰が日本の国益を損なう”敵”なのか、さっぱりわかっていないようだ。

6カ国協議の参加国すべてが、北朝鮮の核開発に本当に反対で、日本人拉致被害者の帰国に真剣に協力してくれる、日本の大切なオトモダチとでも思ったのだろうか?

日本を除く5カ国は”自分達の国益”という共通語で、交渉を行っているが、日本だけその共通語が話せず、浮いてしまっているように見える。

 ただ日本が今回ヘマをしたとしても、共同声明の成立の経緯もその内容にも、そもそも無理があるので、共同声明の内容が、すぐ実行に移されるかどうかは予断を許さない。

共同声明の解釈について、軽水炉より核開発の完全放棄が先だというアメリカと、完全放棄は軽水炉の後だという北朝鮮の立場の食い違いが早くも出ているからだ。

 次回の協議は、さらなる紆余曲折があるだろう。

頓挫した日本の安保理常任理事国入り(その2)

  • 2005/09/21(水) 22:54:44

前回のつづき

 次に、日本一国に限っての選挙運動の内容を検討するが、日本は選挙運動中、愛地球博の国際行事とからめて、諸外国の元首・指導者を賓客として呼びまくった。(是非、この期間の前後の月に訪日した各国指導者の数と比べて欲しい)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/
kaidan/yojin/arc_05/nit_0505.html


http://www.mofa.go.jp/mofaj/
kaidan/yojin/arc_05/nit_0506.html


http://www.mofa.go.jp/mofaj/
kaidan/yojin/arc_05/nit_0507.html


賓客として招待したからには、各国元首・指導者が乗る専用機の燃料代や着陸料・駐機料といった運行諸経費、彼らの宿泊費、随行員の経費など、一切の訪日費用が日本持ちだったはずである。

そして、相手国への経済援助の表明や対日円借款の帳消しなど、もろもろあわせてウン億円のおみやげも渡したはずだ。

羽田や中部国際空港には、各国元首が乗りつけた専用機が連日のようにズラリと羽を並べていたという話も聞いた。 それでいて、選挙運動の大失敗という体たらくである。

 「日本は援助はするが顔は見えない」としばしば指摘されるが、その原因はよく言われるような「お金を出すだけで、日本の人的な貢献が少ない」という理由だけではないと思う。

身もフタも無い下世話な話だが、むしろ日本の援助で一番問題なのは「相手へのお金の渡し方」ではないだろうか。

2004年3月30日に、日本が、ある”途上国”に経済援助を供与するにあたって開かれた式典で、日本から経済援助を受ける国の側の関係者が、その式典をスッポかすという大事件があった。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/
kaiken/hodokan/hodo0403.html#6-C


本来なら日本側が「なめたマネしやがって。今までに決まった全ての援助プランを即刻中止にする。」と調印文書を破り捨てて帰ってくればいいものを、バカ正直にも予定通り援助金を払ってやったという。

 このように諸外国が、日本と仲良くしてもケンカを売っても、日本が同じように援助金を渡してくれるから、「日本がウチにカネをくれるのは当たり前だ」という風になって、日本の援助金のありがたみが薄くなり、よって「日本の存在感が薄い。日本の顔が見えない。」となるのである。

逆に援助を受ける国が、日本と仲良くなる努力をし、国際社会で日本の味方もして、やっとのことで日本からの援助を獲得できたとしたら、どうだろう?
日本からの援助がものすご~くありがたく感じられるに違いない。

 しかし、これまでの日本の援助外交をふりかえると、政府・外務省はこんな単純な人間の心理さえ、理解できていなかったように思われる。

しばしば日本の外交担当者は、自分がこう考えるから相手もそうだろうといった一人よがりに陥りがちで、交渉の相手がどういった考え方をするか、あるいは心理状態はどうかといったことを見抜く洞察力が、決定的に低いように思われる。

政府や国民に与える影響が大きい新聞・TVといったマスコミでも、「たとえどんなに外国にバカにされても援助金を払い続けないと、日本は世界で嫌われちゃうよ!一人ぼっちになっちゃうよ!」といった、幼稚な発想が大勢をしめていた。

 しかし、国際社会における日本の立場を理解し、友好的な態度で日本に協力してくれる国には、手厚い援助を与え、日本に対して敵対行動をとり、国際社会における日本の名誉・信用に泥を塗るような国には、日本からの一切の援助をやめて、彼らの反日行動を阻止し反省を促すといった、

”競争原理”を導入して、日本の対外援助に一貫した戦略を与えなければ、「国際社会で顔の見えない日本」からは未来永劫脱却できないだろう。


 常任理事国入り選挙運動でも、まだ日本の常任理事国入りが何も決定していないのに、バンバン援助をバラまくのではなくて、日本の振り出した援助の”手形”が、日本が常任理事国になれれば実際に現金化できるが、日本の理事国入りが消滅した瞬間に、その手形も紙くずになるような援助戦略の布石を打っておかないから、「援助を一生懸命ばらまきました。でも常任理事国はダメでした。」となるのである。

 今回、日本の常任理事国入りがとりあえず頓挫したことで、町村外相が日本の国連分担金削減を主張したが、以前にも述べたとおり大賛成である。

しかし、日本の国連分担金を減らすのに、韓国と共闘しようなどと考える、外交センスゼロの底抜けのマヌケが政府・外務省にいるらしい。

http://news.goo.ne.jp/news/yomiuri/
seiji/20050911/
20050911i101-yol.html


 常任理事国入り選挙運動を終わったばかりの、衆議院の”郵政民営化選挙”に例えるなら、日本の常任理事国入りを含むG4の国連改革案の成立をめざした日本が郵政民営化法案成立をめざした小泉自民党だとすれば、中国や韓国・パキスタンなどは民営化に反対した造反議員である。

ならば今回、日本の常任理事国入りに反対した中国や韓国・パキスタンなどに自民党公認(つまり日本から与えられるすべての援助)を与えてはならないのである。

それなのに「日本が協力してやって韓国の国連分担金も減らしてやろう」と主張するなんて、郵政選挙にうってでた小泉自民党が、国民新党など郵政民営化造反議員と共闘して「今度の衆議院選挙を協力して戦い、お互いの議席を増やしましょう」というようなもので、それがどれだけアホな主張か本人は言ってて気がつかないのだろうか?

 郵政民営化(国連改革)が挫折した事でこうむる損害とその責任は、民営化に抵抗し改革をつぶした造反議員(つまり中国・韓国・パキスタンなど)と彼らを支持した世論(中国などの味方をしたその他の国々)が負わなければならないのは当然の帰結である。


であるならば、「代表無くして課税無し」の大原則に基づき、日本は”国際社会”から世界の代表としてふさわしくないと判断されたのであるから、並の国々に適用される基準にもとづいた課税額にしなければならない。

つまり現在の、中国・ロシア・フランス・イギリスを合わせてもまだ日本の方が負担額が大きいという、現在の日本の国連分担金は減額されなければならないのである。

 そうなれば当然、国連の諸活動が予算不足で停滞し、さまざまな不利益をこうむることになるだろう。

しかし、それがわかっていて、国際社会の”世論”は「日本を国際社会の代表に選ばない」と決断したのだから、発展途上国を含めた全国際社会は、甘んじてその不利益を受けなければならない。

さもなければ、日本の国連改革案に強硬に反対した、中国・韓国・パキスタンなどが国連分担金を今の5倍・10倍の額に増やして、滞納せずきっちりと国連におさめるのは彼らの責任であり義務である。

(日本と韓国が負担金削減のためにお互い協力するというアホな主張をした者も、ここまで言えば納得できただろう)

そして、貧しい国への優遇措置として国連分担金の特別減額を認められ、日本に代わりに支払ってもらっていた、中国に味方した発展途上国も、自分達の選択にふさわしい痛みと責任を負うべきだろう。

 このようなプロセスは一見ムダで愚かなように見えるが、絶対必要なものである。

なぜなら人は、それを実際に失ってみて初めて、失ったものの大切さ・かけがいのなさを痛感するからだ。

痛みを味わった国際社会が「今やっと日本の大切さに気がついた。是非国際社会で指導力を発揮して欲しい。そのために国連で日本はしかるべき地位を与えられるべきだ。」と言いだしたとき、日本が選挙運動を再開させても遅くは無いだろう。

このようなプロセスを踏んではじめて、日本は「顔の見える国」になるのである。

急転直下で6カ国協議の”合意”が成立

  • 2005/09/20(火) 23:32:36

 決裂と休会が噂されていた6カ国協議で、急転直下合意がまとまり、北朝鮮が核兵器の開発と保有の放棄を”確約した”共同声明が発表された。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050920-00000000-maip-int


 この中で、特に重要だと思われる部分を抜き出してみると、

>北朝鮮は、すべての核兵器及び現在の核計画を放棄し、一日も早く「核拡散防止条約」(NPT)に復帰するとともに、「国際原子力機関」(IAEA)の保障・監督下に戻ると確約した。

>北朝鮮は、核エネルギーの平和利用の権利を擁することを声明した。その他各国はこれを尊重すると表明するとともに、適当な時期に北朝鮮に軽水炉を供与する問題を討論することで合意した。


 これが本当に実現されるなら、北朝鮮・アメリカ双方の外交の大転換に驚かされる。 クロフネは6カ国協議のゆくえに懐疑的だったのでなおさらだ。

確かに、北の核放棄と同時に、韓国へのアメリカ軍の核兵器持ちこみ禁止も確約されたが、依然世界中に展開するアメリカ軍は、北朝鮮に対して十分過ぎるぐらいの核攻撃能力を保持している。

ウラで中国が北朝鮮に対して”核の傘”を提供するといった、秘密協定でも成立したのだろうか?

 そして、クリントン政権時代の米朝合意で、まんまと北にいっぱい食わされた経験から、軽水炉型の原発を保有する事により核兵器開発の再開の可能性を残しておきたい北朝鮮に対して、「たとえ軽水炉でも北の核開発は認められない」として強硬に反対していたアメリカが何故譲歩したのか。

今回の共同声明のもととなった、中国が提案した第6次文書案を読んだ佐々江日本代表が「検討に値する」と発表した事がどうもひっかかる。

 次に

>北朝鮮と日本は、「日朝平壌宣言」に基づき、不幸な過去を清算し、懸案事項を適切に解決することを基礎として、国交正常化のための措置を取ることを確約した。
>中国、日本、韓国、ロシア、米国は、北朝鮮にエネルギー支援の意向を表明した。

 日本としては、拉致問題の完全解決無くして、北朝鮮にはビタ一文でも援助できない事は、このブログでもくり返し述べてきたが、日本も参加することが明記されたエネルギー支援というギブに対して、何を日本が手に入れるのか明確ではない。

日朝間で何らかの秘密協定があるのなら話は別だが、単に北朝鮮が核兵器放棄を表明したり日朝交渉の再開が決まっただけで、日本が援助を与える事などできない。

もしどうしてもやらなければならないのなら、他国の10分の1とか20分の1ぐらいの、ほんのおつきあい程度にしておかなければならないだろう。

 さらに、日朝国交正常化交渉が再開されるなら、拉致問題という不幸な過去を北朝鮮にきっちりと清算してもらわなければ困る。

つまり、拉致被害者の帰国と彼らへの賠償、内外マスコミへの公式の謝罪表明、拉致事件の全容究明、日本側も参加しての関係者の裁判と処罰である。

また、日朝国交正常化交渉は、朝鮮半島に置いてきた、日本の国有・民間の資産の返還問題も含めたものでなければならない。

 ところが、共同声明が出てから、もう「話がちがうじゃないか」というほころびが見えはじめている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050920-00000018-san-int

 
やはり同床異夢の6カ国協議の結果には、慎重に慎重を期した評価が必要のようである。

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6カ国協議に対して、日本が持つべき心構え

頓挫した日本の安保理常任理事国入り

  • 2005/09/19(月) 15:57:38

 小泉純一郎首相は十五日夕(日本時間十六日早朝)、国連総会の演説で「わが国は改革された安保理において常任理事国としてより大きな役割を果たす用意がある」と述べ、改めて安全保障理事会の改革への取り組み継続と日本の常任理事国入りを強く訴えた。

しかし、日本の主張に多数の支持を集めるための妙案は見当たらず、難しくなった常任理事国入りへの形勢逆転を図るのは、極めて困難な状況だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050917-00000004-san-pol


 日本・ドイツ・インド・ブラジルで構成する”G4”の国連安保理常任理事国入りが、とりあえず頓挫したことは、誰の目にも明らかとなった。

 以前述べたとおり、私は日本の常任理事国入りは、日本の国益に合致するのならそれを目指せばよいし、そうでないならどうでもよいと考えてきた。

また、大事な時に限って常任理事国が拒否権をちらつかせたり実際に乱発したりで、機能停止に陥りやすく、加盟国間で不公平さがどうしても残る安保理というシステムに代わって、

形骸化しつつあるサミット(とG7蔵相会議なども加えて)を改造して、拒否権なしで世界各地域のリーダー的な大国と非常任メンバーの中小諸国が広く国際問題を話し合う、国連の常設機関としたらどうかとも提案した。

 しかし、日本政府と外務省が本気で常任理事国入りを目指して”選挙運動”をし、それが頓挫したのであれば、厳しくその活動内容を吟味しなければならない。

特に、今回の選挙運動には、国民の膨大な税金が投入されており、常任理事国入りのための選挙運動を指揮した、外務省の人間の責任は追求され、ふさわしい処分が下されなければならない。

 今回の常任理事国入りの選挙運動に当たって、事前にどのような戦略を立てたのかは、各種報道をみてもはっきりしなかった。 そして実際にどういった活動が行われたのかも、断片的にしかわからない。

だが、外からうかがってみた限りでは、どうも日本の戦略は「日本・ドイツなどの有力候補者が集まって、協力して一致団結して運動すれば、常任理事国入りが可能になるだろう」という、「常任理事国入りという名の赤信号、みんなで渡れば怖くない方式」だったように思われる。

しかし外務省の計算とは裏腹に、これが大きな裏目に出た。

日本には中国と韓国、ドイツにはイタリア、インドにはパキスタン、ブラジルにはアルゼンチンといった具合に、各国の常任理事国入りには抵抗勢力も存在していた。

そして日本やドイツなどがG4として団結した事によって、これら抵抗勢力も団結してしまったのだった。

「めんどうな敵は分断して、一つづつ各個撃破せよ」というのは戦略論の初歩の初歩だが、「常任理事国入りという名の赤信号、みんなで渡れば怖くない方式」は、めんどうな敵の兵力を一挙に終結させて、いっそう厄介なものにしてしまったのだった。

しかも、日本がドイツと組んだ事によって、日本が最低限支持を取り付けておかなければ選挙戦を戦えない、最重要の国であるアメリカまで敵に回してしまった。

アメリカは、フランスと組んでイラク戦争開戦に最後まで抵抗したドイツをまだ許してはおらず、日本はそのとばっちりを受けてしまう形となった。

ホワイトハウスの「アメリカは日本の理事国入りに賛成だ」という声明を、額面どおりに受けとめた人は、まさか日本外務省にいなかったとは思うが、ホワイトハウスのホンネは「日本がドイツとくっついて”同時当選”にこだわっている限り、日本の常任理事国入りには自動的に反対」であった。

 さらに日本などG4は、大票田であるアフリカとの連携にも失敗してしまう。

G4は、アフリカ側の提示したG4との共闘の条件を最後まで拒否していたが、例えばアフリカ側が要求してG4が拒否した「新常任理事国も拒否権を持つべき。でなければ全ての常任理事国が拒否権を放棄すべき」という主張をG4が飲んで、アフリカの約50票がまとまるのであれば、G4案の「15年間は拒否権凍結」にこだわる必要も無かったと思う。

このあたりは交渉の裏側の情報が伝わってこないので、はっきりとした断定はできないが、アフリカ以外の票をまるっきり失うのが確定するのであれば考えなければならないが、そうでないならアフリカの主張を丸呑みに近い形で受け入れてもよかったのではないだろうか。

 以上述べたとおり、「赤信号みんなで渡れば怖くない方式」の失敗は明らかであり、ならば、ここはいったん死んだフリをして、G4を解散すべきだと思う。

そして「国連の安保理改革は、時々刻々と変化する世界情勢をふまえて、随時おこなわれるべき」という文言をいれた、文書を国連で採択させておく。

そのうえで、いったん解散したG4は、1カ国つづ常任理事国入りを目指すべきだ。

 たとえば、まず日本が常任理事国入りの運動を開始し、その他の国は表立っては動かない

この場合、抵抗勢力は中国と韓国の2カ国程度にしぼられ、2カ国だけを各個撃破すれば良い事になる。

もっともこの場合、国際的な影響力の無い韓国よりも、アフリカ・アジアなどで強力なネガティブ・キャンペーンを張ってくる中国が各個撃破すべき主な相手となる。

日本としては、戦後最高ともいうべき友好関係を利用して、アメリカの支持を取り付け、日本とアメリカの国際影響力を利用して、世界の票を取りまとめる。

それでもうまく行かない場合は、ドイツは欧州、ブラジルは中南米、ナイジェリアやエジプトはアフリカといった具合に、各国が属する地域で日本の票の取りまとめに、かげで協力してもらう。

 また、
「7500億ドルの外貨をためこみながら、都合の良い時だけ自称発展途上国になって、不平不満ばかり言いたてて国際貢献から逃れようとする、アンフェアーな中国

「発展途上国の味方といいながら、実際は途上国を苦しめている中国」

「かつて『資本主義の西側先進国に搾取されているから、アジアやアフリカなど途上国は発展できない。 途上国は東側の社会主義システムをとりいれるべきだ』と主張した社会主義の宣教師・中国こそ、途上国の経済発展失敗の元凶」

というキャンペーンを日本も張って、中国側のネガティブ・キャンペーンに対抗しつつ、広く国際世論を味方につける。

(中国を説得して味方につけようなどと甘い考えを持つのは止めたほうがいいだろう。この問題は中国にとって究極のゼロサムゲームのひとつだからだ。)

 このようにして、日本が常任理事国にはいる事に成功してしまえば、こっちのものである。

あとは、ドイツ、次にインドとブラジルといった具合に、同じようなやり方で抵抗勢力を撃破しつつ、先に常任理事国になれた国が、残りの国の常任理事国入りを手引きしてやればいい。

そのために、最初に「国連の安保理改革は、世界情勢にかんがみて、適時おこなわれるべき」という文書を国連に採択させておいたのである。

 ただ前述のように、私は現在の機能不全に陥っている「拒否権つきの安保理」には、あまり信頼を置いていない。

拒否権をすべて廃止した安保理か、それにかわる新しい国際機関、もしくは新常任理事国にも拒否権を与えて参加させる新安保理が成立するのでなければ、”国連改革”をすすめるのに気が進まない。

つづく

ロシア、石油戦略発動

  • 2005/09/15(木) 22:54:41

 ウクライナのユシチェンコ大統領は、八日の全閣僚解任後、ロシアとの関係改善を目指す姿勢をみせ始めた。エネルギーをロシアに頼るウクライナが、エネルギー価格の値上げを打ち出したロシア側との妥協を模索する動きとみられている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050914-00000013-san-int


 ”オレンジ革命”でクチマ政権を打倒し、ロシアやベラルーシといったスラブ独裁国家クラブから離脱したウクライナ。

ユシチェンコ新大統領は、民主化推進やEU加盟達成を目標に掲げて、ウクライナを自由世界の一員とするべく国政の舵をきった。

それを可能にするためには、ロシアの経済的支配からも離脱することが、必要不可欠だった。

特に、石油・天然ガスといったエネルギー分野で、ウクライナはロシアに大きく依存しており、さきのユシチェンコ大統領の日本訪問は、日本からの援助で、ウクライナの経済・エネルギー両分野でのロシア依存を軽減するという、ウクライナの国家戦略の一環であった。

以上の事をふまえながら、日本としてもウクライナとの戦略的パートナーシップ締結が必要である事を、このブログでも訴えた。

 しかし、”強いロシアの復活”をかかげるプーチン大統領は、まず、東ドイツやポーランド・ハンガリーといった東欧諸国、次にバルト三国やウクライナ・グルジアやカザフスタンといったソビエト連邦を構成していた共和国という具合に、次々と自由世界に”奪われてきた”、かつての赤い帝国・ソビエトの勢力圏の回収に乗り出してきている。

もっとも、EUとの一体化につきすすむ東欧諸国を取り戻すのは現実的ではないので、まず旧ソビエト連邦を構成していた国々に的をしぼっているようである。

そういった戦略の第一段が、”石油戦略”の発動だった。
つまり「ウクライナのように自由世界に味方して、ロシアに逆らう国々には、ロシア産の石油・天然ガスの値段を2~3倍にしてやる」というわけである。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050830-00000012-san-int


 日本や西側欧州諸国もかつて、「イスラエルに味方する国には、石油を売ってやらない」という石油戦略を、イスラエルとの戦争を始めたアラブ側の産油国から発動されて、アラブ側に屈服させられたという苦い歴史をもつ。

 これで消費する石油・天然ガスの90%をロシアに頼り、値上げ分の支払いにまわす、ユーロやドルといったハードカレンシーを豊富に持っているわけでもない、ウクライナのユシチェンコ大統領も、現実的な政策を取らざるを得なかったのだろう、ロシアとの関係改善に動かざるを得なくなった。

これが原因で、対ロシア外交修正派と親EU維持派との間で亀裂が生じて、ウクライナ政府の全閣僚解任という事態が発生したのだろう。 そのためにユシチェンコ大統領の基盤はやや弱体化してしまった。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050909-00000139-reu-int


残念ながらここまでは、ロシア・プーチン大統領の石油戦略が、功を奏しているようである。

 クロフネは、一国の外交パワーは、経済力・軍事力・資源力・文化力・交渉力などの総和であると考えているが、この場合、ロシアがウクライナを屈服させる外交パワーの源となったのは、資源力である。

日本の外交官の中には「外交とは武器や物理的パワーを使って相手をねじふせるゲームではない」などと自己満足的な主張を、したり顔で垂れ流す人がいるが、これが世界の外交の現実である。

物理的パワーで相手をねじふせるような外交を「理想的なものだ」と言うつもりはさらさら無いが、そのような外交が、現実の世界に当たり前に存在することから目をそらし、それに対抗する手段を確保して、いざという時にそれを行使するといった対策を講じるのを怠るのは、まったく不毛で愚かな事である。

特に、外国のパワーにねじふせられるのが日本であるような事は、決してあってはならない。


そのために国民が高い税金をおさめて、外交官をやとい、自衛隊を養っているのである。 日本の外交官は、そのあたりを勘違いするべきではない。

 さて、日米両国には、こうならないよう早めに手を打って欲しかったのだが、現在はハリケーンで手一杯のアメリカも、選挙で権力の空白が出来てしまった日本も動けなかった。(日本の場合、選挙が無くても何もしなかった可能性が高いが)

 ウクライナの民主化の火が消えないよう、今後とも日・米・EUが連携して、彼らをバックアップして欲しいと思う。



 高邁な理想も、怠惰と臆病に引きずられれば、武装した断固たる邪悪さの敵ではない。

外交はお愛想を言うためではなく、便宜を獲得するために存在する。

ウインストン・チャーチル


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 前回コラムでとりあげた、中国軍の電子偵察機だが、産経の報道によると、Y-8X(運輸8型)だったようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050914-00000002-san-soci


 Y-8Xなら、以前から存在が知られていた偵察機で新型ではなく、共同通信の報道は間違っている。

Y-8(運輸8型)は、旧ソビエト製軍用輸送機、AN-12”カブ”を輸入して、中国でそっくりコピーして生産した輸送機で、Y-8Xは電子偵察や海上哨戒を行う目的で製造された、その派生型である。

(中国には、兵器にしろ民生品にしろ輸入したあとに、そのコピー製品を大量に製造するという悪習があり、まったく始末におえない)





これが、Y-8XもしくはY-8MPAと呼ばれる電子偵察機。

撮影された時期は不明だが、アメリカ軍のF/A-18が牽制している。
おそらく場所は、黄海か東シナ海上空だろう。

多くのマスコミが黙して語らないウラで、このような熾烈な攻防が繰り広げられている。

中国軍の偵察機が九州~沖縄を電子偵察

  • 2005/09/13(火) 23:15:48

これまで存在を知られていなかった中国軍の電子戦データ収集機とみられる航空機が8月中旬から下旬ごろ、2回にわたって九州南部や南西諸島西方の東シナ海の公海上空で活動していたことが分かった。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050913-00000061-kyodo-int


 さて今日のコラムは、中国軍の電子偵察機(電子戦データ収集機)が、九州や沖縄付近の海上で何をやっていたのか、それがどういう意味をもつのかについて述べたいと思う。

もちろん記事にあるように「テストや訓練」といったノンキな話ではない。

よって今回は、軍事的専門技術の話がやや多くなるかと思うが、最後までおつきあい願いたい。

 今回初めて確認されたという中国軍の偵察機が、何をしていたかについてだが、画像でもあれば推測もしやすくなるが、ネットでそれを見つける事ができなかったので、電子戦データ収集機という言葉から、それを推測する。

偵察機というと、上空からカメラで地上の敵基地などを撮影して、フィルムを持ちかえって分析するようなミッションを想像される方もいると思うが、電子偵察機の本来のミッションは、それとは違う。

電子偵察機は敵の基地や艦艇、防空レーダーから出る、あらゆる種類の電波を収集し、解析するのがその任務である。

 中国軍は、このような目的に使用する電子偵察機TU-154MDを、およそ6機保有している事は、以前から知られていた。



TU-154MD 胴体下部のふくらみが電波を収集するアンテナ



TU-154MD(別タイプ)胴体下部のふくらみは開口合成レーダーとみられる

TU-154MDは機体をロシアから輸入し、電波収集のためのアンテナや各種電波を解析するための機器を国産したか、ロシア・イスラエル・フランスのいずれかから輸入してとりつけて完成させたものであろう。

今回はTU-154MDではなくて、別の新型らしく、中国軍がこのようなハイテク情報戦分野でも、軍備拡張を急いでいる事がわかる。

 今回の中国軍の新型電子偵察機も、おそらくは九州から沖縄にかけての自衛隊や在日米軍の基地や防空レーダーなどから出る電波を収集する目的で、日本に接近してきたものと思われる。

それでは何故このようなことをするのか、その意味についてだが、中国が日本に侵攻する場合、沖縄や九州に配置された防空レーダーサイトや、自衛隊、在日米軍の部隊間の通信などに、どのような種類の電波を使用しているかを知っておく事が、必要不可欠だからである。

 現代戦では、陸・海よりも空軍力がより重視される。

なぜなら、制空権をにぎった方が、陸・海の戦いでも優位に立つ事が、湾岸戦争など最近の戦争の教訓から、ますます明らかになってきたからで、

日本を侵略する場合、中国がまず狙うのは、日本の防空網(防空レーダーサイト・防空ミサイル部隊・防空戦闘機部隊)に壊滅的な打撃を与え、日本領空の制空権をにぎることである。

制空権さえにぎる事ができれば、海上での艦艇同士の戦いでも、日本の領土に中国軍海兵隊を上陸させて陸上戦を行っても、戦いを有利に進められるのである。

 よって、中国の日本攻撃の第一波は、電子戦術機によるジャミング(電波妨害)によって、日本の防空レーダーサイトに”目つぶし”をかけ、自衛隊の部隊間の通信を遮断して、指揮命令系統を混乱させ、各部隊を孤立させるような作戦になるが、

その場合、自衛隊の防空レーダーや部隊間通信に、どのような種類の電波を使用しているかわかっていなければ、ジャミングをかけることができない。

だから平時から、電子偵察機を日本に接近させて、自衛隊や在日米軍の電波情報を集めておく必要があるのである。

 また、日本が使用している防空レーダーサイトや”パトリオット”のような防空ミサイルの対空レーダーの電波情報がわかっていれば、対レーダー・ミサイルを使用する事ができる。

対レーダー・ミサイルは、パッシブ・レーダー・ホーミングといって、ミサイルに敵のレーダーが使用している電波情報を入力してやることで、発射すれば、その電波の発信源にむかって自動的に飛んでいくという誘導システムを備えた、ミサイルである。

中国はロシアから輸入したスホーイ30MKK戦闘爆撃機に搭載できるKH31P対レーダーミサイル(NATOコード名 AS17”クリプトン”:最大射程160~200km)を保有していると言われる。

 前述の第一波攻撃で、中国の電子戦術機が”目つぶし”をかけるのと平行して、この対レーダーミサイルを使用して、日本の防空レーダーサイトやE-767空中早期警戒管制機、あるいはパトリオット防空ミサイル部隊、イージス艦などを破壊する。

さらに、スホーイ30MKK戦闘爆撃機や紅鳥(HN)巡航ミサイルなどを使った先制攻撃で、沖縄や九州の自衛隊基地を破壊して、日本の戦闘機が迎撃に飛び上がる前に、全滅させてしまえば、沖縄・九州の空は、中国のものになる。

 日本の制空権を握ってしまえば、陸上自衛隊の基地や海上自衛隊の軍港など、日本の重要な戦略目標を好きなように空爆できるし、中国軍海兵隊を任意の島に上陸させるのも容易になるというわけだ。

 もちろん、これは最悪のシナリオが現実のものとなった場合の話であって、こちらも指をくわえてポケーッとしているわけではない。

自衛隊や在日米軍は、このような中国軍の脅威に対処できるよう、日々の訓練に励んでいるはずである。

ただ、中国がどういう意図を持って、電子偵察機を日本に接近させたのか、皆さんによく理解してもらうために最悪のシナリオを紹介した。

 日本人の戦争体験は第二次大戦で止まっており、平和ボケが懸念される。

現代戦は、情報戦・ハイテク戦の分野での進歩が著しく、もはや60年前のように、B29のような巨大な爆撃機がいきなり日本にやってきて爆弾を落としていくような戦争の時代は、とっくに過ぎている事を肝に銘じて欲しい。

特に、防衛庁長官や陸海空幕僚長など、文官・武官の別なく、安全保障担当の指導者は、現代の情報戦・ハイテク戦を精力的に研究し、タブーを設けず、必要な装備・兵器は実戦部隊にとりいれ、現代の情報戦・ハイテク戦にいかようにも対処できるようにしておかなければならない。

日本はアメリカというハイテク戦のすばらしいお手本と共に歩んでいるのだから、なおさらである。

 ところで、まさか日本の安全保障部門のトップである防衛庁長官が、ハイテク情報戦について、クロフネ程度の基礎的な知識さえ持ち合わせていない、なぁんて事は無いですよね?

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中国から日本の選挙有権者へのメッセージ

自民党の歴史的圧勝で、小泉改革は支持さる

  • 2005/09/12(月) 23:51:33

 11日に投票が行われた、第44回衆議院議員選挙は、自民党の圧勝に終わり、自民党単独で絶対安定多数の269議席を上回る、296議席を獲得した。

 前回コラムで、国民の良識が問われる選挙と述べたが、日本の民度も捨てたものではないと感じさせられた。

政策が良ければ、国民(特に無党派層と呼ばれる人達)は選挙に行き、よりよい政策を掲げていると思われる方に投票するという、良い前例になったのではないだろうか。

今回の選挙を教訓として、票と利益誘導のバーター取引を約束した、小さな利益集団の組織票に頼らない、政策本位の選挙が根付いてくれれば、日本はさらに進歩した社会になるだろう。

 多くの国民の支持を得て、絶大なるリーダーシップを発揮するチャンスを与えられた小泉首相には、”三位一体の改革”を万難を排して実行してもらって、高度経済成長期からひきづってきたために制度疲労をおこしている、日本の社会・経済システム全体を改革して頂きたい。

 また、内政ばかりではなく、外交・安全保障の分野についても、安定した支持基盤が与えられたのであるから、日本の絶対に譲れない価値観である、自由で豊かで安全な民主主義国家の維持と、自由貿易体制の拡大のために、是非ともブレのない外交を実行して頂きたい。

 首相も十二分にご承知の事と思うが、今回の選挙の大勝利は全ての始まりである。

21世紀にはいって東アジアでは、軍拡志向の独裁大国が急速に国力をつけてきている。 こう言っては失礼だが、まだまだ日本は、イギリスのような老大国になって、隠居するわけにはいかない。(イギリスは高度な民主国家に囲まれているから、まだいい)

独裁大国からの内政干渉や軍事的な威嚇をはねのけて、日本の価値観と独立と安全を守るためにも、次の時代にふさわしい政治・経済システムを構築し、”失われた十年”から脱出して、彼らと競争していかなければならない。

人口の減少が予測される21世紀以後も、経済力・軍事力を維持拡大し、外交力をきたえて、日本の総合国力を発展させなければならないのである。


それは単に日本人のためだけでなく、国力の小さな国に住む、自由と民主主義を愛する、アジアや世界の人々のためでもある。

 次の時代のために、政治・経済システムを改革し、今はまだ余裕のある国力を、戦略的に投資しなければ、現在の国力の維持さえ困難だろう。

ろくに人の通らない道路を、予算年度末になって、あわててほじくり返して、すぐにまた埋め戻すようなバカバカしい事に、国力を浪費するわけにはいかないのである。

こうしたことは、国家全体の利益よりも、政官財の小さな利益集団の権益を優先させるシステムが温存されてしまったために繰り返されている。

その意味でも、小泉首相がかかげる”三位一体の改革”に期待したい。
改革は「待ったなし」である。

投票直前・マニフェスト比較!

  • 2005/09/11(日) 01:06:23

 いよいよ、衆議院選挙の投票日をむかえた。
是非、有権者のみなさんには投票に行って、自らの未来を決める選択をして欲しいと思う。

 さて、今回の選挙ほど、国民の良識が問われる選挙もないと思う。
つまり、90年代のはじめから日本がハマってしまった”失われた十年”から脱出できるかどうかが、国民の選択にかかっているのである。

 戦後日本の高度経済成長期を支えたシステムは、族議員・官僚・財界人のもたれあいの構図、いわゆる政官財のトライアングルだった。

しかし91年のバブル経済崩壊と、リクルート事件の記憶も新しい宮沢政権下でおこった、92年の佐川事件などの汚職疑惑連発で、高度経済成長期の遺物である、政官財のトライアングル・システムも限界を迎えていた。

そして93年の総選挙で、国民は自民党にお灸をすえ、永遠の与党と思われていた自民党は下野し、日本新党・新生党・社会党・さきがけなどの連立政権・細川政権が誕生した。 

これで日本は新しい時代を迎えたかに見えた。

 しかし、新生党の小沢氏と社会党(現・社民党)・さきがけの対立が表面化。 社会党は首相のイスに目がくらんで連立政権を離脱し、自民党と組んで、社会党の村山富一氏を首相とする新政権を発足させた。

これによって自民党は何の反省も無く政権与党に返り咲き、政官財の癒着は温存された。日本の改革を捨てて、自党の利益を最優先させた社会党(現・社民党)は万死に値しよう。

この村山政権は不況からの脱出にも失敗し、国債発行額はどんどん増えて日本の財政は悪化、こうして日本は”失われた十年”から脱出するチャンスを失ったのであった。

 ところが、ひとりの”変人”が、政官財のトライアングル・システムをぶっ壊そうと動き出した。 小泉純一郎氏である。

彼は郵政民営化をすすめて、日本の財政を立て直そうと主張している。

それは自民党内の族議員・郵政族と、郵政族に票を投じる支持母体・郵政省関係者の利益とは真っ向からぶつかるものだった。

むかしの自民党なら、族議員とその支持母体を守るのに必死で、自民党の痛みを伴う改革など、できなかっただろう。 

しかし小泉氏は、痛みを伴う郵政改革案を実行に移した。

だが、郵政族は「国破産しても郵政あり」とばかりに激しく抵抗し、民主党も郵政族と共に反対票を投じ、参議院で郵政民営化法案は否決された。

小泉氏は衆議院を解散して、改革のイエスかノーかを国民に問うたのが今回の選挙である。

 ところで今回の選挙で、争点が郵政民営化だけなのはおかしいという意見がある。

しかし、郵政民営化の問題は、時代遅れになった政官財の癒着トライアングルの、いわばシンボルであって、今回の選挙では、政官財のトライアングルをぶっこわすのにイエスかノーかというのが、本当の争点だといえるのではないだろうか。

 戦後20世紀の高度経済成長期は、官の影響が大きかった。その象徴と言えるものが日本国有鉄道(国鉄)である。

国鉄はどんな田舎にも鉄道サービスを提供するためにどんどん路線を伸ばしていくという、ユニバーサル・サービスの象徴だった。

しかし北海道の、人よりクマの方が多く住んでいるような地域にも列車を走らせ、100円の利益を出すために数千円のコストがかかるような赤字路線を続々と誕生させた。

赤字国鉄はいきづまり、分割民営化されJRとなった。

 21世紀の現在、政官財のトライアングルが支える、中央集権の大きな政府が、全国一律のユニバーサル・サービスを提供するようなシステムは、とうの昔に限界に来ていると思う。

外交や安全保障、通貨政策といった中央政府がやらなければならない仕事をのぞき、できるだけ地方自治体や、民間企業にまかせて、地方自治体同士あるいは民間企業同士を競争させる”分権社会”が、これからの日本に求められるシステムではないだろうか。

日本の戦国時代は、分権制度による競争社会の代表例だが、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康をはじめ、武田信玄、上杉謙信、伊達正宗、毛利元就と、キラ星のごとく優秀な人材を輩出した。 社会も経済も進歩の速かった時代である。

また徳川幕府という中央政府が行き詰まった時、日本を変えて明治維新を成し遂げたのも、坂本竜馬や大久保利通、伊藤博文といった地方が生み出した、優秀な人材だった。

これまでの全国一律の時代は、地方がみんな東京並みになる事をめざしていたが、これからは地方が、独自の魅力を活かしながら、住民によりよいサービスを提供できるよう競争するような分権社会が必要だと思う。

 以上の点を踏まえると、私には自民党のマニフェストの方がわかりやすかった。
 
民主党は自民党のマニフェストと似ているが、皆さん御存知のように、年金制度に力点を置いている。

年金の一元化のために年金目的消費税の導入を明記しており、また公務員の定員を減らすという自民党に比べ、民主党は人件費引き下げと、分権化と小さな政府への掛け声のトーンは落ちている。

民主党は、郵政民営化法案に反対票を投じ、後になって郵政改革を訴え始めたが、分権化による小さな政府への努力が足りないように感じた。

皆さんはどう感じただろうか?

自民党のマニフェスト

民主党のマニフェスト

中国から日本の選挙有権者へのメッセージ

  • 2005/09/10(土) 09:08:42

 日本が排他的経済水域(EEZ)と主張する東シナ海の日中中間線付近に、中国が開発を進めている春暁ガス田の周辺海域で九日、中国海軍のミサイル駆逐艦など五隻が活動しているのを警戒監視飛行中の海上自衛隊第一航空群(鹿児島県鹿屋基地)所属の哨戒機P3Cが確認した。

「日本へのなんらかの示威行動の可能性も考えられる」(防衛庁関係者)との見方もでている。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050910-00000006-san-pol



 さて、中国がなぜこのような行動に出たかであるが、防衛庁関係者の言をひくまでもなく、武力を使った日本への脅迫(おどし)なのは間違い無い。

「中国は歴史的にみて、かわいそうな被害者なのだから、絶対に悪いことをするはずが無い」という信仰にとりつかれている人達には、お気の毒だが、今回は「船が故障して間違って近づいてしまった」という言い訳は使えない。

今回の中国の行動は、チンピラが弱そうな人に目をつけて、ナイフを見せつけながら、「カネを置いていけ! でないとケガするぜ。」とすごんでいるのと大した違いは無い。 もっとも今回のターゲットはカネではなく、日本の経済水域に眠る海底資源(石油・天然ガス)だ。

 しかし、クロフネが最も注目するのは、なぜ衆議院選挙直前のこの時期に、中国が日本に対して、このようなおどしをかけてきたのか?ということである。

理由の1番目は、「日本が現在、権力の空白状態にある」ということだろうと思う。

投票日を数日後に控えて、小泉首相をはじめとする日本の指導者層は、選挙運動に気を取られているし、今後の日本の運命を左右するような決断は、政権を獲得する事が決定するまで、下しにくい。

だから中国が軍艦を派遣して、日本におどしをかけても、日中武力衝突に発展する可能性が一番低いのが、今なのである。

中国側にとってリスクの一番低い、今の時期に軍艦を派遣して、日本におどしをかけるとともに、日本に自国の海底資源を守る覚悟が、どれくらいあるのか試しているのである。

 もし、日本が中国側の軍事力を使ったおどしに”ビビッて”何もしなければ、中国は「我々の脅迫にビビッて、日本は自国の海底資源をあきらめた」と判断して、

今回、日本の経済水域境界ラインの手前で引き返させた中国の戦闘艦を、次回は日本の経済水域ライン(日中中間線)を越えて進出させて、東シナ海の大半を中国の海とする、既成事実を作ろうとするだろう。

 このような状況で、日本はビビッて何もできないかのようなサインを、中国に送るのは非常に危険で、かえって武力衝突を招きかねないのは、歴史が教えるところである。(第二次大戦直前のミュンヘン会談しかり、朝鮮戦争しかりである)

選挙後に、日本は速やかに自衛隊艦艇を派遣し、中間線の内側付近を航行させるべきである。 現場にとどまる必要は無い。1回行って帰ってくれば今は充分である。

しかしその場合は、中国が今回、中国最強の戦闘艦を出してきたように、日本もイージス艦を含む、海上自衛隊最強の艦艇を、中国にみせることが必須である。

 日本の権力の空白期という、リスクの一番低いこの時期に、中国が軍艦を派遣してきたことからもわかるように、中国政府は日中武力衝突が現実になることは今のところ望んではいないだろう。(一部の軍人はどうかしらんが)

なぜなら、中国へ向かう原油タンカーや中国から輸出される工業製品を積んだ貨物船が通る東シナ海が戦場となれば、中国経済は大打撃を受けて、株価・通貨人民元・土地は暴落し、バブル気味の経済は瞬時に崩壊する。

中国は利益にならないことはしないし、イージス艦4隻を保有する日本相手に海軍力で勝てる見込みが薄いこともわかっている。しかし、それも「日本がビビッたところを見せない」というのが大前提であるのをダメ押ししておく。

 そして二番目の理由だが、日曜に行われる衆議院選挙の投票日をひかえた、日本の有権者に対するメッセージもあるのではないか。

つまり、「中国に逆らう小泉氏ひきいる自民党が今度の選挙で勝つと、日中の対立は悪化して、取り返しのつかないことになるぞ。戦争になるかもしれないぞ。」という中国の、日本の有権者に対するメッセージではないだろうか。

「中国はかわいそうな被害者で悪いことはしない」と信じて疑わない、一部の人達は「また妄想デンパを飛ばして」と笑うかもしれないが、残念ながら歴史的な前例がいくつもあるのである。

 1996年に台湾で、はじめて総統(大統領)をえらぶ選挙が行われたが、当時の現職の李登輝候補は、中国政府にとって気に食わない不倶戴天の敵だった。

そこで中国は、なんと驚いたことに台湾の沖合い数十キロに、軍事演習と称して、核弾頭をはずした弾道ミサイルを撃ちこんで、「中国に逆らう、李登輝が再選を決めたら、台湾と中国は戦争になるかもしれないぞ」というおどしを、台湾の有権者達にかけたのだ。

http://www.mainichi.co.jp/
syuppan/economist/040302/1.html


(ミサイルの落下地点は日本の領海や与那国島にも近く、巻き添えにならないよう、沖縄の漁師さん達が、しばらく漁をできなくなって大損害をこうむった)

 しかし、台湾の有権者は、中国の露骨なおどしに、ビビるようなことはなかった。  台湾国民は、中国に”逆らう”李登輝氏に投票し、彼を再選させたのである。

それで「あんなことして反省している。台湾にすまなかった。」などとは夢にも思わないのが中国という国である。

次の2000年の総統選挙のときは、中国の朱鎔基首相がテレビに登場して、凄まじい形相で「(中国に逆らう)陳水扁が総統に当選したら戦争になる」とほのめかして台湾国民をおどし、戦争危機を煽ったが、台湾国民は中国のおどしをはねのけて、陳水扁氏を総統に選出した。

 あす投票日をむかえる、日本の次のリーダーを決めることになる衆議院選挙。

中国海軍の最強軍艦の派遣という、おどしのメッセージを受けた、日本の有権者も、1996・2000年の台湾国民と同じように、試されていると思う。

中国からのおどしを跳ね返して、日本人が自分達のリーダーを自主的に決められるか

それとも

中国のおどしに負けて、中国のお気に入りの人間を日本の首相にするか

日本国民は、自分達の将来を決める、重大な分かれ道に立たされている。


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ハリケーンと日本の主権

主権を委譲した香港の悲劇

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中国海軍艦艇の詳細な写真はこちら(海上自衛隊提供)

 クロフネ特製のrecognition book(本来は各国海軍が備えている、外国海軍の艦艇の名前を割り出す資料のこと)をめくってみると、ペナントナンバー137の艦艇は、ロシアで建造されたソブレメンヌイ級(中国では現代級と呼ぶ)駆逐艦”福州”であり、

江湖(ジャンフー)級フリゲートの二隻は、ペナントナンバー515が”厦門”、517の方が”南平”で、いずれも東海艦隊の所属。 東海艦隊は上海周辺の複数の軍港を母港としている。

ペナントナンバー886の大型艦は、2003年に建造されたばかりの新造補給艦で、最近になって東海艦隊に配備されたのだろう。

そして851は、東海艦隊に所属している、仮想敵国の軍艦や基地から出る電波を傍受して解析するスパイ艦・”東調232”と艦型がそっくりなので、その同型艦か、単に”東調232”のペナントナンバーが変更されただけかもしれない。

主権を委譲した香港の悲劇

  • 2005/09/09(金) 23:56:08

 8日付の香港各紙によると、ジャーナリスト保護などに取り組む”国境なき記者団”(本部・パリ)はインターネット検索サイト”ヤフー香港”が国家機密漏えいで逮捕された中国紙記者の情報を中国公安当局に提供していたと非難する声明を出した。

報道によると、中国政府による国内メディア統制に関係する情報を、海外ウェブサイトで発表したジャーナリストのインターネット利用情報を、ヤフー香港が中国公安当局に提供し、そのジャーナリストは逮捕されたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050909-00000038-mai-int


 1990年代はじめに、”上からの改革”ではあったものの、香港の民主化は大きく前進し、1992年に香港総督に就任したクリス・パッテンによって、民主化は加速された。

選挙制度の導入や言論・集会・報道の自由、そして立法権と行政権の分立がすすめられ、これによって香港の民主主義は、よちよち歩きをはじめたのだった。

当時、香港の返還と主権の委譲をめぐってイギリスと交渉していた中国は、パッテン総督の民主化政策を、執念深く攻撃したが、パッテン総督はひるむことなく、改革を前進させた。

 そもそも、イギリスとの香港返還交渉において、中国は「返還前の香港の社会・経済制度及び生活様式の維持を50年間保証する」という、いわゆる”一国二制度”(それは香港の憲法とも言うべき、”香港特別行政区基本法”の第5条でも明記されている)と”港人治港”(香港は香港人が治める)を約束した。

 そして1997年7月、香港の主権はイギリスから中国へと委譲されたわけだが、”一国二制度””港人港治”はあくまでもタテマエであって、香港の民主主義は、北京の共産党政府によって、静かに、しかし着実に骨抜きにされていった。

 香港の主権を手に入れた中国は、さっそく香港の政治制度に手をつけ始める。

まず、香港の大統領ともいうべき行政長官に、親中派の董建華氏をすえて、行政長官の政策諮問機関として設置されている行政会議のメンバーも親中派で固めた。

行政長官は、今現在も香港市民が直接選挙で選ぶことは許されていない。

さらに、行政会議のメンバーは、香港の国会にあたる臨時立法会(現・立法会)の議員を兼任しており、パッテン総督がすすめた、行政権と立法権の分立を破壊するものであった。

1998年5月に実施された、第一期立法会選挙(国会の選挙にあたる)では、職能団体別選挙の有権者数を、パッテン総督時代に行われた95年選挙の約270万人から約20万人に激減させるとともに、直接選挙をパッテン時代の小選挙区制に代えて、弱小政党に有利な比例代表制に変更させた。

これは、多数派の民主派政党、”民主党”の力をそぎ、不人気な親中派政党である”民主建港連盟”や”自由党”を助けるためだったと言われている。

そして今まで届け出制であった集会やデモも実質的な許可制として、「中華人民共和国の領土保全及び独立自主など国家の安全のため」には、結社やデモを禁止できるようにした。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/
area/hongkong/97/q_a2.html


 こうして香港は、中国共産党による香港支配が脅かされない程度なら、選挙やデモ、言論の自由を認めるが、

今回、ヤフー香港に密告されたジャーナリストのように、中国共産党の支配に異議を唱えたり、中国の香港支配体制にちょっとでも手を触れると、たちまち逮捕されたり、圧力や経済的な不利益を受けるような、みせかけだけの民主主義体制になってしまった。

イギリスから中国へ主権が委譲されたために、アジアでは先進的な社会を持つ地域の一つだった、香港の民主化の時計の針が、巨大で遅れた途上国・中国によって逆転させられているのである。

 日本がもし、中国に主権を委譲するような事が現実となれば、香港でおきた悲劇が日本でも起こるだろう。

私達日本人の選挙権は奪われて、中国共産党が日本人の未来を決定するだろう。

中国のやり方に反対する、ブログのようなネット言論も、ヤフー香港がやったように、たちまちIPをさらされて逮捕され、絶滅させられるのは、間違い無い。

日本の民主主義の時計の針を逆転させてはいけない。

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ハリケーンと日本の主権

ハリケーンと日本の主権

  • 2005/09/05(月) 23:41:02

 アメリカ南部を直撃した、超大型ハリケーン・カトリーナと、それに伴う洪水などが原因で、一説に数千人の犠牲者を出すという、アメリカ史上最悪の自然災害が現在おこっている。

ハリケーンの被災者や洪水の犠牲になった皆さんには心からお悔やみ申し上げると共に、1日も早い復旧を祈るばかりである。

 さて、今回のハリケーン災害は、まず被害の規模の大きさに驚かされたが、無政府状態となった被災地で、住民による大規模な略奪行為が発生した事にも驚かされた。

http://news.goo.ne.jp/news/
asahi/kokusai/20050901/
K2005083103360.html?C=S


実際に略奪行為におよんだ住民の一人は「生き延びるためには仕方が無い」とTVのインタビューに答えていた。

確かに、救援隊の派遣が遅れ、食料や生活物資の配給も無いなかで生き延びるためには、致し方ない面もあるだろう。

 しかし、略奪行為は、宝石店や電気店など、当座の飢えをしのぐのに必要な物とは関係の無い、金目のモノまで略奪されているから、すべての略奪行為をそれで正当化するのは、ちょっと無理があるのではないだろうか。

ただ、略奪行為に参加した人々の多くは、アフリカ系アメリカ人だったこともあり、”人種差別主義者”のレッテルを貼られることを恐れて、彼らのそうした行為を批判することは、アメリカ社会ではタブーとなっているようである。

 こうした略奪行為をまざまざと見せつけられて思うのは、「国家や警察・法律(主権と言い換えても良いだろう)が無くなると、人間社会というものはどうなるか」という事である。

アメリカ南部被災地での略奪行為が、やむを得ないものだったか、それとも絶対にやってはいけないものだったかはともかく、ふだん市民に法律を守ることを強制する警察がマヒ状態に陥った事で、市民同士が突然、生活物資を奪い合う戦いをはじめてしまったという事実は、世界中の多くの人が目撃した、動かしようの無いものである。

しかも、銃を持つ強者が銃を持たない弱者を撃ち殺して飲料水を奪うといった、悲劇も起こっているようだ。 まさに、強いものが報われ弱いものが罰せられるという、弱肉強食の世界が展開しているのである。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050901-00000015-yom-int&kz=int


 もし日本が大規模災害に見舞われても、アメリカのような銃撃戦をともなう大規模略奪が起こる可能性は低いかもしれない。 しかし、住民の避難が終わった被災地での空き巣狙いは、新潟や三宅島などで何件も起こっている。

 私達日本人の平和な市民生活というものは、決して、何もしなくても始めからそこにあるものではなく、

国家がしっかりと存在して主権を行使するために、軍隊が国を守り、それによって警察がうまく機能して、市民全体に法律を守らせることによって、はじめて平和な市民生活が確保されるものであること、

そして国家や法律、それらを守る軍隊と警察(ひっくるめて主権と言い換えても良い)のありがたさを痛感させられる。
 

 日本では民主党などの左翼リベラル勢力や”進歩派知識人”といった人々が、国家や軍隊・警察を悪と決めつけて、それらが無くなれば、世界市民による”地上の楽園”が出現するかのような妄想を、しばしば垂れ流しているが、

彼らの言うとおりにして、国家や軍隊・法律や警察を廃止する(つまり主権を失う)といった愚かな事をすれば、人間社会は世界中の人々が目撃したように、アメリカに突如として出現したような”地上の地獄”へと転がり落ちていくことになるだろう。

 また、「自衛隊を廃止したら外国に侵略されて、外国の軍隊がどうどうと日本に入って来るじゃないか」と批判された左翼リベラル系の人々は、「だったら日本人は、外国軍に降参すればいい」と反論することがある。

しかし彼らの言う通り、「武器を捨てて降参さえすれば、平和な市民生活が戻る」と思ったら大間違いである。

アメリカで銃を持つ強者が銃を持たない弱者を撃ち殺して飲料水を奪うといった悲劇が起こっているように、銃を持つ強者としての外国の兵士が、銃を持たない弱者としての日本国民から、食料や財産、いや日本人の命さえも、力ずくで略奪していくだろう。

歴史をふりかえれば、国家が無くなり、法律や警察や軍隊が無くなること(主権を失うこと)によって、このような悲劇が何回も起こってきた。(それはたいてい、その国が戦争に負けた時や、内戦が勃発した時に起こる)

「国家や軍隊、警察を無くせ」などと言う人々は、そのような歴史の教訓をすっかり忘れ、洞察力も想像力も失った人達であると言わざるを得ない。

ましてや、民主党の、主権、つまり日本国民が国家や法律・警察を持つ権利であり、日本人が自分達の将来を自分達で決定する権利を、外国にあげてしまうべきだといった主張は、日本を”地上の地獄”にする、自殺行為に他ならない。

 今、中国では政府が決定した工場やダムの開発計画によって、強制的に住む所を追放された人々が、首都・北京やその他の大都市に殺到して政府に直訴するといったような事が、深刻な社会問題になっている。

http://www.toonippo.co.jp/
tokushuu/danmen/danmen2004/
0306.html


http://www.epochtimes.jp/jp/2005/06/
html/d49388.html


しかし、家や土地を奪われた人々が、裁判で土地を取り返そうとしても、独裁権力を握る共産党が裁判を起こす事さえ許さないし、たとえ、裁判が起こせたとしても、土地を奪った企業が裁判官にカネを握らせて、無罪を勝ち取ってしまうという結果に終わるのが、関の山である。

 民主党が主張するように、アジアに日本の主権を委譲すれば、それがたとえば中国だったら、日本でも同じ事が起こるということである。

その場合は中国が日本の主権を行使し、中国政府の決定にしたがって、日本人が自分の土地を強制的に追われ、日本人が中国政府に抗議をすれば、中国の兵士によって容赦無く撃ち殺され、戦車にふみつぶされるだろう、天安門事件のように。

「独裁国家・中国で生きていく」ということは、「日本人ひとりひとりの将来を、自分達で決めることができない」ということであり、「それに対して不満を言ったり、抗議したりする権利さえ失う」ということだ。もちろん全ての日本人から選挙権が奪われる。

そうなってから、日本人が日本の主権を持つ、つまり日本人が自分達の未来を決める権利を持つことのありがたさが、わかったとしても遅いのである。


主権というものは空気のように、多くの日本人にとって、普段はほとんど意識されないものだ。 しかし、空気が無くなれば人間が即死する事を忘れてはいけないように、主権のありがたさを日本人は絶対忘れてはならない。

民主党が主張するように、日本の主権を誰かにあげてしまうなど絶対に許されることではないのである。

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正義の力から、力の正義が取り上げられる日など、私は見たくない。

ウインストン・チャーチル



自由と独立は我々の財産の中で最も尊いものである。
自由と独立は断じて与えられるものではない。
自由と独立は絶えず守らねばならない権利であり、言葉や抗議だけでは決して守ることができないものである。
それは手に武器を持ってはじめて得られるものである。

スイス政府編纂”民間防衛”より


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中国の日本資源略奪に、韓国企業が協力

  • 2005/09/01(木) 23:29:16

 中国の国策石油企業・中国海洋石油(CNOOC)が、東シナ海の「春暁」ガス田の生産を9月に開始すると表明したことについて、日本外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は、「極めて遺憾で、中国側の自制と責任ある対応を求める」と抗議した。

http://headlines.yahoo.co.jp/
hl?a=20050831-00000137-jij-pol


このように外務省は抗議しているが、中国に、国際法の正義に基づいて自らの行動を冷静にふりかえり、自制するような能力があったなら、そもそもこのような問題は起こらないのであって、そのような抗議はへのつっぱりにもならないだろう。

日本もすみやかに、ガス田開発をすすめ、中国に対するODAを全廃するなどの実力行使によって、日本の真意を正しく相手に伝えることだけが、問題を解決するのである。


 この中国の無法な日本の海底資源吸い取りも非常にゆゆしい問題なのだが、さらにゆゆしい事実を最近クロフネは知った。

雑誌・”世界の艦船”10月号に、尖閣諸島など東シナ海をパトロールする海上保安庁の哨戒機のレポートが掲載されていたのであるが、そこには現在日中間で問題となっている、”春暁”ガス田付近でケーブル敷設作業をしていると思われる、韓国企業KT(コリア・テレコム)所属の海底ケーブル敷設艦の空撮写真が載っているのである。

http://www.ships-net.co.jp/detl/
200510/014-015.html

(右ページいちばん下の写真の白い船がそれ)

”世界の艦船”によれば、これは中国のガス田掘削リグと中国本土を結ぶ、通信網構築のためとのことである。

なんと韓国企業が、中国の日本の海底資源略奪に堂々と協力し、そのおこぼれにあずかろうとしているのだ。

 さらにネットで調べてみると、知らなかった事実がぞくぞくと出てきた。
(日本の大手マスコミは、どうも頼りにならない)

「人民網日本語版」2005年4月21日 によると、浙江省寧波市三山から春暁ガス田までの全長470キロメートルの海底ガスパイプライン敷設とテスト運転を、韓国の財閥企業・現代重工業が受注していたのである。(現在は知らんが、現代重工業といえば、あの鄭夢準が顧問をしている会社である

東シナ海の日本の海底資源を中国が盗み、韓国企業がパイプラインをつくってやって、それを中国本土まで運んでやるというわけだ。

毎度の事ながら、韓国は、国も企業も、日本に友人を装って近づきながら、こちらが後ろを向いた瞬間に、ナイフをさしてくるような事をやってくる。

そのようなヒキョウなマネを恥も外聞もなくやりながら、自分達が困った事態に陥ると「日本は許せない敵だけど、韓国が困った時は助けろ」と言ってくるのもおなじみである。


 現代重工業やKTといった韓国の大企業が、日本の主権を侵害する中国の資源略奪行為に、堂々と加担していた事について、なぜ日本政府はスルーしてきたのか?

現代重工やKTは、川崎重工やNTTといった日本企業から多くの協力を受けてきた。 しかし、韓国企業の日本裏切り行為をだまって見過ごして協力を続けることは、「日本は韓国企業の日本裏切りを許可します」と言っているようなものである。

日本政府はただちに、中国の資源略奪に参加した韓国企業にたいして、日本企業との取引・協力の一切禁止といった制裁措置をとるべきである。

 こういった実力行使を求めると、日本国内から必ずといって良いほど「そんなことしてはダメだ。日本は大人の態度で冷静になるべきだ。」といった意見が出てくる。

これまでの日中・日韓関係を、日本を会社、中国や韓国を社員の関係に例えると、中国や韓国といった社員はろくに仕事もせず、それどころか会社のカネを使いこんで、日本という名の会社に損害を与えつづけているような関係だったと言える。

働かない社員・不良社員は、給料を減らしたり、クビにするなど、会社側が実力行使をするのは当たり前のことである。

しかし、民主党など一部の政治家や外務官僚、左翼系知識人の言い分は、「彼らの立場をよく理解し、中国・韓国には、働かなくても会社のカネを使いこんでも、給料をたくさんあげれば、いずれ働き者の優秀な社員になるのだ」と言って、日本という名の会社の株主である日本国民を説得してきた。

そして実際、働き者の優秀な社員以上の給料(ODAなど)を長年にわたって払ってきたが、仕事のサボリやカネの使いこみはひどくなる一方なのである。

それに対して「不良社員だからって中国や韓国の給料をカットしたり、クビにしたりするのは、感情的な行為だ。日本という会社による社員への脅迫行為だ。」などと彼らをかばってみても、まったく説得力が無い。

 どんなにサボっても、どんなに会社のカネを使いこんでも、高い給料をくれるマヌケな日本という会社をみて、中国や韓国といった不良社員は、「日本っていう会社はホントにバカだな。もっとサボってやろう」と思うことはあっても、会社を尊敬して「一生懸命働こう」などと考えることなどありえない。

なぜなら、もし日本という会社と中・韓の不良社員組が逆の立場だったら、つまり中・韓がその会社の社長や常務取締役で、日本が不良社員だったら、

日本がどんなに仕事をサボっても高い給料を出しつづけるといった、マヌケな行動をする事などありえないし、そのようなマヌケな行動を中・韓は最も嫌うからである。 当然、中・韓が社長だったら、日本という社員が仕事をサボったら即座にクビにするだろう。

 中国や韓国・北朝鮮に対して「実力行使なんて感情的なことをしてはダメだ。日本は大人の態度で冷静になるべきだ。」などという寝ぼけた事を言う日本の政治家・外交官は、中・韓の立場に立って物事を考える能力が決定的に欠けており、日本人というカラを破れない彼らが自分達の価値基準でしか物事を考えられないために、そのような誤った結論が出てきてしまうのである。

 まじめに働き、結果も出している優秀な社員には高い給料を与え、仕事をサボリ、会社のカネを使いこむような不良社員は、減給かクビにするのは、世界の常識である。

日本という名の会社が、中国や韓国といった不良社員の給料を減らしたり、クビにしたりして、実力行使に訴えることによってこそ、彼らのような不良社員の問題行動をやめさせられるのである。

 日本の主権を侵害し、国益を損なうような国には、制裁をしたり、政治・経済・軍事・エネルギーなどあらゆる分野での協力・援助を一切ストップするといったムチを与え、

日本と真の友好関係を求め、日本の国益確保によく協力してくれる国にはアメを与えるといった、世界標準の外交が、日本も早くできるよう望むばかりである。


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